ウエスってなに?雑巾・クロスとの違いや作り方・おすすめの入手先は

ウエスという言葉をご存知でしょうか。

機械を触る機会の多い人や、工業関係の仕事をしている人たちの間では日常的に使われているのですが、一般的にはまだそこまで浸透していないかもしれません。

ウエスとは何か、入手方法から活用方法までわかりやすく紹介します。

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ウエスとは?

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ウエスとは英語の”waste”(廃棄物)が語源といわれる外来語で、主に工業現場で使われる、拭き取り用の布のこと。油汚れや塗料、薬品などを拭き取ったり、繊細な部品を磨いたり、機械のメンテナンスや部品の清掃・塗装・研磨などの作業の際に使われます。

使われなくなった衣類や布、シーツやタオルといったリネンを裁断したもので、素材と色によって使い分けられます。白いウエスは汚れの確認が必要な研磨作業に使われ、カラーウエスは作業ごとに色分けをして使われてきました。

素材として一般的なのは、吸水性・耐久性・柔軟性に優れ、油汚れの拭き取りから部品の清掃まで幅広く使える綿ウエス。これは、Tシャツなどの古着やタオルをリメイクして作られます。

その他、伸縮性と吸水性に優れたメリヤス生地、毛羽立ちが少なく衛生的な不織布、薄手で滑らかな平織り生地のものなどがあり、用途によって使い分けられます。

日常生活においても、洗車やロードバイクのメンテナンスを自分で行う人や、DIYを楽しむ人たちの間では重宝するウエス。セルフホームメンテナンスにも適任で、サステナブルな暮らしと相性のいいアイテムです。

ウエスはどんなときに使える?雑巾・クロスとの違い

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雑巾・クロスとウエスの大きな違いは、使い捨てることを前提としているかどうかです。

種類主な素材使用シーン使用回数特徴
ウエス綿・メリヤス・タオル地・不織布など油や塗料、汚水の拭き取り・研磨など多様基本は使い捨てリメイク・種類が豊富・安価・切りっぱなし
雑巾タオル地・化学繊維・不織布家庭や学校、公共施設などの掃除全般洗って繰り返し使用厚手・耐久性に優れている・用途が幅広い
クロスマイクロファイバー・不織布水分の拭き取り・仕上げ磨きなど洗って繰り返し使用吸水性・速乾性に優れている

昔から生活のなかに身近にある雑巾ですが、実はさまざまな素材があります。

ウエスにも同様の素材が使われていますが、あくまでも使い捨て利用を目的としており、「リメイクして作られている」「薄手」「切りっぱなし」といった特徴を持つものが「ウエス」と覚えておくといいかもしれません。

ウエスの作り方(家庭で簡単DIY)

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ウエスは家庭で簡単に作ることができるので、ご紹介します。

【用意するもの】

  • 着古したTシャツやシャツ、タオル、シーツなど
  • はさみ(あれば裁ちばさみ)

【作り方】

  1. 埃やごみなどを落とす(洗濯しておくのがベスト)
  2. 使いやすい大きさにカット(15~30cm角程度)
  3. 油用、水用など、用途別に分けてストックする

【作り方のコツ】

  • タオル地のものは、はさみで切り込みを入れ、両手で割くと糸くずが出ない
  • ボタンやファスナーの部分は、あらかじめカットして除いておく
  • なるべく綿の含有率が高い布で作る(含有量が低いと吸水性が落ちるため)
  • ほつれが気になるようなら、ミシンか手縫いで角の四隅を始末する

サイズアウトした乳幼児の服、長年愛用し使用感のあるシャツなど、寄付やフリマ出品するには忍びないようなものを、ウエスにするといいかもしれません。

ウエスはどこで買える?おすすめの購入先

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家庭でも簡単に作ることができるものの、忙しくて時間がない、断捨離をしたばかりでウエスにするものがない、大量に必要といった場合は市販のものを活用しましょう。

家庭用なら、ホームセンターやWebショップがおすすめです。1㎏単位で販売されていることが多く躊躇するかもしれませんが、枚数にすると20〜25枚程度なのでそこまで多くありません。素材が厚ければ、枚数はもっと少なくなります。

古着の回収事業者や繊維の回収専門事業者、ウエス販売専門店でも購入できますが、5㎏や10㎏といったまとまった単位でのみ注文可能なケースがよくあります。その分、単価としてはかなり安くなるので、大量に必要な時には専門事業者から購入するのがお得です。

その他、障がい者支援事業所での購入もおすすめです。障がい者施設でのウエス製造の歴史は古く、長年のノウハウに基づいて製造しています。オンライン、対面どちらでも購入可能な事業所が多いので、近くの事業所に問い合わせてみてください。

少量パックや小さめサイズなら、100円ショップなどでも購入できます。ただ、商品の入れ替わりが早い、地域や店舗によってラインナップが異なるといったことから、必ず店頭に並んでいるとは限らないので、店舗に足を運ぶ前に調べたほうがよさそうです。

ウエスは、暮らしの“エコな相棒”

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実はウエスは、かなり以前からある古着や古布のリユース法です。一説には、幕末にはすでに、「古布の再利用文化」があったのではないかともいわれています。

思えば日本の着物は何度もリメイクされた後、おむつ、下駄の鼻緒、雑巾などに転用され、最後はかまどの燃料として使われていました。そしてその灰は、畑の肥料や陶器の釉として使われるという、究極のエコシステムのなかにあったのです。

その頃に戻ることはできませんが、布製品を再利用して最後まで使い切るウエスは、エコな暮らしの相棒といえるのではないでしょうか。手軽に作れて、さまざまなシーンにあわせて使い分けることができるウエスを、暮らしに取り入れてみませんか。

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この記事を書いた人

誰もが心豊かに生きられる未来を創造する経営コンサルタント。
建築設計⇒HR広告営業⇒障害者支援事業運営⇒行政事業執行⇒経営コンサルへ。
これまでの経験を通して知った日本文化の奥深さを、衣食住にまつわるストーリーにのせ海外に向けて発信中。

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