子どもたちが自然の中で遊ぶ機会が減ってきている今、自然の持つ豊かさを教えてくれる存在として、木に注目が集まっています。
今回は、サステナブルな社会にも繋がる「木育」の概要と全国にある木と触れ合えるスポットをご紹介。子どもだけでなく大人も木の持つ魅力を存分に楽しみ味わえる、とっておきの場所をピックアップしました。
木育(もくいく)とは?
木育(もくいく)は、「木とふれあい、木に学び、木と生きる」をテーマに、木とのふれあいを通じて自然の重要性を教える取り組みで、2004年に北海道庁が提案した教育概念です。
木のぬくもりや質感を直接感じることは、自然との結びつきを意識することに繋がります。環境に対する感謝と尊敬の気持ちを育てることは、自然を大切にし、サステナブルな生活を考えるきっかけにもなるでしょう。
また、ストレスの軽減や心身に対するリラックス効果も認められており、身体的・精神的な健康を促進する一助となります。
全国の木と触れ合えるスポット
全国には、木と触れ合い、自然の豊かさを学べるスポットがあります。多様な木製の遊具で遊んだり、木を使った工作を楽しんだりすることができるなど、さまざまな方法で木の魅力を感じる工夫がなされています。
東京おもちゃ美術館(東京都新宿区)
都市の中心に位置する「東京おもちゃ美術館」は、木製おもちゃを中心に、約五千点のおもちゃで遊べる体験型ミュージアムです。手触りや音の異なる多種多様な木製おもちゃが展示され、訪れる人々に木のぬくもりと自然の重要性を伝えています。
木のおもちゃを使った遊びを通じて、子供たちの創造力を育む場ともなっており、都市部に住む家族にとっては、自然とのつながりを再確認する絶好の機会を得ることができるでしょう。
さらに、池袋にある豊島区民センター内にはこちらの美術館監修の「パパママ☆すぽっと」があります。「Under the tree 木の木陰で憩う。」をテーマに作られ、小さな子供連れのお出かけをサポートする木育スポットとして提供されています。
https://art-play.or.jp/ttm/
https://toshima-civic-center.jp/info/index.php?id=31
ときなる(福井県福井市)
「ときなる」は子どもが夢中になって遊べる木の遊具やおもちゃが満載です。「ヒノキタマゴプール」などがある0~2歳対象のエリアや、おままごとや積み木などを思い切り楽しめるエリアなど、木の温かみが感じられる空間が用意されています。
800点を超える良質な木のおもちゃがあり、親子で遊ぶことにより子どもたちの好奇心や創造性を育てます。
また、地域資源を使用したおもちゃや遊具も設置されており、木育の体験を通じて地域の自然保護の重要性を感じることができるでしょう。
徳島木のおもちゃ美術館(徳島県板野郡)
木育の理念を深く体現する「徳島木のおもちゃ美術館」。木のおもちゃを通じて訪れる人々に自然との調和を体験させてくれる施設です。
施設では、地域の木材を活用したユニークなおもちゃの展示や、木育に関する体験プログラムを提供。定期的に開催される木工教室や木育ワークショップでは、自らの手で木のおもちゃや木工品を作り上げることで、木材の持つ潜在的な価値を理解し、創造力を育む機会が得られます。
「0歳から100歳まで楽しめる」をコンセプトとしており、家族が共に時間を過ごし、木育の楽しみを共有できる場です。
https://www.tokushima-toymuseum.com/
鳥海山 木のおもちゃ館(秋田県由利本荘市)
歴史ある美しい木造校舎の廃校を木育体験の学び舎として蘇らせた「鳥海山 木のおもちゃ館」。子どもから大人まで楽しめる木育施設の場として設立されました。
特筆すべきは、館内にあるおもちゃや大型遊具は、地元の木で地元の人がつくったものであるということ。
楽しみながら木の魅力に触れられる木育空間としてだけでなく、地元材の活用を促し、市民の新たな活躍の場を創出する場ともなっているのです。
木のおもちゃを作る子ども向けのワークショップでは、木材の多様な使用方法を学ぶことができ、木とのふれあいを通じて創造力を高める貴重な機会を提供しています。
木と触れ合う日常を新たな選択肢に
全国に点在する、木と触れ合えるスポット。大人も子どもも自然の中で過ごす少ないからこそ、意識的に気を触れ合える時間を作りたいものです。
また、木を通して、その土地ならではの文化が垣間見えるのも大きな魅力です。家から近い施設だけでなく、旅行先でもご紹介したような施設をぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。