サステナブル・エシカル通が選ぶ!2022年のBEST BUY ファッション編

エシカル・サステナブルな界隈で様々な活動をしている筆者が、「エシカルな買い物」というテーマで2022年のBest Buyをご紹介。1年を通してたくさんの商品に触れた中で、購入して本当に良かったものをセレクトしました。ファッション編とプロダクト編に分け2回にわたりお送りします。今回はファッション編です!

プロダクト編はこちら

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Heralbony×Kapok Knotのダウンストール

長年応援している「ヘラルボニー」が「カポックノット」とコラボレーションしたダウンストール。

ここ数年で急成長し露出も増しているのでご存知の方も多いと思いますが、ヘラルボニーは“異彩を放て”をスローガンに、福祉×アートという軸で幅広く活動し、“障害”のある人たちの可能性を切り拓いている企業です。筆者はローンチ間もない頃に出会い、以来ずっと応援しておりイベントやポップアップにも足を運んでいます。

一方、カポックノットは「カポック」という木の実から採れる繊維をダウンのように用いてプロダクトを作っているファッションブランド。従来のダウンに比べ軽く、さらに吸湿発熱機能があるという軽くて温かいアニマルフリーな新素材が特徴です。

その2ブランドがコラボレーションしたダウンストールが、昨年10月下旬に大阪の阪急うめだ本店で開催されたヘラルボニーの催事内でお披露目されました。3色展開されており、筆者が選んだのは「風のロンド」という作品が描かれたベージュのストールです。
ちなみに、両社のコラボレーションは一昨年にも一度行われていました。

Heralbony公式HP https://www.heralbony.jp/

Kapok Knot公式HP https://kapok-knot.com/

amaitoのキャップ

鹿児島県、奄美大島の染め職人さんのブランド「あまいと」から購入したキャップ。藍染は有名ですが、泥染はご存じでしょうか? 着物の大島紬を作る際に用いる伝統的な染色技法なのですが、粒子や成分が他とは異なり、奄美の泥でないと出せない風合いがあるそうです。昨年の晩夏にボランティアで参加したチャリティーイベントで、あまいとを展開する一般社団法人Amamiしま作捌繰(あまみしまさばくり) と出会いました。

以前から染色に関心を持っていたので惹かれ、何にするか迷った結果、このキャップを購入。初めにテーチ木(車輪梅)と呼ばれる植物で媒染(ばいせん:染料を繊維に定着させる工程)し、ツバは藍、パネル(ハギ)は藍の部分と泥の部分をそれぞれ筆で色を付けていく。そんな手間がかかった、個性的なキャップがとても気に入っています。

amaito公式HP https://sabakuri.base.shop/

one novaのアンダーウェア

毎年一着買い足している「ワンノバ」のボクサーパンツ。手持ちの数を増やしたくなるほどに良いのです! このオリーブグリーンは昨年5月ころに数量限定で販売されたカラーでした(現在は販売終了)。

立ち上げ当初から「世界一“透明な”パンツ」と掲げ、素材や生産背景を透明化し、丁寧にユーザーに伝えていました。そういったストーリーの面だけではなく、最高の穿き心地もが気に入っていて、自分用に買い足したり、同性におすすめしたりしています。まるで穿いていないのではないかというくらい下着の存在を感じさせません。勝負パンツにしてくれている友人もいます。

昨年8月にリニューアルを行い、メンズのボクサーパンツのみだったラインナップが、ユニセックスのボクサーパンツとウィメンズのブラジャー、ビキニパンツの4種類に増えました。これを男性だけが味わっているのはもったいないと思っていたので、着用できる人の幅が広がったのはファンとして喜ばしい刷新でした。

onenova公式HP https://onenova.jp/

children of the discordance × UGGのブーツ

ファッションブランド「children of the discordance(以下、チルドレン)」がムートンブーツで有名な「UGG」とコラボレーションしたブーツ。こちらに関してはエシカルブランドというわけでも、エシカルな売り文句があるものでもありません。ただ、2つのブランドそれぞれに、エシカルなマインドが備わっています。UGGは原料調達やクラフツマンシップを大切にしており、LGBTQ+などのマイノリティの支援も積極的に行っています。チルドレンはアップサイクルやフェアトレードを積極的に取り入れています。大きく打ち出してはいないものの、デザイナーから、生産に携わるすべての人への感謝が伝わってきます。元はデザインが好きで購入していましたが、過去に読んだインタビュー記事でもそのような内容があり、想いと背景を知ってよりファンになりました。ライニング(靴の内側)にウールとリヨセルの2種類の繊維を使用したり、プラスチックフリーでゴミがほとんど出ないような梱包方法であったり、原料選定や包装 からもエシカルマインドを感じられます。

