サステナブルファッション

  • サステナブル・エシカル通が選ぶ!2022年のBEST BUY ファッション編

    エシカル・サステナブルな界隈で様々な活動している筆者が、「エシカルな買い物」というテーマで2022年のBest Buyをご紹介。1年を通してたくさんの商品に触れた中で、購入して本当に良かったものだけをセレクトしました。雑貨編とファッション編に分け2回にわたりお送りします。今回はファッション編です! Heralbony×Kapok Knotのダウンストール 長年応援している「ヘラルボニー」が「カポックノット」とコラボレーションしたダウンストール。 ここ数年で急成長し露出も増しているのでご存知の方も多いと思いますが、ヘラルボニーは“異彩を放て”をスローガンに、福祉×アートという軸で幅広く活動し、“障害”のある人たちの可能性を切り拓いている企業です。筆者はローンチ間もない頃に出会い、以来ずっと応援しておりイベントやポップアップにも足を運んでいます。 一方、カポックノットは「カポック」という木の実から採れる繊維をダウンのように用いてプロダクトを作っているファッションブランド。従来のダウンに比べ軽く、さらに吸湿発熱機能があるという軽くて温かいアニマルフリーな新素材が特徴です。 その2ブランドがコラボレーションしたダウンストールが、昨年10月下旬に大阪の阪急うめだ本店で開催されたヘラルボニーの催事内でお披露目されました。3色展開されており、筆者が選んだのは「風のロンド」という作品が描かれたベージュのストールです。ちなみに、両社のコラボレーションは一昨年にも一度行われていました。 Heralbony公式HP https://www.heralbony.jp/ Kapok Knot公式HP https://kapok-knot.com/ amaitoのキャップ 鹿児島県、奄美大島の染め職人さんのブランド「あまいと」から購入したキャップ。藍染は有名ですが、泥染はご存じでしょうか? 着物の大島紬を作る際に用いる伝統的な染色技法なのですが、粒子や成分が他とは異なり、奄美の泥でないと出せない風合いがあるそうです。昨年の晩夏にボランティアで参加したチャリティーイベントで、あまいとを展開する一般社団法人Amamiしま作捌繰(あまみしまさばくり) と出会いました。 以前から染色に関心を持っていたので惹かれ、何にするか迷った結果、このキャップを購入。初めにテーチ木(車輪梅)と呼ばれる植物で媒染(ばいせん:染料を繊維に定着させる工程)し、ツバは藍、パネル(ハギ)は藍の部分と泥の部分をそれぞれ筆で色を付けていく。そんな手間がかかった、個性的なキャップがとても気に入っています。 amaito公式HP https://sabakuri.base.shop/ one novaのアンダーウェア 毎年一着買い足している「ワンノバ」のボクサーパンツ。手持ちの数を増やしたくなるほどに良いのです! このオリーブグリーンは昨年5月ころに数量限定で販売されたカラーでした(現在は販売終了)。 立ち上げ当初から「世界一“透明な”パンツ」と掲げ、素材や生産背景を透明化し、丁寧にユーザーに伝えていました。そういったストーリーの面だけではなく、最高の穿き心地もが気に入っていて、自分用に買い足したり、同性におすすめしたりしています。まるで穿いていないのではないかというくらい下着の存在を感じさせません。勝負パンツにしてくれている友人もいます。 昨年8月にリニューアルを行い、メンズのボクサーパンツのみだったラインナップが、ユニセックスのボクサーパンツとウィメンズのブラジャー、ビキニパンツの4種類に増えました。これを男性だけが味わっているのはもったいないと思っていたので、着用できる人の幅が広がったのはファンとして喜ばしい刷新でした。 onenova公式HP https://onenova.jp/ children of the discordance × UGGのブーツ ファッションブランド「children of the discordance(以下、チルドレン)」がムートンブーツで有名な「UGG」とコラボレーションしたブーツ。こちらに関してはエシカルブランドというわけでも、エシカルな売り文句があるものでもありません。ただ、2つのブランドそれぞれに、エシカルなマインドが備わっています。UGGは原料調達やクラフツマンシップを大切にしており、LGBTQ+などのマイノリティの支援も積極的に行っています。チルドレンはアップサイクルやフェアトレードを積極的に取り入れています。大きく打ち出してはいないものの、デザイナーから、生産に携わるすべての人への感謝が伝わってきます。元はデザインが好きで購入していましたが、過去に読んだインタビュー記事でもそのような内容があり、想いと背景を知ってよりファンになりました。ライニング(靴の内側)にウールとリヨセルの2種類の繊維を使用したり、プラスチックフリーでゴミがほとんど出ないような梱包方法であったり、原料選定や包装 からもエシカルマインドを感じられます。 UGG公式HP https://www.ugg.com/jp/ children of the discordance公式HP https://www.childrenofthediscordance.com/ 【番外編】 最後に、番外編として昨年経験した、エシカルな購買体験をシェアします。エシカルファッションの幅を広げる選択肢としてぜひ参考にしてみてください。 RAGTAGのイベントで購入した、ステラマッカートニーのジャケット  昨年ワールド北青山ビルの1Fスペースで開催された、ユーズドセレクトショップ「RAG TAG」とクリエイターとユーザーをつなぐプロジェクト「246st.MARKET」のコラボイベント。そこで購入したのがウィメンズのテーラードジャケットです。(筆者は男性で、本来であればボタンのかけ方が反対ですが、あまり気にせず思い切って購入しました。)  イベントは “GOOD FOR FUTURE” をテーマに、RAGTAGの倉庫にクリエイターが足を運び、商品をセレクトして自身の商品とともに展示販売をするという催しでした。会場にはファッション好きが大勢来場。有名ブランドの新品同様の古着もあり、中には数十万円するものまで…! 古着を購入し、おしゃれを楽しむのも立派なエシカルファッションです。現役で活躍しているクリエイターたちのセンスに触れられる購買体験は、ファッションの楽しさを感じながらエシカルアクションができる面白いイベントだと感じました。 RAGTAG公式HP https://www.ragtag.jp/ 246st.MARKET公式HP https://246stmarket.com/ KEEPWEARINGのプロジェクトで購入したメリノウール100%Tシャツ  楽しく社会問題を解決しようと立ち上がった大学生によるプロジェクト「KEEPWEARING」から、メリノウール100%のTシャツを購入しました。KEEPWEARINGは、昨年の4月1日からの100日間、あるチャレンジを始動。この試みに賛同し、参加してみました。100日間のチャレンジ、それは名前のKEEPWEARING が示す通り、“着続ける”というものです。ウールマークカンパニーが「体温調整」「防臭性」「汚れにくい」「手入れが簡単」などの特徴を示しているように、ウール(羊毛)は、天然の機能性素材。 多くの人は夏も冬も機能性インナーに助けられていると思いますが、機能性インナーは基本的に石油由来の化学繊維を使用していて、洗濯をするとマイクロプラスチックが流れ出てしまうのが難点でした。無洗百人チャレンジと名付けられたプロジェクトでは、100日間洗わずに着続けることで、このウールの特性を再確認し、洗濯という行為について考え直すことができます。 メリノウールの生地は、REDA JAPANが提供。REDAはイタリアのスーツ生地メーカーで、Bコープ認証やグローバルリサイクルスタンダード、ウールマーク認証など数々のエシカルな認証を取得しています。 ファウンダーの宮沢さんに聞いたところ、確認できただけで100人中25人が達成したとのことでした。(筆者は達成しました!)ウールが高機能であっても、そのキャパを引き出してあげるのは、やはり着用者の仕事。脱いだらハンガーに掛ける、スチームをあてる、風通しの良いところに干すなどしていたのですが、100日間臭いは発生しませんでした。プロジェクトに参加してみて、知識として知ってはいたウールの特性を、身をもって体験できた機会になりました。 KEEPWEARING公式HP https://keep-wearing.stores.jp/ 2022年のエシカルファッションを振り返って エシカルマインドが根付く魅力的なファッションアイテムが目白押しだった2022年。企業同士のコラボも多く見かけました。 大量消費・大量廃棄を懸念し買うことを躊躇してしまったり、環境や人、動物を傷つけないよう慎重になりすぎてファッションを楽しめていない方もいるかもしれません。しかし、最近はサステナブルでエシカルなブランドがどんどん増えています。ぜひ楽しくエシカルに買い物をするための参考にしてみてください。

  • 【イベント】サステナブルブランドによるデッドストックマルシェが限定開催!

