世界中が注目。豊かな社会へ導くチェンジメーカー7人

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各国が抱える経済格差や貧困、環境汚染などの解決すべき課題。世界にはそんな時代に一石を投じるチェンジメーカーがいます。今回は私たちの社会にインパクトを与え、新たな波を起こしたチェンジメーカーをご紹介します。

チェンジメーカーとは

出典:unsplash.com

チェンジメーカーとは、ビジネスや活動を通して社会の課題解決にチャレンジし、新しい風を吹き込むような人を指します。時代によって社会の課題は異なるので、チェンジメーカーと呼ばれる人の定義も社会の状況によって変化するものですが、今日の社会では、チェンジメーカー=社会起業家のようなイメージもあり、物質的な豊かさではなく精神的な豊かさを求め、貧困や環境問題などに取り組む人が支持を得ています。

世界のチェンジメーカー7人

社会にソーシャルグッドなインパクトを与えるだけでなく、私たち個人にも新しい発想をもたらしてくれるチェンジメーカー。

今回は、世界的に大きな影響を与える現代のチェンジメーカー7人をピックアップしました。

ホセ・ムヒカ氏

ホセ・ムヒカ氏は、ウルグアイの元大統領です。2012年にブラジル・リオデジャネイロでの国連会議で大量消費社会を痛烈に批判し、人類にとって本当の「幸せ」とは何かを訴えたスピーチで一躍有名になりました。貧困をなくす政策を推し進めた大統領時代には、自身の給料の9割を寄付。大統領公邸には住まず、郊外の質素な家で妻と生活していたことから、敬愛の念を込めて「世界でいちばん貧しい大統領」とも呼ばれ、過去には日本でもドキュメンタリー映画が上映されました。ウルグアイだけでなく世界中にファンの多い元大統領です。

ムハマド・ユヌス氏

ムハマド・ユヌス氏は、バングラデシュ出身の経済学者であり、実業家です。貧困の根絶を目指し、1983年に無担保小口貸付を行うグラミン銀行を創設。生活に困難な人たちの自立支援に尽力しました。2006年にはグラミン銀行とともに、ノーベル平和賞を受賞。無担保小口貸付の仕組みはマイクロ・クレジットと呼ばれ、それを取り入れたマイクロ・クレジット・バンクが、60カ国以上の国で設立されています。日本でも、ユヌス氏のビジネスモデルをベースに「一般社団法人グラミン日本」が、シングルマザーを中心とした支援を行っています。ユヌス氏はそれまで難しいとされてきた貧困の根本的解決に挑み、その仕組みが世界に大きな影響を与えているのです。

ケイト・ラワース氏

ケイト・ラワース氏は、イギリス出身の経済学者です。自身の著書『ドーナツ経済学が地球を救う』では、地球を気候変動から守りつつ、貧困や格差を解消していく経済活動のモデルを「ドーナツ」型の図にしたことで多くの人たちから注目を集めました。これまで社会が当たり前に追い求めてきた成長ではなく、持続可能な繁栄の社会を作ることを提案しています。その持続可能なモデルは、各国の自治体からも支持を受け、オランダのアムステルダムでは市をあげてドーナツ型の経済のかたちを目指しています。

セリーナ・ユール氏

 セリーナ・ユール氏は、ロシア出身で現在はデンマークで活動する食品ロス問題の専門家であり、NGO団体「Stop Wasting Food movement Denmark」の設立者です。デンマークで目の当たりにした大量の食品廃棄に疑問を持ち、2008年にフェイスブックページでグループを作ってロスをなくす運動を開始。スーパーなどに声をかけ、無駄が出やすい食品のまとめ売りをなくすところから始めました。政府も彼女の活動に賛同し、メディアが取り上げ始め、協力者はまたたくまに増加。2013年までの5年間でデンマーク国内の食品廃棄量を25%削減するのに大きく貢献しました。

マララ・ユスフザイ氏

マララ・ユスフザイ氏は、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したパキスタン出身の人道活動家です。女性教育弾圧に反対活動をしたことでタリバンから銃撃を受けながらも、女性が教育を受ける権利を全世界に訴え続けました。その努力が認められ、パキスタンでは初めて無償で義務教育を受けられる権利を盛り込んだ法案を可決。また、「マララ基金」を設立し、すべての女子が平等に教育を受けられるよう活動をしています。著書には『武器より一冊の本をください:少女マララ・ユスフザイの祈り』があり、彼女の半生を綴ったドキュメンタリー映画も制作されています。

斎藤幸平氏

斎藤幸平氏は、日本の哲学者であり、経済思想家(マルクス主義者)です。歴代最年少でマルクス研究者の最高権威『ドイッチャー記念賞』を受賞した自身の著書『大洪水の前に マルクスと惑星の物質代謝』では、温暖化、異常気象などの問題を抱える資本主義の構造を批判し、私たちはどうあるべきかを説いています。新書大賞を獲得した2021年の著書『人新世の「資本論」』も、今地球上で起きている問題を自分事としてとらえながら読み進めることができる、おすすめの一冊です。NHKの番組などメディアでも活躍する斎藤氏。持続可能な未来に向けて真剣に取り組む姿勢と、わかりやすい説明にファンが増え続けています。

小林りん氏

小林りん氏は、学校法人ユナイテッド・ワールド・カレッジISAKジャパン(以下、UWC ISAK Japan)の代表理事であり、2013年に日経ビジネスが選ぶ「チェンジメーカー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した方です。留学中に経験したメキシコでの貧困問題や、国際児童基金(ユニセフ)でフィリピンのストリートチルドレンの教育支援に携わったことから、この社会の仕組みを変えていくリーダーシップ教育の必要性を実感。2014年に軽井沢に全寮制インターナショナルスクールUWC ISAK Japanを開校しました。国籍も育ってきた環境も異なる生徒は、チェンジメーカーを育てるための実践的な授業を受けるだけでなく、ダイバーシティの中で生きるということを、身を持って経験しています。

チェンジメーカーからインスピレーションを

出典:unsplash.com

世界や社会を大きく動かしているチェンジメーカー。たとえ自分が直接その影響を受けることがなくても、彼らの思想を学ぶだけで大きな刺激になります。今私たちが直面するたくさんの課題。チェンジメーカーを手本に、一人ひとりが真剣に地球の未来について考えなくてはいけないフェーズにきているのかも知れません。今回ご紹介した7人については、書籍や映画もあり、インターネットなどでも情報を集められるので、ぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

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元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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