UGG公式HP https://www.ugg.com/jp/

children of the discordance公式HP https://www.childrenofthediscordance.com/

【番外編】

最後に、番外編として昨年経験した、エシカルな購買体験をシェアします。エシカルファッションの幅を広げる選択肢としてぜひ参考にしてみてください。

RAGTAGのイベントで購入した、ステラマッカートニーのジャケット 

昨年ワールド北青山ビルの1Fスペースで開催された、ユーズドセレクトショップ「RAG TAG」とクリエイターとユーザーをつなぐプロジェクト「246st.MARKET」のコラボイベント。そこで購入したのがウィメンズのテーラードジャケットです。(筆者は男性で、本来であればボタンのかけ方が反対ですが、あまり気にせず思い切って購入しました。)

 イベントは “GOOD FOR FUTURE” をテーマに、RAGTAGの倉庫にクリエイターが足を運び、商品をセレクトして自身の商品とともに展示販売をするという催しでした。会場にはファッション好きが大勢来場。有名ブランドの新品同様の古着もあり、中には数十万円するものまで…! 古着を購入し、おしゃれを楽しむのも立派なエシカルファッションです。現役で活躍しているクリエイターたちのセンスに触れられる購買体験は、ファッションの楽しさを感じながらエシカルアクションができる面白いイベントだと感じました。

RAGTAG公式HP https://www.ragtag.jp/

246st.MARKET公式HP https://246stmarket.com/

KEEPWEARINGのプロジェクトで購入したメリノウール100%Tシャツ 

楽しく社会問題を解決しようと立ち上がった大学生によるプロジェクト「KEEPWEARING」から、メリノウール100%のTシャツを購入しました。KEEPWEARINGは、昨年の4月1日からの100日間、あるチャレンジを始動。この試みに賛同し、参加してみました。100日間のチャレンジ、それは名前のKEEPWEARING が示す通り、“着続ける”というものです。ウールマークカンパニーが「体温調整」「防臭性」「汚れにくい」「手入れが簡単」などの特徴を示しているように、ウール(羊毛)は、天然の機能性素材。

多くの人は夏も冬も機能性インナーに助けられていると思いますが、機能性インナーは基本的に石油由来の化学繊維を使用していて、洗濯をするとマイクロプラスチックが流れ出てしまうのが難点でした。
無洗百人チャレンジと名付けられたプロジェクトでは、100日間洗わずに着続けることで、このウールの特性を再確認し、洗濯という行為について考え直すことができます。

メリノウールの生地は、REDA JAPANが提供。REDAはイタリアのスーツ生地メーカーで、Bコープ認証やグローバルリサイクルスタンダード、ウールマーク認証など数々のエシカルな認証を取得しています。

ファウンダーの宮沢さんに聞いたところ、確認できただけで100人中25人が達成したとのことでした。(筆者は達成しました!)ウールが高機能であっても、そのキャパを引き出してあげるのは、やはり着用者の仕事。脱いだらハンガーに掛ける、スチームをあてる、風通しの良いところに干すなどしていたのですが、100日間臭いは発生しませんでした。
プロジェクトに参加してみて、知識として知ってはいたウールの特性を、身をもって体験できた機会になりました。

KEEPWEARING公式HP https://keep-wearing.stores.jp/

2022年のエシカルファッションを振り返って

エシカルマインドが根付く魅力的なファッションアイテムが目白押しだった2022年。企業同士のコラボも多く見かけました。

大量消費・大量廃棄を懸念し買うことを躊躇してしまったり、環境や人、動物を傷つけないよう慎重になりすぎてファッションを楽しめていない方もいるかもしれません。しかし、最近はサステナブルでエシカルなブランドがどんどん増えています。ぜひ楽しくエシカルに買い物をするための参考にしてみてください。

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