米アカデミー賞®を主催する映画芸術科学アカデミーは現地時間の1月23日、第97回アカデミー賞®のノミネート作品を発表。
長編ドキュメンタリー部門で伊藤詩織さんの作品『Black Box Diaries』が、短編ドキュメンタリー部門で山崎エマさんの『Instruments of a Beating Heart』がノミネートされました。長編ドキュメンタリーでは日本人監督による作品のノミネートは初。また、短編ドキュメンタリーでは日本人監督による日本題材の作品がノミネートされるのは初という快挙です。
『Black Box Diaries』
監督:伊藤詩織
製作代表:スターサンズ
製作国:英国・米国・日本共同製作
伊藤詩織さん自らが、自身が受けた性的暴行被害への調査に乗り出していく姿を記録した作品。製作は、2017年、伊藤さんが元テレビ局員の記者からの暴行被害を訴えた記者会見の直後に遡ります。製作期間に6年もの歳月をかけ、『新聞記者』や『月』を手掛けたスターサンズが併走。イギリス、アメリカとの国際共同製作として完成しました。
『Instruments of a Beating Heart』
監督・編集:山崎エマ
プロデューサー:エリック・ニアリ
製作・制作:シネリック・クリエイティブ
国際共同製作:NHK
共同制作:Pystymetsä Point du Jour YLE France Télévisions
協⼒:世⽥⾕区、世⽥⾕区教育委員会
製作協⼒:鈍⽜倶楽部
『⼩学校〜それは⼩さな社会〜』から⽣まれた23分の短編版。1年間、150日、700時間(監督が現場で過ごしたのは4,000時間)に及ぶ撮影と1年を要した編集を経て完成した『⼩学校〜それは⼩さな社会〜』には、掃除や給食の配膳などを子どもたち自身が行う日本式教育「TOKKATSU(特活)」の様子がふんだんに収められています。いま、小学校を知ることは、未来の日本を考えることだ、と作品は投げかけます。
二人の監督が作品に込めた想い
2025年1月Yahoo!ニュースでは、ノミネート発表に先駆けて、「アカデミー賞ショートリスト選出記念トークLIVEイベント」を開催。
両監督は、Yahoo!ニュース ドキュメンタリーのエキスパートで、同社が表彰するその年最も優れたドキュメンタリー作家に贈る最優秀賞「Filmmaker of the year」をそれぞれ受賞しています。
その中で伊藤さんは作品に込めたメッセージを聞かれ、「当事者として性暴力のことを伝えていくものはこれまであまりなかったんですよね。」「自分のトラウマに対して、自分で向き合うというのは想像以上に大変なことでした。その作業は大変ですが、最終的にはエンパワーメントされますし、自分の言葉で伝えていくことの必要性をこの映画には込めています。」と話しました。
他方、山崎さんは「日本の中にいると当たり前すぎて気が付けない、日本の小学校のすごいところに改めて着目し光を当てています。同時に教育に関する課題もたくさんあるので、そういうところをみんなで考えていきませんかというメッセージを込めています」と語ります。
アカデミー賞®授賞式は⽶ロサンゼルスのドルビーシアターで現地時間の3⽉2⽇に開催される予定です。
1月25日には、LINE VOOMにてLIVE配信した「アカデミー賞 ショートリスト選出記念トークLIVE」を再配信予定。両監督に選出作品への想いや、『Yahoo!ニュース ドキュメンタリー』との歩みなどをインタビューしています。
また、Yahoo!ニュース ドキュメンタリーでは両監督の他の作品を視聴することが可能です。
配信日時:1月25日(土)21:00~
配信アカウント:https://lin.ee/it797lT/prmt/pr