フェムテックとは、Female(=女性)とTechnology(=技術)をかけ合わせてできた言葉です。
月経から妊娠・出産、更年期まで女性特有の悩みに寄り添いサポートする製品やサービスのことを指します。
近年世界的にフェムテック市場の規模が拡大していることから、日本においても注目を集めている分野です。
関連記事:女性特有の悩みと向き合う。注目のフェムテックとは?
話題のフェムテックフェスに潜入!
フェムテックフェス2022は、“あなたのタブーがワクワクに変わる3日間”をテーマに掲げ東京六本木のアカデミーヒルズで10月14日~16日まで行われました。
会場内には200を超えるフェムテックのサービスやプロダクトが展示。そのうち、8割が海外からの出店です。
日本未上陸のプロダクトに直接触れることができるということと、海外起業家によるトークセッションなどもあり、開催前から話題を呼んでいました。
今回はこの人気イベントで出会った、国内外のフェムテック最新情報をご紹介します。
人に言えない悩みに寄り添う「TRULY」
TRULYはフェムテックカンパニーのなかでも最も注目される会社のひとつです。女性特有の悩みやパートナーとの関係などを専門家に相談できるチャットサービスや、企業へ向けたコンサルティングなども行っています。
ブースで紹介されていたのは、人に相談しにくい性の悩みを診断してくれる無料のセルフチェック。
セルフチェックができるのは、「更年期度」、「デリケートゾーン・膣トラブル度」、「セックスのお悩み度」です。
からだや心についてなど、簡単な二択の質問が出てくるので、それに答えていくと診断結果を見ることができます。
その結果により、今自分が抱えているトラブルなどが分かる仕組みに。
人に言いにくく、ついつい後回しにしてしまうような悩みが、診断結果となって目に見えると安心することもありますし、自身では気がつくことが難しい身体の不調を発見するきっかけにもなります。
例えば50代のイメージが強い更年期ですが、実は35歳頃からプレ更年期が訪れるそう。診断により、なんとなく続く不調が実は更年期によるものかもしれないということがわかれば、対策もできるようになりますよね。
相談ができるサービスがあることが広まっていけば、一人で悩む方も減るのではないでしょうか。
公式サイト https://truly-japan.com/
見た目も可愛い出産後のお助けグッズ「BodyICE Womanシリーズ」
オーストラリアのアイスパック専門店BodyICEから出たBodyICE Womanシリーズは、出産前後の女性のために作られた保冷、保温用パックです。
冷凍庫で冷やす、もしくはレンジなどで温めて使うことができ、繰り返し使用できるのが特徴です。
商品ラインナップは胸部用パックと会陰用パックの2種類。
胸部用パックは花のような形でバストの形状にフィットするように作られています。産後、乳房の張りや熱が気になる時には冷やしたパックでクールダウンを、逆に温めて使用すると乳管の詰まりや母乳の流れを良くすることができます。
会陰用パックは、会陰部を温めることにより出産時の会陰裂傷のリスクを下げることができ、産後は冷やして会陰の炎症や帝王切開の傷跡を冷やすこともできます。
身体にフィットするデザインとアイスパック専門店ならではの快適な使用感で、出産でからだが受ける大きなストレスを軽減してくれます。
公式サイト(英語) https://bodyice.com/
アメリカではコストコにも!骨盤底筋用グッズ「ケーゲルベル」
カラフルなイエローが印象的なケーゲルベルは、アメリカ生まれの骨盤底筋トレーニングアイテムです。
女性は出産や加齢で骨盤底筋の筋力が低下することにより、尿漏れ、骨盤底筋臓器脱、性機能障害などを起こします。
見逃されがちですが、こうした問題は多くの女性の産後の生活に大きな影響を及ぼし、悩みの種となっているのです。
使い方はとても簡単で、膣にボールを入れ、外側についているおもりで負荷を調整します。1日5分(週3回)のトレーニングで効果を実感することができるとのことでした。
当日来場していた開発者にお話を聞いたところ、驚くことにこのケーゲルベルは、アメリカではコストコで購入できるそう。コストコのベテランバイヤーからのオファーをきっかけに販売が決まったとのことでした。
このようなトレーニンググッズは日本では専門店での取り扱いが中心ですが、今後大手量販店などで気軽に入手できる日が来ることを期待したいと思います。
公式サイト(英語) https://www.kegelbell.com/
加速するフェムテックの広がりでみんなが過ごしやすい社会に
なかなか人に話せない月経や妊娠・出産や更年期などの悩み。症状は人それぞれであることから、明るみになることがなく、女性が社会で働く上で必要なケアが充分に行きわたっているとは言えません。
そんな中でも、前に比べて気軽に婦人科を受診する人が多くなっているなど、自らの健康のために行動する人が増えてきている風潮もあり、このようなフェムテックのイベントも開かれるようになっています。
今回紹介しきれなかったプロダクトの中にはLGBT向けのサービスやテクノロジーに基づいた女性ホルモン測定サービスなど、幅広い領域が紹介されていました。
日本でも2025年には2兆円規模の経済効果が見込まれていることからもわかりますが、フェムテックは、ますます脚光を浴びる分野となるでしょう。
女性も男性もフェムテックを通して、について理解を深めていくことでよりみんなが過ごしやすい社会になっていくのでは?そう実感させてくれるサービスやアイテムに出会えたイベントでした。