服との向き合い方を考える「TWO DECADES OF HIDDEN FASHION」が開催中

2013年にバングラデシュで多くの縫製工場が入ったビルが崩壊し、1000人以上の方が命を落としたラナ・プラザ崩壊事故。
事故から10年となる今年、ファッションレボリューションジャパンは、2023年6月4日(日)から29日(木)まで、服と自然環境、服と作り手、服と着る人との関係を見つめる展示「TWO DECADES OF HIDDEN FASHION」を表参道のGYRE GALLERYにて開催しています。

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様々な角度から知ることができるファッションの今

展示は、衣服の製造工程を知ることができるTシャツや、素材の原型、ファッション産業や消費者の意識の変化をグラフで可視化したインフォグラフィック、ファッション産業に関わる人の声を聞くことのできる動画や音声など、5つのセクションに分かれており、異なる角度からファッションについて知ることができます。

ファッションレボリューションがこの10年問い続けてきた“#whomademyclothes?(誰が私の洋服を作ったの?)”というテーマが、普段私たちが見ることのない現場の人々の“声”を軸に表現されています。

長いタグから知る、1枚の洋服ができるまで

普段何気なく着ている私たちの洋服は、素材の生産から縫製に至るまで、膨大な工程を経て出来上がっているという事実は、意外と知らないもの。
会場に入り、まず目に飛び込んでくるTシャツの長いタグには、一般的なコットンTシャツができるまでの全工程とそれを担う人の名前が記載されています。
洋服は実にたくさんの人の手を渡って、私たち消費者のもとに届けられるのです。

予想外の数字に驚きも。ファッションの今が見えてくるインフォグラフィック

これまでの約10年のファッション産業の変化を知ることができるインフォグラフィックのセクションは、今回の展示でメインとなるもの。
「繊維の生産量は約10年でどう変わってきたか」「サステナビリティが叫ばれる今、実際はどのくらい生産が透明化されてきているのか」など様々なデータがグラフによって可視化されています。

グラフにより、この10年で変わったこと、変わっていないことが明確に。グラフには、本来は捨てられるはずの糸を利用しているそう。
2021年から現在に至るまでの繊維工場などで起きた事故を記したもの。私たちの知らないところで、繊維・ファッション産業では今も事故が起き続けている

他にも興味深い展示が並ぶ

他にも会場には、素材の原型を展示したセクション、ファッション産業に関わる人たちの声を収めた動画や音声のセクションなど、現代のファッションについての理解が深まる展示が並びます。

繊維になる前の綿と麻。素材名は知っていても、元の姿は目にする機会が少ない人も多いのでは
なかなか聞く機会のない生産者やデザイナーなどのリアルな声を集めた動画や音声

最後は、小さなアクションを起こしてみる

会場の最後には、アパレルブランドに聞きたいことをはがきに記入し投函するという行動を起こせるセクションがあります。学ぶことに加えて実際にアクションを起こしてみることが、持続可能なファッション業界への実現の小さな一歩になるのです。

ポストが鏡になっていることにより、身に着けている服を改めて見つめ直すことができる

自分の持つ洋服がどのように作られているのか、自らの手で一から辿ることは難しいことですが、消費者である私たちがファッション産業の今を知り、小さくても行動を起こすことで、少しずつ業界の透明性は高まっていくはずです。
ファッションが、誰かを傷つけ、環境を汚染するようなものでなく、持続可能なものであるために。洋服を着る私たち一人ひとりが知っておきたい真実が展示会にはあります。

このファッションレボリューションジャパンによる展示会「TWO DECADES OF HIDDEN FASHION」は6月末まで開催中です。

「TWO DECADES OF HIDDEN FASHION」
開催期間:2023年6月4日(日)~29日(木)
会場:GYRE GALLERY / ジャイル・ギャラリー
住所:東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE 3F
オープン時間:11時~20時
入場料:無料
URL:https://www.fashionrevolution.org/asia/japan/

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