アップサイクルとは?リサイクルとの違いや事例をご紹介

限りある資源を無駄なく使用するにはどうしたらよいでしょうか。リサイクルやリユースなどこれまでも資源を再利用する動きはありましたが、近年、廃棄されるはずだったものにデザインを加え、新たに生まれ変わらせるアップサイクルが進歩しています。この記事ではアップサイクルとは何かご説明します。

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アップサイクルとは

アップサイクルとは、廃棄されるはずだったものや生産段階で出た副産物に、アイデアをプラスして価値をつけ、新たな製品として生まれ変わらせることを言います。

一般的にアップサイクルはリサイクルより使用するエネルギーが少なくて済み、コスト削減に繋がることもあります。また、資源を最大限に有効利用できることから、取り組む企業が増えてきています。

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リサイクルとの違い

出典:unsplash.com

リサイクルとアップサイクルは、廃棄物を再生させるという点で共通していますが、廃棄物を原料の状態に戻すかどうかという点が大きく異なります。

リサイクルは、役目を終えた物を原料に戻して、再度資源として利用するのに対し、アップサイクルは基本的に原料に戻すことをせず、元の製品の素材をそのまま使用します。

リサイクルは、原料に戻す際のコストや環境負荷がかかることも多いため、その負担が少ないアップサイクルの方がよりサステナブルな資源活用法として脚光を浴びています。

アップサイクルされている素材の例  

出典:pixabay.com

今様々な業界で、廃棄物や生産によって生まれた余剰な物をアップサイクルする取り組みが始まっています。

ここからは、どのような素材がアップサイクルされるのか事例を紹介していきます。

生地・糸

アパレルの生産現場では、生地を裁断する時に出る切れ端「裁断くず」が生まれ、他にも余剰な糸が捨てられています。
廃棄される裁断くずを使用し、再び糸として使えるようにしたものや、洋服、ハンガーにアップサイクルした製品が登場しています。

家具

買い替えサイクルは10年と言われる家具。不要になり回収をされた家具はまだ使えるのにも関わらず、そのまま廃棄処分ということも少なくありません。
家具のアップサイクルでは、ペイントで色を塗り替える、木枠を付け足すなど、デザインを一新して、再び家具として生まれ変わらせる取り組みが行われています。

海洋プラスチック

分解されるまで数百年から数千年かかると言われている、海洋プラスチック。一見使い道のないように思われる海洋プラスチックも、きらきら輝くアクセサリーや、アパレル製品としてアップサイクルする活動が広がりを見せています。

漁網

不要になった漁網は、廃棄コストが高いなどの原因で海に不法投棄されていることが社会問題となっています。
漁網の多くはプラスチックやナイロンからできており、放置すると海の生態系に悪影響を与えかねません。
漁網のアップサイクルでは、その素材の強さを生かし、レインジャケットなどのアパレル製品や鞄、エコたわしとしてアップサイクルされ販売されています。

コーヒーかす

コーヒーを抽出したあとに当たり前にように廃棄されていたコーヒーかす。特にカフェなどの店舗では毎日大量に廃棄されていたコーヒーかすですが、ボディスクラブやスイーツの原料などへアップサイクルするアイデアが生まれています。

タイヤ

自動車や自転車の廃タイヤは、土に還るのに膨大な時間がかかってしまう点や焼却時に有害物質が出ることなどが問題とされています。
廃タイヤは耐久性や撥水性といった特徴を生かし、フットウェアのソールや、鞄、キャンプ用の小物などとしてアップサイクルされています。

ビニール傘

リサイクルをすることが難しいため、壊れてしまったら廃棄するしかなかったビニール傘。アップサイクルでは、ビニール部分を生地として利用したバックや小物があります。元々ビニール傘なので、撥水機能もしっかりしています。

野菜・果物

規格外などで捨てられていた野菜や果物を皮や茎をスナックとして加工したものが登場しています。また、アパレル製品の染色原料として活用する取り組みもあります。

アップサイクルによって生まれた製品

次にアップサイクルによって生まれた実際の商品をご紹介しましょう。

iTTo

iTToは、廃棄予定だった国内の新中古Tシャツから生まれた糸の「Tシャツヤーン」です。
Tシャツヤーンの販売だけではなく、「作る体験を楽しんで、アップサイクルに興味を持って欲しい」という想いからワークショップも開催しています。
カラフルな商品のラインナップを見ているだけで、ハンドメイド欲が高まってくるかも⁉

公式サイト:iTTo ethical market

HUG BROWNE(ハグ・ブラウン)

HUG BROWNEでは、コーヒーが抽出された後に出るかすをその日のうちにカフェから回収し、新鮮な状態で原料化。それをボディスクラブの原料として使用しています。単なるアップサイクルアイテムでなく、動物性原料を使用していないヴィーガン処方。プラスチックスクラブ、シリコン、パラベン、動物性原料、合成着色料、合成香料なども使用していません。

公式サイト:HUG BROWNE Coffee Sugar Scrub

どんどん身近になるアップサイクル!

2030年までに目標達成を目指すSDGsや、世界的な循環型社会への移行により、アップサイクルは今後より多くの企業が参入してくることが予想されます。

近年どんどん身近になってきているアップサイクル。みなさんの周りでもぜひ探してみてくださいね。

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