今、ブランドストーリーや商品の裏側にある想いに共感して買い物をする人が増えてきていると言われています。そんな時代にぴったりのイベントが2023年9月に東京・原宿で初開催。「未来の文化を売り買いする体験イベント、文化商店」とは?どんなイベントなのか詳しくレポートします! 商店街をイメージした空間デザインに高まる期待! 今回、文化商店が開催されたのは原宿駅すぐの施設。受付を済ませるとすぐ出迎えてくれる大きな暖簾をくぐり、こだわりのブランドが待つ会場へ。早くも、素敵なモノと人との出会いを予感させる、心地よいテンポの音楽が耳に入ってきます。 会場の中でもひと際目立つ、大きな暖簾! 今回の出展は全26ブランド。将来文化となっていくであろうブランドのみが揃い、お店の人とじっくり話しながら商品について知ることができるのが、この文化商店の大きな特徴です。世に出たばかりの商品や、こだわり抜かれた商品、ユニークなコンセプトを持つ商品やエシカルでサステナブルな商品などが並びます。 商店街の賑わいが表現された、明るく楽しい雰囲気の空間 素敵なストーリーを持つブランドが勢ぞろい まず目に止まったのが、緑と白を基調とした統一感のあるブース。ALL GREENは、日本全国から選び抜いた一番茶を、定期便で届けるサービスです。会場では、3種類のお茶を試飲して、気に入ったお茶に投票。顆粒タイプになっていてお水でも簡単に溶かすことができますが、その手軽さに相反し、どのお茶も上品で香り高く、奥深い味わい。改めて日本茶の魅力に気付かされます。 どれも本格的なのに手軽。どのお茶も同じくらい人気でした お酒好きなら見逃せないのが、Better life with upcycleのクラフトビール。こちらのクラフトビールは、なんとサンドイッチを作る際に切り落とすパンのミミを使用。老舗のパン屋さんが新たに立ち上げたブランドです。さらに、パンのミミを使用したラベンダー香るジンも発売。どのお酒も同ブランドから出ているラスクと相性抜群です! パンのミミをアップサイクルして作られたクラフトビールとラスク 色とりどりのお花が並ぶのは、アプローズ。アレンジメントや作品はすべて港区にある福祉事業所で手作りされているそう。お花の組み合わせが絶妙で可愛く、自宅用やプレゼント用に気軽に購入できる大きさが嬉しい!シーズンに合わせた商品も取り揃えていました。 センスの良いブーケなどが並ぶ FERMENSTATIONは、未利用資源と独自の発酵技術を組み合わせた製品を開発しているブランドです。中でも、オーガニック玄米からできたエタノールを使用したアウトドアスプレーとピロースプレー、栄養がたっぷり含まれた発酵由来の「米もろみ」を使用した洗顔石鹸は、品質の高さから愛用者が多い商品。他にも様々な企業と未利用資源を使ったコラボレーション商品を生み出しています。 大きな可能性を秘めた「発酵」を取り入れたプロダクトたち ・・・と、ここまでたくさんのブランドを見てきましたが、他にも魅力的なショップが目白押し。自分に合うお味噌汁をその場で栄養士さんが選んでくれるMISOVATION、サステナブルなファッションを提案するO0uやKAPOK KNOT、重くて焦げやすく扱いにくいという鉄のフライパンの概念を覆す岩鉄鉄器など、心惹かれるお店が立ち並びます。 一軒一軒じっくり見ていたら時間が足りないほど、どこも生産者とお店の人のこだわりと愛がこもった商品で溢れていました。 ”文化”を体験できる新感覚イベント 会場では、スタンプラリーも実施。気に入ったブランドのブースでお店のスタンプを4つ押すと、最後に大きなガラポンを一回引くことができます。出展しているブランドの商品など、内容も豪華! 回すだけで、つい笑顔になる巨大なガラポン! 会期中は、出展するブランドによるワークショップも開かれました。 次々と心ときめくプロダクトに出会えた今回の文化商店は、まだまだ見たかった…!というのが正直な感想。次回の開催は未定ということですが、こんなに盛況なら次回も開催されるはず、と期待しています。 「私たちの未来に残したい商品や文化、取り組みは?」そんなことを改めて考えさせられる魅力満載のイベントでした。
秋の足音が聞こえる季節になりました!関東近郊では、9月も注目のイベントが目白押し!「次の週末はどこへ行こうかな?」と思ったときには参考にしてみてください。 ※お出かけ前には、各イベントのWEBサイトにて最新の情報を確認してください。 【SDGs週間】 HAPPY EARTH FESTA 2023|GLOBAL GOALS WEEK 国内最大級のSDGsフェスが全国4都市を巡る! 毎年9月のSDGs週間を盛り上げるイベントとして開催3年目となる今回は、東京・横浜・大阪・沖縄の全国4都府県で開催。1週間の期間中、様々な会場で、セミナー、ワークショップ、アースクリーンアップ、マルシェ、キャンプ、音楽ライブなど豊かな地球の未来を願った様々なコンテンツが実施される予定です。SDGs達成期限の2030年まで、あと7年。私たち一人ひとりにできることを改めて考える機会にしてみては? 【SDGs週間】HAPPY EARTH FESTA 2023|GLOBAL GOALS WEEK開催日時:2023年9月19日(火)~25日(月) 10:00~18:00(最終日は17:00まで) 場所: 東京・横浜・大阪・沖縄の4都府県 ※詳細は公式情報をご確認ください。 参加費:無料 ※プログラムにより事前申し込み制 URL: https://happyearth.jp/event/hef2023/ LIVE STOCK MARKET in MARUNOUCHI ファッションを楽しみながら社会貢献ができるサスティナブルな買い物体験 「LIVE STOCK」をテーマに、経年在庫(DEAD STOCK)に新たな付加価値を与えて魅力的なアイテムとして販売する「LIVE STOCK POP UP」が丸の内エリアの12ブランドで実施。丸の内ワーカーから回収したアパレル製品の一部をアップサイクルして作ったオリジナルエコバックのプレゼント企画やB品となった靴下を利用して人形を作るワークショップなどのコンテンツも充実。新しいファッションの魅力を探しに、丸の内に出かけてみよう! LIVE STOCK MARKET in MARUNOUCHI 開催日程:2023年9月14日(木)~9月18日(月・祝)場所:丸ビル1階マルキューブ、丸の内エリア内対象店舗 URL:https://www.marunouchi.com/event/detail/36243/ 【フェアトレードの学校】オーガニックに暮らそう ~私も地球も健康であるために~ ピープルツリー開催、オーガニックについて知識を深められるチャンス 毎月1回、フェアトレード専門ブランドのピープルツリー自由が丘店やオンラインで開催されているフェアトレードの学校。フェアトレードや社会的な活動について楽しく学びながら、実践のためのアイデアを共有する場です。オーガニックセプテンバーである9月は、オーガニック繊維製品の国際的な認証基準を定める組織であるGOTS(Global Organic Textile Standard:オーガニック・テキスタイル世界基準)の地域代表・松本フィオナさんがゲスト。GOTS認証が目指していること、ピープルツリーがフェアトレードを通じて目指していることとの共通点などについて知ることができます。この9月は、オーガニックについて知識を深めてみては。 【フェアトレードの学校】オーガニックに暮らそう ~私も地球も健康であるために~開催日時:2023年9月23日 (土・祝)10:00~11:30(9:45開場)参加費:1,000円 場所:ピープルツリー自由が丘店またはオンライン チケット申込:https://20230923ftgakko-organicseptember.peatix.com/ GOOD LIFEフェア 2023 人と地球が心地よく過ごすためのモノやコトが大集結する3日間! “心地よく豊かな暮らし”を提案するライフスタイルのイベントが東京ビックサイトにて開催されます。 ブースエリアには、コスメや食品、雑貨やファッションなど450を超える出展者が全国から集結。SDGsを掲げたブランドも多数あり、自分自身はもちろん、地球にやさしいプロダクトに出会えます。クラフトビールやクラフトコーラ、キッチンカーなど、食フェスコーナーも多彩なラインナップ。 アップサイクルやゼロウェイストをテーマにしたワークショップや専門家やタレントによるトークショーも要チェックです! GOOD LIFEフェア 2023開催日時:2023年9月1日(金)~3日(日) 10:00~18:00(最終日は17:00まで) 場所:東京ビッグサイト 東2・3ホール 参加費:大人 前売り¥1,000/当日¥1,300※事前登録制 (招待コードをお持ちの方と、ビジネスでの来場は無料)高校生以下 無料 URL: https://goodlife-fair.jp/ Slow LIVE’23 in 池上本門寺 20th Anniversary この投稿をInstagramで見る Slow LIVE’23 in 池上本門寺 20th Anniversary(@hotstuff_slow)がシェアした投稿 スローミュージックで楽しむ大人のフェスが4年ぶりに大田区・池上で開催 都内を中心に開かれてきた大人のためのミニフェス「Slow LIVE」が、4年ぶりにホームグラウンドである池上本門寺に戻ってきます。出演アーティストは大橋トリオ、BEGIN、EGO-WRAPPIN'など、夏の終わりに聴きたいスローな音楽が目白押し。 一般席の他ベビーカー席、車いす席など多様なニーズにも対応しているので、どんな人でも楽しめること間違いなしです。美味しいフード販売や、エコなモノづくりのお店『Slow LIVE リメイク・マーケット』も見逃せないポイント。 歴史ある日蓮宗の大本山で、上質な音楽とともに大人の時間を過ごしてみては? Slow LIVE’23 in 池上本門寺 20th Anniversary 開催日時:2023年9月1日(金) 17:30 開場 / 18:30開演、2日(土)3日(日)14:00 開場 / 15:00 開演 場所:東京 池上本門寺・野外ステージ(東京都大田区池上1-1-1)参加費:有料※詳細は公式サイトよりご確認ください URL:https://www.red-hot.ne.jp/slow/ NEW ENERGY TOKYO どっぷりとクリエイティブに浸れる祭典が再び! 展示会、マーケット、メディアを掛け合わせたクリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO」。今回も新宿住友ビル三角広場に、ファッションやライフスタイル雑貨、エシカル商品、ビューティー、フード、アート等、ジャンルを超えて、様々な分野から約250組のブランドやアーティストが参加します。買い物に加えて、パフォーマンスやワークショップも充実! 垣根を超えて集結するクリエイティブの世界を堪能しに行こう! NEW ENERGY TOKYO(ニューエナジー トーキョー)開催日時:2023年9月7日(木)~10日(日) 9月7日(木)10:00 ~18:00(BUSINESS DAY)9月8日(金)10:00 ~17:00(BUSINESS DAY)17:00~20:00(ナイトマーケット)9月9日(土)11:00~18:00(MARKET DAY)9月10日(日)11:00~17:00(MARKET DAY)場所:新宿住友ビル三角広場 参加費:有料※詳細は公式サイトよりご確認ください URL: https://www.new-energy.ooo/ 大丸有SDGs映画祭2023 SDGs17の目標をひもとく映画祭が今年も開催 大手町・丸の内・有楽町の最初の文字を取ってつけられた「大丸有」。東京の中心地である大丸有がエリアを挙げてサステナビリティな都市づくりに取り組むなかで、シンボル的イベントとなっているのが、大丸有SDGs映画祭です。 名前の通り、SDGsに通じるテーマの映画作品を集めた本イベントは今回で4回目。9月4日~21日の会期中、大丸有エリアの5か所の会場で9作品が上映されます。9作品中8作品は、映画上映に加えてゲストによるトークイベントも開催。チケットは1上映ずつ購入可能なので、都合の良い時間を見つけて参加できます。 映画鑑賞を通して、サステナブルな世界を想像してみては? 大丸有SDGs映画祭2023 開催日時:2023年9月4日(月)~9月21日(木)場所:大丸有エリア内の全5か所のスペース 参加費:1,000円※障がい者手帳をお持ちの方は500円(付添の方も1名まで500円)URL: https://act-5.jp/act/2023film/ 長瀞・荒川 リバサポキッズフェスティバル 遊びながら川を知る!子どもと参加したいリバークリーンイベント 豊かな自然に触れることで、子どもたちに自然と地域を愛する心を育んでもらうことを目的としたリバークリーンイベントが埼玉・秩父で開催されます。 「教育×遊び×地域」をテーマとした本イベントでは、長瀞町を流れる荒川でのラフティング体験やゴミ拾い、地元の竹林整備で発生した竹を活用した竹あかりのワークショップ、マルシェなど、大人と子どもが一緒に学び、楽しめる工夫が満載。 夏の暑さが少し和らぐ9月、親子そろって長瀞を楽しもう! 長瀞・荒川 リバサポキッズフェスティバル 開催日時:2023年9月9日(土)10:30〜16:00 ※ 雨天決行 場所:長瀞渓谷バーベキュー(勉強屋) 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1502参加費:無料 ※要事前申し込み制 URL: 【リバークリーンイベント】明治安田生命とWITH RIVERがタイアップ! (with-river.com) 文化商店 未来の文化を売り買い!?ブランド体験イベントが原宿・WITH HARAJUKUにて初開催 サステナブルファッションやクラフト酒、アロマなど、衣・食・住・遊にまつわる26ブランドが原宿にやってきます。 他の展示会と少し違うところは、製品やサービスを“未来の文化”とし、ブランドのストーリーをじっくりと知ることができること。ブランドとの対話やワークショップを通じて“文化を知る・めぐる・買う”という3つの楽しみ方を提案しています。 未来に残したいブランドたちに会いに、原宿に行ってみよう! 文化商店@原宿・WITH HARAJUKU 開催日時:2023年9月16日(土)11:00〜19:00、9月17日(日)11:00〜18:00 場所:WITH HARAJUKU 3F HALL / LIFORK 参加費:無料 ※一部ワークショップは有料 URL: https://bunka-shoten.com/
