クルエルティフリーとは?取り組みや認証マークについてご紹介

最終更新

contents section

私たちが普段使う化粧品や日用品。その中には、商品開発や製造のフェーズで動物実験がおこなわれている商品が存在します。近年では、動物を実験につかうことは動物福祉の面から疑問視されており、動物実験をしていないクルエルティフリーの商品に注目が集まっています。

こちらの記事では、クルエルティフリーがどのようなものであるかを解説していきましょう。

クルエルティフリーとは

出典:unsplash.com

クルエルティフリーとは、直訳すると「残虐性(Cruelty/クルエルティ)がない(Free/フリー)」という意味です。
化粧品や日用品においては、開発→製造→流通までの全工程で動物実験が行われていないことを指します。これらの化粧品は、「クルエルティフリーコスメ」と呼ばれています。         

日用品、化粧品の開発で傷つく動物たち

出典:pexels.com

流通している日用品や化粧品は、人体の安全性を図る目的として開発や製造の段階でウサギやラット、モルモットといった動物の体内に化学物質を入れるような実験が行われています。
この実験によって動物の身体に異変が起きたり、命を落としたりする事態が発生。それらの動物たちは、実験が終わったらケアもされず、破棄処分となります。
私たちが使っているコスメや日用品は、商品開発の段階で動物が犠牲になっているかもしれないのです。

日用品や化粧品に加えて、食品添加物や農薬の開発にも行われる動物実験。実験で命を落とす動物は、世界で推定1憶1530万頭以上にのぼると言われています。

年々進む、クルエルティフリーの取り組み

クルエルティフリーの取り組みが積極的なのは欧米やオーストラリアですが、日本でも消費者の関心が高くなった影響もあり、動物実験をしない商品づくりに注目が集まっています。ただ残念ながら、日本は世界に後れを取っており、先進国の中でも動物実験に関する法律などが整備されていません。
SDGsの考えが浸透してきている今、クルエルティフリーを一過性のもので終わらせるのではなく、日本でも海外でも継続的に取り組まれることが期待されます。

また、「クルエルティフリーに取り組んでいる」ことが、企業組織の信頼度のアップにつながるという流れも出来上がってきており、これからは企業からクルエルティフリーが広まっていくことが予想されます。

関連記事:動物実験なし!おすすめのクルエルティフリーコスメ9選

クルエルティフリーの認証マーク

クルエルティフリーの商品がどのようなものであるかチェックする場合、パッケージに認証マークが入っています。なお、クルエルティーフリー認証マークは複数あります。
ここでは主な認証マークを紹介していきましょう。

1.Leaping Bunny(リーピングバニー)

アメリカやカナダなどの動物愛護団体が結束し作ったLeaping Bunnyは、世界で最も有名なクルエルティフリーの認証マークです。

出典:Leaping Bunny

Leaping Bunnyを取得する企業だけでなく、その企業が原料を購入する企業が動物実験をすることも禁止されているなど、厳しい基準が設けられています。

ヘアケア用品を中心とする化粧品メーカーのアヴェダが、2022年5月にLeaping Bunnyの認証を受けました。

アヴェダが「リーピングバニー認証」を取得!|PR TIMES

2.Beauty Without Bunnies

アメリカの動物愛護団体PETA(People for the Ethical Treatment of Animals)が管轄する認証マーク。PETAも世界に900万人以上のメンバーをもつ、大きな動物愛護団体です。

出典:PETA’s ‘Global Beauty Without Bunnies’ Program

認証マークは「動物実験なし」と「動物実験なし×ビーガン」の2種類。「動物実験なし×ビーガン」の基準は、動物実験をしていないことに加えて、製品の成分に蜜蝋や蜂蜜、カタツムリエキスといった動物由来成分を含んでいないことが条件となっています。
英国を拠点とし、国内でも展開中のHERBFARMACYが、PETA’s ‘Beauty Without Bunnies’プログラムに認定されています。

ブランドヒストリー|ハーブファーマシー – herbfamacy –

日用品、化粧品を買うならクルエルティフリーを意識しよう

出典:pexels.com

普段の買い物で、何らかの日用品や化粧品を買うなら、まずはクルエルティフリーであるかどうかを確認してみましょう。
クルエルティフリーの商品を購入し、使うということは、動物の生きる権利を尊重するということです。その選択が、動物の尊い命を救うことに繋がるかもしれないのです。
それは、私たち人間と動物の持続可能な社会の構築につながっていくでしょう。

Follow us!

この記事を書いた人

writer

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

related post

関連記事

  • サステナブル・エシカル通が選ぶ!2022年のBEST BUY プロダクト編

    エシカル・サステナブルな界隈で様々な活動をしている筆者が、「エシカルな買い物」というテーマで2022年のBest Buyをご紹介。1年を通してたくさんの商品に触れた中で、購入して本当に良かったものをセレクトしました。ファッション編とプロダクト編に分け2回にわたりお送りします。今回はプロダクト編です! ファッション編はこちら HIKERの蚊取り線香ホルダー(Mosquito Coil

  • クルエルティフリーとは?取り組みや認証マークについてご紹介

    私たちが普段使う化粧品や日用品。その中には、商品開発や製造のフェーズで動物実験がおこなわれている商品が存在します。近年では、動物を実験につかうことは動物福祉の面から疑問視されており、動物実験をしていないクルエルティフリーの商品に注目が集まっています。 こちらの記事では、クルエルティフリーがどのようなものであるかを解説していきましょう。 クルエルティフリーとは 出典:unspla

  • フラワーロスを900万本救済。老舗の花屋が私たちの未来に残したいもの

    私たちの人生の節目や日常を豊かに彩ってくれる花。しかし、花が私たちの手元に届くまでに、実はたくさんの花の廃棄「フラワーロス」が存在しているのをご存じでしょうか。今回は、“Leave no flower behind=一輪の花も取り残さない”というモットーで活動を行うスマイルフラワープロジェクトを取材。フラワーロスの問題や、プロジェクトが目指す花のある豊かな社会について話を伺いました。 コロ

  • 動物実験なし!おすすめのクルエルティフリーコスメ9選

    近年、動物を保護する観点からクルエルティフリーのコスメが注目されています。こちらの記事では、ネットや実店舗で購入できる、おすすめのクルエルティフリーコスメブランドをご紹介します! 時代の流れによって注目、クルエルティフリーコスメ 私たちが普段何気なく使っているコスメ。実は、私たちが安心して使えるよう、開発から製造までのいくつかの工程において、ウサギやラットなどの動物を使った実験が行わ

  • 国際平和デーに観たい。平和を考えるドキュメンタリー映画3選

    毎年9月21日は国連が定めた国際平和デー。世界では平和な世界を目指すため、敵対行為停止の呼びかけや記念行事が行われています。 今回は、国際平和デーに観たい、ドキュメンタリー作品をご紹介。リアルな映像を通して平和と戦争に関して考える機会を作ってみませんか。 平和って何だろう? 私たちは「戦争」をどのくらい身近に感じるでしょうか。日本に住んでいると戦争と関わることのない生活を送って

  • 買い替えるなら環境に優しく!エコな洗濯洗剤5選

    普段どのような基準で洗濯洗剤を選んでいますか。今回は、排水として流しても環境に優しい洗濯洗剤をピックアップ。次に買い替えるときの参考にしてみてくださいね。 その洗濯洗剤、人と環境に優しい…? 出典:pexels.com 広く普及している合成洗剤に使用されるのが、石油を原料とした界面活性剤。その界面活性座は河川や海に流れ込むと、生態系に悪影響があることが懸念されています。

WHAT'S NEW

STUDY