AIのメリットと問題点。テクノロジーで人は幸せになる?

車の自動運転や、人間のような会話ができるChatGPTなど、様々なAIの登場によって、私たちの生活は日々便利になり続けています。一方で、AIが人間の仕事を奪ったり、人間社会を支配したりするのではないかと不安を抱える人もいるでしょう。
果たして、AIは人間を幸せにするのでしょうか…?
AIのメリットやデメリット、その活用事例を見ながら、新しいテクノロジーとの付き合い方について考えていきます。

INDEX

AI(人工知能)とは

出典:pexels.com

AI(人工知能)はArtificial Intelligenceの略で、人間の知的能力を人工的に再現するものです。
AIが登場する以前のコンピューターはプログラムされた通りの処理しか行うことができませんでしが、AIは蓄積されたデータを基に自ら学習し、状況に応じて柔軟に判断することができます。
しかし現在、どこまでできたらAIとするかについては、実は明確には定義されていません。

AIにできること、できないこと

https://www.pexels.com/ja-jp/photo/8386422/

AIは以下のようなことが得意とされています。

画像・音声認識:音声に字幕をつける、顔認証をするなど

自然言語処理:chatGPTのように言語を理解し、文章をつくるなど

検知・予測:過去のデータと現在の状況を比較、これから起こることを予測するなど

機械制御:自動車の自動運転のように、状況をみて機械を適切にコントロールするなど

これらは全て蓄積されたデータから学習し行われます。

したがって、データが存在しないものをゼロから作り出したり、全く不規則なデータを扱うことはできないとされています。
また、人間のような汎用性はないため、決められた役割以外のことはできません。例えば、音声認識のために開発されたAIが自動運転をすることはありません。

AIがもたらす5つのメリット

出典:pexels.com

生活が便利になる

AIは日常生活だけではなく、企業・医療・教育の現場など、様々な場面で使用されています。あらゆるサービスに搭載されたAIが様々な課題を解決することで、私たちの生活はこれからも日々便利になっていくことは間違いないでしょう。

生産性が向上する

多くの仕事はAIで代用できると言われています。労働不足の解消・業務の効率化・人件費の削減・ヒューマンエラーの排除などのように、多くの問題がAIで解消され、生産性が向上すると考えられています。

事故の減少と安全性の向上

自動運転の導入によって、交通事故が減少すると考えられています。また、機械の劣化を自動で検知できればインフラの安全性の向上にもつながるでしょう。
正確な作業を繰り返し、異常を検知することに優れるAIを用いることで、社会の安全性が高まります。

高精度なデータ分析・予測が可能になる

AIは膨大な量のデータを処理し、分析したり予測したりすることができます。市場のあらゆるデータから社会や個々の人に必要なことを効率的に予測することで、マーケティングや医療、教育などの質を向上することが期待されています。

やりたいことに時間を使えるようになる

AIの活用方法はアイデア次第です。これまで人間が行なっていた様々な作業をAIに任せることで、人間はより重要なことに集中することができます。例えば、AIを搭載した家電に家事を任せれば、家族と過ごす時間を増やすことができるようになるかもしれません。

AIの活用に伴う4つのリスク

出典:pexels.com

雇用が減少する可能性がある

多くの作業がAIに置き換わるため、これまで人が担っていた仕事は減っていきます。
新たな仕事も生まれていきますが、必要なスキルを身に付けるなど、社会全体のシフトが必要です。

責任が曖昧になる

例えば、自動運転の自動車で事故を起こした場合、責任の所在がとても分かりづらいという点が懸念されています。
AIが十分に社会に浸透し、法律が整備されるまでは、責任が曖昧にならないように注意が必要です。

思考のプロセスが見えない

実はAIの出す答えには、「どういうプロセスで導き出したかわからない」という問題があります。これは、ブラックボックス問題と呼ばれ、解決とともに信頼性の向上が求められています。
また、AIを使用する人間側にも、思考することなくAIの導いた答えを受け入れてしまうリスクがあり、こちらも問題視されています。

不適切に活用される恐れがある

画像や文章などのコンテンツを生成できるAIが開発されたことで、フェイクニュースや誹謗中傷の量産といった悪用が危惧されています。

他にも、悪用とは異なりますがデータが独占されるリスクがあります。
前述したようにAIはデータに基づいて学習します。実は現状ではこのデータの所有者はあいまいになっています。一部の事業者にデータが集中すると市場が正常に機能しなくなる恐れがあるため、注意が必要です。

AIは人を幸せにするのか

出典:pexels.com

AIが人を幸せにするかについて、多くの人が気になっていることでしょう。しかし、AIはツールに過ぎないため、AI自体は人を幸せにも不幸にもしません。全てはそれを使用する人間次第なのです。
その中で最も重要となるのが、ガイドラインや法律です。道路交通法がないと安心して運転ができないのと同じように、ルールなくしてAIの幸せな活用方法はありえません。

どのように活用すればAIが人の暮らしを豊かにするかについては、現在多くの議論がされています。
例えば、国連のグテレス事務総長は加盟各国への勧告をまとめた提言書を公表し、2026年までにAIを搭載した兵器を法的に禁止する枠組みを設けるように求めています。また、AIの安全保障リスク軽減に向けた新たな国際機関の設置を検討するよう促しました。

AIの存在しない時代に戻ることはない

出典:pexels.com

これまで、様々なテクノロジーが社会に変革をもたらしてきました。
例えば自動車はより多くのものをより遠くへより速く移動させることを可能にした反面、環境汚染や交通事故を引き起こしました。
インターネットやSNSの登場は、誰でも膨大な情報にアクセスできる便利な社会を作った一方で、信憑性のない情報も増えるなど問題もたくさん存在します。

どんなテクノロジーにも良い面と悪い面があり、その全てが人々の生活を豊かにしたと一概に評価することはできません。
一つ間違いなく言えることは、一度テクノロジーが社会に浸透すると、それがない時代に戻ることはないということです。
それだけ多くの可能性をテクノロジーが切り開いてきたのです。

AIがない時代には戻れない以上、AIを豊かな社会づくりに活用する方法を考えていくことが大切です。
全ては使い方次第。無限の可能性を秘めたAIと共存する豊かな未来を思い描いてみては?

Follow us!

INDEX