    2023年1月28日~29日、東京・蔵前のカフェでDead Stock Marcheが開催されます。 イベントは、「市場には流通させにくいデッドストック品」をテーマに、サステナブルなこだわりを持つSOLIT!・HIKARI underwear・CACTUS TOKYOの3ブランドが集結。 できる限り環境に負荷かけず、かつ在庫を持たないようにしているサステナブルブランドでも、やむをえず抱えている規格外の製品があります。そんな倉庫で眠っているデッドストック品を、大切に使ってくれる人に届けるための販売会です。 会場は、サーキュラーエコノミーをテーマとする蔵前のカフェ「élab」。ここでしか出会えないアイテムを探しに、ぜひ足を運んでみてくださいね。 【イベント関連ページ】 Keep them AWAKE - Dead Stock Marche (※Peatixリンク) 【イベント日程】 日時:2023年1月28日(土)・1月29日(日) 11時〜18時 場所:élab  所在地:〒111-0054 東京都台東区鳥越2丁目2−7 1階 【出店3ブランド紹介】 SOLIT!障害の有無を超えて自分の体型や好みに合わせて、部位ごとにサイズ・仕様・丈を選択でき、受注生産を行うインクルーシブファッションブランド HIKARI underwearオーガニックコットン100%に天然染料を使用し、締め付けない優しい着心地の下着ブランド CACTUS TOKYOサボテン由来のレザー素材を用いたカバンや財布などのオリジナルアイテムを展開するブランド 関連記事:CACTUS TOKYOの工房見学で触れる、サボテンレザーのポテンシャル

  • 捨てない選択肢。気軽に行ける循環型イベント「服の交換会」をレポート

    いらなくなった洋服は捨てる、売る、寄付するなど手放す方法はいくつかありますが、「交換する」という選択もあるのをご存知でしょうか?「どんなシステム?」「どんな洋服があるの?」そんな疑問を解消すべく、今回は実際に新宿御苑で開催された服の交換会イベントに参加してきました。 捨てるでもなく、売るでもない。服を交換するとは? 海外ではファッションスワップパーティーと呼ばれる服の交換会。服の交換会は言葉の通り、不要になった洋服を交換会に持ち込んで、そこに集まった洋服を持ち帰るというイベントです。基本的にはどんな洋服でも持ち込むことができ、持ち込んだ枚数の服を会場から持って帰ることができます。 最近は日本でも、丸井とアパレル企業のワンピースが展開する服の交換会が関東・関西エリアを中心に開催されており、盛り上がりを見せています。 アパレルの廃棄問題 アパレル商品は、原料調達から製品が出来上がるまでの製造から輸送に至るまで、多くの資源や水、エネルギーを消費するなど環境負荷が大きい産業です。それは、国連貿易開発会議(UNCTAD)によって「世界2位の環境汚染産業」と言われるほど深刻です。「不要な衣服」に焦点を当ててみると、一人あたり着用されていない衣服は年間25着あるとされ、1日あたり焼却・埋め立てされる服の総量はなんと1日に大型トラック130台分(1300トン)に上ります。[1] 日本でも大量生産されて、大量廃棄されていく服。「衣服を長く大切にして欲しい」服の交換会にはそんな願いが込められています。 服の交換会に行ってみた 2022年11月5日、6日の2日間の日程で「新宿御苑 グリーンフェス」のイベント内で開催された服の交換会。少し秋めいてきた木々に囲まれた会場広場の一角に、服の交換会ブースはありました。 青空の会場の下には衣服がかかったラックが並び、家族連れや女性を中心に多くの人でにぎわいます。 まずは受付に向かいます。「持ち込んだ衣服と同数、会場にある衣服を持ち帰ることができます。持ち込んだ衣服は会場にあるハンガーにかけ、ご自身でここだ!と思うカテゴリーのラックにかけて下さい。」と案内されました。 今回参加するにあたり筆者が持ち込んだアイテムはこちらの4点。ニット2枚とスカート、パンプスです。これからの季節に活躍しそうな物を中心にセレクトしました。 靴はどのようにすれば良いか尋ねたところ、ハンガーラックの下にそのまま置けばOKとのことでした。持ち込んだすべての衣服をハンガーにかけたところで、次は、持って帰る洋服を探しに行きます。 性別・年齢関わらず、オールジャンルの洋服が集まる 会場内は、フリーマーケットのような雰囲気で、好きな場所を自由に見て歩きます。 洋服のジャンルは、日常使いできそうなカジュアルなものから、シンプルなもの、かわいらしいものや、オフィスで使えそうなものまで何でもありました。 レディースに比べると子ども服は少なめ 子ども服とメンズ服の量が少なかったので、積極的に持ち込むと喜ばれそうです 冬の季節に重宝しそうなきれいなダウンも! 会場内ではこのようなデニムの山も置かれていて、来場者の目をひいていました。このデニムは、アパレル産業の衣類ロスを訴えて作られたものです。 筆者も会場をくまなく見て回り、たくさんの服の中から気に入ったアイテムに出会いました。 こちらの赤地のロングスカートとシンプルなデニムの2点です。 普段はあまり選ばないカラーの赤ですが、挑戦してみたいと思い、手にとりました。一方のデニムは、フレアタイプのデザインがちょうど欲しいと思っていたので即決しました。会場で手に取って洋服を探すのは、お宝を探すようなワクワク感があります。一緒に参加した友人は家族の分も持ち帰っていました。 今回筆者が持ち帰った衣服の点数は、持ち込んだ点数よりも少なかったのですが、持ち込んだ点数分持ち帰る必要がないのは、とても助かります。本当に気に入ったものだけを家に連れて帰ることができました。 気になる衣服のラインナップや状態は? 服の交換会に参加したことがない方は、会場にある衣服のラインナップや状態が気になるところではないでしょうか。 一般的な古着屋と比較してみると、交換会では持ち込む衣類のシーズンの指定はないため、衣類の季節感がバラバラです。筆者は今回の秋と夏に参加したことがありますが、どちらの会場においても、すぐにでも使えそうなものありますが、シーズンが終わってしまったものもあります。 次にジャンルですが、こちらも持ち込む上で特に指定はないのでバラバラです。書いたように、メンズや子ども服、レディースでもカジュアルなものオフィスっぽいものまで様々です。 最後に衣類の状態です。基本的には参加者のモラルに任せるシステムのため、大方きれいな状態ですが中には多少汚れが目立つものも…。気になる方は、帰ってから洗うというだけでなく、例えばトップスであれば汚れや着用感が出やすい首回りや手首周りなどの状態をチェックするなど、きちんと確認してから持ち帰るのがおすすめです。 服の交換会に参加するメリット 今回服の交換会に参加してみて、洋服を交換するメリットを考えてみました。 衣類の廃棄を出さない 綺麗な状態で捨てるのはもったいない洋服を必要としている人に譲ることができる 洋服の買い方・捨て方について考えるきっかけになる 普段は挑戦しないジャンルや色味のファッションに出会える 一期一会の衣服に出会えるワクワク感がある 参加費0円(プレミアムコーナーを除く)でお財布にも優しい イベント参加中に、自身が持ち込んだ衣服を持ち帰る参加者を見つけて声をかけた…なんて事例もあるそう。人々が直接集う場だからこそ起きる、素敵な交流もあるかも知れません。 また、服の交換会でゲットしたアイテムを運営アカウントのメンションをつけてインスタグラムに投稿したところ紹介して頂きました。 この投稿をInstagramで見る 0円 服の交換会(@fukukokan)がシェアした投稿 参加後は、SNSを通じてコーディネートをシェアして楽しんでみてはいかがでしょうか。 イベントで楽しみながら循環型社会に貢献 服の交換会をひとことで表すと、「人も地球も社会もハッピーになれる洋服の循環型イベント」でした。 サスティナビリティが叫ばれる昨今、大切なこととはわかっていても具体的な行動を起こすことはハードルが高いと感じている方もいると思います。そんな方は、このような参加型のイベントに足を運んでみることからスタートすると、楽しく継続しやすいのでおすすめです。 公式SNSにイベント開催情報が随時更新されていますので、お近くで開催の際にはぜひクローゼットで眠っている洋服を持って、遊びに行ってみて下さいね。 【参考】[1] 環境省_サステナブルファッション (env.go.jp)