捨てられるはずだったものを利用し、価値を付けることで、新しいものへと生まれ変わらせる「アップサイクル」。アップサイクルと聞くと雑貨などを連想する人も多いかも知れませんが、食の分野においてもさまざまなアップサイクルフードが登場しています。今回は、食べて飲んでおいしく、環境にも優しいアップサイクルフードのアイデアを集めました。 アップサイクルとは アップサイクルとは、本来捨てられるはずのものを加工し、価値を付けることで、新たな製品として生まれ変わらせる取り組みのこと。デザインやアイデア次第で、いまある資源を有効に活用し、製品のライフサイクルが延ばすことが期待できるアップサイクル。ゴミ削減やCO2削減の一環として、今まで光が当たってこなかった素材を製品化する取り組みが始まっています。 食品のアップサイクルのアイデア5選 今回は、食品のアップサイクルをチェック! お菓子からビールまで、アイデア満載です。 米ぬか→クッキー 米を精米するときに出る米ぬかは、捨てられてしまうか、ぬか床として再利用されるのが主流でしたが、最近ではぬか自体の食物繊維やミネラル、ビタミンといった高い栄養価が注目されています。近年は、基礎化粧品の材料として米ぬかを使う製品が出てきているほか、クッキーの材料としてアップサイクルされている例も。Any O'clockは、米ぬかとおからをアップサイクルしたヘルシークッキー。フレーバーも6種類と豊富で、パッケージもアーティスティックでキュート!リニューアルを経て、2023年8月28日に発売予定です。 カカオ豆の皮→レトルトカレー この投稿をInstagramで見る GOOD NATURE MARKET(@good_nature_market)がシェアした投稿 チョコレートを製造する際に出るカカオ豆の皮(カカオハスク)は、総量のおよそ30%にものぼり、そのほとんどが活用されてきませんでした。そこで、風味豊かなカカオ豆の特性を活かして作られたのが、レトルトカレーです。カカオ豆の皮のコクを生かしたGOOD NATURE MARKETのカカオカレーは、薬膳スパイスやビーフなどバラエティも豊富!具材の旨味が引き立つ、深い味わいに仕上がっています。 食パンのみみ→ビール この投稿をInstagramで見る upcycle beer(@upcycle_beer)がシェアした投稿 サンドイッチなどで発生する食パンの耳や、出荷の過程で廃棄されるパンはまだまだ美味しく食べられるもの。これまではラスクなどに再加工やしたり、飼料にすることが多かった食パンの耳などですが、なんと食パンからは、クラフトビールも作れてしまうんです!クラフトビール「upcycle(アップサイクル)」は、パン由来のスッキリした酸味と香ばしさも備わっていて、軽い口当たりとすっきりとした後味に仕上がっています。 放置竹林→メンマ この投稿をInstagramで見る Taro Ebara(江原 太郎)(@taroebara)がシェアした投稿 竹は樹木と比べて成長が早く、人の手によって整備をしないと、日光を遮り他の木々の成長を止めてしまいます。また地滑りなどの弊害も引き起こす可能性も。整備するにも、焼却する際に、CO2を排出してしまうのが大きな問題でした。そこで、竹の特性と処分する際のエネルギー削減を考えて作られたのが、メンマです。面積の80%が山林という自然豊かな宮崎県延岡市で生まれた「延岡メンマ」は、流通するメンマの1%にも満たないという超希少な国内産。味の妥協を一切せず、ご飯のおともやおつまみ、料理の材料としても最高の逸品です! 野菜の茎や皮→チップス この投稿をInstagramで見る Upcycle by Oisix / アップサイクルバイオイシックス(@upcyclebyoisix)がシェアした投稿 加工する際、野菜の茎や皮は、捨てられてしまうのが当たり前でしたが、破棄される部分を油で揚げてチップスにした商品が登場しています。オイシックスでは、ブロッコリーの茎や大根の皮など、これまで食べられるイメージがなかった野菜の部位をチップスとして製品化。これまで捨ててしまっていたのがもったいないと感じるほど、後を引くおいしさです。 アップサイクルフードはプレゼントにもおすすめ 今回は、食材をアップサイクルした食品の紹介をしました。「そんな使われ方があったんだ!」と思わず言いたくなるユニークなアイデアで、食べてみたいと思った方も多いのでは?洗練されたパッケージの商品も多いので、他の人と被らないプレゼントにもおすすめです!おしゃれに、そしておいしくアップサイクルフードを取り入れてみてくださいね。
本格的な夏が到来! 夏休みのイベントやお出かけ先を探している方も多いのではないでしょうか。関東近郊では、8月も見逃せないエシカルなイベントが目白押し! 「次の週末はどこへ行こうかな?」そんなときに、ぜひ参考にしてみてくださいね。 ※お出かけ前には、各イベントのWEBサイトにて最新の情報を確認してください。 SmileFemFes@二子玉川ライズ ガレリア カラダとココロをヘルシー&ビューティーにする2日間! 二子玉川ライズにて、健康と美をテーマにした”Smile Fem Fes”が開催予定。イベントでは、カラダ、食、癒しに関連するブースが設けられ、フェムケアアイテムや、エシカルコスメ、無添加スイーツなど、こだわりを持つブランドが集結します。 お笑いコンビ・フォーリンラブのバービーさんによる「なりたい自分になるためのヒント!」をテーマにしたトークショーや、SHELLYさんと産婦人科医・高橋幸子先生と一緒に、親子でカラダケアについて学べるトークショーも必見です。他にも、ママ向けのヨガ講座や、家族で楽しめるシールラリーなどの体験イベントが盛りだくさん。イベントに参加し、自分のカラダや心に目を向けてみませんか。 SmileFemFes@二子玉川ライズ ガレリア開催日時:2023年8月5日(土)、 6日(日)11:00~17:00場所:二子玉川ライズ ガレリア ※雨天決行参加費:無料 URL: https://lyset.jp/smile-fem-fes 【祝GSFF10周年】第162回 銀座ソーシャル映画祭 x cinemo by ユナイテッドピープル 考えるきっかけをつくる市民上映会「銀座ソーシャル映画祭」が10周年イベント 2013年にスタートした社会派ドキュメンタリー映画の市民上映会「銀座ソーシャル映画祭」。 記念すべき10周年を迎える8月は、軍隊を廃止し、軍事予算を社会福祉に充てることで、国民の幸福度を最大化する道を選んだコスタリカに迫った「コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~」を上映します。上映後は、ドキュメンタリー映画の配給会社、cinemoを運営するユナイテッドピープルの関根健次さんによるトークや、交流会を予定。 世界の今を覗きに、会場に足を運んでみては? 【祝GSFF10周年】第162回 銀座ソーシャル映画祭 x cinemo by ユナイテッドピープル開催日時:2023年8月26日(土)11:00~ 場所:中越パルプ工業株式会社 東京都千代田区内幸町1-3-2 内幸町東急ビル8階 参加費:2,000円(ユナイテッドピープルワインまたはso good coffee付き) URL:https://www.gsff.jp お申込み:https://gsff162.peatix.com/ ●actcoinから参加申込みをすると、コインが獲得できます。 https://actcoin.jp/event/detail.php?id=3979 ※actcoinはソーシャルアクションによってコインが貯まるweb・アプリサービスです( 登録・利用無料) 上大岡フェスティバル2023『夏休みSDGsフェア』 デパートの裏側を見れるチャンス!子どもが楽しいワークショップも充実 7月20日から京急百貨店全館にて開催中の、上大岡フェスティバル2023。そのイベントの一環として、8月4日(金)~6日(日)の3日間は、子どもが参加できるSDGsフェアが行われます。 普段は見ることのできないデパートのゴミ処理や防災の裏側を見るツアーや、三浦の間伐材を使用したコースター作り、縁日のように楽しみながら行える分別ゲーム、竹を使ったランタン作り、みつろうのエコラップ作りなど魅力的な体験ラインナップが予定されています。 この夏休みは、親子でSDGsについて楽しみながら学んでみませんか。 上大岡フェスティバル2023『夏休みSDGsフェア』開催日時:2023年8月4日(金)~6日(日)場所:京急百貨店 7階催事場 参加費:プログラムにより有料。詳しくは下記リンク先をご確認ください。 URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000016556.html 水素エネルギー体験型イベント 未来のSDGsエンジニア‐水素社会たいけんプログラム 実験やゲームなどの体験プログラムで水素社会を体験しよう! 水素博物館「東京スイソミル」では、脱炭素社会実現のために普及が期待される水素のことをイチから学ぶことができます。 夏休みにはイベントタイトルの通り「未来のSDGsエンジニア」である子どもたちに向けて特別実験教室、VRゲーム、燃料電池バスやEV車の乗車体験など盛りだくさんのプログラムが予定されています。 親子で実際に水素社会を体験し、エネルギーへの理解を深めるきっかけにしてみませんか。 水素エネルギー体験型イベント 未来のSDGsエンジニア‐水素社会たいけんプログラム開催日時:2023年8月5日(土)、6日(日) 10:00~17:00 ※最終入場16:30 場所:水素情報館東京スイソミル 参加費:無料 URL: https://www.tokyo-suisomiru.jp/news/page184/ Ethical &SEA Presents 【ウミイロ日和】かわさきSDGsワークショップ この投稿をInstagramで見る upcycle project つなぐ【ウミイロ日和】(@umiirobiyori.tsunagu)がシェアした投稿 「大人の自由時間」と「子どもの自由研究」になるワークショップイベント エシカルなセレクトショップ「エシカルシー」と、廃材を利用したワークショップなどを行う「Upcycle Project つなぐ」がタッグを組み、アトレ川崎でイベントを開催。 開催期間中は、日替わりで出店者が変わります。流木とシーグラスのタペストリーづくりなどのワークショップは、お子さんの夏休みの工作にもうってつけ! もちろん子どもだけでなく、大人の参加も可能です。発想豊かに、SDGsなワークショップを楽しんでみては? Ethical &SEA Presents 【ウミイロ日和】かわさきSDGsワークショップ開催日時:2023年8月19日(土)、20日(日)10:00~17:00場所:アトレ川崎 ツバキひろば参加費:入場無料 ※ワークショップは要確認URL:https://www.instagram.com/p/CvG0V0nPyrc/ サマービーガンスパイス料理教室@アリサンパーク オーガニック・ベジタリアンブランドのアリサンが、代々木公園近くのアリサンパークにて、五感で楽しむオールビーガンのお料理教室を開催します。 春に続いて3回目の開催となるイベント。“Spice up your life!!人生にもっと味わいを。”というテーマのもと、当日はプロのレクチャーを受けながらビーガングルメを作ります。 気になるメニューは、「ジャックフルーツとカシューナッツのカレー」や「きゅうりとパイナップルのココナッツサラダ」など、夏にぴったりのラインナップ。みんなでランチタイムを過ごした後はカフェでも人気のオリジナルチャイの美味しい淹れ方を伝授してもらえます! ビーガングルメが気になっているけど自分で手作りすることはハードルが高く感じる人や、お料理初心者も、楽しく手ほどきを受けながらビーガンの世界に参加してみませんか。 サマービーガンスパイス料理教室開催日時:2023年8月6日(土)、7日(月)11:00~14:00場所:アリサンパーク 東京都渋谷区代々木5-63-12参加費:6,600円URL: https://alishan-organics.com/blog/alishan-park/2023/04/27/6908/
蚤の市(のみのいち)とは、古着やアンティークの雑貨などが集まる、いわばフリーマーケットのこと。ヨーロッパの都市では、週末に開かれることが多く、特に19世紀からフランス・パリで続く蚤の市は世界的に有名です。 また、持続可能な社会が求められ、物を大切にしていこうという風潮の中、再注目されている催しでもあります。 今回は、2023年6月に国営昭和記念公園で開かれた第19回東京蚤の市に潜入。広大な土地で開かれる国内でも有数の蚤の市は、実際にどんな雰囲気なのか、どんなものが売られているのかレポートします。 定期的に開催しているので、行こうか迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。 まるでテーマパークのような会場 午前11時半前、入口のゲートをくぐり抜けて右奥のテントにてチケット交換を行い、散策をスタート。チケットは前売りと当日販売があります。前売りチケットを入手していたことで、人手が多い中でもスムーズに入場することができました。 訪問した日は天気にも恵まれ、蚤の市にぴったりの日曜日。エリアによっては人が多く、移動するだけでやっとといった所もありました。 会場は大きく8つのエリアに分類されており、音楽ライブを行うステージなどイベントスペースも点在。ヨーロッパの蚤の市よりもイベント要素が強く、まるでテーマパークのようです。 出典: 会場マップ | 第19回東京蚤の市 (tokyonominoichi.com) お昼ご飯を食べようと待っている間、同じ売店の行列に並んでいた女性は、前日も来たのだけれどすべての出店をじっくりと見ることができなかったので、今日は二日目の参加とのこと。広大で出店数もかなり多いため、確かに、一日ですべてを見るのは難しいかも知れません。 食器から、アクセサリーまでアンティークアイテムが充実 古道具を扱う複数エリアでよく目に入ったのが、アンティークのグラスやヨーロッパ製のティーセットをはじめとする食器類です。食器としてはもちろん、花瓶や小物入れとしても使えそうなものもありました。 価格帯は1,000円以下のものから中には1万円以上するものまで様々。一点モノの器やコップは、食器好きにはたまらないですね。 工夫次第で何にでも使えそうなガラス類 日本ではあまり見かけないようなデザインも たくさんの食器の中から運命の出会いがあるかも…? 個性豊かなアクセサリーや雑貨も豊富 乙女心をくすぐるようなアンティークのアクセサリーにも出会いました。個性があって、ファッションのポイントになってくれそうなアイテムが並びます。 子どもだけでなく、つい大人も欲しくなるようなぬいぐるみも発見。状態が良いので、プレゼントにも良いかも。 こちらのお店は、レースや、布類が売られていました。ハンドメイド好きな筆者は、何に使おうかな?」と想像するだけでワクワクします! 廃材を一輪挿しにリメイクした商品も人気を集めていました。1点ものの一輪挿しはそれぞれ個性があり、みなさんひとつひとつ吟味しています。 蚤の市定番の紙モノや絵本、家具類も 多くのエリアで紙を取り扱うお店を多く見かけました。 この植物の絵は、百年前ほど前の物もあるそう 本を取り扱うお店では、絵本が圧倒的に多く、ノスタルジックな海外の絵本に大人も子どもも見入っていました。インテリアとしても良さそうです。 もちろん家具もあります。大きなものであっても配送受付ブースが設置されているため、持ち帰りの心配をする必要もありません。 家の中に一つあるだけで部屋の雰囲気をおしゃれにしてくれそうなコート掛けや、アンティークの椅子に目がないという方も多いのではないでしょうか。 壁に取り付けるタイプのコート掛けと子物置き 大型家具も配送できて安心 インテリアの中でも、特に注目を集めていたものは…? 一度進路を進むと、後ろには戻ることが難しいほどの場所もありました。その中でも、人だかりができる場所を発見し、近づいてみると…… 正体は、シート一面に並べられた木彫りの熊でした。木彫りの熊は、店主自ら国内各地から収集したものだそうです。「一律2,500円」という価格がお値打ちなのかどうかについては馴染みのない品のため判断が難しい! おそらく見る方が見れば正しい価値が分かるのでしょう。直観でお気に入りを見つけるのも楽しそうです。ちなみに隣のシートにはお面タイプの熊もありました。 同じお店には、ひとつひとつ手に取って見たくなるような魅惑的な古道具の世界が広がります。 昭和レトロなおもちゃも充実しており、子どもたちの興味をひいていました。 中身がわからないからワクワク!「物々交換の本棚」 今回初めて蚤の市に参加するにあたり、事前に公式HPをチェックしていると、「物々交換の本棚」のページを発見。参加者は、表紙が見えないようにラッピングし、本を受け取る人へのメッセージ添えた本を1冊持ち寄り、会場に置かれた本1冊を持ち帰ることができる企画です。 ぜひ参加してみよう!ということで、筆者も読み終えたおすすめの本を用意しました。 持ち帰ったのは、「青春、なのだろうか、たぶん、そうだろう。」と添えられた一冊。中から出てきた本は高野悦子さん著、「二十歳の原点」で、学生運動に傾倒した二十歳の女子大生のエピソードが綴られている内容でした。 自分ではセレクトしない本と出会うことができて、資源も無駄にしない「物々交換の本棚」。東京蚤の市に参加する際は、本を持参して循環の輪に加わってみるのをおすすめします! 【番外編】筆者のお買い物記録 今回の蚤の市で、筆者が我が家にお迎えすることした、リアルな購入品を紹介します。 まずは紫色のガラス小皿。それからレトロなひまわりが描かれたグラスです。お店の方いわく、60年代頃の品だそう。確かに祖父母の自宅にあった食器をどことなく思わせます。新しい出会いであるはずなのに、なつかしく温かい気持ちにさせてくれるのも、蚤の市の特徴かもしれません。 蚤の市は、ときめきと出会える場所だった! ありとあらゆる雑貨が一つの会場に集結した、東京蚤の市。普段の生活にはない出会いに、常にワクワクが止まりませんでした。 量産される既製品を何も考えることなく使い捨ててしまうことも多い現代。そんな中、ここでしか出会うことのできない一期一会の出会いに期待しながら、古いモノを大切にする気持ちが湧いてくるのが、蚤の市の最大の魅力ではないでしょうか。 大きなシャボン玉を作って遊ぶことができるコーナーなど、子ども向けのアクティビティが用意されており、お買い物だけでなく、家族みんなで楽しむアクティビティも満載の東京蚤の市。定期的に開催しているので、ぜひ訪れてみては?
