女性の権利向上を呼びかける国際女性デー。何となく耳にしたことはあっても、概要や取り組みのイメージが掴めない人も多いのではないでしょうか。
今回は2025年の国際女性デーの日程や企業の取り組みについて紹介します。
国際女性デーとは
国際女性デーとは、女性の地位向上や差別を払拭するために立ち上げられた日です。
国連が1975年に3月8日を国際女性デーと定めた後、1977年に女性の権利と国際平和を祝う日として、国連総会で議決されました。世界には、国際女性デーを祝日にしている国が20か国以上あり、近年では日本でも認知され始めています。
国際女性デーは、イタリアで男性から女性に向けてミモザの花が贈られるようになったことから「ミモザの日」とも言われています。ミモザは国際女性デーの象徴として親しまれているのです。
2025年はいつ?

国際女性デーは毎年3月8日に制定されています。
国際女性デーが3月8日に制定された由来は、1904年にアメリカニューヨークで女性労働者が夫人参政権を求めてデモを起こした日であることから。1977年に正式に国際女性デーが定められてからは、世界各国で毎年記念行事が実施されています。
日本では、企業や自治体などが女性の権利を守り、ジェンダー平等を実現させるため、国際女性デーに合わせてあらゆる取り組みを行っています。
国際女性デーのテーマ
2025年は、国際女性デーが国連で1975年に制定されてから50年を迎える節目の年です。
国際女性デーでは毎年テーマを設けており、2025年の国際女性デーのテーマは、「すべての女性と少女のためにー権利、平等、エンパワーメントをー」です。誰一人として取り残されることのないフェミニズムの未来のために、平等な権利や力、機会を与える行動を呼びかけています。ビジョンの中心になっているのは、特に若い女性や思春期の女性達です。
2024年のテーマは「女性に投資を。さらに進展させよう。」、2023年のテーマは「全てをデジタルに:ジェンダー平等のためのイノベーションとテクノロジー」でした。
国際女性デーは具体的に何をする日?

日本では国際女性デーに、企業や自治体主催の取り組みが多数行われています。講演会や交流会などのイベントや、国際女性デーにちなんだ商品販売などがその一例です。
他国に目を向けてみると、前述の通り、イタリアでは男性が女性にミモザの花を贈る風習があります。花を贈ることに加えて、この日は家事や育児をすべて男性が担うことも。
フランスでは、国際女性デーに合わせて女性の権利や性被害防止を訴える大規模なデモが行われてきました。今年も複数の団体がフェミニスト・ストライキを呼び掛けています。
また、中国では、働く女性に半日休暇の取得が推奨されています。
2025年の企業・自治体の取り組み

ここからは2025年の国際女性デーに関する、日本企業の取り組みを紹介します。
NewsPicks
「経済を、もっとおもしろく。」を掲げている経済メディアNewsPicksでは、形骸化した制度ばかりが増えることを危惧し、今年を具体的な行動へとつなげる1年に設定。悩みながらも働き方を模索し、柔軟に経験を積み重ねている次世代の女性リーダーや、「本気で変わろうとしている企業」の自薦・推薦を呼びかけ、アワードを実施します。
SUQQU
コスメブランド SUQQU(スック)では、2月28日から3月21日の期間中、国際女性デーサポートプログラムを実施。期間中、購入された商品の一部が、低所得地域に住む子どもたちの教育支援を行う「ルーム・トゥ・リード・ジャパン」に寄付されます。購入1回ごとの寄付金額は教育プログラム1日分相当。この取り組みは2021年より実施されていて、毎年約4万日分相当の支援を実現してきました。
同ブランドでは国際女性デーにちなんだ商品の数量限定販売や、ミモザカラーの黄色のリボンでラッピングなども行います。
グランドハイアット東京
六本木ヒルズに佇むグランドハイアット東京では、3月1日より国際女性デーにあわせたメニューの提供を開始しました。「フィオレンティーナ ペストリーブティック」では、女性パティシエが手がけたミモザの花を表現したグラススイーツを、フレンチキッチン」のランチブッフェでは、ミモザカラーを用いた6品の限定メニューを提供。さらにディナーコースは、ミモザ街道をイメージして全皿ミモザイエローであしらわれています。
ブックオフ
ブックオフでは、不要になったモノの買い取り金額で、様々な団体等に寄付、応援、支援することができる宅配買い取りサービス「キモチと。」を展開。
3月1日から3月31日の間は、「キモチと。」から希望のプログラムを選んで申込むと、寄付金に500円を上乗せするキャンペーンを開催しています。女性支援プログラムをはじめ、どのプログラムも対象になります。
東京都
国際女性デーのシンボルであるミモザにちなんで、東京都では3月8日に東京都庁第一本庁舎、東京ウィメンズプラザなど、都内7箇所の施設を黄色にライトアップします。
国際女性デーに参加しよう!

性別に関わらず活躍できるジェンダー平等の社会を目指して、制定された「国際女性デー」。SDGsの広まりなどによってジェンダー平等の重要性は認識されつつあるものの、2024年に発表された「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は146か国中118位で、多くの国々に比べて対策に大きな遅れを取っています。
企業や自治体の取り組みに参加するのも良いですし、会社や学校でのジェンダー平等について、改めて考えてみてはいかがでしょうか。