  • ファッションに改革を。SETCHUが実現するサステナブルな未来【現地取材】

    今世界が注目するミラノ発のファッションブランド、SETCHU。最近日本での販売も開始され、その勢いは加速する一方です。生地やデザインへのこだわりだけでなく、ファッションが環境に与える多大な負荷を解決するため、サステナビリティを実現するSETCHUの魅力をイタリアからレポートします。 日本人デザイナーが手掛ける和洋折衷ブランド 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ。桑田悟史さんは、世界各地のモード発信地で経験を積んだファッションデザイナーだ。ロンドンの歴史ある高級テーラー街サヴィル・ロウで働き、ジバンシィのシニアデザイナーとしてオートクチュールを手がけるなど、ファッションの真髄に携わってきた。 上質と洗練、ファッションを知り尽くした桑田さんが、ミラノで自らのブランド「SETCHU」を立ち上げた。日本文化の面白さを世界に発信したいという思いから、ブランド名は「和洋折衷」に由来する。 ブランドのテーマは「アーティザン(クラフトマンシップ)」「タイムレス」そして「旅行」。洋と和、性別、時代、伝統と斬新など、全てのボーダーを取り払ったデザインは、服だけでなく靴、鞄、傘、器などライフスタイル全般に及ぶ。 近年、ファッション業界が環境に与える負荷の大きさが取り沙汰されている。中でも服や生地の廃棄量は凄まじく、増加の一途を辿る。その現実を目の当たりにしてきた桑田さんが、SETCHUで実現しているサステナビリティとは。 ①ブランドから出る上質な余剰在庫生地の利用 まず桑田さんが着目したのは、余剰在庫生地。ブランドに購入されなかった、または返品された大量の生地が、生地工場の倉庫に廃棄待ち状態で眠っている。 一流ブランドの生地を手がける、北イタリアにあるコモのシルク工場。そこで廃棄の運命にあった、希少で美しい織りの生地を見つけた。それに最終加工を施し、ハンカチーフとクッションを作って製品にした。 最終加工前の生地を見定めて、工場と密にやりとりしながら理想の生地に仕上げて、製品にしていく。大手メゾンに比べ格段に小規模なオーダーを依頼しても、相手にされないことが多い世界。しかし、多くの一流の工場や職人がSETCHU のブランドコンセプトに共感し、桑田さんの熱意に応える形で協力してくれる結果となった。 ②長く着られるディテールとデザイン 年齢と時代を問わずずっと着られる、上質な服。英国王室ご用達でもあるサヴィル・ロウで、100年以上前のスーツのお直しなどにも携わりながら、桑田さんが行き着いたコンセプトだ。 シーズン毎に発表するコレクションは、流行によって「流す」のではなく「重ねて」いくことで、ブランドという木を育てていくビジョンを持つ。エルメスやクリスチャン・ディオールなど、一握りの高級ブランドに見られる価値観だ。 例えば、ファッション関係者たちが一目惚れし、自身用に購入する人が続出したジャケット「ENRICO」。旅と釣りを愛する桑田さんにとって、折り紙のようにスーツケースに折り畳める軽量のジャケット作りは必然だった。 服は縫い目が少ないほど長持ちするため、ノーダーツなどの工夫を細部にこらしながら、縫い目を最小限に抑えている。ウールヴィスコースの生地に刻まれた、ユニークな折り目とゆったりしたダブルボタンの美しいデザインは、私たち日本人には羽織を連想させる。帯のようなベルトを縛ると、女性らしいシルエットが生まれるなど、様々な表情が楽しめる。性別や年齢を選ばないENRICOジャケットは、シーズンごとに異なる生地で展開されていく。 ③環境への負荷を抑えた配送方法 SETCHUの配送におけるサステナビリティのポイントは、2点ある。 一つ目は、コンパクトなパッキング。薄く軽量な生地で作られ、折りたためるデザインの服が多いため、一箱に何着も入れて輸送できる。 もう一つは、商品の梱包袋が「リサイクル素材を使ったリサイクル可能なもの」であること。「RECYCLED & RECYCABLE」であることが、サステナビリティのあるべき姿の一つだと桑田さんは考える。 その他、100%リサイクルペットボトル製の生地を採用したり、長持ちしにくいニット素材には強度の高いウールを混ぜるなど、一つ一つの素材にこだわり抜く。 持続可能なファッションを、実現可能へ 将来は、SETCHUの自社牧場を持ち、コットンから栽培したいと語る。目から鱗の発想だが、気がつけばウール用の羊に囲まれた桑田さんの姿まで想像できてしまうほど、有言実行の人だ。その世界では、更なるサステナビリティが実現しているに違いない。 SETCHUhttps://www.laesetchu.com