本物の動物を想起させるANIMA FORMA(アニマフォルマ)の作品。ANIMA FORMAは、作品の材料にウール生地の生産過程で廃棄される端材を使ったアップサイクルアートプロジェクトです。作品を通して動物たちが私たちに語り掛けてくることとは? ANIMA FORMAのデザイナー村松恵さんに作品の背景にある想いを伺いました。 不要になったウール生地の端材に新たに命を吹き込んだアート“ANIMA FORMA” ANIMA FORMAの展示会に訪れるなり、目に飛び込んでくるのは壁に掛けられた様々な動物たち。牛のような大きなものから、ムササビのような小さなものまで、本物にはない配色でありながら、どこかリアルで、まるで生きているかのような躍動感を感じます。それもそのはず、作品はウールなどの生地の端材を使用し、形はカット前の剥いだ状態の動物の毛皮からインスピレーションを得たもの。ANIMA FORMAは、コートやジャケットなどの衣服やブランケットなどに使われるウール生地の生産段階で出てしまう端材に命を吹き込み、壁に飾るアート、ウォールハンギングとして生まれ変わらせるアップサイクルのアートプロジェクトです。 きっかけは大量に生産される中で不要になる「端材」 プロジェクトを始動させたデザイナーの村松恵さんは、美術大学を卒業し、生活雑貨のデザイナーとして働くなど、長年テキスタイルデザインに関わってきました。そこでいつも目にしてきたのが、織物工場の端っこに積み上げられていたウール生地などの端材です。衣服や雑貨の生産過程でどうしても発生してしまう端材の山を見て、いつも違和感があったと村松さんは言います。「織物工場で不要になった端材を見るたびに、何かに使えないだろうかと考えていました。それと同時に、大量生産され使い捨てが当たり前になってしまった現代のモノの在り方にも疑問を持っていたんです。その思いが形となったのが、端材となった獣毛を使った作品です。獣毛を再び動物の形に“戻す”ことで、獣毛の端材にまだ残存している生命の痕跡が見える化され、この世で唯一無二の価値を持つ毛物(獣)が生まれると感じました。」 量産されたものを唯一無二のアートに作り替えていく 本物の動物のようでありながら、インテリアにも溶け込むデザインのANIMA FORMAの作品は、製作段階からひとつひとつこだわりを持ってデザインされています。「リアルすぎないようにしつつも、どんな動物かを想像できるようなフォルムにしています。革をとるために開いた状態にされた動物の毛皮を参考にはしていますが、全くその通りではなく、そこにデザインを加えて架空の動物を作り上げています。」動物の色や柄を決めていく工程では、村松さんがひとつひとつをデザインし、二つとして同じ作品ができることはありません。「工場から送られてくる端材は素材もカラーも様々です。季節やトレンドによって出回るカラーや柄が変わってくるので、その時々で違った表情に仕上がります。偶然的に集まった生地の端材を組み合わせて、思いもよらない配色の毛物(獣)が生まれる瞬間が、制作する中で一番面白いところだと思っています。」レイアウトされた端材は、素材の繊維同士を絡ませフェルト化する“ニードルパンチ”という工程を経て、一枚の作品になります。 二つとして同じものがない作品からは、コピーされ大量に生産されたモノにはない、私たち人間や動物たちが持つ個性や多様性のようなものを感じます。その時にしかない出会いを楽しめるのも、ANIMA FORMAの大きな魅力のひとつです。 モノとの出会いから“本当のサステナブル”を考える 私生活では、アンティークの雑貨に出会える蚤の市によく足を運ぶという村松さん。ひとつひとつのモノとの出会いを大切にし、その時に“ビビッ!”とくる感覚も大切にしていると言います。「私が着ている洋服はほとんどが古着なんです。アンティークの雑貨にも目がありません。洋服や雑貨が、どのように作られてどのように使われてきたのか、教えてもらったり、想像したりするのが好きなんです。そんな風にANIMA FORMAの作品も見てもらえたらという思いで制作しています。」 ここ数年で一気に持続可能な社会の在り方が考えられるようになってきましたが、“エコ”などのワードが書かれた商品を購入することだけではなく、もとからあるものを長く使うことや、モノとの出会いを大切にすることこそ、本当のサステナブルなのではないかと改めて気付かされます。 最後に、今後のアート活動について、村松さんにお聞きしました。「ANIMA FORMAは私の活動の中のひとつのプロジェクトです。今後も新しいプロジェクトを立ち上げていきたいと思っていますが、どんなプロジェクトをするにしても、すでにあるものや不要なものを作り替えて価値を付けていくということは一貫してテーマにしていきたいです。」 今年、初の海外での展示会を控えているANIMA FORMA。強くもしなやかなメッセージを発信するアートプロジェクトはどのような広がりを見せるのか。これからも目が離せません。 プロフィール 村松恵さん 1983年東京生まれ。多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻卒。株式会社良品計画の生活雑貨部企画デザイン室を経て独立。2021年、布地の生産過程において廃棄される端材を一点モノの毛物(獣)として蘇らせるアートプロジェクト「ANIMA FORMA」を始動。これまでの展示に「Life in Art Exhibition」MUJI GINZA(2021)「MEGUMI MURAMATSU EXHIBITION」世界遺産富岡製糸場(2022)「ANIMA FORMA×FEEL SEEN」FEEL SEEN GINZA (2023)などがある。 【ANIMA FORMA最新展示情報】ANIMA FORMAがフィンランド フォルッサ市で行われるテキスタイルの展示会「Forssa textile week 2023」に出展予定。デザイン大国であり、サステナビリティへの意識・関心が高いフィンランドで、日本発・端材から作られる一点モノのANIMA FORMAの作品が披露されます。https://www.forssatextileweek.fi/ ANIMA FORMA公式HP https://animaforma.com/公式インスタグラム @animaforma
思わず「かわいい!」と声をあげてしまうほど美しくキラキラとしたアクセサリー。でも実はこれ、かわいいだけじゃないんです! sobolon は、海岸から拾ってきた海洋プラスチックを使いネックレスやピアス、イヤリングなどを制作・販売するアクセサリーブランド。今回は、その魅力に迫るべく、sobolon代表の山崎姫菜子さんにお話を伺いました。 厄介者ではなく、大切な地球の一部として扱いたい 「海洋プラスチック」とは、海を漂うプラスチックごみのこと。便利な生活になった一方で、私たち人間は大量のプラスチックを海に放出してきました。自然に還るまで何百年、何千年もかかると言われるプラスチックは、一度海に流れ出てしまうと漂い続け、劣化して小さな破片になったものは魚や鳥が間違えて食べてしまうことも珍しくありません。 そんな「厄介者」とされる海洋プラスチックですが、その海洋プラスチックを材料としてオリジナルアクセサリーを制作しているジュエリーブランドがあります。それがsobolonです。 心ときめく世界にひとつしかないジュエリー 指輪、ネックレス、ピアス、イヤリングなど、sobolonのアクセサリーはすべてクリエイターによる手作り作品です。海洋プラスチックの特徴を知り尽くしたクリエイターが、異なるカラーや形を組み合わせながら世界に一つしかないアクセサリーを作り上げています。カラフルで個性的なもの、シンプルで普段使いしやすいものなど、デザインが豊富なのも特徴。オンラインショップではセミオーダーも受け付けています。 sobolonの原点は“我慢”と“制約” ブランドの原点は、代表の山崎さんが子どもの時に学校で環境問題のことを学び、大きなショックを受けたことにあります。 「私たちの住む地球で大変なことが起きていると知り、アクションを起こしたいと思いました。でも“我慢”“制約”と言ったネガティブな方法しか思いつかず結局挫折。その後は学業の忙しさなどもあって、具体的な活動を起こすことができないまま、モヤモヤを抱えて大人になりました。」 そんな山崎さんが行動を起こしたのは、社会人になってからのことです。「やはり、環境問題の解決のために何か活動がしたいと、諦められない気持ちがありました。そんなとき大きなきっかけになったのが、仲間の存在です。進学や就職で一度はバラバラになった同級生3人が、再び地元の岐阜に戻ってくることになったのです。みんなに想いを打ち明けると、“やってみよう!”という話になり、4人で創業しました。 今は結婚や出産などライフスタイルが大きく変化してメンバーは変わっていますが、彼女たちの存在が大きな支えとなりました。」母親が手芸好きで、自身も元々モノづくりが好きだったという山崎さん。手先を動かすことに加えてファッションやデザインにも興味があったことから、海洋プラスチックをアクセサリーにするというアイデアが生まれたそうです。 海洋プラスチックがジュエリーにアップサイクルされるまで ひとつひとつニュアンスの異なるジュエリーができるまでには、海洋プラスチックを使ったアクセサリーならではの工程があります。まずは砂浜に打ち上げられた海洋プラスチックの回収から始まります。主な回収場所は、活動の拠点となっている岐阜県から近い愛知県常滑市の海岸です。 次に選別を行います。手で簡単に砕くことができるか、もしくはハサミを使って細かくできるかどうかを基準に、厚さ約1~2mm程度のものを選んでいきます。 選別され洗浄されたプラスチックは、全国にいるsobolonのクリエイターへと送られます。クリエイターの元に届いたら、そこからデザインと製作作業がスタート。海洋プラスチックはひとつひとつサイズや色が異なるので、先にデザインを決めるわけではなく、パーツを組み合わせながらプラスチックの色や形を生かしたデザインに仕上げていきます。 山崎さんは、海洋プラスチックの素材の特徴が生かされていることに加え、クリエイターによる多彩なデザインもsobolonのアクセサリーの面白さだと言います。 「クリエイターさん同士でコミュニケーションを取り、アイデアをシェアし合うので、デザインがどんどんブラッシュアップされていくんです。クリエイターさんの個性が光るのもハンドメイドならではの味わいです。そこも楽しみながらご自身のお気に入りの一点を見つけて欲しいです。」 アクセサリーに使えなかったプラスチックも価値あるものに 大量に漂着する海洋プラスチックのなかには、アクセサリーには適さない大きさや硬さのものもあります。sobolonではそのような海洋プラスチックを、アクセサリー以外の方法で活用しています。各地で行っているのは、子どもたちと一緒に海洋プラスチックのモザイクアートを作る活動。分割された用紙に指定の色のプラスチックを貼り、それを組み合わせることで、全員で大きな一枚の絵を作り上げます。他にも万華鏡作りのワークショップを開催するなど、ものづくりやアートを純粋に楽しみながら、材料の海洋プラスチックを通して環境問題を身近に感じてもらうことができればと考えています。 環境問題に興味を持つ入り口に「かわいい!」を まじめに取り組もうと思えば思うほど“我慢しなければならない”という思考に陥りがちな環境問題。しかし、本当の意味で持続可能なものにしていくには、前向きな姿勢が必要だと、山崎さんは考えます。 「環境問題の解決に向けて様々なアプローチがある中で、かわいい!というところから海洋プラスチックや環境問題に興味を持ってもらうことが私たちの目的です。私たちが回収・アップサイクルする海洋プラスチックは全体から見れば微々たる量で、直接問題の解決に繋がるものではありません。しかし、一見遠回りに思えても、ポジティブに楽しむことが、環境問題を考える“入口”になるのではないかと考えています。」 最後に山崎さんは豊かさについてこう話してくれました。「大量生産・大量消費の現代、環境問題をはじめとした社会問題がたくさんありますが、それは私たちの心の豊かさが失われていることからきているように感じます。“自然の恵みにより私たち人間は生かされている”という感謝の気持ちや、物を長く大切にする気持ちを持つことこそが、心が豊かであることだと思うんです。“自分自身の心がハッピーになることが環境や社会の豊かさにも繋がっていく”そんな想いをsobolonのアクセサリーにのせて広げていきたいです。」 一見不格好で必要とされていない「そぼろ」なものでも、見方を変えればかわいいものになるという意味が込められているsobolon。かわいいアクセサリーとして私たちの元に帰ってきた海洋プラスチックは、私たちに物を大切に使い続けることの大切さを教えてくれます。 sobolonオンラインショップ https://sobolon3695.thebase.in/公式インスタグラム(取扱店やポップアップストア情報はこちらから) https://www.instagram.com/sobolon3695/
