日本の伝統文化を学び直そう!楽しみながら読める入門本5選

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古くより、多くの伝統文化が存在する日本。
冠婚葬祭など暮らしのなかの伝統はもちろんのこと、歌舞伎や能などの伝統芸能は、日本人が大切にしてきた歴史や精神が大きく影響しています。

しかし近年は、核家族化など、これまでの家族の形が変化していることや、伝統文化の後継者が不足していることから、日本の伝統文化が失われつつあります。

便利な生活が当たり前になり、国際社会の今こそ、日本の伝統文化について見直していきたいものです。
本記事では、今いちど日本文化を見直したい方に向けて日本文化の解説をするとともに、読みやすい入門書をご紹介します。

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日本文化の特徴は?

出典:pexels.com

日本文化を見直すためには、まずその特徴を簡単に知っておきましょう。

日本文化には以下のような特徴があります。

・自然との共存
・海外の文化を受け入れ、独自の発展を繰り返す
・神道や仏教など、宗教観が生活に溶け込んでいる

古くから四季折々の景色を見せてくれる日本には、それぞれの季節における行事や旬の食べ物、伝統や慣習などがあります。
また、古代には中国大陸や朝鮮半島などから多くの文化や農業、宗教などが日本国内に入ってきました。
それらを取り入れ、日本独自の形に発展させてきたものが、現在の日本文化の形であると言えるでしょう。

日本で信仰されている神道や仏教では多くの神々や仏様が存在しています。
そのため、日本人の生活のなかには宗教観が溶けこんでおり、神様や仏様が身近な存在である、というのも大きな特徴です。

学べば学ぶほど、日々の生活のなかに根付いている伝統に改めて気付くことができるのが日本文化なのです。

日本文化の学び直しに!日本伝統文化の入門本5選

日本伝統文化の学び直しにおすすめの入門本を紹介します。
どの本も、詳しい知識がなくても日本の伝統文化を身近に感じられるものばかりです。

『日日是好日―「お茶」が教えてくれた15のしあわせ― 』 森下典子(新潮社)

ルポライター、エッセイストとして活躍する森下典子さん。
25年間にわたり「茶道」を嗜む彼女が、茶道に対する思いを綴ったエッセイです。
いわゆる茶道のハウツー本ではなく、森下さんが茶道を学んだことにより気づいた「今このときを生きること」の大切さが綴られています。
茶道には多くの決まりごとがあり、習い始めた当初はその決まりごとの多さに辟易していたという森下さん。しかし、その決まりごとの向こう側には「ここにいるだけでよい」という心の安息がありました。
日本ならではの四季を五感で味わいながら、「今生きている」ことの喜びをふんだんに感じられるこの一冊は、日本文化の素晴らしさを表していると言えるでしょう。

『幸田文 しつけ帖』 幸田文(平凡社)

作家の幸田文さんが父・幸田露伴さんとの思い出を描いた随筆集。
幸田さんが父から教わった掃除や洗濯、食事などの「日常生活」に必要な支度や心得が綴られています。
タイトルにある「しつけ」という言葉からは作法や礼儀など、少々堅苦しい内容を想像させますが、実際には日常への向き合い方が心豊かに描かれた作品です。
幸田文さんは昭和に活躍した女性作家であり、彼女が少女だった頃の日本文化が垣間見える興味深い一冊となっています。

『現代短歌版百人一首 花々は色あせるのね』 東直子(春陽堂書店)

「歌」は古来より、日本文化を代表するもののひとつです。
現在の元号である「令和」も、日本最古の歌集である『万葉集』に収録された歌に由来しています。
現在は「五・七・五・七・七」の三十一音を主とする短歌や、季語を織り込んだ「五・七・五」の十七音を主とする俳句が、多くの人に親しまれています。
本書は、歌人の東直子さんが『百人一首』に収録された歌を現代の言葉で短歌に詠み直した一冊。
『百人一首』の歌が詠まれたのは遠い昔ですが、東直子さんの現代語による「詠みなおし」によって、歌に詠まれた当時の人々の心情や美しい景色がありありと浮かび上がってきます。
「百人一首という名前だけは知っているけど……」と敬遠されている方にも、歌の入門書としておすすめです。
今も色あせることのない日本の心が息づいている一冊です。

『仏果を得ず』 三浦しをん(双葉社)

専門書やエッセイよりも小説を読む方が好き、という方には、三浦しをんさんの『仏果を得ず』から日本の伝統文化について学んでみてはいかがでしょうか。
本書は、日本の伝統芸能のひとつである「人形浄瑠璃」をテーマに、主人公・健の人間的成長を描いた作品です。
人形浄瑠璃とは、三味線の伴奏や義太夫節と呼ばれる「語り」によって展開していく人形芝居です。健は、はじめて文楽を鑑賞した際に義太夫節を語る太夫(語り手)のエネルギーに圧倒され、たちまちその虜になります。
江戸時代に登場した芸能であり、主に大阪で発展した人形浄瑠璃は、『曾根崎心中』や『心中天網島』などの作者である近松門左衛門が有名です。
現在も、大阪にある「国立文楽劇場」では、さまざまな演目が上演され、老若男女問わず多くの人々が劇場に足を運んでいます。
伝統芸能の世界に生きる人々の圧倒的な情熱とエネルギー。それが伝わる本書をぜひ手に取ってみては。

『日本の神様 解剖図鑑 』 平藤喜久子(エクスナレッジ)

八百万と言われるほどに、たくさんの神々を崇める神道。
本書では、それぞれの神が持つ個性やご利益、そして神々にまつわる逸話を紹介しています。
イラストや図解が多く掲載されているので、これまで馴染みのなかった方にも読みやすい構成になっています。
ご利益を知るだけでなく、そこに見られる日本の歴史や宗教観についても学ぶことができ、入門書には最適だと言えるでしょう。

今こそ日本文化を見直してみよう

日本の伝統文化、と聞くと少し堅苦しく感じるかもしれませんが、実際には私たちの生活にとって身近な存在です。
今こそ、日本の伝統文化について学び直してみてはいかがでしょうか。

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