  • 環境にも人にも優しいサステナブルファッション。今日から私たちにできることとは

    私たちの生活を彩ってくれるファッション。しかし今アパレル産業は、持続可能ではない仕組みが大きな問題になっています。ファストファッションなどの広まりで、私たちがより自由に楽しく洋服を選べるようになった一方で、大量生産・大量消費が行われています。それは、生産の段階で作る人の低賃金労働に繋がることもあり、環境への負荷も大きくなります。また、すぐに買い替えることで大量の廃棄が生まれてしまうのです。 自然環境や生産に携わる人、動物を傷つけないファッションとは。この記事では、今日から始められるサステナブルなアクションをご紹介します。 サステナブルファッションとは? サステナブルファッションとは、「衣服の生産の段階から、着用、廃棄に至るまで持続可能である取り組み」のことです。 具体的には、以下のようなことが挙げられます。 生産から廃棄に至るまで、環境への負担が最小限に抑えられていること 素材は環境に優しいオーガニック素材や、リサイクル・アップサイクルされた素材を使用していること 作り手の健全な労働環境が守られていること 動物を殺傷せずに作られていること 生産する側は環境や人に配慮した商品開発を行い、消費者は商品ができる背景を知った上で商品を選んでいくことが、サステナブルファッションに繋がると言えます。 1枚の洋服の生産が環境にかける負荷 原材料の調達から始まり、生産、輸送、販売を経て私たちのもとに届く洋服。その過程だけでも、環境に対して実に多くの影響を与えています。 原材料を見ると、コットンなどの天然繊維は栽培において多量の水を必要とし土壌汚染にも繋がる一方で、合成繊維も石油資源などを使用しています。生産する段階でも工場などで水を多量に使用し、CO2も多く排出しています。 日本で小売りされている洋服は約98%が海外製。日本へ商品を輸送する際にもCO2が多く排出されることになるのです。原材料調達から輸送までの生産過程において、服一枚あたりに換算すると、CO2の排出が約25.5kg、約2,300ℓもの水が使われているとされています。私たちが何気なく購入、着用、廃棄する洋服が作られるのに、想像を超える大きな環境負荷がかけられているのです。 手放された半数以上の洋服がごみとして廃棄に 洋服を購入したあと、着用から手放すまでの洋服の扱いもまた大きな課題になっています。一人当たりの衣服の利用状況を見ると、手放す洋服よりも、購入する洋服の方が多くなっており、一年間一度も来ていない洋服は一人当たりに換算すると25枚もあるとされています。 また洋服を手放す際には、ごみとして廃棄される処分方法がリサイクルやリユースを大きく上回り、日本国内だけでも一日平均で、大型トラック約130台分もの洋服が焼却・埋立処分されているのです。 大量生産と低価格がもたらす労働問題 大量生産と低価格の洋服がもたらすのは、環境への負荷だけではありません。2013年にバングラディッシュで起こった、「ラナ・プラザの悲劇」と呼ばれるビル崩落事故。死者1100名以上、負傷者2500名以上というこの悲惨な事故は、今のアパレルの生産構造がもたらすひずみが世に知れ渡る大きなきっかけとなりました。縫製工場、商店、銀行などがひしめき合っていたラナ・プラザ。ビルは違法に増築されており、亀裂が見つかっていたのにも関わらず放置された末に、大型発電機と数千台のミシンの振動がきっかけとなって崩壊したとされています。 バングラディッシュには、安価な労働力を求めて欧米や日本からたくさんのファッションブランドが進出していましたが、生産現場は劣悪な労働環境だったのです。この事故をきっかけに、ファッション業界において健全な労働環境や作り手との公正な取引(フェアトレード)が叫ばれるようになりました。 ファーやウールなど動物を殺傷し作られている素材も 環境の負荷が最小限に抑えられていること、立場の弱い生産者が搾取されていないことと同じく、生産する際に動物を傷つけていないこともサステナブルファッションの大きな要の一つです。生産のときに動物が傷つけられるファッションは、リアルファーやウールなどが例として挙げられます。 リアルファーは、キツネやウサギ、ミンクなどの動物の毛を利用しますが、それは殺された動物から刈り取られています。ファーをとるために飼われている動物は狭い金網などの劣悪な環境で育てられ、乱暴に扱われ、残虐な方法で殺傷されるのです。 プラダやグッチなど世界的なハイブランドをはじめ、今では多くのファッションブランドがファーフリー(毛皮の不使用)を宣言しています。日本における毛皮の輸入量も減少傾向にありますが、依然としてリアルファーを使用したファッションアイテムは流通しています。 また、広くは知られていませんが、ウールの生産現場において「ミュールジング」が採用されている場合もあります。ミュールジングとは子羊のときに汚れの溜まりやすいお尻の部分を切り取ってしまうことです。効率的に毛を刈り取ることができ生産性が上がるミュールジングですが、無麻酔で行われるため羊に大きな苦痛をもたらします。イギリスやニュージーランドなどではすでに廃止されている一方で、オーストラリアなどのウールの生産現場では規制などは特にありません。 サステナブルファッションのために私たちができること 想像よりはるかに大きな負担を環境にかけ、商品によっては生産者や動物を傷つけた先にあるかもしれない私たちの衣服。 ここからは、ファッションが持続可能なものであるために、私たち一人ひとりができることをご紹介します。 ①本当に必要なのか、衝動買いではないかを考える 私たちは、どのくらいクローゼットの中を把握しているでしょうか。必要であるか考える前に衝動的に購入した洋服はどのくらいあるでしょうか。実は、私たちの64%は自分の持っている服を把握しないまま、新しい服を購入しているという環境省のデータがあります。また、今ある服をあと1年長く着れば、日本全体で年間約4万トンの廃棄物の削減になるとされています。 本当に必要な時に、必要な分だけ購入すること。衝動買いをする前にもう一度必要かどうかを考えること。簡単なことですが、それがサステナブルファッションの大前提です。 ②フリマアプリやリサイクルショップを活用する 近年利用者が増えてきているフリマアプリやリサイクルショップでは、まだまだ着用できる洋服が売られています。新品同様の物が売られていたり、お店にはもう並んでいない限定品などを購入できる場合も。欲しいものがあったときはまず、そのようなショップを確認してみましょう。 洋服を手放すときにも、はじめからごみとして処分することを選ぶのではなく、フリマアプリに出品したり、他の人に譲るという方法を検討してみることが大切です。 まだ着られる洋服を廃棄してごみを増やすのではなく、なるべく再利用できるかたちをとることは、CO2の削減にもつながります。 ③クルエルティフリー・アニマルフレンドリーであるか確認する クルエルティフリーとは、残虐性(=cruelty)がない(=free)ということ。つまり商品を作るうえで動物を傷付けたり殺したりしていないことを指します。近年は技術の進歩とともに、エコファーなどが出回るようになっています。またレザーも本革やフェイクレザーの端切れを使用し、生産過程において環境に配慮されたつくりのエコレザーも充実してきています。 おしゃれのために動物を殺したり傷つけたりすることがないよう、リアルファーなどは買わないという選択を。 ④受注生産など在庫を持たない仕組みを持っているブランドを選ぶ シーズンや流行によって売れ行きが変わる洋服。その在庫を大量にかかえるということは、廃棄になる洋服が増える可能性があるということ。受注生産であれば顧客の注文を受けてから生産をはじめるため、在庫を最小限に抑えることができます。販売前に予約を受けてから必要分を発注するお店もあります。オーダーが入った時に作る、売れる予定のものを必要分だけ発注する、といった仕組みであれば無駄な在庫を作りません。 ⑤リサイクル、またはアップサイクル素材を使用しているものを選ぶ リサイクルは、ごみを一度資源に戻してそこから再び製品を作ること。最近注目されているアップサイクルとは、廃棄される予定だったもの(本来は廃棄されるもの)にデザインなどを加えることにより、そのモノの価値を高めることです。例えば捨てられるはずだった生地で新たに洋服を作る、流行りが終わってしまったファッショングッズをリメイクするなどがアップサイクルといえます。 リサイクルやアップサイクルされた素材を使用した洋服を取り入れることは、資源の有効活用に繋がります。 ⑥フェアトレードの商品を選ぶ フェアトレードとは生産者との公正な取引のことを指します。大量生産で極端にコストの安い商品の裏側には、低賃金なうえに過酷な環境下で労働させられる作り手がいる可能性があります。グローバル化が進んだことにより、そのような労働を強いられているのは主に発展途上国の人たちです。 衣服を購入することによって、生産者を搾取するようなことがないよう、フェアトレードのマークや記載があるかどうかをチェックしてみましょう。 環境や作り手のことを配慮しながらファッションを楽しむ 私たちにできることは、今ある洋服を大切にし、手放すときの方法を考えること。購入するときは本当に必要かどうかを考えた上で、どのような素材を使って、どのように作られているかという商品の背景を知ることが大切です。 環境負荷の高いものや生産者を搾取するもの、動物を傷つけるものは購入しないという私たち一人ひとりの選択が、ファッションを持続可能なものへとしていく大事なアクションになります。 【参考】環境省ホームページ https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