行政や企業、市民が主体となり、世界の中でも持続可能な社会づくりが進むヨーロッパ。近年は特に環境問題への関心が高く、環境に負荷をかけない選択肢が増えてきています。rootusでは、現地に長年住むレポーターが、住んでいるからこそ見えてくるリアルな情報を発信。サステナブルな社会はどのように実現可能なのか、最前線から学べることを考えます。 フリーマーケットがエコに進化中 昔からヨーロッパ各地で開催されているフリーマーケットや青空市場。ヨーロッパにはもともと古いものを大切に使い続ける文化があり、最近はそこにアップサイクルアイテムなどのエコな要素も入ってきています。今回は、そんなヨーロッパ市民の生活になくてはならないマーケットに潜入。実際にどのようなものが売られているのか、どこまでエコ意識は浸透しているのか、見てきました。 訪れたのは、イタリアの首都ミラノで有名な蚤の市「EAST MARKET」。近年オシャレに敏感なミラネーゼたちの間で話題のフリーマーケットです。単なるヴィンテージの売買が目的ではなく、リユース、リサイクル、アップサイクルをもっと根付かせよう、という目的のもとに2014年にスタートしました。 イベントは不定期に開催され、SNSやホームページで開催日が告知されます。 ミラノのEAST MARKETは、19世紀から続くロンドンのリベラルな蚤の市「EAST STREET MARKET」の影響を受けており、21世紀仕様にアップデートされています。会場は広大な飛行機工場の跡地です。 出展者同士の物々交換もOK 約300店が出店する屋内スペースでは、「EVERYTHING OLD IS NEW AGAIN(=すべての古いものに価値を)」をコンセプトに、ヴィンテージ、リサイクル、アップサイクル、アート作品などが展示されています。 得意分野を活かしたアマチュアやプロが、来場客との売り買いを行っているだけでなく、出展者同士の物々交換が自由に繰り広げられています。 センスあふれるヴィンテージ雑貨がずらり 出店していたお店の一部を覗いてみましょう。 リキュールの空き瓶をアップサイクルしたソープボトル。空き缶を容器として再利用したキャンドルもありました。確かに捨てるのにはもったいないデザインの瓶や缶。一工夫でおしゃれなインテリアに変身です。 ヴィンテージのカラフルなスウォッチ。今はもう販売されていないレトロなデザインは、眺めているだけで楽しい! こちらは、ハイブランドのヴィンテージボタンをペンダントや指輪にアップサイクルしています。 他にも、古いおもちゃやポスターにライトニングを施して新たなアート作品を生み出したり、古着に新たなデザインやロゴを加えたり、様々なアイデアとクリエティビティを駆使したショップが軒を連ねます。もちろんどれもハイセンス。さすがイタリアです。 プラスチックフリーを徹底したフードコート 屋外のフードコートでは、多種多様なファストフードを楽しめます。 気心の知れた友達やカップルで来ていて、みんなアルコールを片手にお喋りしたり音楽に身を任せたり。思い思いに週末の夕べを過ごしています。ケバブやブリトー、フリットなど、お酒に合うインターナショナルなジャンクフードのお店が多いですが、プラスチックフリーというルールは徹底されていて、紙や植物性の透明容器を使っています。 スタートから9年目を迎えた現在の賑わいを見ると、EAST MARKETがエコロジカルなライフスタイルを若者に浸透させることに成功したことがわかります。ピースフルでクリエイティブな空間に、また足を運びたくなる、そんな素敵な場所でした。 EAST MARKETVia Mecenate, 88/A, Milan, Italyhttps://www.eastmarketmilano.com
「気になるエシカルなイベントをシェアしたい!」ということでrootusでは今月から、イベント情報をまとめてお届けします。今回は、2023年3月に関東で開催予定のイベントを集めました。「次の週末はどこへ行こうかな?」と考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。 ※事前に必ず各イベントのWEBサイトにて最新の情報をご確認ください。 Lifestance EXPO 品川・THE CAMPUSで出会う、「つくる。買う。選ぶ。の未来」 老舗からスタートアップまで、ものづくりにこだわる15ブランドが東京都港区にあるコクヨ「THE CAMPUS」に集結。「つくる。買う。選ぶ。の未来」をテーマにマーケットやトークセッション、ワークショップが開催されます。店頭に並ぶアイテムをただ買うのではなく、開発背景や想いが語られる座談会などを通して、ゆるやかに学び楽しみながら買い物ができる本イベント。実際にものづくりを体験できるワークショップなども充実しています。ここでしかできない買い物体験をぜひ! Lifestance EXPO開催日時:2023年3月24日(金) 13:00~19:00 / 25日(土) 10:00~18:00 / 26日(日) 10:00~16:30 ※雨天決行場所:コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」〒108-0075 東京都港区港南1丁目8番35号入場料:500円 ※イベントで利用可能な「お買い物チケット500円」と交換URL:https://theparade.jp/expo2023/ WEHealth 2023 sponsored by エレビット 「ご自愛」をテーマにしたフェムテックイベントが原宿会場&オンライン配信にて開催決定! 毎年3月8日の「国際女性デー」に合わせて、女性のエンパワーメントを目的として女性のヘルスケア支援を行う株式会社ステルラが2023年3月11日・12日の2日間、LIFORK原宿&オンライン配信にて開催するフェムテック・ヘルスケアイベント。前回の7倍の会場規模となる本イベントは、最新のフェムテックアイテムやご自愛に関連するアイテムが出展の他、豪華ゲストも登壇するトークイベントや各種ワークショップも実施予定。多くの女性に支持されるイベントとなる予感です! WEHealth 2023 sponsored by エレビット開催日:2023年3月11日(土)・12日(日) 11:00〜19:00場所:LIFORK原宿 (WITH HARAJUKU3階)&オンライン配信〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 1-14−32入場料:無料(事前のチケット登録必須)URL:https://wehealth.co.jp/ FLOWER GARDEN 2023 横浜赤レンガ倉庫に、春の気分を彩るフラワーガーデンが登場。週末限定マルシェも。 開催17回目となる横浜の春の風物詩「FLOWER GARDEN」。今年のテーマは心身の健康を意味する“WELL-BEING”(ウェルビーイング)です。フラワーセラピーに基づいた柔らかく優しいパステルカラーの約20種類・2万株の花々と樹木や芝生のアースカラーが会場を彩ります。週末には、地産地消をテーマにしたマルシェやヨガなどのアクティビティも登場。他にも健康に配慮し地場野菜を使用したメニューのフードトラックや、音楽の生演奏などでリラックスした空間を楽しめます。最終日にはガーデンの花を来場者に配る予定で、ウェルビーイングとサステナブルを感じられるイベントです! FLOWER GARDEN 2023開催日時:2023年3月31日(金)〜4月23日(日) ※ライトアップ 17:30〜20:00(予定) ※雨天決行。荒天時は一部エリアを休業することがあります。場所:横浜赤レンガ倉庫イベント広場〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港 1-1入場料:無料URL:https://www.yokohama-akarenga.jp/brickjournal/detail/77/ 3月5日はサンゴの日!サンゴフェスタ~サンゴ礁の恵みを知ろう~ サンシャイン水族館×沖縄県恩納村 サンゴの生態や環境問題について学べるフェスタ サンシャイン水族館ではサンゴについて知ってもらうことやサンゴの保全を目的に、恩納村漁業協同組合の協力のもと、2006年よりサンゴプロジェクトを実施。サンゴフェスタでは、サンゴの生態や、サンゴに迫る環境問題について学べる展示の他、サンシャイン水族館オリジナルすごろく「サンゴ礁の恵みゲーム」がもらえるサンゴクイズラリー、サンゴの特別ガイドツアーなど、子どもから大人まで楽しめるプログラム満載!ぜひ家族や友人を誘って参加してみては? 3月5日はサンゴの日!サンゴフェスタ~サンゴ礁の恵みを知ろう~開催日:2023年3月3日(金)〜4月2日(日)開催時間:(~3/17まで)10:00~18:00(3/18~)9:30~21:00 ※最終入場は終了1時間前 ※変更の場合あり場所:サンシャイン水族館〒170-8630 東京都豊島区東池袋 3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル屋上入場料:(~3/17まで)大人(高校生以上)2,400円、こども(小・中学生)1,200円、幼児(4才以上)700円 (3/18~改定)大人(高校生以上)2,600~2,800円、こども(小・中学生)1,300~1,400円、幼児(4才以上)800~900円 ※時期によってチケット料金が変動 ※サンゴガイドツアー・サンゴ教室は有料URL:https://sunshinecity.jp/file/aquarium/coral_project/
エシカル・サステナブルな界隈で様々な活動をしている筆者が、「エシカルな買い物」というテーマで2022年のBest Buyをご紹介。1年を通してたくさんの商品に触れた中で、購入して本当に良かったものをセレクトしました。ファッション編とプロダクト編に分け2回にわたりお送りします。今回はプロダクト編です! ファッション編はこちら HIKERの蚊取り線香ホルダー(Mosquito Coil Holder)とお香立て(Incense Holder) 友人の結婚祝の品として送ったアイテム。埼玉県草加市で誕生したLEATHER TOWN SOKA PROJECTという皮革職人集団とクリエイティブチームによるプロジェクトから生まれたブランドがHIKERです。草加の一般的なイメージといえば草加せんべいでしょう。正直、埼玉県民の筆者でも少し前までそれくらいしか知りませんでした。 実は草加市はレザータウンと自称できるほど、皮革製品を生産する環境が揃っています。牛もいれば、皮(革)屋も、タンナーも、メーカーもいて、違う土地に移動せずともものづくりができるのです。目も手も届く範囲で生産しているので、物流による環境負荷が低く、地域で受け継がれてきたクラフツマンシップ、ローカルの魅力を感じる要素がつまっています。長く使えば使うほどに、味が出て使用する人の手に馴染んでいくのも革製品ならではです。 HIKER公式HP https://hiker.jp/ kiji aritaの皿と湯飲み 佐賀県の磁器、有田焼の食器です。あまり見かけない色合いをしていますよね。kiji aritaは、デッドストックとして倉庫に保管されていた色や絵を施す前の素焼きの状態の“生地”に、新たに釉薬で色をつけることで再解釈し、世に出すプロジェクトです。 雑貨と同じく、お店に卸す際にはロット生産される焼き物。機械での生産であれば、決まった納品数を作れば良いかもしれませんが、焼き物はそうはいきません。生地に絵や色をつけ、いざ焼いてみたら失敗してしまうということが起こります。 そのため予備として生地が用意されますが、ミスなく完成したらそれらは余剰となってしまうのです。通常そのような余剰在庫は、溜まりすぎたら産業廃棄物として処分されてしまいます。洋服と同じく時代によってデザインが異なっていることも、それが活用されてこなかった要因のひとつです。 kiji aritaではその時代ごとのデザインも感じやすいようにあえて一色で統一。青のような緑のような色は、佐賀県にある湖畔の色からインスピレーションを受けたと言います。さらに食器の底や個装箱に生地が作られた年が記してあるのもロマンある素敵な演出です。自分の生まれ年や思い入れのある年で選ぶも良し、デザインで選ぶも良し、人それぞれ選び方に個性が出そうです。 kiji arita公式インスタグラム https://www.instagram.com/kijiarita/ FERMENSTATIONの洗顔用固形石鹼「奥州サボンNatural」 昨年初めに「B Corp認証」を取得し、年末には「Japan Beauty and Fashion Tech Awards 2022」で、Beauty Tech 大賞を受賞したファーメンステーション。 ファーメンステーションは、オリジナル酵母や麹で発酵・蒸留させて作る「オーガニックライス・エタノール」や、その後に残る蒸留粕の「米もろみ粕」を使用した化粧品を販売する岩手発のブランドです。 最近筆者は洗顔に固形石鹼を使用しており、ファーメンステーションの洗顔用石鹸を買いたいとずっと思っていて、昨年ついに購入しました。泡立ちや洗い上がりも申し分なく、お米の成分だからなのか肌への刺激も少なかった印象です。昨年は全体的に皮膚が不調だったので、このナチュラルで優しい洗い上がりの固形石鹸に助けられました。洗顔用ですが、身体にも使っています。 このブランドは「循環」というワードがしっくりきます。未利用資源や、規格外食品、残渣なども積極的に有効活用しており、廃棄物が極力出ないような商品開発をしています。また、他企業とコラボして、企業で出る廃棄物や未利用資源を活用。JRとはリンゴの搾りかすをアップサイクルしたウェットテッシュを、ニチレイとはごはんの残渣をアップサイクルしたウェットテッシュを開発しています。 Fermenstation公式HP https://www.fermenstation.jp/ Any O'clock の米糠×おからクッキー 「米ぬか」と「おから」という、「メイン」ではなく捨てられることも多い副産物の2つの食材を活用したクッキー。野菜や果物でもよく言いますが、捨てる部分にはたくさんの栄養素があります。それは米ぬかもおからも同じです。Any O'clock の米糠×おからクッキーは、小麦粉を使用していないのでグルテンアレルギーの人にも安心。クッキーは、基本的に素材の味がそのまま感じられます。一番初めに購入したローズマリー×チーズも風味豊かで、洋酒や紅茶といったドリンクとペアリングしたらより美味しく食べられそうです。 このクッキー、中身もエシカルですが、外身もとてもエシカル。パッケージは、食べ終わった後に再利用できるリサイクルPETを使ったプラコンテナと、おからをアップサイクルした「おからペーパー」。紙パッケージには障がい者アートを使用しています。さらに、売上の一部はNPO団体などに寄付されるようになっています。1つの商品にいくつものエシカル要素が上手にミックスされている本商品。手土産に使うのもおすすめです。 Any O'clock公式HP https://any-oclock.com/ 『NAKED FASHION:サフィア・ミニー』『YUIMA NAKAZATO Behind the Design:中里唯馬』 少しテイストを変えて、書籍をご紹介します。別の出版社/著者ですが、敢えて一緒に紹介させていただきます。 個人的にこの2冊のセットがエシカルファッションの導入として良いのではないかと考えています。『NAKED FASHION』はフェアトレードショップとして有名なピープルツリーの創始者サフィア・ミニーさんが2012年に出版した書籍です。一方、『YUIMA NAKAZATO Behind the Design』はオートクチュールファッションデザイナーとしてパリのオートクチュールファッションウィークでコレクション発表をしている中里唯馬さんが2022年に出版しました。 前者は、有名なドキュメンタリー映画「The True Cost」に比べると精神的なショックは少なく、希望も感じられる内容でありながら、エシカルファッションについて深く考えさせられます。 