rootus編集部が選んだ、2023年のエシカルトレンド

コロナ前の活気を戻しつつある2023年。エシカルな観点から社会を見たときには、どのような傾向があったのでしょうか。この1年、rootus編集部が注目したエシカルなニュースをピックアップします。

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rootus編集部が選んだ2023年エシカルのトレンド

2023年は、コロナ禍の自粛が完全に明け、社会の動きが活発化。持続可能な未来に向けて環境や人に配慮する傾向が加速し、「エシカル」ということばは、数年前よりも浸透している印象です。
一方で、世界では大規模な戦争が勃発。報道などを通じて現地の状況を知り、平和と戦争について考える機会が多かったのではないでしょうか。
2023年は、どう自然と向き合い、平和を持続していけるのかを考える1年となりました。

イベントの復活とエシカル消費の拡大

2023年の春、コロナ禍の自粛が緩和され、各地ではリアルなイベントが開催されるようになりました。各業界の第一線で活躍するゲストによるクロストークイベントや、エシカルなマインドを持つブランドを全国から集めたマーケットが頻繁に開かれました。
経済成長を求められる現在の社会で、自然や人を第一に考えるイベントやそのような想いで生まれたプロダクトは、今後どのように広がりを見せていくのか。来年以降も注目したい分野です。

円安と物価高における日本の課題

2023年を象徴する出来事と言えば、原油の高騰や円安に伴う物価高です。これまで日常的に購入していたモノが値上がりし、消費者だけでなく業者も頭を抱えることとなりました。
このような現状になり改めて気が付かされるのが、日本の食料自給率の低さです。また日本は、食品以外の多くの製品も海外生産に頼ってきました。物価高への対応策としても、改めて地産地消の推進や、ものづくりや文化の継承が、今の日本にとって重要な課題となるでしょう。

大量生産・大量消費から「サステナビリティ重視」へのシフト

これまでサステナビリティを打ち出してこなかった業界も、持続可能な社会に向けての取り組みを始めています。例えば、使い捨ての量産品が並ぶイメージの強い100円均一ショップでも、環境や生産背景こだわった製品が見られるようになりました。ダイソーでおなじみの株式会社大創産業では「Standard Products」という店舗名で、サステナビリティを軸としたショップを展開しており、全国各地に店舗を増やしています。Standard Productsの環境に配慮した2アイテムは、「2023年度グッドデザイン賞」を受賞。100円均一の事業を継続しながら、サステナビリティ事業も展開するハイブリッドな取り組みが、注目を集めています。

EUのグリーンウォッシュ規制の加速化

2023年3月22日、EUは「環境訴求指令案(Green Claims Directive)」を発表。いわゆる「グリーンウォッシュ」(環境に配慮しているように打ち出しているものの、実体がともなっていないこと)の広がりを懸念して発表され、企業が環境配慮をアピールする際には裏付けが必要となります。
これをきっかけに多くの国において、グリーンウォッシュ規制に対する意識が高まっています。

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G7広島サミットをきっかけに注目された「グローバルサウス」

「グローバルサウス」とは、端的にまとめると、新興国および途上国のことです。先進国と比べてGDPが低い国や貧困率が高い国などが、グローバルサウスの国に該当します。
もともと、グローバル化によってその被害を受ける地域や住民のことを指しています。
グローバルサウスが注目されたきっかけは、2023年5月に行われたG7広島サミットです。緊迫が続くロシアとウクライナのことだけでなく、グローバルサウスとG7の国々をはじめとした先進国の関係性について話し合いが行われました。この際にG20と連携して食糧とエネルギー支援を行うことで課題解決を進めていくことを表明しています。

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世界各地での紛争

2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルへの攻撃を開始したことから、イスラエルが報復。イスラエルとハマスの武力衝突が激化しました。世界では核廃絶が叫ばれる中、イスラエルは核の使用をちらつかせるなど、予断を許さない状況になっています。
そして現地では、日々たくさんの民間人や子どもたちが犠牲となり、十分な支援を受けられない現状があります。
また、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻も終わりが見えず、ミャンマーなどの情勢もいまだ不安定です。

人権に配慮したクリーンな運営体制の見直し

2023年は企業やメディアなどで、これまでの運営の見直しをせざるえないニュースが取り上げられました。ブラックボックス化された企業体制によって何かの被害にあっても泣き寝入りせざるを得ない人や、メディアやSNSのコメントによる真偽の不明な情報によって傷ついた人もクローズアップされ、人権を考えさせられる出来事も多くありました。
これ以上、悲劇を生まないために、企業やメディアでクリーンな運営をすることが求められています。

2024年は、よりエシカルな社会に

2023年は世界的に、エシカルな未来に向けて、今までの体制の見直しを軸とした動きが見られました。取引先や購入先を選ぶ際に「エシカルであるかどうか」がより意識されつつあります。エシカルであることが「社会的な信用を得られる」指標にもなっているようです。
また、終わることのない紛争は、世界に暗い影を落とし、平和の在り方を改めて考えた方も少ないはずです。

2024年は、2023年に挙がった課題点をどう解決していくかが注目すべき点であるとともに、誰一人取り残さないようにするためには各自はなにができるのか、考えていくことが求められることでしょう。

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