  • サステナブル・エシカル通が選ぶ!2022年のBEST BUY ファッション編

    エシカル・サステナブルな界隈で様々な活動している筆者が、「エシカルな買い物」というテーマで2022年のBest Buyをご紹介。1年を通してたくさんの商品に触れた中で、購入して本当に良かったものだけをセレクトしました。雑貨編とファッション編に分け2回にわたりお送りします。今回はファッション編です! Heralbony×Kapok Knotのダウンストール 長年応援している「ヘラルボニー」が「カポックノット」とコラボレーションしたダウンストール。 ここ数年で急成長し露出も増しているのでご存知の方も多いと思いますが、ヘラルボニーは“異彩を放て”をスローガンに、福祉×アートという軸で幅広く活動し、“障害”のある人たちの可能性を切り拓いている企業です。筆者はローンチ間もない頃に出会い、以来ずっと応援しておりイベントやポップアップにも足を運んでいます。 一方、カポックノットは「カポック」という木の実から採れる繊維をダウンのように用いてプロダクトを作っているファッションブランド。従来のダウンに比べ軽く、さらに吸湿発熱機能があるという軽くて温かいアニマルフリーな新素材が特徴です。 その2ブランドがコラボレーションしたダウンストールが、昨年10月下旬に大阪の阪急うめだ本店で開催されたヘラルボニーの催事内でお披露目されました。3色展開されており、筆者が選んだのは「風のロンド」という作品が描かれたベージュのストールです。ちなみに、両社のコラボレーションは一昨年にも一度行われていました。 Heralbony公式HP https://www.heralbony.jp/ Kapok Knot公式HP https://kapok-knot.com/ amaitoのキャップ 鹿児島県、奄美大島の染め職人さんのブランド「あまいと」から購入したキャップ。藍染は有名ですが、泥染はご存じでしょうか? 着物の大島紬を作る際に用いる伝統的な染色技法なのですが、粒子や成分が他とは異なり、奄美の泥でないと出せない風合いがあるそうです。昨年の晩夏にボランティアで参加したチャリティーイベントで、あまいとを展開する一般社団法人Amamiしま作捌繰(あまみしまさばくり) と出会いました。 以前から染色に関心を持っていたので惹かれ、何にするか迷った結果、このキャップを購入。初めにテーチ木(車輪梅)と呼ばれる植物で媒染(ばいせん:染料を繊維に定着させる工程)し、ツバは藍、パネル(ハギ)は藍の部分と泥の部分をそれぞれ筆で色を付けていく。そんな手間がかかった、個性的なキャップがとても気に入っています。 amaito公式HP https://sabakuri.base.shop/ one novaのアンダーウェア 毎年一着買い足している「ワンノバ」のボクサーパンツ。手持ちの数を増やしたくなるほどに良いのです! このオリーブグリーンは昨年5月ころに数量限定で販売されたカラーでした(現在は販売終了)。 立ち上げ当初から「世界一“透明な”パンツ」と掲げ、素材や生産背景を透明化し、丁寧にユーザーに伝えていました。そういったストーリーの面だけではなく、最高の穿き心地もが気に入っていて、自分用に買い足したり、同性におすすめしたりしています。まるで穿いていないのではないかというくらい下着の存在を感じさせません。勝負パンツにしてくれている友人もいます。 昨年8月にリニューアルを行い、メンズのボクサーパンツのみだったラインナップが、ユニセックスのボクサーパンツとウィメンズのブラジャー、ビキニパンツの4種類に増えました。これを男性だけが味わっているのはもったいないと思っていたので、着用できる人の幅が広がったのはファンとして喜ばしい刷新でした。 onenova公式HP https://onenova.jp/ children of the discordance × UGGのブーツ ファッションブランド「children of the discordance(以下、チルドレン)」がムートンブーツで有名な「UGG」とコラボレーションしたブーツ。こちらに関してはエシカルブランドというわけでも、エシカルな売り文句があるものでもありません。ただ、2つのブランドそれぞれに、エシカルなマインドが備わっています。UGGは原料調達やクラフツマンシップを大切にしており、LGBTQ+などのマイノリティの支援も積極的に行っています。チルドレンはアップサイクルやフェアトレードを積極的に取り入れています。大きく打ち出してはいないものの、デザイナーから、生産に携わるすべての人への感謝が伝わってきます。元はデザインが好きで購入していましたが、過去に読んだインタビュー記事でもそのような内容があり、想いと背景を知ってよりファンになりました。ライニング(靴の内側)にウールとリヨセルの2種類の繊維を使用したり、プラスチックフリーでゴミがほとんど出ないような梱包方法であったり、原料選定や包装 からもエシカルマインドを感じられます。 UGG公式HP https://www.ugg.com/jp/ children of the discordance公式HP https://www.childrenofthediscordance.com/ 【番外編】 最後に、番外編として昨年経験した、エシカルな購買体験をシェアします。エシカルファッションの幅を広げる選択肢としてぜひ参考にしてみてください。 RAGTAGのイベントで購入した、ステラマッカートニーのジャケット  昨年ワールド北青山ビルの1Fスペースで開催された、ユーズドセレクトショップ「RAG TAG」とクリエイターとユーザーをつなぐプロジェクト「246st.MARKET」のコラボイベント。そこで購入したのがウィメンズのテーラードジャケットです。(筆者は男性で、本来であればボタンのかけ方が反対ですが、あまり気にせず思い切って購入しました。)  イベントは “GOOD FOR FUTURE” をテーマに、RAGTAGの倉庫にクリエイターが足を運び、商品をセレクトして自身の商品とともに展示販売をするという催しでした。会場にはファッション好きが大勢来場。有名ブランドの新品同様の古着もあり、中には数十万円するものまで…! 古着を購入し、おしゃれを楽しむのも立派なエシカルファッションです。現役で活躍しているクリエイターたちのセンスに触れられる購買体験は、ファッションの楽しさを感じながらエシカルアクションができる面白いイベントだと感じました。 RAGTAG公式HP https://www.ragtag.jp/ 246st.MARKET公式HP https://246stmarket.com/ KEEPWEARINGのプロジェクトで購入したメリノウール100%Tシャツ  楽しく社会問題を解決しようと立ち上がった大学生によるプロジェクト「KEEPWEARING」から、メリノウール100%のTシャツを購入しました。KEEPWEARINGは、昨年の4月1日からの100日間、あるチャレンジを始動。この試みに賛同し、参加してみました。100日間のチャレンジ、それは名前のKEEPWEARING が示す通り、“着続ける”というものです。ウールマークカンパニーが「体温調整」「防臭性」「汚れにくい」「手入れが簡単」などの特徴を示しているように、ウール(羊毛)は、天然の機能性素材。 多くの人は夏も冬も機能性インナーに助けられていると思いますが、機能性インナーは基本的に石油由来の化学繊維を使用していて、洗濯をするとマイクロプラスチックが流れ出てしまうのが難点でした。無洗百人チャレンジと名付けられたプロジェクトでは、100日間洗わずに着続けることで、このウールの特性を再確認し、洗濯という行為について考え直すことができます。 メリノウールの生地は、REDA JAPANが提供。REDAはイタリアのスーツ生地メーカーで、Bコープ認証やグローバルリサイクルスタンダード、ウールマーク認証など数々のエシカルな認証を取得しています。 ファウンダーの宮沢さんに聞いたところ、確認できただけで100人中25人が達成したとのことでした。(筆者は達成しました!)ウールが高機能であっても、そのキャパを引き出してあげるのは、やはり着用者の仕事。脱いだらハンガーに掛ける、スチームをあてる、風通しの良いところに干すなどしていたのですが、100日間臭いは発生しませんでした。プロジェクトに参加してみて、知識として知ってはいたウールの特性を、身をもって体験できた機会になりました。 KEEPWEARING公式HP https://keep-wearing.stores.jp/ 2022年のエシカルファッションを振り返って エシカルマインドが根付く魅力的なファッションアイテムが目白押しだった2022年。企業同士のコラボも多く見かけました。 大量消費・大量廃棄を懸念し買うことを躊躇してしまったり、環境や人、動物を傷つけないよう慎重になりすぎてファッションを楽しめていない方もいるかもしれません。しかし、最近はサステナブルでエシカルなブランドがどんどん増えています。ぜひ楽しくエシカルに買い物をするための参考にしてみてください。

  • 【イベント】サステナブルブランドによるデッドストックマルシェが限定開催!

