サステナブルにファッションを楽しめるアップサイクルブランド5選

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この数年でファッション業界でもSDGsやリサイクルにフォーカスした取り組みが進んでおり、SNSを中心にさまざまな情報が発信されています。
その取り組みのなかでも捨てられるはずだったものや材料を価値のあるものに作り直し、新しいプロダクトとして蘇らせる「アップサイクル」が注目されています。

本記事は、アップサイクルの概要と、日本各地で展開するアップサイクルのブランドについて紹介していきましょう。

アップサイクルとは?

出典:pexels.com

アップサイクルとは、商品の製造行程によって出された廃棄物や副産物、素材の損傷・劣化などで使えなくなったものを、デザインし直し、全く別の新しいプロダクトとして創り出すことを指します。

廃棄物を活用することでゴミの削減になるため、CO2の削減など環境問題解決のためのアクションとして、今、注目されているリサイクル手法の一つです。

例えば耐用年数を越えたソーラーパネルをテーブルとして利用したり、擦り切れたタイヤをカバンに作り変えたりと、アップサイクルは家具業界からファッション業界まで、さまざまな業界で注目されています。

アップサイクルの例

出典:pexels.com

実は私たちの身の回りにもアップサイクルの例があります。一例を紹介していきましょう。

・規格外野菜:スイーツやお菓子の素材として活用

・海洋プラスチックごみ:プレートやランプシェードのかさとして活用

・不要なパウダー系コスメアイテム:特殊処理してアート(絵)の素材として活用

・オフィスや学校の廃棄物:キャビネットや跳び箱を家具としてリメイク

・自転車チューブ:ベルトの素材としてリメイク

・破棄される生花:ドライフラワーとして活用

このように実にさまざまなアップサイクルのプロダクトがあります。視点を変えるだけで、新たな付加価値が生まれるということがわかりますね。

おすすめアップサイクルのファッションブランド

ユニクロやH&Mでは、不要になった衣料を回収し、それらを加工し、新しい衣服として生み出す取り組みが進んでいます。
こちらの2つ以外にも、独自のアイデアで、アップサイクルに取り組んでいるファッションブランドがありますので、おすすめを紹介していきましょう。

Öffen(オッフェン)

Öffen(オッフェン)は、今、深刻な社会問題になっているプラスチックゴミに着目。シューズの素材にペットボトルをリサイクルした糸を活用しています。製造工程を極力少なくすることで、工場のCO2削減にも尽力。
シンプル、かつ上品な雰囲気が漂うデザインは、ファンやフォロワーの心を惹きつけています。

Öffen(オッフェン)公式ホームページ

LOVST TOKYO

LOVST TOKYOは、廃棄リンゴから生まれた「アップルレザー」を中心に野菜やフルーツなどをアップサイクルしたリュックやハンドバッグなどを販売。リンゴを加工する際に出る大量のリンゴの絞りかす(皮や芯)をどうにかしたいと開発されたアップルレザー。
レザーの風合いを維持できるよう、適切な分量で樹脂と配合し、撥水性にも優れています。

LoVst-Tokyo 公式ホームページ

nest Robe

nest RobeのUpcycleLino(アップサイクルリノ)シリーズは、深刻な問題の一つである衣料ロスに着目。
裁断くずができるだけでないように自社工場で工夫を重ねたうえで、製作のプロセスでどうしても発生する裁断くずを再び糸にする方法を考案。裁断くずは細かく粉砕、原綿の状態にし、オーガニックのバージン綿と一緒に紡いで糸を作り上げています。自社の商品の裁断くずを原料とし、商品を作り、自社で売るという完全循環型の仕組みとなっています。
もともと糸からこだわって選定しているので、上質な生地の衣服が出来上がります。

nest Robe 公式ホームページ

SPINGLE MOVE(スピングルムーヴ)

シューズブランド「SPINGLE MOVE」は、広島県府中市に本社を構える株式会社スピングルカンパニーによる日本製ハンドメイドスニーカーブランド。こちらのブランドでは、「ONGAESHIプロジェクト」として、国内外から広島や長崎に送られる千羽鶴を、再生糸として加工し、シューズの生地としてアップサイクルをしています。
このプロジェクトには、千羽鶴が新しい製品に生まれ変わり、平和を願う人々の元に届いてほしいという願いが込められています。

スピングルムーブ 公式ホームページ

千羽鶴をアップサイクルした「ONGAESHIプロジェクト」コラボモデル

季縁

季縁は、京都を拠点にした着物リメイクのショップです。選りすぐりのヴィンテージ着物をメンテナンスし、新たな反物の状態にして、それを現代の生活に合うよう、ドレスなどへと再生。衣類の過剰生産に疑問を投げかけ、日本の美しい伝統文化を守っていく取り組みを行っています。
「祖母が使っていた着物のサイズが自分の体形とマッチしない」「箪笥に眠っている着物をどうにかしたい」という方のために、持ち込んだ着物のアップサイクルも行っています。

季縁-KIEN 公式ホームページ

アップサイクルアイテムで、エコとおしゃれを両立しよう

今回は、廃棄されるはずだったものを有効活用し、アップサイクルしたプロダクトを扱うファッションブランドをピックアップしました。洋服や靴、バッグを買おうとするとき、アップサイクルのブランドを選ぶことは、ファッションアイテムの大量生産にストップをかけ、ゴミを減らすというアクションに繋がります。

デザイン性と機能性が高いものが多く、エコであるのはもちろん、ファッションアイテムとして秀逸なものが揃うアップサイクルブランド。ぜひお気に入りのアイテムを見つけてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

writer

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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