「節分」という言葉を聞いて、まず思い浮かべるのは豆まきですよね。毎年豆まきをしているものの、実は、節分の歴史や豆まきをする理由、正しい手順などをご存じない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、節分の意味や豆まき歴史など、わかりやすく解説していきます。
知っておきたい、節分の意味と風習
節分とは、それぞれの季節を表す「二十四節気(にじゅうしせっき)」のなかで、一年で最初にやってくる「立春(りっしゅん)」の前日を指す言葉であり、年中行事の一つです。
一年の初めに邪気を払い、無病息災を願うための行事として、長く私たちの生活の中で息づいてきました。具体的には、豆まきをしたり、近年では「恵方巻き」と呼ばれる巻き寿司を食べたりすることが一般的です。
また地方によっては、厄除けのために柊に挿した鰯を玄関先に飾ったり、こんにゃくを食べたりするなど、節分に行う独自の文化を持っています。
「節分の日」は年に4回も。2025年は2月2日が節分

実は「節分」という日は1年のうちに4回あることをご存じでしょうか。
春…立春(りっしゅん)
夏…立夏(りっか)
秋…立秋(りっしゅう)
冬…立冬(りっとう)
このように各季節の始まる日の前日を、それぞれ「節分」と呼ぶのです。
4つの節分のなかでも旧暦で新年のはじまりを表す「春」がもっとも重要とされ、「節分」といえば立春の前日、2月3日前後を指すのが一般的となりました。
一般的に節分は2月3日というイメージが強いかも知れません。しかし、節分の日付は太陽の動きによって決まるため、毎年同じわけではないのです。
2025年の節分は「2月2日」で、これは2021年以来4年ぶりのことです。
節分の歴史は?日本の豆まきの起源
節分は元々、正月行事の一環として行われてきました。旧暦では、立春が1月1日前後にあったためです。
当初は中国から伝わってきた「追儺(ついな)」という行事で、大晦日に鼓の音や弓矢を用いて鬼を追い払うための儀式でした。
仏教では、鬼は煩悩(ぼんのう)を表すものとされていました。そして、季節の変わり目にはそのような邪気(鬼)が生じると考えられていたのです。
そのため、大晦日に煩悩や邪気を追い払い、健やかに過ごせることを祈願したといわれています。
節分に豆まきをする理由は?

追儺は、次第に豆まきに変わっていったそうですが、いつ頃から豆まきが行われていたかは定かではありません。ただし、江戸時代にはすでに豆まきが庶民の間で行われていたとされています。
なぜ「豆」をまくのかは諸説あるものの、
・元々日本には、穀物をばらまいてお祓いやお清めをする「散供(さんぐ)」という考え方があったから
・中国の古典に、大豆が「鬼毒を殺し、痛みを止める」と書かれているから
・豆→魔目(まめ。魔滅とも)という語呂合わせから、「鬼の目にぶつけて摩滅」するという考えが生まれた
・炒り豆は「炒る→射る」で鬼を射るから
など、さまざまな理由があるとされています。
豆まきに用意するもの
豆まきに必要なものは次の二つです。
・大豆
豆まきには、生の豆ではなく炒った大豆を用意します。地域によっては落花生を使うところもあります。
・豆を入れる枡や箱
「力が増す」という語呂に合わせて、枡を用意すると縁起が良いとされています。
豆まきの「正しい手順」を知ろう
1.なるべく午後8時~10時のあいだに行う
鬼は夜にやってくると言われているため、豆まきはなるべく夜に行うのがいいとされています。
2.家の窓や玄関の戸を開ける
3.奥の部屋から豆をまく
鬼を追い出すため、奥の部屋から順に「鬼は外」と言いながら玄関に向かって豆をまいていき、最後に玄関に豆をまくといいとされています。
4.家の窓や玄関の戸を閉める
鬼が戻らないようすぐに窓などを締めます。
5.「福は内」と言いながら部屋の中に撒く
6.年の数よりひとつ多く豆を食べる
来年も無病息災で過ごせるように、という願いを込めて、年の数よりもひとつ多く豆を食べるとよい、とされています。
ただし、豆まきの順番や方角は地方によって異なるので、自分の住んでいる地域の作法を知っておくと良いでしょう。
節分の歴史と作法を知って、豆まきを楽しもう節分は、単なる豆まきの行事ではなく、四季の節目に邪気を払い、一年の無病息災を願う大切な伝統行事です。
2025年は2月2日です。地域ごとの風習や豆まきの作法を大切にしながら、節分行事を楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考:
https://kyo-tsunagu.city.kyoto.lg.jp/gyoji/tsunagu300/12-2/setsubun/
https://www.taraku.or.jp/blog/setsubun/setsubun-region-difference