    2023年1月28日~29日、東京・蔵前のカフェでDead Stock Marcheが開催されます。 イベントは、「市場には流通させにくいデッドストック品」をテーマに、サステナブルなこだわりを持つSOLIT!・HIKARI underwear・CACTUS TOKYOの3ブランドが集結。 できる限り環境に負荷かけず、かつ在庫を持たないようにしているサステナブルブランドでも、やむをえず抱えている規格外の製品があります。そんな倉庫で眠っているデッドストック品を、大切に使ってくれる人に届けるための販売会です。 会場は、サーキュラーエコノミーをテーマとする蔵前のカフェ「élab」。ここでしか出会えないアイテムを探しに、ぜひ足を運んでみてくださいね。 【イベント関連ページ】 Keep them AWAKE - Dead Stock Marche (※Peatixリンク) 【イベント日程】 日時:2023年1月28日(土)・1月29日(日) 11時〜18時 場所:élab  所在地:〒111-0054 東京都台東区鳥越2丁目2−7 1階 【出店3ブランド紹介】 SOLIT!障害の有無を超えて自分の体型や好みに合わせて、部位ごとにサイズ・仕様・丈を選択でき、受注生産を行うインクルーシブファッションブランド HIKARI underwearオーガニックコットン100%に天然染料を使用し、締め付けない優しい着心地の下着ブランド CACTUS TOKYOサボテン由来のレザー素材を用いたカバンや財布などのオリジナルアイテムを展開するブランド 関連記事:CACTUS TOKYOの工房見学で触れる、サボテンレザーのポテンシャル

  • 捨てない選択肢。気軽に行ける循環型イベント「服の交換会」をレポート

    いらなくなった洋服は捨てる、売る、寄付するなど手放す方法はいくつかありますが、「交換する」という選択もあるのをご存知でしょうか?「どんなシステム?」「どんな洋服があるの?」そんな疑問を解消すべく、今回は実際に新宿御苑で開催された服の交換会イベントに参加してきました。 捨てるでもなく、売るでもない。服を交換するとは? 海外ではファッションスワップパーティーと呼ばれる服の交換会。服の交換会は言葉の通り、不要になった洋服を交換会に持ち込んで、そこに集まった洋服を持ち帰るというイベントです。基本的にはどんな洋服でも持ち込むことができ、持ち込んだ枚数の服を会場から持って帰ることができます。 最近は日本でも、丸井とアパレル企業のワンピースが展開する服の交換会が関東・関西エリアを中心に開催されており、盛り上がりを見せています。 アパレルの廃棄問題 アパレル商品は、原料調達から製品が出来上がるまでの製造から輸送に至るまで、多くの資源や水、エネルギーを消費するなど環境負荷が大きい産業です。それは、国連貿易開発会議(UNCTAD)によって「世界2位の環境汚染産業」と言われるほど深刻です。「不要な衣服」に焦点を当ててみると、一人あたり着用されていない衣服は年間25着あるとされ、1日あたり焼却・埋め立てされる服の総量はなんと1日に大型トラック130台分(1300トン)に上ります。[1] 日本でも大量生産されて、大量廃棄されていく服。「衣服を長く大切にして欲しい」服の交換会にはそんな願いが込められています。 服の交換会に行ってみた 2022年11月5日、6日の2日間の日程で「新宿御苑 グリーンフェス」のイベント内で開催された服の交換会。少し秋めいてきた木々に囲まれた会場広場の一角に、服の交換会ブースはありました。 青空の会場の下には衣服がかかったラックが並び、家族連れや女性を中心に多くの人でにぎわいます。 まずは受付に向かいます。「持ち込んだ衣服と同数、会場にある衣服を持ち帰ることができます。持ち込んだ衣服は会場にあるハンガーにかけ、ご自身でここだ!と思うカテゴリーのラックにかけて下さい。」と案内されました。 今回参加するにあたり筆者が持ち込んだアイテムはこちらの4点。ニット2枚とスカート、パンプスです。これからの季節に活躍しそうな物を中心にセレクトしました。 靴はどのようにすれば良いか尋ねたところ、ハンガーラックの下にそのまま置けばOKとのことでした。持ち込んだすべての衣服をハンガーにかけたところで、次は、持って帰る洋服を探しに行きます。 性別・年齢関わらず、オールジャンルの洋服が集まる 会場内は、フリーマーケットのような雰囲気で、好きな場所を自由に見て歩きます。 洋服のジャンルは、日常使いできそうなカジュアルなものから、シンプルなもの、かわいらしいものや、オフィスで使えそうなものまで何でもありました。 レディースに比べると子ども服は少なめ 子ども服とメンズ服の量が少なかったので、積極的に持ち込むと喜ばれそうです 冬の季節に重宝しそうなきれいなダウンも! 会場内ではこのようなデニムの山も置かれていて、来場者の目をひいていました。このデニムは、アパレル産業の衣類ロスを訴えて作られたものです。 筆者も会場をくまなく見て回り、たくさんの服の中から気に入ったアイテムに出会いました。 こちらの赤地のロングスカートとシンプルなデニムの2点です。 普段はあまり選ばないカラーの赤ですが、挑戦してみたいと思い、手にとりました。一方のデニムは、フレアタイプのデザインがちょうど欲しいと思っていたので即決しました。会場で手に取って洋服を探すのは、お宝を探すようなワクワク感があります。一緒に参加した友人は家族の分も持ち帰っていました。 今回筆者が持ち帰った衣服の点数は、持ち込んだ点数よりも少なかったのですが、持ち込んだ点数分持ち帰る必要がないのは、とても助かります。本当に気に入ったものだけを家に連れて帰ることができました。 気になる衣服のラインナップや状態は? 服の交換会に参加したことがない方は、会場にある衣服のラインナップや状態が気になるところではないでしょうか。 一般的な古着屋と比較してみると、交換会では持ち込む衣類のシーズンの指定はないため、衣類の季節感がバラバラです。筆者は今回の秋と夏に参加したことがありますが、どちらの会場においても、すぐにでも使えそうなものありますが、シーズンが終わってしまったものもあります。 次にジャンルですが、こちらも持ち込む上で特に指定はないのでバラバラです。書いたように、メンズや子ども服、レディースでもカジュアルなものオフィスっぽいものまで様々です。 最後に衣類の状態です。基本的には参加者のモラルに任せるシステムのため、大方きれいな状態ですが中には多少汚れが目立つものも…。気になる方は、帰ってから洗うというだけでなく、例えばトップスであれば汚れや着用感が出やすい首回りや手首周りなどの状態をチェックするなど、きちんと確認してから持ち帰るのがおすすめです。 服の交換会に参加するメリット 今回服の交換会に参加してみて、洋服を交換するメリットを考えてみました。 衣類の廃棄を出さない 綺麗な状態で捨てるのはもったいない洋服を必要としている人に譲ることができる 洋服の買い方・捨て方について考えるきっかけになる 普段は挑戦しないジャンルや色味のファッションに出会える 一期一会の衣服に出会えるワクワク感がある 参加費0円(プレミアムコーナーを除く)でお財布にも優しい イベント参加中に、自身が持ち込んだ衣服を持ち帰る参加者を見つけて声をかけた…なんて事例もあるそう。人々が直接集う場だからこそ起きる、素敵な交流もあるかも知れません。 また、服の交換会でゲットしたアイテムを運営アカウントのメンションをつけてインスタグラムに投稿したところ紹介して頂きました。 この投稿をInstagramで見る 0円 服の交換会(@fukukokan)がシェアした投稿 参加後は、SNSを通じてコーディネートをシェアして楽しんでみてはいかがでしょうか。 イベントで楽しみながら循環型社会に貢献 服の交換会をひとことで表すと、「人も地球も社会もハッピーになれる洋服の循環型イベント」でした。 サスティナビリティが叫ばれる昨今、大切なこととはわかっていても具体的な行動を起こすことはハードルが高いと感じている方もいると思います。そんな方は、このような参加型のイベントに足を運んでみることからスタートすると、楽しく継続しやすいのでおすすめです。 公式SNSにイベント開催情報が随時更新されていますので、お近くで開催の際にはぜひクローゼットで眠っている洋服を持って、遊びに行ってみて下さいね。 【参考】[1] 環境省_サステナブルファッション (env.go.jp)

