インクルーシブとは?アイデア溢れる取り組みで、ともに生きる社会へ

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近年、ダイバーシティを重んじる流れから、企業や学校といった組織でも個性を受け入れる「インクルーシブ」が重要になっています。実際どのような取り組みがインクルーシブなのでしょうか。
本記事では、インクルーシブの概要と企業や自治体の導入事例を紹介をしていきましょう。

インクルーシブの定義

インクルーシブ(inclusive)とは、日本語に直訳すると「包括的」です。個人が持っている要素や違いを互いに認め合い、誰もが平等にいられる共生の在り方です。特定の個人を仲間外れにしたり色眼鏡で見たりせず、誰もが居心地が良いと思える環境がインクルーシブに相当します。

生育環境や障がい、年齢、性別、国籍などのバックグラウンドに関係なく、多様性が尊重され、全ての人たちが平等に扱われる、インクルーシブ。
近年は、企業やプロダクト、自治体でもインクルーシブを重視した取り組みが展開されています。

インクルーシブはSDGsにもひもづいている

出典:unsplash.com

インクルーシブが注目されている理由の一つとして、SDGsで掲げられている17つの目標(持続可能な開発目標)のうち、以下の3つがインクルーシブにひもづいているからということが挙げられます。

・目標4. 質の高い教育をみんなに:誰でも学校で質の高い教育を卒業まで受けられる
・目標10. 人や国の不平等をなくそう:国籍、宗教、生育歴などに関係なく、誰もが取り残されず、平等にチャンスを与えられる
・目標16. 平和と公正をすべての人に:平和で、かつ誰もが受け入れられ、全ての人が法や制度で守られる

身近なところにも!インクルーシブを導入している実例

ここではインクルーシブの概念を実際に導入している実例を紹介します。

企業事例① 株式会社Halu/ブランド名:IKOU

「IKOU(イコウ)」は、障がい者と健常者の隔たりをなくしたいという思いで設立されたインクルーシブブランドです。
代表者(創業者)の子育て経験によって考案された、「IKOU ポータブルチェア」は、体幹が弱く「ひとり座り」が難しい障がい児のニーズに基づいた乳幼児向けのアイテムです。
レストランなどの外出先へも気軽に持ち運びでき、障がいの有無に関係なく使える点と安全面、デザイン面が高く評価され、2022年のグッドデザイン賞を受賞しています。

https://ikoudesign.com/ja/

企業実例② SOLIT株式会社/ブランド名:SOLIT!

「SOLIT!(ソリット)」は、多様な人たちも動植物も地球環境も、どれも誰も取り残さない「オール・インクルーシブ」な社会の実現をコンセプトにしたアパレルブランドです。
例えば、Dawn Jacketの腕の部分は、腕や肩の動きに制限がある方でも簡単に袖を通せる広めの設計。手先を自由に動かしづらいという方でも着脱がしやすいよう、一般的なボタンではなく、マグネットボタンに選択可能など、幅広くカスタマイズできるのが魅力です。
使う側のニーズに応じたストレスフリーのモノづくりという軸でインクルーシブを具現化しているといえるでしょう。

https://solit-japan.com/

企業事例③ 大栗紙工株式会社/ブランド名:mahora

大阪市に拠点を置く大栗紙工では、「いつの間にか書いている行が変わる」「罫線以外のものが気になって集中できない」などの発達障がいのある方々から既存のノートに対する不便さを汲み取り、当事者の方たちの声を活かした「mahora(まほら)」というブランドを立ち上げました。
ノートの罫線の種類は「あみかけ横罫」と「太細交互横罫」の2タイプ、ノートの色は3色(レモン、ラベンダー、ミント)、サイズは4種類展開です。
計24種類のノートがラインナップされており、使いやすさにこだわっています。

https://www.oguno.jp/mahora/

施設事例 東京都豊島区

東京都豊島区では、区内にある複数の公園に車いすのまま遊べる遊具や、体の動きが苦手な子どもでも遊びやすい遊具を設置しています。
他にも、「としまキッズパーク」という、予約制の公園を設け、インクルーシブの要素を取り入れた遊具で誰でも遊べる空間を提供しています。

以下のURLでご予約が可能です。

https://coubic.com/toshima-kidspark

教育事例 東京都国立市

東京都国立市では、障がいの有無に関係なく、児童および生徒が同じ場で学び、互いに成長できる『「国立市のフルインクルーシブ教育」~一人一人がその子らしくいられる教育~』を目指しています。
また、東京大学大学院教育学研究科と「フルインクルーシブ教育の実現に関する連携協力協定」を締結し、学校教育のマネジメントの手法や、授業技法を共同で研究しながら、「国立市のフルインクルーシブ教育」を実現していく取り組みを始めています。

社会のインクルーシブに目を向けてみよう

出典:pixabay.com

個々の多様性を重んじる流れも相まって、インクルーシブを軸とした企業や自治体の動きはさらに発展し続けていくと言われています。今回の記事でご紹介した情報をもとに、身の回りにどのような「インクルーシブ」があるかぜひ考えてみてくださいね。

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この記事を書いた人

writer

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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