2023年のファッションレボリューションウィークを振り返る。次に私たちができることは?

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名前の通り、ファッション業界に革命を起こそうとイギリスで立ち上がったファッションレボリューション(Fashion Revolution)。キャンペーンが立ち上がって10年という節目となる今年、4月24日のファッションレボリューションデーに合わせて、日本国内でも様々なイベントが開催されました。
今回はイベントを振り返りながら、持続可能なファッションの在り方と、私たちができることを考えます。

ファッションレボリューションとは?

ファッションレボリューション(Fashion Revolution)は、2013年4月24日にバングラデシュで起こった、ラナ・プラザビル崩落を契機に立ち上がった社会運動です。このような事故を二度と起こさないため、消費者側が企業・ブランド側に生産背景の透明性を問いかけ、ファッション業界を健全なものに変えていこうと2014年に始まりました。

関連記事:4月24日は何の日?ファッションレボリューションデーとは
関連記事:悲劇から10年。エシカルファッションの原点、ラナ・プラザ崩壊事故とは

“顔の見えない”洋服はどこから来るのか

私たちのクローゼットにある洋服のうち、労働者の働く環境や待遇が明らかになっているものはどのくらいあるでしょうか。スーパーではよく“顔の見える”野菜などが売られていますが、洋服にそのようなタグが付いていることはほとんどありません。

どうして生産者の顔が見える洋服が少ないのでしょうか。
大きな理由の一つとして、私たちが思っている以上に、衣服の生産には実に多くの人の手を必要とするためです。例えばコットン製品の場合、綿の栽培から始まり、紡績、加工、縫製、輸送などを経て私たちの元に届きます。

今年Fashion Revolution Japanが発表したレポート「#RememberRanaPlaza Collection 断念から考える日本のファッション産業の現在地 ラナ・プラザ崩落事故から 10 年目の考察と展望」では、衣服のトレースについて詳しく書かれています。

出展:#RememberRanaPlaza Collection 断念から考える日本のファッション産業の現在地 ラナ・プラザ崩落事故から 10 年目の考察と展望(pdf)

もともと多くの生産工程を辿る衣服ですが、グローバル化が進み生産拠点をコストが安い東南アジアに移す企業が増えてきたことなどで、サプライチェーンはさらに複雑化。メーカーでさえサプライチェーンを把握しきれていないケースが多くあるのが現状です。

ラナ・プラザ崩壊事故からもわかるように、洋服が低価格で手に入るようになった背景には、労働環境が守られておらず、生活を成り立たせるための賃金が支払われていないなどの問題が隠されている可能性があります。洋服を購入するときに、その洋服の生産背景を知ろうとすることが、私たち消費者には求められているのです。

「whomademyclothes?(誰が私の洋服を作ったの?)」という問いかけから始まったファッションレボリューションは、洋服を購入しファッションを楽しむ私たち全員が知っておきたいムーブメントです。

2023年4月、未来のファッションを考えるイベントが多数開催

ファッションレボリューションデーのある4月は、ファッションにまつわるイベントが全国で開催されました。主催者は学生や企業、研究者など様々。ファッション業界が抱える問題について知り、私たち一人ひとりにできることを考えるための1か月となりました。

Theater for Good

開催日:2023年4月2日
主催:村瀬悠 坂井ゆきね

Z世代による、Z世代のための映画上映会。ファストファッションの裏側に迫るドキュメンタリー映画『The True Cost』を鑑賞し、エシカルファッションについて語り合われ、社会課題に興味・関心をもつ同世代同士の交流を図る場ともなった。
主催者は2人の大学生で、そのうちの一人、坂井さんは大学内でエシカルファッションを楽しく広めるためのサークル「Around 20(あらとぅ)」を立ち上げて活動。同じく主催者の村瀬さんは学生の傍ら社会派カメラマンとしての活動も行う人物。

Plastic collection 2023

開催日:2023年4月8日

三重県の四日市市で開催されたFashion Revolution Japanのパートナーイベント。四日市市のイメージを「公害の街」から「漁網の街」へ塗り替えるべく、漁業で使われる漁網をアップサイクルしてファッションショーを開催。
イベントの発起人である吉田凱一さんの祖父が営んでいた漁網工場の廃棄漁網とプラスチックゴミから衣装や舞台装飾が作られ、エキサイト四日市・バザールというイベントで披露された。開催にあたってクラウドファンディングで資金を集め、会場となった商店街の協力も得て行われた。

