今知りたい、ウェルビーイングとは。人と社会が豊かであるために一番に考えたいこと

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心と身体の健康に加え、社会的にも満たされることを大切にしたウェルビーイングの考え方。経済的な豊かさのみが求められた時代が終わり、心の豊かさが重視される今、このウェルビーイングが注目を集めています。
これからの時代において「幸せ」に生きるためのヒントとなるウェルビーイングは、エシカルな社会とも関係が深いものです。

この記事では、ウェルビーイングの概念、そしてウェルビーイングと私たちの生活の関係についてご紹介します。

ウェルビーイングとは

出典:unsplash.com

ウェルビーイング(Well-being)は、単に健康や幸福であるのに加え、社会的にも良好である状態が合わさった状態のことです。

初めてウェルビーイングとい言葉が登場したのは、1946年のWHOによる憲章といわれています。「病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあること」を広い意味での健康と捉え、ウェルビーイングという言葉が用いられました。

現代社会におけるウェルビーイングの意義は、急速なテクノロジーの進展、環境問題、経済的な変動など、常に変化し続ける社会においてそれぞれの幸福感を維持しようとするものです。
身体的な健康や経済的な豊かさだけでなく、精神的な健康、社会との繋がり、個人の成長といったさまざまな要素が含まれています。

今ウェルビーイングが注目される理由

SDGsの目標3にも「Good Health and well-being」というように、ウェルビーイングという言葉が使われています。
また、日本政府は2021年の「成長戦略実行計画」において、「国民がWell-beingを実感できる社会の実現」を明言しており、「成長戦略による成長と分配の好循環の拡大などを通じて、格差是正を図りつつ、 一人一人の国民が結果的にWell-beingを実感できる社会の実現を目指す。」としています。

このようにウェルビーイングに光が当たり始めたのは、いくつかの理由がありますが、経済の成長が右肩上がりではなくなってきた今、人々の求める「幸せ」が、経済成長による幸せではなく、心の豊かに生きることにシフトし始め、その生き方を模索し始めたからという理由が挙げられます。
より幸福に心豊かに生きるために、個人の生活や社会全体で、ウェルビーイングが見直されているのです。

ウェルビーイングと私たちの生活の関係

ウェルビーイング実現のため、私たちの社会においてポイントとなるキーワードを紹介します。私たちの日常生活や社会をより豊かに幸せなものにするために、ウェルビーイングが使われる分野を見ていきましょう。

ウェルビーイングと働き方

出典:unsplash.com

ストレス社会と呼ばれる現代において、精神的・身体的・社会的な健康は、単なる病気の有無以上の意味をもつようになっています。人々は、仕事と生活の最適なバランスを重視し、より充実した生活を求めるようになっているといえるでしょう。

また、コロナ禍が明け、ワークライフバランスが見直されてきたことにより、ウェルビーイングがこれまで以上に重要視される傾向にあります。
リモートワークが普及したことで、自分らしい働き方へとシフトする人も多くなる一方で、コミュニケーション不足によるメンタルヘルスの問題も指摘されています。

企業にとってもウェルビーイングと働き方は切り離せないものになってきています。
幸せなである人は生産性などが高いことが分かっており、ウェルビーイングは会社の業績にも関わってくるとされているのです。そのため、ウェルビーイングを重視した取り組みに力を入れる会社も増えてきています。

働きやすさを重視した仕組みづくり、顧客や会社への貢献を感じられ社員が中長期的に成長できる体制づくり、社員のメンタルや健康を向上・維持するような福利厚生など、企業によって様々な工夫が行われています。

デジタルウェルビーイング

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デジタルウェルビーイングとは、デジタルテクノロジーとの健康的な関係性を目指す考え方です。

現代社会では、スマートフォン・コンピューターなどのデジタルデバイスが日常生活に深く根づいています。情報やコミュニケーションをとることにおいてとても便利なツールですが、過度な使用は依存症や睡眠障害、集中力の低下、社会的孤立感などの問題を引き起こすことが考えられ、ウェルビーイングを阻害する可能性があります。

解決のためにはデバイスの使用時間を管理し、オンライン・オフラインの生活のバランスを意識することが大切です。また、SNSなどのデジタル空間における行動の振り返り、プライバシー・セキュリティの保護もデジタルウェルビーイングの重要な側面といえるでしょう。

デジタルウェルビーイングの実践は、私たちがデジタル技術をより賢く、より意識的に利用することを促します。
デジタルデバイスを使う時間を管理し、オフラインでの活動を楽しむ時間を設けることで、デジタルデバイスの持つメリットを享受しながらも、身体共に健康的な生活が望めます。

自然とウェルビーイングの関係性

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自然との触れ合いが自身の健康や幸福によい影響を与えていると感じたことはありませんか。

その効果は英国の研究でも証明されており、週に120分以上自然の中で過ごすことが心と身体、両方の健康に繋がることが分かっています。これは年齢・性別・社会的地位など関係なく、すべての人にとって平等に効果があるのです。

過ごし方も自分が好きな方法で問題ありません。
週に1度緑の中でスポーツやキャンプなどを活動的に楽しむのもよいでしょう。毎日15~20分ずつ樹木や花に満たされた場所を散策し、幸福感を得る方法もあります。
大切なのは、自分の好みや生活に合わせて選択すること。日々に取り入れたいウェルビーイングへの試みです。

スマートシティ

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スマートシティは、デジタル技術を活用してエネルギーや交通などの都市インフラや施設、運営業務を最適化し、企業や住民の快適な暮らしを目指す都市のことを指します。

大切とされているのはデジタル化だけでなくその技術により「人を幸せにできるか」ということで、人を中心とした視点での街づくりが前提とされ、住民のウェルビーイングが重視されるのです。

経済・健康・文化の観点からも暮らしやすい持続可能な都市を目指すスマートシティは、SDGsの目標11「住み続けられるまちづくりを」の一端を担うこととなるでしょう。
エネルギーの効率化、クリーンエネルギー発電など環境に配慮したまちづくりを基礎としたスマートシティは、住民のエシカル意識を高めることとなります。
個人のエシカルな取り組みは、単に自分自身の幸福を高めるだけではなく、広い意味での社会的なウェルビーイングにも寄与するのではないでしょうか。

生活のあらゆるシーンでウェルビーイングを意識してみよう

これからの時代、私たちの幸せな生活の大切なキーワードとなるウェルビーイング。自身の心と身体の健康を保つために、個人でできることはたくさんあります。
また、社会的にも充足感のある状態にするために、社会が大きく動こうとしています。
私たちと社会が豊かで持続可能なものであるために、ウェルビーイングを重視してみませんか。

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この記事を書いた人

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トラベルライター/Kindle作家。自然や文化に触れることを趣味として、結婚前は海外、現在は国内を中心に旅をしている。SNSでは神社仏閣・美術館などのおでかけ記事を発信。文化遺産保護への思いからサステナブルに興味を抱くように。

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