一方、後者はデザイナーがコレクションを製作する際に考えていることや、インスピレーション源など、美しい衣服が生まれる過程を記しています。面白いのが企画監修に日本教育財団という学校法人が入っているということです。サステナビリティや次世代教育に積極的な取り組みをしている彼らしさを感じます。この二冊は、学生や若い世代にとって、これからどうファッションを楽しんでいくかという道しるべになるのではないでしょうか。 『NAKED FASHION』は、筆者も大学生の時に何度も図書館で読み、エシカルファッションに関わる活動をスタートするきっかけになった本ですが、自宅に持っていなかったので『YUIMA NAKAZATO Behind the Design』と一緒に昨年購入しました。 「衣食住」の「衣」であり、興味のあるなしにかかわらず、誰でも必ず接点がある服。衣服のサステナビリティへの意識が高まることで、未来のファッションを取り巻く社会が健やかに、本当の意味で“楽しい”ものになると信じています。 Amazon商品ページ NAKED FASHION ―ファッションで世界を変える― おしゃれなエコのハローワーク YUIMA NAKAZATO: Behind the Design 木村石鹸のSOMALIバスクリーナー 毎日使用しているSOMALIのお風呂洗い用洗剤。 ここ2~3年ほど愛用しており、昨年も数回詰め替えを取寄せました。これに定着するまでは、一般的なお風呂用洗剤ずっと使用していましたが、ある日お風呂洗いをしていると、突然身体が受け付けなくなってしまいました。なにかとって替わるものはないかと、様々なナチュラル系のお風呂洗剤を試し、最終的に落ち着いたのがこれです。ほんのり香るオレンジに癒されます。 石鹸洗剤ということもあり、本体の使用量や水の使用量は合成洗剤に比べると多くなります。また、すぐに泡立ち擦る必要のない合成洗剤とは異なり、きちんと擦って泡立ててあげる必要はありますが、天然由来の成分なので自然に還りやすいのです。 洗剤としてとても良いのですが、本体ボトルが少々使い勝手が不便という面はあるので、機能性重視の方には向かないかもしれません。しかし、中身の品質はそれを上回る素晴らしさがあり、何度もリピートしています。 SOMALIを手掛ける木村石鹸工業株式会社はもうすぐ創業100年を迎える大阪の会社。商品の良さはもちろん、時代にあった社風とそれを発信するSNSなども魅力的で、お客さんと丁寧に向き合う姿勢が垣間見え、ファンがたくさんいらっしゃいます。 SOMALI公式HP https://www.kimurasoap.co.jp/somali/ Peppersmith のナチュラルミントタブレット ミンティアやフリスクなど、コンビニ等で購入できるミントタブレットをよく買うという方は多いと思います。そんなミントタブレットにもエシカルなものがあります。 プラスチックフリーの紙パッケージで、砂糖不使用で甘味料は100%植物由来のキシリトールのみ。そして動物性の材料を使わない、ヴィーガンフレンドリーなミントタブレットです。しっかりミントの味がしながらも、刺激は少なく優しく爽やかな味がします。 これに出会って以来気に入って、都度なくなったら購入し、昨年は何回も購入しました。 Peppersmith公式HP https://shop.peppersmith.jp/ WWD JAPAN10月発売号(衣料品回収について取り上げた号) 少し前から、様々なお店や商業施設に衣料品回収のBOXが設置され、その数も段々と増えてきたように思います。そんな回収に改めて焦点を当てて「その先(回収された後)」のことについて特集したファッション業界紙WWD JAPANのこの号。 洋服の大量生産や大量廃棄が大きな問題になっていますが、私たち消費者の手に渡ったあとは、服の処分方法を見直すことが一人ひとりにできる問題解決へのアクションです。“捨てる”以外の選択肢もたくさんあります。自分の手元から離れたあとの洋服はどうなっているのだろう?そこにも目を向けるきっかけになるこの特集。オンライン上ではウェブ記事が購入できるので、バックナンバーが手に入らなくても読むことができます。 WWD vol.2256 https://www.wwdjapan.com/articles/1438692 2022年のエシカル雑貨を振り返って 様々なアイテムの新発売や、企業・ブランドの新たな取り組みのローンチで、エシカルなプロダクトに出会う機会が増えた2022年。あくまで筆者の肌感覚ですが、アップサイクル品や未利用資源の活用、ローカルの魅力の再発見のようなものに多く出会った気がします。 2023年に注目したいのは、昨年も多く見受けられた学生の取り組みです。ファッション編でも取り上げたKEEPWEARINGをはじめ、中川政七商店が大学生と運営するアナザー・ジャパンなど、Z世代と企業との協業なども盛り上がりを見せています。 小売業界で目立ったのは、ショールーミング型と呼ばれるお店が増えたこと。オンライン販売をメインにしたブランドの商品を店舗で展示し、購入はオンラインで行ってもらうという新業態です。実物を確認できるので「思っていたのと違った」ということもなくなり、オンライン中心のブランドでも認知度を上げることが出来ます。サステナブル・エシカルブランドもこの販売方法を活用し始めており、これからの動きに期待したいところです。 たくさんのエシカルアイテムに触れる中で本当にいいと思ったものだけをご紹介した今回のBEST BUY。ぜひ2023年のエシカルな買い物の参考にしてみてください。
みなさんは、不要になったコスメはどうしていますか。まだ使うことができるコスメはなかなか捨てることができずに、ずっと取っておいてしまっている方も多いのではないでしょうか。 PLUS COSME PROJECT(プラスコスメプロジェクト)では不要となったコスメを回収し、画材やクレヨンへアップサイクルする活動を行っています。個人からも不要になったコスメを受け付け中で、不要コスメが実際にどのように生まれ変わるのかご自身で見てもらいたいとの思いから、回収対象のコスメを5点以上送るとお礼にミニクレヨンをもらうことができます。 関連記事:行き場のないコスメの救世主。プラスコスメプロジェクトが描く「クリエイティブな循環」 今回は、実際に不要となったコスメをプラスコスメプロジェクトに送ってみました。気を付けることや実際に送られてきたクレヨンについて詳しくレポートします。 今回送るコスメはアイシャドウなど計8点 今回筆者が送付した不要コスメは、パレットアイシャドウ2点、単色アイシャドウ1点、カラーリップ5点の計8点です。プレゼントで頂いてあまり使う機会がなかったり、使いきれずに使用期限が過ぎてしまったりして、コスメポーチの奥に長い間眠っていました。どれももう使うつもりがないのに、捨ててしまうには何だか罪悪感があり行き場を失ってしまったコスメばかりです。 回収の対象商品は? プラスコスメプロジェクトのコスメ回収に協力したい場合、「どんなコスメを受け付けてくれるの?」「気をつけた方が良いことは?」などの疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。ここでは、回収の対象になるコスメや、注意点など詳しく見ていきます。 回収の対象となるコスメ パウダーファンデーション、粉おしろい、パウダータイプアイシャドウ、パウダータイプチーク、パウダータイプフェイスカラー、ノーズシャドウ、アイライナー、リップライナー、アイブロウ、口紅 ※スキンケア商品、リクィッドやクッションファンデ、クリームタイプのファンデーション、リップグロス、ティント系リップ、透明リップ、透明口紅、マスカラは対象外 注意事項など ・不要コスメはそのままの状態または取り出して中身のみを送付してもOK ・配送費用は自己負担 ちなみに現在は回収対象外ですがリクエストの多いリキッドファンデーションについては、アップサイクル開発中とのことでした。どんな商品ができるのか楽しみですね! コスメを梱包して配送 回収に送りたいコスメを選定したら、送付へと進んでいきましょう。 主な流れは、以下になります。 1.公式サイトの申込フォームより必要事項を記入し、送付案内のメールを受け取る 2.コスメは容器に入ったままか中身を出して小分けにするか、いずれかの方法で梱包する 3. 送付方法に指定はないため送るコスメの量などに合わせて発送方法を決定する 筆者はジッパー付きの袋にコスメを入れ、A4サイズの封筒で、郵便局から発送しました。 約1か月後、ミニクレヨンが送られてきました! 不要コスメを送付してから約1か月後、自宅にピンク色のミニクレヨンが送られてきました。一見すると普通のクレヨンのようですが、ほんのり化粧品の香りが漂ってきました。 クレヨンを手に取ってみると、行き場を失っていたコスメがアップサイクルされたんだという実感がわいていきます。また、同時にこのようなプロジェクトに参加でき嬉しくなりました。 試し描きをしてみると、柔らかく、普通のクレヨンと遜色ないような書き心地。 そして写真では中々伝わりづらいのですが、太めの線や塗りつぶした部分にはコスメならではのラメが控えめにきらっと光ります。「本当にコスメメイドなんだ…!」と実際に使ってみたからこそそれを実感できる瞬間でした。 不要コスメのアップサイクルでワクワクする未来へ コスメの廃棄は、メイクをする人であれば誰しもが関係のある問題です。古くなってしまった、使い切ることができなかったという経験がある方がほとんどだと思います。今までは、「廃棄されるのは仕方ない」という風潮だった不要コスメですが、そんなコスメに新しい命を吹き込むプラスコスメプロジェクトは、まだ使えるものを循環させる新しい選択肢です。使わないコスメを見つけたら、ぜひプロジェクトに参加してみてはいかがでしょうか。 PLUS COSME PROJECT(プラスコスメプロジェクト)https://www.pluscosmeproject.com/
私たちの人生の節目や日常を豊かに彩ってくれる花。しかし、花が私たちの手元に届くまでに、実はたくさんの花の廃棄「フラワーロス」が存在しているのをご存じでしょうか。今回は、“Leave no flower behind=一輪の花も取り残さない”というモットーで活動を行うスマイルフラワープロジェクトを取材。フラワーロスの問題や、プロジェクトが目指す花のある豊かな社会について話を伺いました。 コロナで明るみに。花の廃棄「フラワーロス」問題 2020年4月、コロナの急速な感染拡大により、緊急事態宣言が発令された。休業要請や行動制限の他、予定されていたイベントがすべて中止になり、社会では多くの「ロス(廃棄)」が発生。その中で大量の生花も行き場を失い、「フラワーロス」という言葉が世の中に広く知れ渡るようになった。 コロナは大きなきっかけだったが、実はそれ以前から農家や花屋の店頭では、たくさんの花が日の目を見ないまま廃棄される現状があった。野菜と同じで花には規格があり、茎の長さが足りない、傷がある、茎が曲がっている、葉っぱが足りないなど、規格に満たないと市場では買い取ってもらえない。さらに、店頭では品揃えを豊富にするため花を多めに仕入れる傾向にあり、すべて売り切れずに鮮度が落ち、廃棄になるものが多くある。 毎年どのくらいの花が廃棄されているかを示すはっきりとしたデータはないものの、規格外により農家で廃棄されてしまう花が6億本以上と総生産数の2~3割、店頭での廃棄は仕入れの3割にのぼり、少なく見積もっても一年に10億本ものフラワーロスがあるとされている。 長年花に携わってきた企業として花のある文化を未来に残したい スマイルフラワープロジェクトは、コロナをきっかけにフラワーロスを救済する活動を本格化。今まで900万本を超える花を救ってきただけでなく、フラワーロスについて知ってもらう活動を精力的に行っている。 このプロジェクトを先導しているのは、東京や富山、大阪を拠点に花屋を展開する業界有数のグループ会社だ。 「花の命を一本も無駄にしないために、農家とお客さんを繋ぐ花屋としてできることをしていきたいと思っています。」プロジェクトを立ち上げた株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーションの大槻さんは言う。「弊社では創業以来、一輪の花も無駄にしないよう、割引などをして売り切り、それでも残ってしまった場合は茎や葉を堆肥にするなどの工夫をしてきましたが、スマイルフラワープロジェクトではさらに踏み込んでフラワーロスの問題にアプローチしています。コロナで行き場を失ってしまった花を救うことを目標にスタートしたプロジェクトですが、今では農家さんの協力をいただきながら、これまで廃棄が当然とされてきた『規格外』の花も価値あるものとして世に送り出しています。」 花農家と一緒にフラワーロスゼロを目指す プロジェクトではロスのない生産流通を確立するために生産者とコミュニケーションを重ね、これまで廃棄されることが業界の通例であった「規格外」の花を買い取ってECサイトで販売をしている。これは業界初の試みだ。 また、花は適正価格で購入することで、農家をサポートできる仕組みになっている。スタート当初、農家では産地のブランドイメージを守るためにロスを公にしたがらないところも多かったが、今は賛同してくれる農家が増えてきているという。 品質、生産量ともに日本一の浜松PCガーベラ。スタート当初からプロジェクトに賛同している 実際にスマイルフラワープロジェクトで販売されている花は、小さな傷がある、少し曲がっている程度で、規格外と言っても自宅で楽しむ分には何の問題もない。購入者からも産地から届く新鮮な花は好評を得ている。 さらに、大槻さんはフラワーロスのアップサイクルを推進するため、花染花馥研究所(はなそめはなふくけんきゅうじょ)を設立。花を使った染色やインクの製造をはじめ、同グループのバラ専門店ROSE GALLERYの香り高いバラからはローズウォーターを抽出。それを配合したルームフレグランス「re:ROSE」を販売するなど、まさに、花一輪、一滴も無駄にしないためにできることを日々研究している。 フラワーロスを知らなかった人に花を届ける スマイルフラワープロジェクトでは、フラワーロスを知ってもらうイベントも積極的に実施している。 上智大学のキャンパスでは、フラワーロスの存在を若い世代に知ってもらいたいと、学生と一緒に規格外の花を配るイベントを開催。当日は用意していた500本の花をあっという間に配り終え、急遽フラワーカーの装飾として使用した500本もブーケとして配り大盛況に終わった。 また、航空会社JALとタッグを組んで、朝採れの「規格外」の花を羽田空港へ空輸し、空港利用者に配布。フラワーロスを知ってもらうのと同時に、日本各地の産地と都会を結び、地方創生につなげたい思いがあった。花を受け取った人からは、「フラワーロスのことを初めて知ったが、とても綺麗で嬉しい」と、多くの喜びの声が聞かれた。 上智大学でのイベントには長蛇の列ができた さらには「フラワーライフ振興協議会」を設立し、世界遺産や国宝を会場にフラワーイベントを実施したり、富山で球根を育てるために切り落とされてしまうチューリップ30万輪を使ってフラワーカーペットを作るなど、全国でフラワーロスや花の魅力を知ってもらう活動を行っている。 “花も人と同じ、一輪も取り残したくない” 「活動を通して、ひとの心に寄り添い笑顔にしてくれるお花の力は思う以上のものがあると何度も勇気づけられてきました。私たちが一人ひとり個性を持っているのと同じように、姿かたちの個性も含めて一輪の花も無駄にすることなく活かしてゆきたいと思っています。」と大槻さんは話す。 花農家は、後継者不足で存続が厳しいところが多く、コロナをはじめ社会の情勢によって花の価格が急落してしまうリスクを常に抱え、課題はフラワーロスの削減だけではない。 もし、世の中から花がなくなってしまったら、私たちの生活から彩りが失われてしまうのではないだろうか。 フラワースマイルプロジェクトはこれからも農家と一緒になって、花のある豊かな文化を未来に残していきたいと考えている。 取材を通して~花の命を無駄にしないために私たちにできること フラワーロスの話を聞いてまず驚いたのが1年に10億本と言われる廃棄される花の数だ。その数から、私たちの手元に届く花は厳しい基準をクリアした完璧な花であることに改めて気が付かされる。私たちにできることはまずフラワーロスという問題を知ること。それだけでも規格外の花をインターネットで探してみたり、数日前に作られ店頭で安くなっているブーケを購入したりするきっかけになるのではないかと思う。 スマイルフラワープロジェクトhttps://jfc.thebase.in/フラワーロスのサブスクリプションhttps://flover-s.jp/
