【2025年最新】今季注目のサステナブルコート特集

肌寒い日も増え、今季のコートを探している方も多いのでは。

今年も、さまざまなブランドからサステナブルな工夫を凝らしたコートが登場しています。サステナブルなコートの選び方や、今季のおすすめアイテムを厳選してご紹介します。

INDEX

サステナブルコートとは?

どうせ買い替えるのであれば、長く着続けることを念頭に、お気に入りの1着を見つけたいもの。一着を長く着ることが一番サステナブルですが、もう少しサステナブルなアウターについて考えてみましょう。

具体的に、サステナブルコートには、以下のような特徴があります。

・再生素材を使用している
例)再生ウール、ペットボトル由来の再生ポリエステルなど

・動物由来素材に配慮している
例)エシカルウール、フェイクファー、ヴィーガンダウンなど

・生産から販売まで、環境や人権に配慮している
例)フェアトレード、生産過程に透明性がある

・耐久性が高く、長持ちする

・流行に左右されないデザイン

サステナブルコートの明確な定義はありませんが、今回は上記に加えて以下の点に留意してアイテムをセレクトしました。

・積極的に生産に関する情報公開を行っている
・良質な素材が使用されている
・着用者の着心地などを考えられている

なぜ今、サステナブルコートを選ぶ必要がある?

出典:unsplash.com

「アースオーバーシュートデー」は、「地球が一年間に生み出す生物資源を、年初から数えて人類が使い果たしてしまう日のこと」を指す言葉です。

2024年は7月24日でしたが、年々日にちが早くなっているのが現状で、先進国といわれる国々の資源は著しく急速に消費されています。

特に、ファッション産業が環境に与える負荷は他の産業に比べて大きいとされており、一着の服を大切に着用すること、購入するときはなるべく環境負荷の低いものを選ぶことが非常に重要です。

今サステナブルコートを選ぶ重要性を詳しく見ていきましょう。

ファッションがもたらす環境負荷

季節や流行に合わせて、大量の衣服が生産され、消費され、そして廃棄されています。またファストファッションの台頭により、衣服のライフサイクルが短くなっていることが指摘されています。

衣服の生産には、資源や水が使用され、CO2が排出されているのに加え、廃棄する際にもCO2が排出されます。

冬のアウターは素材消費が大きい

Tシャツを作るのとは違い、アウターとなると多くの生地を使います。

表地に裏地、副資材(ファスナー、ボタン)、場合によっては中綿やリブなど、様々な素材で作られた複数の部品からできているのです。

環境省のデータによると、服1着つくるのに約2,300リットルもの水を消費し、約25.5kgのCO2を排出しています。このデータでは、服は0.25kgを想定しており、これはTシャツ1枚ほど。コートとなると、少なくとも生地の使用量も重さも倍以上なので、生産をするだけで相当の環境負荷がかかっているのです。

社会のエシカル・サステナブル志向が拡大

消費者や企業がサステナブルな社会の実現へと動くなか、素材開発や、素材の調達方法は日々より良いものへと進化しています。

そして各企業・ブランドのこだわりが投入されて新たな商品が数多く生まれています。今、新調するのであれば、このようなブランドから登場しているサステナブルコートに注目したいものです。

サステナブルコートを選ぶ際のポイント

出典:unsplash.com

サステナブルなコートは、どのように選ぶのが良いのでしょうか。購入する際にチェックしたいポイントをまとめました。

素材

環境配慮素材や再生素材、オーガニック認証付き天然素材、動物福祉を考えられた動物由来素材であるか

デザイン

自身の好み合うものか、トレンドや情緒的寿命に左右されないデザインか、手持ちの服に合わせやすいか

ケア

家庭において日常的なメンテナンスができるか

ブランドの方針やこだわり

生産工程における環境負荷低減や、労働環境の整備、動物福祉、地域社会への貢献など、常に社会的責任に取り組みながらものづくりをしているか

さらに深くアイテムやブランドのことを知りたいなら、「企業のエシカル通信簿」を確認してみるのもおすすめ。

「企業のエシカル通信簿」は、「消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク」というNGOや市民団体からなる団体が2016年から行っている、市民目線で実施している企業評価です。

ここでの調査は「企業にどうあって欲しいか」「どんな情報を公開して欲しいか」を基準にしています。

これを参考に自分なりの評価基準を設けてみるのも良いでしょう。

2025年注目のサステナブルコートブランド・アイテム

【レディース】MUJI Labo|ウール混ナッピングショートブルゾン 24,900円

自然や素材の力を引き出して、細部まで徹底的にこだわった丁寧なものづくりをおこなう、MUJI Laboでは、環境配慮素材や再生素材を積極的に使用しています。

今季発売のアウターはMA-1から着想したボマー(ボンバー)ジャケット。店頭や国内で回収された衣類や生産工程の生地端材などを粉砕し再度紡績した素材を採用。表地には尾州産の再生ウールを一部使用しています。

