【6月は環境月間】いくつ知ってる?環境問題について、基礎から学ぼう!

私たちの生活に直結する自然環境。環境問題が取り上げられて何年も経ちますが、そもそも環境問題にはどんな種類があるのでしょうか。この記事では、環境問題の種類をわかりやすく解説し、私たち一人ひとりにできることを考えます。

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環境問題とは?なぜ問題視されているのか?

 気温の上昇、酸性雨、海水面の上昇など、地球をとりまく様々な問題が叫ばれて久しい昨今。これらの問題のほとんどは私たち人間の活動によって引き起こされているものがほとんどです。このように、人間環境へ与えるマイナスな影響を総称して「環境問題」と呼びます。

 環境問題が進行すると、野生動物や植物などの自然環境が破壊され、生態系が崩れる恐れがあります。他にも、農作物の不作や水不足など、人間にも大きな影響を及ぼすため、私たちにとって決して他人事ではありません。

環境問題の種類5つ

 環境問題には、いくつかの種類があります。その中でも、とくにメディアで多く取り上げられるものについて解説していきます。今回は一度基礎に立ち返り、環境問題の原因を知ることで、私たちにできることについて考えてみましょう。

気候変動

出典:unsplash.com

 気候変動とは、温暖化により気温が高い状態が続くことで、気象のパターンに異常が生じることです。主な原因は、石炭や石油などの燃焼の際に発生する、温室効果ガスによるものとされています。また、物が溢れる現代では多くの物が使い捨てられたり、大量の食べ物が日常的に廃棄されたりしています。燃やすものが増えればその分、二酸化炭素の排出量も増え、温暖化は進む一方です。

 また、日本では林業の衰退も温暖化に影響しています。本来、しっかり手入れが行き届いた森林は二酸化炭素を充分に吸収し、酸素をつくります。しかし、林業の衰退により荒れた森林が増えた現代では、樹木が本来の機能を発揮できていません。増え続ける二酸化炭素と、吸収が追いつかない森林。海外では森林の過剰な伐採による影響も大きいですが、全く管理されないのもまた、問題なのです。

 近年は、日本でも度々メディアで異常気象について取り上げられています。年々、気温の上昇により花の開花時期が早まったり、積雪量が減ったりと、身近に感じている話題なのではないでしょうか。また、温暖化により氷河の融解が進み、海水面が上昇していることも問題になっています。このまま融解が進めば、かねてから言われている通り、ツバルなどの島国は海に沈む恐れがあるとも言われ、日本も例外ではありません。

海洋汚染

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 海洋汚染とは、工場や家庭などからの排水、ごみの流出により、海が汚されることを指します。メディアでよく目にするのは、工場から有害物質が誤って海に流れたという内容の報道ではないでしょうか。しかし、お風呂や洗濯など私たちの日常生活で排出される水も、化学物質が洗剤に多く含まれるため、海にとっては汚染物質のひとつです。このことから近年では、環境に配慮した成分の洗剤が販売されるようになりました。これらは、生活排水による海洋汚染を軽減しようとする取り組みのひとつです。「排水溝の先には海がある」と考えると、イメージしやすいかもしれません。

 多くの製品に使われるプラスチックも、分解されることなく海に流れてしまうため大きな問題になっています。釣り糸や、漁の網が体にからまり海洋生物が死亡した、というニュースを見たことがある方も多いのではないでしょうか。水質だけでなく、海に流れついた物によっても被害が生じているのです。このことは、後に述べる生物多様性への影響もあり、問題視されています。

 また、砕けたプラスチックごみである「マイクロプラスチック」を魚が食べ、さらにその魚を私たち人間が食べることによる、人体への影響も懸念されています。

土壌汚染

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 土壌には目には見えない菌類や小さな生物が棲み、それらが地中で様々な物質を分解しています。人間が農作物をつくり、食べることができるのは、土壌に棲む生物たちのおかげです。

 土壌汚染とは、有害物質が地中に浸みこむことで、土壌が汚染されることを指します。主な原因は工場排水の流出ですが、身近なところでは農作物をつくる際の過剰な農薬の散布も問題になっています。土壌が汚染されれば、地中の菌類が生息できず農作物が生育できない、植物が有害物質に侵されてしまうといった問題が生じます。自然環境や生態系への影響だけでなく、人体への健康被害も懸念されているのです。

 土壌汚染の影響はすぐには分からないうえに、一度汚染されると元に戻るまでに長い年月がかかります。そのため、大きな被害が出る前に、土壌の汚染をいち早く把握、対策することが求められています。

生物多様性の喪失

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 先に述べた気象変動や海洋汚染だけでなく、外来種の進入や乱獲など様々な人為的行為により、多くの生物が絶滅の危機に瀕しています。生物の多様性が失われれば生態系が崩れ、私たちの生活にも影響が及びかねません。

 例えば、かつては日本にも生息していたオオカミ。絶滅した理由には諸説ありますが、農作物への被害を懸念した人間が駆除を進めたから、とも言われています。日本でオオカミが絶滅した結果、オオカミが獲物として食していたシカの繁殖が進みました。現代ではその増えすぎたシカが、貴重な草花を無作為に食べていまい問題になっています。

 このように生態系の一部が崩れると、また別の場面で影響が生じる可能性があります。自然が本来あるべき場所に、あるべき姿で存在し続けられる環境を保つことが求められます。そのためにも、大人だけでなく、未来を担う子どもたちが生物多様性の大切さを知ることが必要です。

資源の枯渇

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現代では石炭や石油が燃料として多く利用されているとお伝えしました。しかし、これらは量に限りがある資源だとされています。そのため、それらに頼らず、風力や太陽光エネルギーなどの「再生可能エネルギー」をうまく活用することが求められています。

 近年は、日本でもレジ袋やプラスチック製食器の削減へ向けた取り組みが行われています。これには先に述べたプラスチックごみの問題もありますが、レジ袋に石油が使われていることも関係しています。レジ袋に限らず、使い捨て製品の使用を減らし、資源の無駄を減らすことも重要です。最近では、安価で便利な商品が次々と開発、販売され話題になっています。SNSやインターネットなどの影響もあり、ついつい商品に手が伸びてしまいますが、一度立ち止まって「この先も長く使うのか?」「本当にいま必要としているものなのか?」を考えてみることが大切です。商品をつくる際には、限りある貴重な資源が使われていることを忘れてはいけません。レジに商品を持っていく前に、ネットショップで購入ボタンを押す前に、本当に必要なものなのかよく考えてみましょう。

環境問題を解決するためには何ができる…?

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車で遠くまで気軽に外出でき、ボタンひとつでお湯が湧き、100円ショップに行けば安価な商品がすぐに手に入るという、便利な環境で私たちは日々生活をしています。しかし、例えば、自転車で行ける範囲なら車は使わない、長く繰り返し使えるものを買うなど、考え方や行動を変えてみるのはどうでしょうか。何か行動するときに、「環境に優しいこと」をほんの少し取り入れてみる。そんな小さな意識の積み重ねが、知らず知らずのうちにいつか大きな成果になるはずです。貴重な資源や美しい環境を次世代に残すためにも、今日からほんの少しだけ、環境のことを意識して行動してみませんか。

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