アートの街・大阪北加賀屋。「SMASELL Sustainable Commune」でSDGsな衣食住を楽しむ

大阪市住之江区北加賀屋で、鉄工所として50年以上使用されていた約210坪ある廃工場。

そこをリノベーションして作られた、ポップな黄色い外観が目印の「SMASELL Sustainable Commune(スマセル・サステナブル・コミューン)」は、「人や環境にやさしい」をテーマにショッピングモール・カフェ・ライブハウス・ギャラリーの機能を融合した複合施設です。

今回は、大阪で衣食住を楽しみながらSDGsの体験ができる場所「SMASELL Sustainable Commune」の魅力をお伝えします。

ギャラリーやカフェが立ち並ぶ、アートの街・北加賀屋

今、アートの街として有名な大阪・北加賀屋。もとは造船業で栄えた街だったといいますが、造船業が衰退していくにつれ空き家が目立つように。地主さんが街を活性化するために アーティストを住まわしたことから、この10年の間に街にギャラリーやおしゃれなカフェが並ぶようになり、壁面にグラフィティアートが描かれるなど、芸術の溢れる街となりました。

「SMASELL Sustainable Commune」は地下鉄四つ橋線北加賀屋駅より徒歩6分、車だと梅田ICから20分のところにあります。(ホームページに詳しい道順案内が掲載されています)

街が持つアートの要素に加えてファッションや食を提供。より利便性の高い施設を目指して作られました。

複数のエリアからなるSDGsの複合施設

施設内には7つのショッピングモールとカフェがあり、週末にはライブなどのイベントやアーティストのギャラリーも併設。一箇所ずつご紹介していきます。

エシカルなセレクトショップ「SMASELL STORE」

AエリアはSMASELLのセレクトショップ。パリコレデザイナーのヨシオクボとコラボしたアップサイクルブランドや俳優の井浦新さんプロデュースの石けんシャンプーなど、ストーリー性を持つサステナブルな商品が置いてありました。

ヨシオクボとコラボしたアップサイクルのオリジナルブランドは、コロナ禍で服の生産量が落ち、失業する恐れのあったバングラデシュの労働者を救うために立ち上げられたそうです。ジーパンに刺繍を施すなどとても手が込んでいて、エシカルなだけでなくデザインが高い製品です。

アップサイクルファッションブランド「I’m shipshape」

BエリアはL.Aを拠点にデザイナー、アーティストとして活動するSean Wotherspoonと、東京を拠点にファッションディレクターとして活動するUchiの共同プロジェクト「SWUCHI」によるコンセプトストアです。

デザイナー自らが古着を表情豊かにアップサイクルしたアイテムは、世界にひとつしかない、まさに芸術作品。他の誰とも被らないエコなファッションが楽しめそうです。

EU発のサステナブルブランド「ECOALF(エコアルフ)」

Cエリアはヨーロッパ発のサステナブルファッションブランド「ECOALF(エコアルフ)」。2009年の創業以来、リサイクル素材や環境負荷の低い天然素材を使用し、スタイリッシュで機能的なコレクションを展開しています。ブランドでは、海洋ゴミを回収しファッションアイテムへと再生する取り組みもしています。

隣接する会場には、インフルエンサーなどのユーズドアイテムを扱うフリーマーケットスペースがありました。ファッションに高い感度を持つインフルエンサーが着用していたということで、どんなアイテムがあるのか気になりますよね。

有名ブランドが最大90%オフに!「OFF STORE」

DエリアはGLOBAL WORK や nico and・・・、studio CLIPなど有名ブランドが最大90%オフで買えるアウトレットショップ。さらに、まとめて買うと更にお得に…! アウターから帽子などの小物まで様々な種類があり、掘り出し物が見つかりそうでした。

フェアトレード・オーガニックのアガベ専門店「KOBE AGAVE SHOP(コウベ アガベ ショップ)」

Eエリアはフェアトレードやオーガニックのアガベ専門店。自然との共生がテーマの施設にふさわしいグリーンが並びます。パキポディウムなど珍しい植物も販売されていました。

循環型社会を目指すボーンチャイナ専門店「NIKKO(ニッコー)」

FエリアのNIKKOは、ファインボーンチャイナの食器メーカー。通常は成形が困難とされる50%のボーンアッシュ(牛の骨灰)を含んだ食器の白色の美しさは息をのむほどでした。

