世界のジェンダーギャップランキングで日本は何位? 順位推移と課題を解説

SDGsやDE&I、女性活躍推進などが注目され、世界中で男女の平等が求められています。そのような中で、日本ではどれくらい進んでいるのでしょうか。

この記事では、世界ジェンダーギャップ指数のランキングや日本の課題を解説します。

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ジェンダーギャップ指数とは?

出典:unsplash.com

ジェンダーギャップ指数は、世界の国々の男女間の格差を数値化したものです。世界経済フォーラム(WEF)が「Global Gender Gap Report」(グローバル・ジェンダーギャップ・レポート、世界男女格差報告書)で毎年発表。2025年は6月12日に発表されました。2025年版では148カ国が対象となっています。

ジェンダーギャップ指数は以下の4分野で評価。0を完全不平等、1を完全平等とし、数値が大きければジェンダーギャップが少ないことを示しています。その数値が大きい順に、国別に順位付けしたものがランキングです。

項目概要
経済賃金格差、管理職の女性の割合など
教育識字率、初等から高等教育の就学率など
健康男女の平均寿命、出生時の男女比など
政治女性の国会議員の比率、国家元首の在任年数など

ジェンダーギャップ指数、最新のランキングTOP30と日本の順位(2025年版)

2025年版のジェンダーギャップ指数のランキングTOP30をまとめました。

順位スコア
1位アイスランド0.926
2位フィンランド0.879
3位ノルウェー0.863
4位英国0.838
5位ニュージーランド0.827
6位スウェーデン0.817
7位モルドバ0.813
8位ナミビア0.811
9位ドイツ0.803
10位アイルランド0.801
11位エストニア0.799
12位スペイン0.797
13位オーストラリア0.792
14位デンマーク0.791
15位バルバドス0.786
16位コスタリカ0.786
17位スイス0.785
18位ニカラグア0.783
19位リトアニア0.783
20位フィリピン0.781
21位ラトビア0.778
22位チリ0.777
23位メキシコ0.776
24位バングラディシュ0.775
25位エクアドル0.774
26位セルビア0.774
27位ベルギー0.773
28位トリニダード・トバゴ0.772
29位スロベニア0.770
30位カーボベルデ0.769

アイスランドやフィンランド、ノルウェーなど北欧諸国は上位の常連となっています。TOP30に日本は入っておらず、118位と低い順位となっています。

日本の順位の推移と背景

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日本のジェンダーギャップ指数はどのように推移してきたのでしょうか。2006年から5年ごとのデータを見ていきましょう。

順位スコア
2006年80位0.645
2011年98位0.651
2016年111位0.660
2021年120位0.656

ジェンダーギャップ指数が初めて公表された年から、日本のスコアは横ばいです。一方で順位が下降しているのは、他国が改善を進める中で、日本の進展が限定的であることが挙げられます。

続いて2025年のジェンダーギャップ指数における、日本の分野別の順位・スコアをまとめました。

分野順位スコア
経済112位0.613
教育66位0.994
健康50位0.973
政治125位0.085

表を見ると、4つの分野の中で健康分野において比較的順位が高くなっているのが分かります。厚生労働省が発表した「簡易生命表(令和6年)」によると日本人の平均寿命は81.09歳、女性は87.13歳となっています。

また教育分野も他の分野と比べて、上位にランクイン。大学学部の女子学生は120万6千人、女性の割合は45.9%と過去最高です。

一方で健康分野、教育分野の順位に対して、経済分野・政治分野では、下位に位置していることが分かります。

日本の課題と注目される取り組み

ジェンダーギャップにおける日本の課題は、特にスコアが低い経済・政治分野にあるといえます。

2022年に発表された、管理職に占める女性の割合を見ていきましょう。

女性管理職の割合
日本12.9%
フィリピン53.4%
スウェーデン41.7%
アメリカ41.0%

他国と比べると、日本の女性管理職の割合が極端に少ないことが分かります。日本では出産・育児と仕事の両立が難しいことや、ジェンダーバイアスが残る企業が多いことなどが理由とされています。

例えば、女性管理職の割合が41.0%であるアメリカの場合、フレキシブルに働ける環境が整っていることや、リーダーシップ研修が充実していることが、女性のキャリア形成を後押ししています。

また政治分野では、女性議員の割合は衆議院で15.7%、参議院で27.4%というデータがあります。女性の議員活動における課題として、以下のような声が上がっています。

  • 女性として差別されたりハラスメントを受けたりすることがある
  • 議員活動と家庭生活との両立が難しい
  • 「政治は男性が行うもの」という固定観念が強い

諸外国では女性議員の比率を高めるために、法律や政党が一定数の女性を議員として選出するよう定めています。またアメリカやドイツでは、女性議員を対象とした研修制度が充実しています。

ジェンダーギャップ改善が社会にもたらす効果

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ジェンダーギャップの改善は経済成長をもたらします。特に労働人口が減少している日本では、女性が働きやすい環境が整うことは、GDPの底上げに繋がります。結果、男性の過労やメンタル不調の緩和にも寄与します。

また経営や研究の現場では、新たな価値観を見出すことが可能です。女性が多様な現場で活躍することで、組織の多様性を尊重する方向への変化が期待でき、男性が”男らしさ”の呪縛から解放されることにも繋がります。

女性の社会進出で大きな課題となっているのが、出産・育児や介護との両立です。男性が家庭生活に積極的に参加することで、夫婦関係の構築や子育ての満足度上昇に貢献します。

ジェンダーギャップ指数ランキングが低い日本に求められることは?

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日本のジェンダーギャップ指数は、社会の現状として誰もが知っておく必要があるでしょう。ジェンダーギャップの解消は、女性の社会進出だけでなく、男性の生きやすさに繋がるのです。

まずは「男性らしい」「女性らしい」という固定観念を捨てることや、男性が育休・時短制度を取得することなど、目の前の意識改革から始めてみませんか。

参考:
Global Gender Gap Report 2025
11-3図 日本のジェンダー・ギャップ指数の推移|内閣府男女共同参画局
Global Gender Gap Report 2025
3-3. 就業者及び管理職に占める女性の割合|独立行政法人労働政策研究・研修機構
第1分野 政策・方針決定過程への女性の参画拡大|内閣府男女共同参画局

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この記事を書いた人

吃音症を持つフリーライター。生きづらい特性があっても自分らしく働けると身をもって証明する。沖縄旅行が生きがい。特に石垣島の自然や文化に感銘を受け年3回程訪れている。

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