「ハロー、世界。コチラは今日も13:00ころから”雪かき”してます。」お店がオープンする日の朝、この投稿がSNSに上がるのが目印です。
今回は、今本好きの間で話題の本屋、snow shoveling(スノウショベリング)に潜入! “出会い系本屋”の魅力をご紹介します。
”出会い系本屋”スノウショベリングとは?
駒沢公園から程近いところにあるスノウショベリングは、「『ヒト・モノ・コト」の出会いを楽しめる場所』というコンセプトのギャラリー兼本屋です。デザイナーをしていた中村秀一さんが12年前に開業しました。
自称”出会い系本屋”というキャッチーなネーミングについて、店主の中村さんは「”出会い系”って言葉が当時は今みたいにカジュアルじゃなくて、ちょっと怪しかったり、良くないイメージがまだあったんだけど、それと本屋ってコントラストがちょっと面白いなと思って。本屋を舞台に恋が生まれる映画『ユー・ガット・メール」を観て、本屋で出逢うってロマンチックでいいなって思ったのもきっかけになりました(笑)」とイタズラっぽい笑顔で話してくれました。
独自のテーマの棚と旅の思い出が詰まったような店内
1階のガレージの奥にある階段を上がってすぐの、ロックバンドdoorsのポスターが貼られた緑色の扉がお店の入口。ウェルカムボードやメッセージ性のあるフライヤーが貼られ、入り口から店主のユーモアとこだわりが垣間見れます。
扉を開けて中に入ると、薄暗い空間をいくつもの間接照明が心地よく照らし、小説家の隠れ家のようでした。所狭しと並べられた本やレコードと一緒に、旅のお土産のようなオブジェが置かれていて、おもちゃ箱のようなワクワクする店内です。
ここは、本の並び方が他の本屋とは一味違います。
棚には「本屋の本」「ことのは」「建築のこと」など、独自のテーマで本が選出。
“プログレッシブな本屋”を名乗る店主が選んだ、今の社会を考えるヒントになる本が並ぶ「店主の推薦図書コーナー」にも注目です。
さらに目を引いたのは、テーブルに並べられた「Blind Date with a book」というコーナー。本との新しい出会いを提案するインスタレーションで、なんと表紙も作品名も著者も非表示! 印字された言葉のインスピレーションで本を選びます。
当たりもハズレもあなた次第?! 直感が試されます。迷った時は店主がヒントをくれるとか。予測できない本との出会いをぜひ楽しんでみてください!
自然とコミュニケーションが生まれる居心地の良い空間
店内にはソファとテーブルが置かれていて、荷物を置いたりくつろいだりとリラックスして本を選ぶことができます。
コーヒーやビールも提供していて、この日は10月なのに夏日だったこともあり、ビールを注文してみました。一人だけ飲むのも気が引けたので、店主とお店を訪れていた方たちも誘うと、ひょんな流れから、4人でビールを飲みながらおしゃべりが始まりました。
お店で定期的に行われているブッククラブ(グループで集まり一つの本について感想をシェアする)の話から、話題は感性の違いや教育、哲学の話へ広がり、あっという間に時間が過ぎていきました。
文字通り”出会い系本屋”を満喫することができた筆者。また帰ってきたいと思うような心地良い時間を過ごすことができました。
興味がある方は、ぜひ店主が開くブッククラブにも参加してみてはいかがでしょうか。全国のイベントにブックバスで出店もされているそうなので、ひょっとしたらあなたの街でもスノウショベリングに出会えるかもしれません。
“豊かさは知識ではなく心の中にある“
最後に中村さんに、「豊かさってなんだろう?」と立ち止まりたくなった時におすすめのコーナーを聞いてみました。おすすめは「ことのは」という詩のコーナーだとか。「詩には答えがないから、自分の感性に向き合えるんじゃないかな?」と中村さん。
本からは知識を得るというイメージがどうしてもありますが、詩の本から得られるのは自分自身と向き合える時間かもしれません。
ぜひスノウショベリングに足を運んで、偶然の出会いとあなたにとっての豊かさを見つけてみてください。
Snow Shoveling Books & Gallery
東京都世田谷区深沢4-35-7 2F-C
*営業日時はinstagramをご確認ください
公式Instagram:https://www.instagram.com/p/DAhoni6Tt9h/
公式ホームページ:http://snow-shoveling.jp/index.html