婦人 ウール混ナッピングショートブルゾン | 無印良品 

【レディース】nest Robe | ウールカシミヤダッフルコート 71,500円

スローファッションを提唱する、ネストローブの秋冬の定番素材ウールカシミヤ。今季はその上質な素材をショート丈のダッフルコートに。

トレンドに左右されない絶妙な丈と上品なデザインで、コーディネートもしやすく、長く着られるアイテムです。

ウールカシミヤダッフルコート|nest Robe / CONFECT ONLINE SHOP

【レディース・メンズ】THE NORTH FACE|マウンテンジャケット 66,000円

THE NORTH FACEのマウンテンジャケットが、環境配慮型のePEメンブレン素材にアップデート。内側に専用ファスナーがついているZIP IN ZIP構造で、インナーダウンやフリースと連結させて防寒対策が可能です。GORE-TEX®素材で雨風にも対応。

近年、防水・撥水加工において有機フッ素化合物(PFAS)の使用が規制されるなか、GORE-TEX®ブランドは、GRS(グローバル・リサイクド・スタンダード)認証やbluesign®認証、OEKO-TEX® Standard100認証など国際的なサステナブル基準に準拠したものづくりを実現しています。

【公式】マウンテンジャケット(レディース)|ザ・ノース・フェイス公式ストア
【公式】マウンテンジャケット(メンズ)|ザ・ノース・フェイス公式ストア  

【レディース・メンズ】パタゴニア|クラシック・レトロX・ジャケット 37,400円

パタゴニアの代表的製品であるフリースジャケット「レトロX」。昨年のレギュラー・フィットからよりゆったりとしたリラックス・フィットに生まれ変わりました。フリース部分と裏地にはリサイクルポリエステルを使用し、胸ポケットの生地には廃漁網をリサイクルしたナイロンを採用。フェアトレード工場にて縫製されており、環境はもちろん生産者にも配慮しています。

ウィメンズ・クラシック・レトロX・ジャケット – パタゴニア公式オンラインショップ
メンズ・クラシック・レトロX・ジャケット – パタゴニア公式オンラインショップ

【メンズ・レディース】ARCH&LINE|NYLON PADDING BLOUSON 29,700円

国際認証Bコープ取得ブランドARCH&LINEの今季の新作は、表地にリサイクルナイロン、中わたに再生ポリエステルを使用したジャケット。のチャコールグレーの表地に赤の裏地がアクセントになっているコーチジャケット型で、性別問わず取り入れやすいアイテムです。

NYLON PADDING BLOUSON – ARCH&LINE

【レディース】KWD|KWD DOWN COAT(2025 RENEWAL) 59,400円

河田フェザーから生まれたダウンウェアブランド。飼育から製品化まで、すべての工程が適正な品質管理のもと日本国内で行われているJAPAN UMOU COLLECTIONの上質な羽毛を使用しています。

軽やかな着心地を追求したダウンアイテムで、オンオフを選ばないのが嬉しいポイントです。

KWD DOWN COAT(2025 RENEWAL) | KWD ONLINESHOP

新しく買い替えるなら、こだわりが詰まったお気に入りの一着を

毎年買い替えるわけではないコートは、長く着ることが前提。気に入った一着を長く着ることは、非常にサステナブルです。

未来の地球のために環境配慮に重きを置くのも良し、そのコートをずっと着続けている自分を想像してみるのも良し。

また、デイリーケアも欠かせません。着用後はコート用のハンガーに掛けてブラッシングする、それだけでも長く着用することが可能です。

今年の冬は、サステナブルコートを楽しんでみませんか。

参考:
2024年は史上最も暑い年に ― 国連の気象機関が発表(UN News 記事・日本語訳) | 国連広報センター
気象庁|過去の気象データ検索(2024年)
気象庁|過去の気象データ検索(2025年)
環境省_サステナブルファッション
企業のエシカル通信簿 – 消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク
消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク(SSRC)「企業のエシカル通信簿」プロジェクトが目指すもの|[消費者庁]マイエシカル消費
2025年の「アースオーバーシュートデー」は7月24日 1年間の生物資源を使い果たす日:朝日新聞SDGs ACTION!
https://www.env.go.jp/content/000241758.pdf

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この記事を書いた人

ファッション大好き人間。学生時代に卒業論文でファッションについて研究テーマとして扱い、以来ライフワークとしてエシカル/サステナブルファッション界隈で活動している。
普段は某ライフスタイル雑貨チェーンで販売員として従事。
趣味は、商業施設の催事を巡ってSNSでレポートすることと、ハンドメイドアクセサリー製作。

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