洋服の大量廃棄問題は耳にすることも多くなりましたが、実は同じく深刻なのがコスメの廃棄です。洋服と同じく、流行などに左右されやすいコスメは、使いきれずに捨てられてしまうケースも珍しくありません。 今回は、“コスメを通じてクリエイティブな循環を実現させたい”そんな想いのもと、不要になった化粧品を回収し画材として新たに生まれ変わらせる取り組みを行う、PLUS COSME PROJECT(プラスコスメプロジェクト)を取材しました。 コスメのアップサイクルとは? 子どもたちによる自由で想像力豊かなアート。これは、コスメから作られた画材を使って描かれた作品です。コスメが元から持っている色味や質感を生かすことで、画材として魅力あるものに生まれ変わります。捨てられるはずだったものが新たな価値を持ち、生まれ変わるというコスメのアップサイクルは、まだ使えるものを再利用することで廃棄を減らすことはもちろん、コスメの廃棄問題を広く知ってもらうという大きな役割を担っています。 プラスコスメプロジェクトのアンケート調査によると、女性80名のうち6割が化粧品を使いきれずに捨てた経験があると回答。コスメの廃棄問題は、私たちにとって身近な問題なのです。 始まりは化粧品の大量廃棄に疑問を持ったこと 「化粧品の廃棄問題を知ったのは、以前化粧品会社に勤務していた時でした。中身が残ったままの化粧品が大量に廃棄されていくのを見て、化粧品業界のサステナビリティを考えるようになりました。自分自身もコスメのテスターやサンプルをどのように処分したらよいか困っていたんです。」そう話すのは、プラスコスメプロジェクト代表の坂口翠さん。当時、スキンケア化粧品のボトルをリサイクルする動きはあったものの、コスメそのものをリサイクルするという選択肢はなく、不要になったたくさんのコスメが行き場を失い、廃棄になっていたのです。 坂口さんは、化粧品業界の環境問題やサステナビリティを学ぶために、大学院へ入学。化粧品リサイクルなどの研究をスタート。2012年には、メイクアップコスメを画材へアップサイクルするプラスコスメプロジェクトの活動を開始しました。 プラスコスメプロジェクト代表の坂口翠さん 活動を行っていてよく聞くようになったのが「余ったコスメを廃棄することができず、とても困っていた。このように再活用してもらえると嬉しい」という人々の声です。協力企業からも「廃棄するものなので是非とも活用してもらいたい」と賛同の声が上がっています。 コスメならではのカラー。アップサイクルクレヨンができるまで プラスコスメプロジェクトのアップサイクルはメイクアップコスメを集めることから始まります。個人で不要になったコスメの他に、化粧品メーカーや商業施設、団体からも不要コスメを回収。回収したコスメはまず、容器から残っている化粧品を取り出します。それを色ごとに分別し、蜜蝋などの材料と混ぜ合わせ、クレヨンが出来上がります。メイクアップコスメが持っているラメなどの質感もそのままクレヨンに引き継がれるので、これまでのクレヨンとは違った色味を楽しむことができるのが特徴です。また、アップサイクルクレヨンは安全認証機関でも安全テストを受けているので、安心して使用することができます。 アートを楽しむことがコスメの廃棄問題を知ることに繋がる プロジェクトでは、アートイベントやアーティストへの画材提供を行い、アート活動をサポートする取り組みも行っています。他にも地域密着型の化粧品店で、不要コスメから絵具を作るワークショップなども開催。クリエイティブな時間を楽しんでもらいながら、コスメの廃棄問題についても知ってもらいたいという思いがあります。プラスコスメプロジェクトは、不要になってしまったコスメとアートを楽しむ人々をつなぎ、コスメのサステナビリティ意識を広める役割も果たしているのです。 プラスコスメプロジェクトの見つめる未来 これまで受注制作がメインでしたが、今プラスコスメプロジェクトでは、クレヨンを販売する計画が進んでいます。坂口さんが2012年にプロジェクトを開始したときに思い描いていたものが現実のものになっているそうです。コスメを回収してからクレヨンが完成するまで全てを手作業で行っているため、回収量が多いときは製作が追い付かないという苦労もありながら、坂口さんは活動に確かな手ごたえを感じています。「コスメを廃棄することに悩んだり、罪悪感を抱く人も少なくありません。そんな中でプロジェクトに取り組んでいると、行き場のないコスメを再活用してもらえることに感謝され、想いに賛同してくれる方も多くいらっしゃいます。国内外のアートイベントで活用されている報告や、応援の声が大きな原動力となっています。」また、コスメを捨てるのに罪悪感を持っている人のためにもなりたいと話します。 「ご縁があって手元にはやってきたものの、どうしても使うことができず、不要になってしまった残ったままの化粧品。その化粧品が新たな形で再利用されれば、手放す際の“小さなわだかまり(ストレス)”も少し軽くなるのではないでしょうか。それは心の中の健やかさや美しさにもつながっていくのではないかと思っています。」 プラスコスメプロジェクトは、誰でも簡単に参加することができます。「現在は郵送でも不要コスメ回収を受け付けておりますので、是非ともご一報ください! 皆様の代わりにアップサイクルさせて頂きます。また画材提供先として不要コスメで作品を描いてくださるアーティストさんも随時募集しております。今後この活動が必要なくなった時は、本当の意味で化粧品のサステナブルな仕組みが実現したときだと思っております。」 ポップアートアーティストへ画材を提供した際、廃棄されるはずだったコスメが画材として絵画に変化していく様子を見て、感動を覚えたという坂口さん。アーティストへの提供を通じて日本のサスティナブルアート文化を盛り上げていきたいこと、絵本作家と協力し子どもたちと一緒に地球環境を考える絵本を製作したいことなど、坂口さんは色彩豊かな未来を描いています。 <編集後記> コスメを使いきることができず廃棄した経験や、ポーチで眠ったままにしている方は多いのではないでしょうか。筆者にもそんな経験があり、不要になったコスメの活用方法があることを多くの方に知ってもらいたいという思いから今回プラスコスメプロジェクトさんを取材させて頂きました。コスメを使う人々や企業、アーティスト、子どもたちを巻き込みながら、不要コスメから始まる循環の輪はますます広がりを見せてゆくでしょう。10年目を迎えたプラスコスメプロジェクト。今後の活動にも期待したいと思います! PLUS COSME PROJECT公式サイト https://www.pluscosmeproject.com/Instagram公式アカウント https://www.instagram.com/pluscosmeproject/
限りある資源を無駄なく使用するにはどうしたらよいでしょうか。リサイクルやリユースなどこれまでも資源を再利用する動きはありましたが、近年、廃棄されるはずだったものにデザインを加え、新たに生まれ変わらせるアップサイクルが進歩しています。この記事ではアップサイクルとは何かご説明します。 アップサイクルとは アップサイクルとは、廃棄されるはずだったものや生産段階で出た副産物に、アイデアをプラスして価値をつけ、新たな製品として生まれ変わらせることを言います。 一般的にアップサイクルはリサイクルより使用するエネルギーが少なくて済み、コスト削減に繋がることもあります。また、資源を最大限に有効利用できることから、取り組む企業が増えてきています。 関連記事:サステナブルにファッションを楽しめるアップサイクルブランド5選 リサイクルとの違い 出典:unsplash.com リサイクルとアップサイクルは、廃棄物を再生させるという点で共通していますが、廃棄物を原料の状態に戻すかどうかという点が大きく異なります。 リサイクルは、役目を終えた物を原料に戻して、再度資源として利用するのに対し、アップサイクルは基本的に原料に戻すことをせず、元の製品の素材をそのまま使用します。 リサイクルは、原料に戻す際のコストや環境負荷がかかることも多いため、その負担が少ないアップサイクルの方がよりサステナブルな資源活用法として脚光を浴びています。 アップサイクルされている素材の例 出典:pixabay.com 今様々な業界で、廃棄物や生産によって生まれた余剰な物をアップサイクルする取り組みが始まっています。 ここからは、どのような素材がアップサイクルされるのか事例を紹介していきます。 生地・糸 アパレルの生産現場では、生地を裁断する時に出る切れ端「裁断くず」が生まれ、他にも余剰な糸が捨てられています。廃棄される裁断くずを使用し、再び糸として使えるようにしたものや、洋服、ハンガーにアップサイクルした製品が登場しています。 家具 買い替えサイクルは10年と言われる家具。不要になり回収をされた家具はまだ使えるのにも関わらず、そのまま廃棄処分ということも少なくありません。家具のアップサイクルでは、ペイントで色を塗り替える、木枠を付け足すなど、デザインを一新して、再び家具として生まれ変わらせる取り組みが行われています。 海洋プラスチック 分解されるまで数百年から数千年かかると言われている、海洋プラスチック。一見使い道のないように思われる海洋プラスチックも、きらきら輝くアクセサリーや、アパレル製品としてアップサイクルする活動が広がりを見せています。 漁網 不要になった漁網は、廃棄コストが高いなどの原因で海に不法投棄されていることが社会問題となっています。漁網の多くはプラスチックやナイロンからできており、放置すると海の生態系に悪影響を与えかねません。漁網のアップサイクルでは、その素材の強さを生かし、レインジャケットなどのアパレル製品や鞄、エコたわしとしてアップサイクルされ販売されています。 コーヒーかす コーヒーを抽出したあとに当たり前にように廃棄されていたコーヒーかす。特にカフェなどの店舗では毎日大量に廃棄されていたコーヒーかすですが、ボディスクラブやスイーツの原料などへアップサイクルするアイデアが生まれています。 タイヤ 自動車や自転車の廃タイヤは、土に還るのに膨大な時間がかかってしまう点や焼却時に有害物質が出ることなどが問題とされています。廃タイヤは耐久性や撥水性といった特徴を生かし、フットウェアのソールや、鞄、キャンプ用の小物などとしてアップサイクルされています。 ビニール傘 リサイクルをすることが難しいため、壊れてしまったら廃棄するしかなかったビニール傘。アップサイクルでは、ビニール部分を生地として利用したバックや小物があります。元々ビニール傘なので、撥水機能もしっかりしています。 野菜・果物 規格外などで捨てられていた野菜や果物を皮や茎をスナックとして加工したものが登場しています。また、アパレル製品の染色原料として活用する取り組みもあります。 アップサイクルによって生まれた製品 次にアップサイクルによって生まれた実際の商品をご紹介しましょう。 iTTo この投稿をInstagramで見る アップサイクルヤーンiTTo®︎ 世界で唯一のリアルTシャツヤーン(@itto0113)がシェアした投稿 iTToは、廃棄予定だった国内の新中古Tシャツから生まれた糸の「Tシャツヤーン」です。Tシャツヤーンの販売だけではなく、「作る体験を楽しんで、アップサイクルに興味を持って欲しい」という想いからワークショップも開催しています。カラフルな商品のラインナップを見ているだけで、ハンドメイド欲が高まってくるかも⁉ 公式サイト:iTTo ethical market HUG BROWNE(ハグ・ブラウン) この投稿をInstagramで見る HUG BROWNE®︎(ハグ・ブラウン)(@hug_browne)がシェアした投稿 HUG BROWNEでは、コーヒーが抽出された後に出るかすをその日のうちにカフェから回収し、新鮮な状態で原料化。それをボディスクラブの原料として使用しています。単なるアップサイクルアイテムでなく、動物性原料を使用していないヴィーガン処方。プラスチックスクラブ、シリコン、パラベン、動物性原料、合成着色料、合成香料なども使用していません。 公式サイト:HUG BROWNE Coffee Sugar Scrub どんどん身近になるアップサイクル! 2030年までに目標達成を目指すSDGsや、世界的な循環型社会への移行により、アップサイクルは今後より多くの企業が参入してくることが予想されます。 近年どんどん身近になってきているアップサイクル。みなさんの周りでもぜひ探してみてくださいね。
