京都・東福寺中大門の正面に誕生したMIMIは、日本初のオーガニックヴィーガンコンビニ。健康・環境・社会課題に配慮した未来型の食空間です。
ヴィーガンレストランが主体のお店では、植物性100%の「ナチュバルフード」を提供。環境に配慮した食材や無農薬野菜を活用するだけでなく、先端の冷凍・物流技術による食品ロス削減にも取り組んでいます。また、障がい者の就労支援を行うなどソーシャルグッドな一面も。
今回は、飲食店という枠組みを超え、未来の食文化を体験できる場として、食の安全と社会貢献を両立させた新しいショップの在り方を構築するMIMIを訪れました。コンセプトや店内の雰囲気、メニューだけでなく、今後の展望も伺います。
食と社会を変える、MIMIの革新的コンセプト

2025年6月20日に、京都・東福寺のすぐそばにオープンした「MIMI」は、単なるヴィーガンレストランではありません。ここは、“関西発・日本初”の「オーガニックヴィーガンコンビニ」という、まったく新しいスタイルの食の場です。
「オーガニック」「ヴィーガン」「コンビニ」という3つの価値を融合させ、動物性食品を一切使用せず、無農薬・オーガニック食品を気軽に手に取れるショップを実現。
手軽でありながらも、体と心にやさしく、食を通じて社会や地球環境にも貢献できる——そんな“未来型の食卓”が、ここにはあります。
オーガニックやヴィーガン食材が手軽に手に入る「ヴィーガンコンビニ」

MIMIは、カフェで味わった料理に使われているこだわりの食材を、そのまま店頭で購入することができます。地元農家から届く無農薬野菜や、自家製ソースなど、家庭でも“MIMIの味”を再現できるラインナップが揃います。
さらに、全国から厳選したヴィーガンの加工食品も充実。訪れるたびに新しい発見がある“食のセレクトショップ”のような存在です。
今後は、忙しい日常でも手軽に取り入れられるヴィーガン弁当の販売も予定。あらゆる生活シーンで自然や動物に配慮した食を楽しめる環境づくりを行います。
従来のコンビニの便利さと、オーガニック・ヴィーガンの価値観を融合させた“新しい日常の拠点”となりそうです。
自然と調和する落ち着きの店内

レストランの空間に足を踏み入れると、まず感じられるのは静かで温かな空気感。京都・東福寺の落ち着いた風景に調和するように、自然素材を基調とした内装が施されています。木の温もりを活かしたテーブルや椅子、柔らかな間接照明、観葉植物がさりげなく飾られ、まるで“精進の精神を表現した空間”のような穏やかさがあります。
訪れた人がただ食べるのではなく、心を整え、明日への元気を取り戻せる。MIMIは、そんな「癒しと再生の空間」でした。
「ナチュバルフード」とは?自然の恵みを紡ぐに出会う食に出会う
MIMIの食事は、単なるヴィーガン料理にとどまらない「ナチュバルフード」を提案。自然(Natural)とバランス(Balance)を融合した独自のスタイルで、日本の伝統である精進料理や陰陽五行の思想をベースに、100%植物性ながらも極端な制限をかけず、誰もが無理なく続けられるバランスの取れた食事をいただくことができます。
実際にMIMIの料理を味わってみて、まず感じたのは「植物性だけでここまで満足できるのか」という驚きです。ナチュバルフードという新しいスタイルが、これまでのヴィーガン料理のイメージを覆してくれました。
心も体も満たされる「ハヤシライス」

今回いただいたのは、人気メニューの「ハヤシライス」。無農薬で栽培された白菜や、リコピンが通常の6~8倍もある栄養豊富なトマトをじっくり煮込んだルゥは、深みのある味わいが絶妙。トッピングの大豆ミートも不二製油から仕入れたこだわりのもので、肉の食感と味わいを見事に再現していました。
動物性食材は一切使われていないとは思えないほどコクがあり、身体が喜んでいる感覚に。食後感も軽く、満腹なのに重くない。これがナチュバルフードの真骨頂だと実感しました。
自然素材で仕上げた新感覚ピザ

「もちピザ」の生地には、北海道・江別産の小麦を使用。もちもちとした弾力が魅力で、小麦そのものの風味がしっかり感じられます。特に耳の部分は香ばしく、それだけでも満足できる美味しさです。
大豆から作られた自家製マヨネーズは、植物性とは思えないほどコクがあり、「これでヴィーガンなの?」と驚くほどの仕上がり。照り焼き風の甘じょっぱい味付けに餅が絶妙に絡み、食べ応えもたっぷり。1枚でもしっかりとした満足感がありました。
シンプルだからこそ美味しい ― 白なすのポタージュ