  • ファッションに改革を。SETCHUが実現するサステナブルな未来【現地取材】

    今世界が注目するミラノ発のファッションブランド、SETCHU。最近日本での販売も開始され、その勢いは加速する一方です。生地やデザインへのこだわりだけでなく、ファッションが環境に与える多大な負荷を解決するため、サステナビリティを実現するSETCHUの魅力をイタリアからレポートします。 日本人デザイナーが手掛ける和洋折衷ブランド 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ。桑田悟史さんは、世界各地のモード発信地で経験を積んだファッションデザイナーだ。ロンドンの歴史ある高級テーラー街サヴィル・ロウで働き、ジバンシィのシニアデザイナーとしてオートクチュールを手がけるなど、ファッションの真髄に携わってきた。 上質と洗練、ファッションを知り尽くした桑田さんが、ミラノで自らのブランド「SETCHU」を立ち上げた。日本文化の面白さを世界に発信したいという思いから、ブランド名は「和洋折衷」に由来する。 ブランドのテーマは「アーティザン(クラフトマンシップ)」「タイムレス」そして「旅行」。洋と和、性別、時代、伝統と斬新など、全てのボーダーを取り払ったデザインは、服だけでなく靴、鞄、傘、器などライフスタイル全般に及ぶ。 近年、ファッション業界が環境に与える負荷の大きさが取り沙汰されている。中でも服や生地の廃棄量は凄まじく、増加の一途を辿る。その現実を目の当たりにしてきた桑田さんが、SETCHUで実現しているサステナビリティとは。 ①ブランドから出る上質な余剰在庫生地の利用 まず桑田さんが着目したのは、余剰在庫生地。ブランドに購入されなかった、または返品された大量の生地が、生地工場の倉庫に廃棄待ち状態で眠っている。 一流ブランドの生地を手がける、北イタリアにあるコモのシルク工場。そこで廃棄の運命にあった、希少で美しい織りの生地を見つけた。それに最終加工を施し、ハンカチーフとクッションを作って製品にした。 最終加工前の生地を見定めて、工場と密にやりとりしながら理想の生地に仕上げて、製品にしていく。大手メゾンに比べ格段に小規模なオーダーを依頼しても、相手にされないことが多い世界。しかし、多くの一流の工場や職人がSETCHU のブランドコンセプトに共感し、桑田さんの熱意に応える形で協力してくれる結果となった。 ②長く着られるディテールとデザイン 年齢と時代を問わずずっと着られる、上質な服。英国王室ご用達でもあるサヴィル・ロウで、100年以上前のスーツのお直しなどにも携わりながら、桑田さんが行き着いたコンセプトだ。 シーズン毎に発表するコレクションは、流行によって「流す」のではなく「重ねて」いくことで、ブランドという木を育てていくビジョンを持つ。エルメスやクリスチャン・ディオールなど、一握りの高級ブランドに見られる価値観だ。 例えば、ファッション関係者たちが一目惚れし、自身用に購入する人が続出したジャケット「ENRICO」。旅と釣りを愛する桑田さんにとって、折り紙のようにスーツケースに折り畳める軽量のジャケット作りは必然だった。 服は縫い目が少ないほど長持ちするため、ノーダーツなどの工夫を細部にこらしながら、縫い目を最小限に抑えている。ウールヴィスコースの生地に刻まれた、ユニークな折り目とゆったりしたダブルボタンの美しいデザインは、私たち日本人には羽織を連想させる。帯のようなベルトを縛ると、女性らしいシルエットが生まれるなど、様々な表情が楽しめる。性別や年齢を選ばないENRICOジャケットは、シーズンごとに異なる生地で展開されていく。 ③環境への負荷を抑えた配送方法 SETCHUの配送におけるサステナビリティのポイントは、2点ある。 一つ目は、コンパクトなパッキング。薄く軽量な生地で作られ、折りたためるデザインの服が多いため、一箱に何着も入れて輸送できる。 もう一つは、商品の梱包袋が「リサイクル素材を使ったリサイクル可能なもの」であること。「RECYCLED & RECYCABLE」であることが、サステナビリティのあるべき姿の一つだと桑田さんは考える。 その他、100%リサイクルペットボトル製の生地を採用したり、長持ちしにくいニット素材には強度の高いウールを混ぜるなど、一つ一つの素材にこだわり抜く。 持続可能なファッションを、実現可能へ 将来は、SETCHUの自社牧場を持ち、コットンから栽培したいと語る。目から鱗の発想だが、気がつけばウール用の羊に囲まれた桑田さんの姿まで想像できてしまうほど、有言実行の人だ。その世界では、更なるサステナビリティが実現しているに違いない。 SETCHUhttps://www.laesetchu.com