『メイド・イン・バングラデシュ』オンライン上映会&トーク ~ファッションレボリューション企画~

主催:ピープルツリー
開催日:2023年4月23日

昨年日本でも上映された、バングラデシュの縫製工場で働く女性たちが労働組合を立ち上げるまでの奮闘を描いた映画『メイド イン バングラデシュ』。フェアトレード専門ブランドであるピープルツリーがファッションレボリューション企画として、メイドインバングラディッシュをVimeoにて限定公開した。鑑賞後は、ピープルツリーの鈴木啓美さんが映画について解説をするオンライントークがZoom上で行われた。

イベント詳細:https://www.peopletree.co.jp/special/frw2023/

ラナプラザの崩落事故から10年、「ザ・トゥルー・コスト」上映会&これからの10年のファッションをつくる『TEN』御披露目&決起会

開催日:2023年4月23日
主催:Enter the E

エシカルファッションセレクトショップであるEnter the Eが『The True Cost』の上映と、グループディスカッションを実施。 “10年後のファッション”を題に、参加者全員でエシカルなファッションをどのように実現していくのか語り合われた。イベント後半では、Enter the Eが新たにローンチするオリジナルアパレルブランド「TEN」についての紹介があり、バングラデシュへの訪問の報告や、植月さんが「TEN」に込めた思い、展望などを共有する場となった。現在、「TEN」プロジェクトの仲間「TEN CREW」の募集を兼ねたクラウドファンディング(https://rescuex.jp/project/45133)が行われている。

ソーイング竹内から学ぶ縫製工場のサステナビリティー

開催日:2023年4月25日
主催:FashionGood lab.

ファッションビジネス学会FashionGood研究部会が主宰するFashionGood lab.が、兵庫県にあるエコフレンドリーファクトリー、ソーイング竹内の竹内祐太さんをゲストに迎えて行われた、オンライン講座。
播州織の産地である兵庫県で、キッチン雑貨などファブリック用品の縫製を行っているソーイング竹内は、2004年に環境省が策定した「エコアクション21」の認定をいち早く受けた企業。さらに、竹内さんがクリエイティブディレクターを務めるオリジナルブランド「BF KITCHEN」はエコアクション21オブザイヤー2021で金賞を受賞している。
講座では、ソーイング竹内の環境経営や地域での取り組みなど、持続可能な運営についてのレクチャーやディスカッションが行われた。

ファッションと労働 – 持続可能なサプライチェーンを地に足をつけて考える –

開催日:2023年4月28日
主催:FashionGood lab.

東京都武蔵野市のフェアトレードタウン認定を目指す、フェアトレードむさしのの協力を受け、武蔵境駅近くの図書館「武蔵野プレイス」で開催されたFashionGood lab.主催のイベント。
イベントは、『繊維産業の責任ある企業行動ガイドライン』の編纂に携わったILO(国際労働機関)の田中竜介さんによるガイドライン解説と、繊維産業の研究者、縫製工場代表、セレクトショップ代表の三名によるクロストークの二部構成で行われた。

まだまだ続く2023年のFashion Revolution

洋服を購入するときに、「なぜこの値段なのだろう?」と一度考えてみることや、ファッションレボリューションのような活動に参加してみることは、私たち一人ひとりができる大切なアクションです。
今年Fashion Revolution Japanは、Fashion Revolution Week(4月22日~29日)期間中にとどまらず、6月に表参道のGYLEにてトークイベントと展覧会を開催します。今年ますます盛り上がりを見せるFashion Revolutionに参加してみては?

Fashion Revolution Japan 公式ホームページ:https://www.fashionrevolution.org/asia/japan/

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この記事を書いた人

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ファッション大好き人間。学生時代に卒業論文でファッションについて研究テーマとして扱い、以来ライフワークとしてエシカル/サステナブルファッション界隈で活動している。 普段は某ライフスタイル雑貨チェーンで販売員として従事。 趣味は、商業施設の催事を巡ってSNSでレポートすることと、ハンドメイドアクセサリー製作。

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