今世界が注目するミラノ発のファッションブランド、SETCHU。最近日本での販売も開始され、その勢いは加速する一方です。生地やデザインへのこだわりだけでなく、ファッションが環境に与える多大な負荷を解決するため、サステナビリティを実現するSETCHUの魅力をイタリアからレポートします。 日本人デザイナーが手掛ける和洋折衷ブランド 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ。桑田悟史さんは、世界各地のモード発信地で経験を積んだファッションデザイナーだ。ロンドンの歴史ある高級テーラー街サヴィル・ロウで働き、ジバンシィのシニアデザイナーとしてオートクチュールを手がけるなど、ファッションの真髄に携わってきた。 上質と洗練、ファッションを知り尽くした桑田さんが、ミラノで自らのブランド「SETCHU」を立ち上げた。日本文化の面白さを世界に発信したいという思いから、ブランド名は「和洋折衷」に由来する。 ブランドのテーマは「アーティザン(クラフトマンシップ)」「タイムレス」そして「旅行」。洋と和、性別、時代、伝統と斬新など、全てのボーダーを取り払ったデザインは、服だけでなく靴、鞄、傘、器などライフスタイル全般に及ぶ。 近年、ファッション業界が環境に与える負荷の大きさが取り沙汰されている。中でも服や生地の廃棄量は凄まじく、増加の一途を辿る。その現実を目の当たりにしてきた桑田さんが、SETCHUで実現しているサステナビリティとは。 ①ブランドから出る上質な余剰在庫生地の利用 まず桑田さんが着目したのは、余剰在庫生地。ブランドに購入されなかった、または返品された大量の生地が、生地工場の倉庫に廃棄待ち状態で眠っている。 一流ブランドの生地を手がける、北イタリアにあるコモのシルク工場。そこで廃棄の運命にあった、希少で美しい織りの生地を見つけた。それに最終加工を施し、ハンカチーフとクッションを作って製品にした。 最終加工前の生地を見定めて、工場と密にやりとりしながら理想の生地に仕上げて、製品にしていく。大手メゾンに比べ格段に小規模なオーダーを依頼しても、相手にされないことが多い世界。しかし、多くの一流の工場や職人がSETCHU のブランドコンセプトに共感し、桑田さんの熱意に応える形で協力してくれる結果となった。 ②長く着られるディテールとデザイン 年齢と時代を問わずずっと着られる、上質な服。英国王室ご用達でもあるサヴィル・ロウで、100年以上前のスーツのお直しなどにも携わりながら、桑田さんが行き着いたコンセプトだ。 シーズン毎に発表するコレクションは、流行によって「流す」のではなく「重ねて」いくことで、ブランドという木を育てていくビジョンを持つ。エルメスやクリスチャン・ディオールなど、一握りの高級ブランドに見られる価値観だ。 例えば、ファッション関係者たちが一目惚れし、自身用に購入する人が続出したジャケット「ENRICO」。旅と釣りを愛する桑田さんにとって、折り紙のようにスーツケースに折り畳める軽量のジャケット作りは必然だった。 服は縫い目が少ないほど長持ちするため、ノーダーツなどの工夫を細部にこらしながら、縫い目を最小限に抑えている。ウールヴィスコースの生地に刻まれた、ユニークな折り目とゆったりしたダブルボタンの美しいデザインは、私たち日本人には羽織を連想させる。帯のようなベルトを縛ると、女性らしいシルエットが生まれるなど、様々な表情が楽しめる。性別や年齢を選ばないENRICOジャケットは、シーズンごとに異なる生地で展開されていく。 ③環境への負荷を抑えた配送方法 SETCHUの配送におけるサステナビリティのポイントは、2点ある。 一つ目は、コンパクトなパッキング。薄く軽量な生地で作られ、折りたためるデザインの服が多いため、一箱に何着も入れて輸送できる。 もう一つは、商品の梱包袋が「リサイクル素材を使ったリサイクル可能なもの」であること。「RECYCLED & RECYCABLE」であることが、サステナビリティのあるべき姿の一つだと桑田さんは考える。 その他、100%リサイクルペットボトル製の生地を採用したり、長持ちしにくいニット素材には強度の高いウールを混ぜるなど、一つ一つの素材にこだわり抜く。 持続可能なファッションを、実現可能へ 将来は、SETCHUの自社牧場を持ち、コットンから栽培したいと語る。目から鱗の発想だが、気がつけばウール用の羊に囲まれた桑田さんの姿まで想像できてしまうほど、有言実行の人だ。その世界では、更なるサステナビリティが実現しているに違いない。 SETCHUhttps://www.laesetchu.com
持続可能な社会の実現が世界各国において求められています。誰も取り残すことなく、人々が幸せに、生きやすい社会にしていくために、サステナビリティを重要視した街づくり、社会づくりが注目されるようになってきています。そこで近年増えるソーシャルデザインとはなにか、事例を交えてご紹介します。 ソーシャルデザインとは 出典:unsplash.com ソーシャルデザインとは、社会の課題をアイデアによって解決し、人々が住みやすい社会を作っていくための構想です。ソーシャルデザインとひとことに言っても、定義が明確に定められているわけではなく、種類も広範囲に及びます。 ソーシャルデザインは、社会で暮らす一人ひとりの人に焦点がおかれているため、モノの見かけをデザインするという意味合いだけではなく、育児、教育、福祉、災害、産業における社会的な課題を解決するための行動やシステム、取り組み、製品やサービスなども含まれます。 最近ではSDGsが広く知れ渡るようになり、社会的意義を持ったソーシャルデザインの裾野が広がりを見せています。 ソーシャルデザインが取り入れられている場所 出典:unsplash.com 私たちの身近な日常生活の中にもたくさん取り入れられているソーシャルデザインは具体的にどのようなものか見ていきましょう。 例えば、美術館や劇場などの施設や、廃校になった校舎などをリノベーションして地域の交流拠点とすることなどが挙げられます。このような取り組みは、使われない場所や資源の再利用が進み、地域の活性化にも繋がります。また、人々が関わり合い、助け合う社会のための一翼を担います。 他にも、育児や家庭の悩みを聞くサービス、障がい者やハンディキャップを持つ人の就労支援などもソーシャルデザインと言えます。また本来は捨てられるはずのものや、海洋ゴミなどをアップサイクルする取り組みなども挙げられます。 身の回りでは、思っているよりもたくさんのソーシャルデザインが取り入れられているのです。 ソーシャルデザインの事例 社会の課題を解決するデザインであればソーシャルデザインと言えるため、対象の範囲かなり広いことは先に述べた通りですが、ここでは、地域社会にインパクトを残し、人と人との繋がりを実現したソーシャルデザインの事例をご紹介します。 関連記事:人のための社会づくり。日本と世界の都市のソーシャルデザイン事例 ソーシャルデザインの事例① 祈りのツリー Project 日本ユニセフ協会が2011年から2015年まで毎年行った「祈りのツリーProject」。 東日本大震災に見舞われた子どもたちの幸せを願い、飾るオーナメントを届けるプロジェクトです。 28人のクリエーターから始まったこのプロジェクト。2014年までにオーナメント制作に携わったデザイナーは3300人を超え、東北で行われた子どもたちによるオーナメント作りにはのべ200人以上のデザイナーや美大生がボランティアとして参加する大きな取り組みとなりました。 作られたオーナメントは、東京や東北の各所に置かれた「祈りのビッグツリー」に飾られ、被災地の幼稚園や保育園にもおくられました。 中でも、震災により被害を受けた飲食店が集まる気仙沼横丁(2017年閉鎖)に作られた津波の高さと同じ8mの"きずなの塔"は「祈りのビッグツリー」として装飾が施され、プロジェクトを象徴するものとなりました。 全ての人々の復興への想いがツリーという形になってあらわれ、希望の光として人々の心を照らす存在となったのです。一方的な被災地支援ではなく、気仙沼の子どもや住民が携わったことも、このプロジェクトの大きなポイントだったと言えるでしょう。 参考:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_1219.htm ソーシャルデザインの事例② HAGISO この投稿をInstagramで見る HAGISO(@hagiso_yanaka)がシェアした投稿 HAGISOは東京都台東区にある「最小文化複合施設」です。 1955年に木造アパートとして建てられ、2004年から東京藝術大学の学生たちのアトリエ兼シェアハウスとして使用されていた萩荘。 解体の話が出ている中、入居者より大家さんへの最後のお願いとして、萩荘に集っていた学生やアーティストたち約20名によるグループ展「ハギエンナーレ2012」を開催。建物を人々の記憶に残すことが目的でしたが、予想外の盛況を受け、計画は一転、改修され2013年3月「最小文化複合施設」としてオープンしました。 1階がカフェになっており、アートギャラリーやホテルのレセプションなどが建物の中に入っています。 カフェではハンドドリップコーヒーや、日本各地の食材を取り入れた「旅する朝食」を味わうことができ、ギャラリーやレンタルスペースではアーティストの展示やワークショップなどを開催。 2階のホテルのレセプションから案内される宿泊棟hanareは、まち全体をひとつのホテルと見立てることをコンセプトに、周辺の銭湯から好きなところ選べるチケットが宿泊料に含まれ、おすすめのレストランや個性的なバーを紹介してくれるなど、単なる宿泊体験ではなく、町をまるごと楽しめるアイデアが満載です。 昭和の良き風景を残しながら、現代的なカフェや宿泊施設として新たな人々の集いの場を提供しているこちらの施設。歴史を受け継ぎながら、都会で失われつつある人と人とのつながりを生み出す拠点となっているのです。 参考:https://hagiso.jp/ デザインの力が、社会と人々を豊かにする 出典:unsplash.com 今回は、私たちの社会の課題を解決に導くソーシャルデザインについてご紹介してきました。アイデアひとつと社会にいる私たちの行動で、社会はより良いものへと変えていくことができます。これからますます増えていくことが予想されるソーシャルデザインにこれからも注目です!ぜひみなさんの身近なソーシャルデザインを探してみてくださいね。
今、ブランドストーリーや商品の裏側にある想いに共感して買い物をする人が増えてきていると言われています。そんな時代にぴったりのイベントが2023年9月に東京・原宿で初開催。「未来の文化を売り買いする体験イベント、文化商店」とは?どんなイベントなのか詳しくレポートします! 商店街をイメージした空間デザインに高まる期待! 今回、文化商店が開催されたのは原宿駅すぐの施設。受付を済ませるとすぐ出迎えてくれる大きな暖簾をくぐり、こだわりのブランドが待つ会場へ。早くも、素敵なモノと人との出会いを予感させる、心地よいテンポの音楽が耳に入ってきます。 会場の中でもひと際目立つ、大きな暖簾! 今回の出展は全26ブランド。将来文化となっていくであろうブランドのみが揃い、お店の人とじっくり話しながら商品について知ることができるのが、この文化商店の大きな特徴です。世に出たばかりの商品や、こだわり抜かれた商品、ユニークなコンセプトを持つ商品やエシカルでサステナブルな商品などが並びます。 商店街の賑わいが表現された、明るく楽しい雰囲気の空間 素敵なストーリーを持つブランドが勢ぞろい まず目に止まったのが、緑と白を基調とした統一感のあるブース。ALL GREENは、日本全国から選び抜いた一番茶を、定期便で届けるサービスです。会場では、3種類のお茶を試飲して、気に入ったお茶に投票。顆粒タイプになっていてお水でも簡単に溶かすことができますが、その手軽さに相反し、どのお茶も上品で香り高く、奥深い味わい。改めて日本茶の魅力に気付かされます。 どれも本格的なのに手軽。どのお茶も同じくらい人気でした お酒好きなら見逃せないのが、Better life with upcycleのクラフトビール。こちらのクラフトビールは、なんとサンドイッチを作る際に切り落とすパンのミミを使用。老舗のパン屋さんが新たに立ち上げたブランドです。さらに、パンのミミを使用したラベンダー香るジンも発売。どのお酒も同ブランドから出ているラスクと相性抜群です! パンのミミをアップサイクルして作られたクラフトビールとラスク 色とりどりのお花が並ぶのは、アプローズ。アレンジメントや作品はすべて港区にある福祉事業所で手作りされているそう。お花の組み合わせが絶妙で可愛く、自宅用やプレゼント用に気軽に購入できる大きさが嬉しい!シーズンに合わせた商品も取り揃えていました。 センスの良いブーケなどが並ぶ FERMENSTATIONは、未利用資源と独自の発酵技術を組み合わせた製品を開発しているブランドです。中でも、オーガニック玄米からできたエタノールを使用したアウトドアスプレーとピロースプレー、栄養がたっぷり含まれた発酵由来の「米もろみ」を使用した洗顔石鹸は、品質の高さから愛用者が多い商品。他にも様々な企業と未利用資源を使ったコラボレーション商品を生み出しています。 大きな可能性を秘めた「発酵」を取り入れたプロダクトたち ・・・と、ここまでたくさんのブランドを見てきましたが、他にも魅力的なショップが目白押し。自分に合うお味噌汁をその場で栄養士さんが選んでくれるMISOVATION、サステナブルなファッションを提案するO0uやKAPOK KNOT、重くて焦げやすく扱いにくいという鉄のフライパンの概念を覆す岩鉄鉄器など、心惹かれるお店が立ち並びます。 一軒一軒じっくり見ていたら時間が足りないほど、どこも生産者とお店の人のこだわりと愛がこもった商品で溢れていました。 ”文化”を体験できる新感覚イベント 会場では、スタンプラリーも実施。気に入ったブランドのブースでお店のスタンプを4つ押すと、最後に大きなガラポンを一回引くことができます。出展しているブランドの商品など、内容も豪華! 回すだけで、つい笑顔になる巨大なガラポン! 会期中は、出展するブランドによるワークショップも開かれました。 次々と心ときめくプロダクトに出会えた今回の文化商店は、まだまだ見たかった…!というのが正直な感想。次回の開催は未定ということですが、こんなに盛況なら次回も開催されるはず、と期待しています。 「私たちの未来に残したい商品や文化、取り組みは?」そんなことを改めて考えさせられる魅力満載のイベントでした。