「白なすのポタージュ」は、素材の力に驚かされる一杯です。使われているのは、白なすと塩だけ。とてもシンプルな構成ながら、口に含むとふわっと広がるやさしい甘みと、なめらかな口あたりが印象的です。
調味料や動物性の出汁を加えなくても、これほど豊かな味わいを生み出せるのは、野菜の個性を丁寧に見極め、火の通し方や塩加減に細やかな工夫を重ねているからこそ。素材の魅力をまっすぐに届ける一皿に、思わず心がほどけていきます。
足し算ではなく、引き算から生まれたこのスープは、「余計なものを加えなくても、美味しいものはできる」と教えてくれました。
食材の背景にあるストーリーも味わいの一部
驚いたのは、料理の美味しさだけではありません。スタッフの方が、使われている野菜がどこで誰によって育てられたのか、丁寧に説明してくださったのが印象的でした。
「このトマトは、就農支援の一環で亀岡の農家さんが育てたものなんです」と聞くと、料理に込められた想いや背景が心にしみて、まるで作り手とつながったような気持ちになりました。
どれも食べてみたくなる、豊富なヴィーガンのラインナップ
MIMIには他にも魅力的なヴィーガンメニューが揃います。

■やみつき甘辛!ヴィーガンチキンプレート 2,700円(税込)
香ばしく焼き上げた、植物性の照り焼きチキンのメインディッシュに季節のお野菜を使った副菜がたっぷりで食欲をそそります。

■とろ~りチーズのマルゲリータ 1,800円(税込)
厳選した小麦粉の生地に植物性由来のチーズをトッピングし、シンプルながらも素材の味が際立つ一枚です。

■コーヒー味のティラミス 770円(税込)
欧米のグルテンフリー基準を満たした有機オーツミルクで作った自家製のヴィーガンカスタードクリームに、プレーンのスポンジと、コーヒーシロップをあしらった、人気のヴィーガンスイーツです。

■餡バタースコーン(880円)
ヴィーガン&グルテンフリーのあんバタースコーン。バターには、ヴィーガンのオーガニックバターを使っているとのこと。餡子は北海道産小豆100%使用のこだわりです。
この他にも充実したメニューが用意されていて、訪れるたびに新しい発見があるのもMIMIの魅力のひとつ。何度でも通いたくなる、多彩で奥深いヴィーガンの世界がここに広がっています。
特定の宗教的制限がある方をはじめ、食事制限のある方、妊娠中の方や高齢者、小さな子どもまで、すべての人が同じ食卓を囲める「食のバリアフリー」をうたうMIMI。離乳食から介護食まで対応可能な体制を整え、多様性に配慮した食のあり方を提案しています。

このプロジェクトを運営する京善の代表取締役・耳野由基さんは、中学3年生のときに叔父の自死を経験したことをきっかけに、自殺やうつ病を減らしたいという強い想いを抱くようになったと語ります。さらに、日本の食糧自給率の低さにも問題意識を持ち、安心・安全な国産食材を活かした“食”の仕組みづくりを進めてきました。
フードロス削減や低温物流技術の活用、農業支援など、店舗が社会課題の解決を実証するショールームとしても機能するMIMI。
無農薬・オーガニック食材の生産と供給体制の構築や、精神障がい者の就農・雇用支援による社会復帰モデル構築など、農業、福祉、環境、テクノロジーなどの多分野を連携させ、持続可能な社会を実現することを目指しています。
さらに、この1号店をショールーム的な存在とし、同じ理念を持つ仲間とともに、「食を通じて社会課題を解決する場」を全国へと広げていく計画です。
MIMIは今後もこれまでにない新しいフードカルチャーを発信し続けていくでしょう。
食から未来を変える、オーガニックヴィーガンコンビニ・MIMIの挑戦

日本初のオーガニックヴィーガンコンビニとして、手軽でありながら高品質な植物性食品を提案するMIMI。
「ナチュバルフード」をキーワードとして、これまでにない新たな食体験に出会えること間違いなしです。
食べることが未来をつくる―そんな理念のもと、京都から全国へ、そして世界へとその輪を広げていくMIMIに注目です。
京都府京都市東山区本町18-361−14
営業時間:11:00〜20:00 (L.O 19:30)
定休日:火曜日
https://www.instagram.com/mimi__kyoto