急速に広まる「リジェネラティブ」ってなに?意味と事例をご紹介します

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「サステナブル」や「SDGs」といったワードを聞くようになって久しいですが、一度傷ついてしまった豊かな地球環境を取り戻すためには、さらに踏み込んだアイデアが必要です。
近年サステナブルの一歩先を行く概念として広がりつつある「リジェネラティブ」。その意味と事例を見ていきます。

リジェネラティブとは

出典:pexels.com

リジェネラティブ(regenerative)とは、直訳すると「再生させる」という意味。
自然環境と紐づけられることが多く、例えば農業や漁業においては、土壌や水質の改善を目指し、生物多様性を向上することによって、自然が持つ本来の力を取り戻し、環境を回復していこうとする考え方です。

サステナブルとの違い

リジェネラティブに対して使われる言葉として、サステナブルがあります。
持続可能な地球をつくっていこうという考え方ではリジェネラティブもサステナブルも重なる点は多いものの、サステナブルは直訳すると「維持できる」となり、現状維持のような、少々消極的な意味合いに受け取られることもあります。
それに対し、積極的に自然環境を再生していこうというリジェネラティブの風潮が高まっています。

「リジェネラティブ」が活発な分野は?

出典:unsplash.com

自然を再生していこうとするリジェネラティブは、現在、農業や水産業で活発に取り入れられ始めています。

リジェネラティブ農業(環境再生型農業)の場合、有機肥料を使用したり、土を耕さない不耕起栽培を採用したりするケースが多く見られます。不耕起栽培は、土壌にCO2が貯留でき、土壌に生息する生物の多様性の向上が期待できます。
リジェネラティブ水産業(環境再生型水産業)の場合は、ゴミ問題や地球温暖化などにより悪化する海洋環境を改善し、生物多様性を取り戻すような取り組みが行われています。

実際にどのような事例があるのか見ていきます。

リジェネラティブ農業(環境再生型農業)

① 米の栽培

ホテル事業などを手掛けるサン・クレアが注力しているのが、環境再生型農業です。農地があるのは、愛媛県松野町目黒。有機農法、自然栽培、自然農法など、自然にあらがうことのない米作りを模索し、試行錯誤を続けた結果、田んぼを耕さない農法(不耕起栽培)の米作りにたどり着きました。

森のミネラルをたっぷり含んだ目黒川の清流水を使用し、不耕起栽培でできるのは、“野生のお米”。一本一本、ひと粒ひと粒丁寧に刈り取った米は、ハザ掛け(稲木)に干すことで、ゆっくり自然乾燥されたハザ掛け米になります。

② 栗の栽培

栗の生産量日本一の茨城県。中でも、茨城県の中部に位置する笠間市岩間地方は栗の生産が大変盛んな地域です。
その岩間地区近隣において、栗の圃場(ほじょう)の管理・運営を行う会社、いわまの栗では、岩間地区の栗生産の落ち込みを補うため、また近隣で育まれた栗文化を継承していくために耕作放棄地、休耕地を改植。
リジェネラティブな農地に作り替えていく取り組みを行なっています。

栗はもともと山に自生していた植物のため、果樹の中でも特に自然に近い状態で育てることが可能。いわまの栗では、できる限り自然を活かし、農薬はもちろん、肥料類も使わず、畑に生える草を活かした「自然草生栽培」を行っています。

リジェネラティブ水産業(環境再生型水産業)

今世界的に問題となっているのが、海藻が著しく減少する「磯焼け」です。
海の多様な生物の産卵場所や住みかとなり、CO2を吸収し酸素を供給してくれる場所として、海だけでなく地球にとって海藻の存在は欠かせません。
海藻が消失している表立った原因が特定されているわけではありませんが、水温の上昇や生活・工業排水の流入などが影響していると見られています。その中で、ウニが海藻を食べつくしてしまう「食害」も原因のひとつと考えられています。
それでも、朝焼け海域に生息するウニは栄養不足で実が入っていない状態のため、食用には向かず、捨てられてきました。

岩手県の水産会社、北三陸ファクトリーでは、磯焼けを防ぐために駆除・廃棄されていた栄養不足の痩せたウニを採取して2カ月間養殖。
その結果、実入りの良いウニにすることに成功しました。
現在は、全国にそのノウハウを広めています。

さらには、未利用資源であるウニ殻を活用し「施肥ブロック」を製造し、海中に沈め藻場の再生活動を実施。施肥ブロックを用いることで海藻が繁茂することが確認できています。

磯焼けの問題を解決しつつ、ウニという資源を最大限活用し、かつ藻場を再生させる先進的な取り組みとなっています。

リジェネラティブは、様々な産業・分野へ

出典:unsplash.com

リジェネラティブな水産業や農業の大きな目的は、自然の回復力と生産を両立することです。
その目的に加え、失われつつある日本の農業・水産業や地方を活気づけるために取り入れている場合も多く見受けられます。

今後、第一次産業だけでなく、他の産業にも広がっていくことが見込まれるリジェネラティブという概念。
地球環境を守っていくために、それぞれの分野で、サステナブルのその先の積極的な取り組みが求められています。

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この記事を書いた人

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学生の頃から社会問題や国際問題に興味を持つ。学生時代のNY留学や、20代後半に出発した世界一周の旅を通して、様々な自然や文化・人と出会う。国内外問わず、自然豊かなところに住むことが目標。一児の母。

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