毎年5月の第二土曜日は「世界フェアトレード・デー」です。世界中でフェアトレードに関するイベントやキャンペーンが行われるこの日にちなんで、日本では5月がフェアトレード月間となっています。
今年、フェアトレード・ラベル・ジャパンでは、チョコレートやコーヒー、バナナなどが生産の危機に直面する食品があることを広く周知するため、「想像できる?【】のない未来」をキャッチコピーにキャンペーンを開催。渋谷にポップアップカフェが登場するなど、様々なイベントが行われます。
フェアトレード月間をきっかけに私たちができることについて考えるきっかけにしてみませんか。
そもそも「フェアトレード」ってなに?
フェアトレードとは、日本語に訳すと「公正取引」です。人権や環境に配慮して生産された製品を、適正な価格で取引することを指します。
コーヒー、紅茶、チョコレート、コットンなど、小規模農家や家族経営であるため立場が弱い生産者を守るために、フェアトレードである製品を選ぶ動きが世界各国で起こっています。
世界的に最も認知されているフェアトレードの認証である「国際フェアトレード認証」は、環境にやさしい農法であること、生産者に適切な価格が支払われていること、児童労働が行われていないことなど、厳しい基準をクリアした製品のみに与えられます。
年々増加を続けるフェアトレードの市場規模
5月のフェアトレード月間を前に行われたフェアトレード・ラベル・ジャパンによるキックオフイベントでは、フェアトレードの最新動向が発表されました。
2023年、フェアトレードの市場規模は、初めて200億円を突破。前年比+7.6%の成長をみせました。2014年からの10年で2.2倍、国民一人当たりの年間購入額は、74円から169円と大きな増加となっています。
市場拡大の背景には、政府や産業界によるサプライチェーンにおいての人権配慮を求める動きの活発化があるとされています。
しかし、市場は拡大しているものの、一方でフェアトレードへの関心が高い欧米諸国との差はいまだ大きいのが現実です。
例えば2022年には、ドイツのフェアトレード市場規模は日本に比べて17倍、スイスの一人当たりのフェアトレード商品年間購入額は日本に比べて92倍という結果が出ています。
チョコレートやコーヒー、バナナが将来食べられなくなる!?
人権保護はもちろん、環境保護を促進するフェアトレードの考え方ですが、気候変動により、多くの農作物が生産の危機に瀕していることもまた、アンフェアな真実とされています。
干ばつ、洪水、降水パターンや気温の変化により、2050年にはコーヒー(アラビカ種)の栽培地が50%に、カカオ豆やバナナも気候変動の影響によるとされる病害などで、生産量が激減すると言われています。
キックオフイベントでは、コーヒーやカカオ、バナナなどの生産者のインタビューも公開。どの生産者からも気候の変化によって、農作物の生産量が劇的に減少していること、そしてフェアトレードの製品を選ぶことで生産者の支援になるだけでなく、持続可能な農業への投資が可能になることなどが伝えられました。
5月フェアトレード月間は「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2024」に参加しよう!
1アクションが1円の寄付に
フェアトレードの商品購入やSNS投稿、イベント参加などのフェアトレードに関するアクションが、1アクション=1円として途上国への寄付になるキャンペーンが行われます。
【キャンペーン概要】
期間:2024年5月1日~2024年5月31日
参加方法:フェアトレード商品を購入、SNSに#fairtrade2024をつけてフェアトレードに関する内容を投稿、フェアトレードのイベントに参加するなどフェアトレードに関するアクションを行う
ポップアップカフェ「2050年カフェ」が渋谷に登場
2050年の未来を味わい、現在の食と生活のあり方を考えるポップアップカフェ「2050年カフェ」が渋谷スクランブルスクエアに期間限定オープン。フェアトレードに関する展示が行われるほか、未来の食をイメージしたカフェセットが提供されます。5月11日(土)の世界フェアトレード・デーには、キャンペーンアンバサダーの髙梨沙羅さんらによるトークショーも開催。
【ポップアップ開催概要】
期間:2024年5月9日(木)~5月22日(水)
場所:渋谷スクランブルスクエア7階「L×7」(エルバイセブン)
【トークイベント開催概要】
日時:2024年5月11日(土) 13:00~14:00
会場:渋谷スクランブルスクエア 12階 Scene12(東京都渋谷区渋谷2-24-12)
登壇者:髙梨 沙羅(女子スキージャンプ選手)、望月 理恵(株式会社セント・フォース 取締役/フリーアナウンサー)、エバンズ 亜莉沙( エシカルコーディネーター)