  • 環境にも人にも優しいサステナブルファッション。今日から私たちにできることとは

    私たちの生活を彩ってくれるファッション。しかし今アパレル産業は、持続可能ではない仕組みが大きな問題になっています。ファストファッションなどの広まりで、私たちがより自由に楽しく洋服を選べるようになった一方で、大量生産・大量消費が行われています。それは、生産の段階で作る人の低賃金労働に繋がることもあり、環境への負荷も大きくなります。また、すぐに買い替えることで大量の廃棄が生まれてしまうのです。 自然環境や生産に携わる人、動物を傷つけないファッションとは。この記事では、今日から始められるサステナブルなアクションをご紹介します。 サステナブルファッションとは? サステナブルファッションとは、「衣服の生産の段階から、着用、廃棄に至るまで持続可能である取り組み」のことです。 具体的には、以下のようなことが挙げられます。 生産から廃棄に至るまで、環境への負担が最小限に抑えられていること 素材は環境に優しいオーガニック素材や、リサイクル・アップサイクルされた素材を使用していること 作り手の健全な労働環境が守られていること 動物を殺傷せずに作られていること 生産する側は環境や人に配慮した商品開発を行い、消費者は商品ができる背景を知った上で商品を選んでいくことが、サステナブルファッションに繋がると言えます。 1枚の洋服の生産が環境にかける負荷 原材料の調達から始まり、生産、輸送、販売を経て私たちのもとに届く洋服。その過程だけでも、環境に対して実に多くの影響を与えています。 原材料を見ると、コットンなどの天然繊維は栽培において多量の水を必要とし土壌汚染にも繋がる一方で、合成繊維も石油資源などを使用しています。生産する段階でも工場などで水を多量に使用し、CO2も多く排出しています。 日本で小売りされている洋服は約98%が海外製。日本へ商品を輸送する際にもCO2が多く排出されることになるのです。原材料調達から輸送までの生産過程において、服一枚あたりに換算すると、CO2の排出が約25.5kg、約2,300ℓもの水が使われているとされています。私たちが何気なく購入、着用、廃棄する洋服が作られるのに、想像を超える大きな環境負荷がかけられているのです。 手放された半数以上の洋服がごみとして廃棄に 洋服を購入したあと、着用から手放すまでの洋服の扱いもまた大きな課題になっています。一人当たりの衣服の利用状況を見ると、手放す洋服よりも、購入する洋服の方が多くなっており、一年間一度も来ていない洋服は一人当たりに換算すると25枚もあるとされています。 また洋服を手放す際には、ごみとして廃棄される処分方法がリサイクルやリユースを大きく上回り、日本国内だけでも一日平均で、大型トラック約130台分もの洋服が焼却・埋立処分されているのです。 大量生産と低価格がもたらす労働問題 大量生産と低価格の洋服がもたらすのは、環境への負荷だけではありません。2013年にバングラディッシュで起こった、「ラナ・プラザの悲劇」と呼ばれるビル崩落事故。死者1100名以上、負傷者2500名以上というこの悲惨な事故は、今のアパレルの生産構造がもたらすひずみが世に知れ渡る大きなきっかけとなりました。縫製工場、商店、銀行などがひしめき合っていたラナ・プラザ。ビルは違法に増築されており、亀裂が見つかっていたのにも関わらず放置された末に、大型発電機と数千台のミシンの振動がきっかけとなって崩壊したとされています。 バングラディッシュには、安価な労働力を求めて欧米や日本からたくさんのファッションブランドが進出していましたが、生産現場は劣悪な労働環境だったのです。この事故をきっかけに、ファッション業界において健全な労働環境や作り手との公正な取引(フェアトレード)が叫ばれるようになりました。 ファーやウールなど動物を殺傷し作られている素材も 環境の負荷が最小限に抑えられていること、立場の弱い生産者が搾取されていないことと同じく、生産する際に動物を傷つけていないこともサステナブルファッションの大きな要の一つです。生産のときに動物が傷つけられるファッションは、リアルファーやウールなどが例として挙げられます。 リアルファーは、キツネやウサギ、ミンクなどの動物の毛を利用しますが、それは殺された動物から刈り取られています。ファーをとるために飼われている動物は狭い金網などの劣悪な環境で育てられ、乱暴に扱われ、残虐な方法で殺傷されるのです。 プラダやグッチなど世界的なハイブランドをはじめ、今では多くのファッションブランドがファーフリー(毛皮の不使用)を宣言しています。日本における毛皮の輸入量も減少傾向にありますが、依然としてリアルファーを使用したファッションアイテムは流通しています。 また、広くは知られていませんが、ウールの生産現場において「ミュールジング」が採用されている場合もあります。ミュールジングとは子羊のときに汚れの溜まりやすいお尻の部分を切り取ってしまうことです。効率的に毛を刈り取ることができ生産性が上がるミュールジングですが、無麻酔で行われるため羊に大きな苦痛をもたらします。イギリスやニュージーランドなどではすでに廃止されている一方で、オーストラリアなどのウールの生産現場では規制などは特にありません。 サステナブルファッションのために私たちができること 想像よりはるかに大きな負担を環境にかけ、商品によっては生産者や動物を傷つけた先にあるかもしれない私たちの衣服。 ここからは、ファッションが持続可能なものであるために、私たち一人ひとりができることをご紹介します。 ①本当に必要なのか、衝動買いではないかを考える 私たちは、どのくらいクローゼットの中を把握しているでしょうか。必要であるか考える前に衝動的に購入した洋服はどのくらいあるでしょうか。実は、私たちの64%は自分の持っている服を把握しないまま、新しい服を購入しているという環境省のデータがあります。また、今ある服をあと1年長く着れば、日本全体で年間約4万トンの廃棄物の削減になるとされています。 本当に必要な時に、必要な分だけ購入すること。衝動買いをする前にもう一度必要かどうかを考えること。簡単なことですが、それがサステナブルファッションの大前提です。 ②フリマアプリやリサイクルショップを活用する 近年利用者が増えてきているフリマアプリやリサイクルショップでは、まだまだ着用できる洋服が売られています。新品同様の物が売られていたり、お店にはもう並んでいない限定品などを購入できる場合も。欲しいものがあったときはまず、そのようなショップを確認してみましょう。 洋服を手放すときにも、はじめからごみとして処分することを選ぶのではなく、フリマアプリに出品したり、他の人に譲るという方法を検討してみることが大切です。 まだ着られる洋服を廃棄してごみを増やすのではなく、なるべく再利用できるかたちをとることは、CO2の削減にもつながります。 ③クルエルティフリー・アニマルフレンドリーであるか確認する クルエルティフリーとは、残虐性(=cruelty)がない(=free)ということ。つまり商品を作るうえで動物を傷付けたり殺したりしていないことを指します。近年は技術の進歩とともに、エコファーなどが出回るようになっています。またレザーも本革やフェイクレザーの端切れを使用し、生産過程において環境に配慮されたつくりのエコレザーも充実してきています。 おしゃれのために動物を殺したり傷つけたりすることがないよう、リアルファーなどは買わないという選択を。 ④受注生産など在庫を持たない仕組みを持っているブランドを選ぶ シーズンや流行によって売れ行きが変わる洋服。その在庫を大量にかかえるということは、廃棄になる洋服が増える可能性があるということ。受注生産であれば顧客の注文を受けてから生産をはじめるため、在庫を最小限に抑えることができます。販売前に予約を受けてから必要分を発注するお店もあります。オーダーが入った時に作る、売れる予定のものを必要分だけ発注する、といった仕組みであれば無駄な在庫を作りません。 ⑤リサイクル、またはアップサイクル素材を使用しているものを選ぶ リサイクルは、ごみを一度資源に戻してそこから再び製品を作ること。最近注目されているアップサイクルとは、廃棄される予定だったもの(本来は廃棄されるもの)にデザインなどを加えることにより、そのモノの価値を高めることです。例えば捨てられるはずだった生地で新たに洋服を作る、流行りが終わってしまったファッショングッズをリメイクするなどがアップサイクルといえます。 リサイクルやアップサイクルされた素材を使用した洋服を取り入れることは、資源の有効活用に繋がります。 ⑥フェアトレードの商品を選ぶ フェアトレードとは生産者との公正な取引のことを指します。大量生産で極端にコストの安い商品の裏側には、低賃金なうえに過酷な環境下で労働させられる作り手がいる可能性があります。グローバル化が進んだことにより、そのような労働を強いられているのは主に発展途上国の人たちです。 衣服を購入することによって、生産者を搾取するようなことがないよう、フェアトレードのマークや記載があるかどうかをチェックしてみましょう。 環境や作り手のことを配慮しながらファッションを楽しむ 私たちにできることは、今ある洋服を大切にし、手放すときの方法を考えること。購入するときは本当に必要かどうかを考えた上で、どのような素材を使って、どのように作られているかという商品の背景を知ることが大切です。 環境負荷の高いものや生産者を搾取するもの、動物を傷つけるものは購入しないという私たち一人ひとりの選択が、ファッションを持続可能なものへとしていく大事なアクションになります。 【参考】環境省ホームページ https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/