NIKKOはボーンチャイナを肥料にリサイクルする技術を確⽴し、サーキュラーエコノミーの取り組みを推進しています。

ヴィンテージ家具のセレクトショップ「RESTYLE(リスタイル)」

GエリアのRECTYLEは、ヴィンテージ家具をセレクトして販売するインテリアショップ。味わいのある家具をリーズナブルに買うことができ、値段を見て驚く方も多いとか。

お店の一角では、木材の端材を使った雑貨の販売も。手作りのためひとつ一つ風合いが異なり、世界にひとつしかないものが手に入ります。

館内は音楽やアートが楽しめる工夫も満載

2階にあがってすぐのスペースは、DJブース。週末にはライブが開催され、施設全体で500人以上の人が入れるようになっています。

館内で目を引くアートはイワミズアサコさんの作品。廃材の布を使って作られているそうで、カラフルな色使いがとても印象的でした。

アップサイクルバスで楽しむサステナブルフード

ランチや休憩で訪れたいのは、館内に入って真っ先に目に飛び込んでくるロンドンバス。廃車になっていたものをカフェにアップサイクルしていて、1階がキッチン、2階がイートインスペースとなっています。

パンは東京にある100%VEGANのベーカリー「UNIVERSAL BAKES」のものを使用。サステナブルレストラン「ボッテガブルー」監修のハンバーガーなどが食べられます。

2階に登ると座席が。店内を眺めながら食べることができる

今回は、イタリアンフィッシュバーガー(1,200円・税込)をいただきました。サンドされている未利用魚のフライはボリューム感があり、とても満足感のある美味しい一皿。

ハンバーガーのパテには本来捨てられるはずの端材をミンチにして使っているなど、フードにまで施設のコンセプトが行き届いています。

子どもの遊び場では物々交換も

施設の中央には子どもの遊び場もあります。置いてあるおもちゃや本は、持ってきた数と同じだけ交換して持って帰ることができるシステムになっていました。子どもと楽しみながら循環が生まれる、とても素敵な取り組みです。

ファッションロスの先にある気候変動問題に取り組みたいとオープン

 「SMASELL Sustainable Commune」は、年間3000億着以上捨てられていく洋服の廃棄ロスの問題を解決しようと活動する企業が手掛けています。代表の福屋剛さんはもともと繊維商社で10年ほど働いていましたが、そこで大量生産・大量廃棄の問題を目の当たりにしたことから業界の改革を目指して起業したといいます。

これまで、「ファッションをもっと楽しく持続可能なものに」という理念のもと、オンラインのアウトレットモール「SMASELL」を運営し、ブランド品のデッドストックやユーズドアイテムを最大95%オフで販売。現在約28万人の会員が利用など人気を集めています。

さらに、モールで掲載されているデッドストックの洋服をアップサイクルしたブランドの立ち上げや古着の回収事業、オウンドメディア運営、ファッションスワップ(物々交換イベント)など様々な活動も行ってきました。

「SMASELL Sustainable Commune」は、ファッションロスの先にある気候変動問題の解決を重要視し、異業種と協力して持続可能な社会を実現することを目的として、2024年7月にオープン。アート・音楽・食品業界など異業種とのコラボレーションを生み出す場が誕生したのです。

ショッピングや食、アート、音楽を楽しみながらSDGsを体感

「SDGs体験施設とうたっていますが、SDGsのゴールを掲げることはあえてしていません。オシャレだったり良いものだからその商品を買ったり、美味しいからその食べ物を買ったりして欲しい。直感的にまず楽しんでもらい、その先に気づきがあればいいと思っています。」と代表の福屋さんは言います。

トレンドを押さえ、衣食住やアート、音楽などに触れられる空間、「SMASELL Sustainable Commune」。その根底には、SDGsやエシカルな視点がありました。

家族連れなど、どんな世代の人も楽しめる「SMASELL Sustainable Commune」をぜひ訪れてみてください。

SMASELL Sustainable Commune

住所:大阪市住之江区北加賀屋5丁目5-26
TEL:06-6683-5123 
営業日:金土日祝(11:00~18:00) 
公式HP:https://commune.smasell.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/smasell_sustainable_commune/

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この記事を書いた人

幼少期に途上国の貧困問題の現状を知り何とかしたいと思うようになる。2022年からエシカル・コンシェルジュとして、地球がより美しく平和ですべての生き物が幸せであり続けるためにさまざまな情報発信・活動をしている。プライベートではスイミングが趣味の一男一女の母。