秋の足音が聞こえる季節になりました!関東近郊では、9月も注目のイベントが目白押し!「次の週末はどこへ行こうかな?」と思ったときには参考にしてみてください。 ※お出かけ前には、各イベントのWEBサイトにて最新の情報を確認してください。 【SDGs週間】 HAPPY EARTH FESTA 2023|GLOBAL GOALS WEEK 国内最大級のSDGsフェスが全国4都市を巡る! 毎年9月のSDGs週間を盛り上げるイベントとして開催3年目となる今回は、東京・横浜・大阪・沖縄の全国4都府県で開催。1週間の期間中、様々な会場で、セミナー、ワークショップ、アースクリーンアップ、マルシェ、キャンプ、音楽ライブなど豊かな地球の未来を願った様々なコンテンツが実施される予定です。SDGs達成期限の2030年まで、あと7年。私たち一人ひとりにできることを改めて考える機会にしてみては? 【SDGs週間】HAPPY EARTH FESTA 2023|GLOBAL GOALS WEEK開催日時:2023年9月19日(火)~25日(月) 10:00~18:00(最終日は17:00まで) 場所: 東京・横浜・大阪・沖縄の4都府県 ※詳細は公式情報をご確認ください。 参加費:無料 ※プログラムにより事前申し込み制 URL: https://happyearth.jp/event/hef2023/ LIVE STOCK MARKET in MARUNOUCHI ファッションを楽しみながら社会貢献ができるサスティナブルな買い物体験 「LIVE STOCK」をテーマに、経年在庫(DEAD STOCK)に新たな付加価値を与えて魅力的なアイテムとして販売する「LIVE STOCK POP UP」が丸の内エリアの12ブランドで実施。丸の内ワーカーから回収したアパレル製品の一部をアップサイクルして作ったオリジナルエコバックのプレゼント企画やB品となった靴下を利用して人形を作るワークショップなどのコンテンツも充実。新しいファッションの魅力を探しに、丸の内に出かけてみよう! LIVE STOCK MARKET in MARUNOUCHI 開催日程:2023年9月14日(木)~9月18日(月・祝)場所:丸ビル1階マルキューブ、丸の内エリア内対象店舗 URL:https://www.marunouchi.com/event/detail/36243/ 【フェアトレードの学校】オーガニックに暮らそう ~私も地球も健康であるために~ ピープルツリー開催、オーガニックについて知識を深められるチャンス 毎月1回、フェアトレード専門ブランドのピープルツリー自由が丘店やオンラインで開催されているフェアトレードの学校。フェアトレードや社会的な活動について楽しく学びながら、実践のためのアイデアを共有する場です。オーガニックセプテンバーである9月は、オーガニック繊維製品の国際的な認証基準を定める組織であるGOTS(Global Organic Textile Standard:オーガニック・テキスタイル世界基準)の地域代表・松本フィオナさんがゲスト。GOTS認証が目指していること、ピープルツリーがフェアトレードを通じて目指していることとの共通点などについて知ることができます。この9月は、オーガニックについて知識を深めてみては。 【フェアトレードの学校】オーガニックに暮らそう ~私も地球も健康であるために~開催日時:2023年9月23日 (土・祝)10:00~11:30(9:45開場)参加費:1,000円 場所:ピープルツリー自由が丘店またはオンライン チケット申込:https://20230923ftgakko-organicseptember.peatix.com/ GOOD LIFEフェア 2023 人と地球が心地よく過ごすためのモノやコトが大集結する3日間! “心地よく豊かな暮らし”を提案するライフスタイルのイベントが東京ビックサイトにて開催されます。 ブースエリアには、コスメや食品、雑貨やファッションなど450を超える出展者が全国から集結。SDGsを掲げたブランドも多数あり、自分自身はもちろん、地球にやさしいプロダクトに出会えます。クラフトビールやクラフトコーラ、キッチンカーなど、食フェスコーナーも多彩なラインナップ。 アップサイクルやゼロウェイストをテーマにしたワークショップや専門家やタレントによるトークショーも要チェックです! GOOD LIFEフェア 2023開催日時:2023年9月1日(金)~3日(日) 10:00~18:00(最終日は17:00まで) 場所:東京ビッグサイト 東2・3ホール 参加費:大人 前売り¥1,000/当日¥1,300※事前登録制 (招待コードをお持ちの方と、ビジネスでの来場は無料)高校生以下 無料 URL: https://goodlife-fair.jp/ Slow LIVE’23 in 池上本門寺 20th Anniversary この投稿をInstagramで見る Slow LIVE’23 in 池上本門寺 20th Anniversary(@hotstuff_slow)がシェアした投稿 スローミュージックで楽しむ大人のフェスが4年ぶりに大田区・池上で開催 都内を中心に開かれてきた大人のためのミニフェス「Slow LIVE」が、4年ぶりにホームグラウンドである池上本門寺に戻ってきます。出演アーティストは大橋トリオ、BEGIN、EGO-WRAPPIN'など、夏の終わりに聴きたいスローな音楽が目白押し。 一般席の他ベビーカー席、車いす席など多様なニーズにも対応しているので、どんな人でも楽しめること間違いなしです。美味しいフード販売や、エコなモノづくりのお店『Slow LIVE リメイク・マーケット』も見逃せないポイント。 歴史ある日蓮宗の大本山で、上質な音楽とともに大人の時間を過ごしてみては? Slow LIVE’23 in 池上本門寺 20th Anniversary 開催日時:2023年9月1日(金) 17:30 開場 / 18:30開演、2日(土)3日(日)14:00 開場 / 15:00 開演 場所:東京 池上本門寺・野外ステージ(東京都大田区池上1-1-1)参加費:有料※詳細は公式サイトよりご確認ください URL:https://www.red-hot.ne.jp/slow/ NEW ENERGY TOKYO どっぷりとクリエイティブに浸れる祭典が再び! 展示会、マーケット、メディアを掛け合わせたクリエイションの祭典「NEW ENERGY TOKYO」。今回も新宿住友ビル三角広場に、ファッションやライフスタイル雑貨、エシカル商品、ビューティー、フード、アート等、ジャンルを超えて、様々な分野から約250組のブランドやアーティストが参加します。買い物に加えて、パフォーマンスやワークショップも充実! 垣根を超えて集結するクリエイティブの世界を堪能しに行こう! NEW ENERGY TOKYO(ニューエナジー トーキョー)開催日時:2023年9月7日(木)~10日(日) 9月7日(木)10:00 ~18:00(BUSINESS DAY)9月8日(金)10:00 ~17:00(BUSINESS DAY)17:00~20:00(ナイトマーケット)9月9日(土)11:00~18:00(MARKET DAY)9月10日(日)11:00~17:00(MARKET DAY)場所:新宿住友ビル三角広場 参加費:有料※詳細は公式サイトよりご確認ください URL: https://www.new-energy.ooo/ 大丸有SDGs映画祭2023 SDGs17の目標をひもとく映画祭が今年も開催 大手町・丸の内・有楽町の最初の文字を取ってつけられた「大丸有」。東京の中心地である大丸有がエリアを挙げてサステナビリティな都市づくりに取り組むなかで、シンボル的イベントとなっているのが、大丸有SDGs映画祭です。 名前の通り、SDGsに通じるテーマの映画作品を集めた本イベントは今回で4回目。9月4日~21日の会期中、大丸有エリアの5か所の会場で9作品が上映されます。9作品中8作品は、映画上映に加えてゲストによるトークイベントも開催。チケットは1上映ずつ購入可能なので、都合の良い時間を見つけて参加できます。 映画鑑賞を通して、サステナブルな世界を想像してみては? 大丸有SDGs映画祭2023 開催日時:2023年9月4日(月)~9月21日(木)場所:大丸有エリア内の全5か所のスペース 参加費:1,000円※障がい者手帳をお持ちの方は500円(付添の方も1名まで500円)URL: https://act-5.jp/act/2023film/ 長瀞・荒川 リバサポキッズフェスティバル 遊びながら川を知る!子どもと参加したいリバークリーンイベント 豊かな自然に触れることで、子どもたちに自然と地域を愛する心を育んでもらうことを目的としたリバークリーンイベントが埼玉・秩父で開催されます。 「教育×遊び×地域」をテーマとした本イベントでは、長瀞町を流れる荒川でのラフティング体験やゴミ拾い、地元の竹林整備で発生した竹を活用した竹あかりのワークショップ、マルシェなど、大人と子どもが一緒に学び、楽しめる工夫が満載。 夏の暑さが少し和らぐ9月、親子そろって長瀞を楽しもう! 長瀞・荒川 リバサポキッズフェスティバル 開催日時:2023年9月9日(土)10:30〜16:00 ※ 雨天決行 場所:長瀞渓谷バーベキュー(勉強屋) 埼玉県秩父郡長瀞町長瀞1502参加費:無料 ※要事前申し込み制 URL: 【リバークリーンイベント】明治安田生命とWITH RIVERがタイアップ! (with-river.com) 文化商店 未来の文化を売り買い!?ブランド体験イベントが原宿・WITH HARAJUKUにて初開催 サステナブルファッションやクラフト酒、アロマなど、衣・食・住・遊にまつわる26ブランドが原宿にやってきます。 他の展示会と少し違うところは、製品やサービスを“未来の文化”とし、ブランドのストーリーをじっくりと知ることができること。ブランドとの対話やワークショップを通じて“文化を知る・めぐる・買う”という3つの楽しみ方を提案しています。 未来に残したいブランドたちに会いに、原宿に行ってみよう! 文化商店@原宿・WITH HARAJUKU 開催日時:2023年9月16日(土)11:00〜19:00、9月17日(日)11:00〜18:00 場所:WITH HARAJUKU 3F HALL / LIFORK 参加費:無料 ※一部ワークショップは有料 URL: https://bunka-shoten.com/
捨てられるはずだったものを利用し、価値を付けることで、新しいものへと生まれ変わらせる「アップサイクル」。アップサイクルと聞くと雑貨などを連想する人も多いかも知れませんが、食の分野においてもさまざまなアップサイクルフードが登場しています。今回は、食べて飲んでおいしく、環境にも優しいアップサイクルフードのアイデアを集めました。 アップサイクルとは アップサイクルとは、本来捨てられるはずのものを加工し、価値を付けることで、新たな製品として生まれ変わらせる取り組みのこと。デザインやアイデア次第で、いまある資源を有効に活用し、製品のライフサイクルが延ばすことが期待できるアップサイクル。ゴミ削減やCO2削減の一環として、今まで光が当たってこなかった素材を製品化する取り組みが始まっています。 食品のアップサイクルのアイデア5選 今回は、食品のアップサイクルをチェック! お菓子からビールまで、アイデア満載です。 米ぬか→クッキー 米を精米するときに出る米ぬかは、捨てられてしまうか、ぬか床として再利用されるのが主流でしたが、最近ではぬか自体の食物繊維やミネラル、ビタミンといった高い栄養価が注目されています。近年は、基礎化粧品の材料として米ぬかを使う製品が出てきているほか、クッキーの材料としてアップサイクルされている例も。Any O'clockは、米ぬかとおからをアップサイクルしたヘルシークッキー。フレーバーも6種類と豊富で、パッケージもアーティスティックでキュート!リニューアルを経て、2023年8月28日に発売予定です。 カカオ豆の皮→レトルトカレー この投稿をInstagramで見る GOOD NATURE MARKET(@good_nature_market)がシェアした投稿 チョコレートを製造する際に出るカカオ豆の皮(カカオハスク)は、総量のおよそ30%にものぼり、そのほとんどが活用されてきませんでした。そこで、風味豊かなカカオ豆の特性を活かして作られたのが、レトルトカレーです。カカオ豆の皮のコクを生かしたGOOD NATURE MARKETのカカオカレーは、薬膳スパイスやビーフなどバラエティも豊富!具材の旨味が引き立つ、深い味わいに仕上がっています。 食パンのみみ→ビール この投稿をInstagramで見る upcycle beer(@upcycle_beer)がシェアした投稿 サンドイッチなどで発生する食パンの耳や、出荷の過程で廃棄されるパンはまだまだ美味しく食べられるもの。これまではラスクなどに再加工やしたり、飼料にすることが多かった食パンの耳などですが、なんと食パンからは、クラフトビールも作れてしまうんです!クラフトビール「upcycle(アップサイクル)」は、パン由来のスッキリした酸味と香ばしさも備わっていて、軽い口当たりとすっきりとした後味に仕上がっています。 放置竹林→メンマ この投稿をInstagramで見る Taro Ebara(江原 太郎)(@taroebara)がシェアした投稿 竹は樹木と比べて成長が早く、人の手によって整備をしないと、日光を遮り他の木々の成長を止めてしまいます。また地滑りなどの弊害も引き起こす可能性も。整備するにも、焼却する際に、CO2を排出してしまうのが大きな問題でした。そこで、竹の特性と処分する際のエネルギー削減を考えて作られたのが、メンマです。面積の80%が山林という自然豊かな宮崎県延岡市で生まれた「延岡メンマ」は、流通するメンマの1%にも満たないという超希少な国内産。味の妥協を一切せず、ご飯のおともやおつまみ、料理の材料としても最高の逸品です! 野菜の茎や皮→チップス この投稿をInstagramで見る Upcycle by Oisix / アップサイクルバイオイシックス(@upcyclebyoisix)がシェアした投稿 加工する際、野菜の茎や皮は、捨てられてしまうのが当たり前でしたが、破棄される部分を油で揚げてチップスにした商品が登場しています。オイシックスでは、ブロッコリーの茎や大根の皮など、これまで食べられるイメージがなかった野菜の部位をチップスとして製品化。これまで捨ててしまっていたのがもったいないと感じるほど、後を引くおいしさです。 アップサイクルフードはプレゼントにもおすすめ 今回は、食材をアップサイクルした食品の紹介をしました。「そんな使われ方があったんだ!」と思わず言いたくなるユニークなアイデアで、食べてみたいと思った方も多いのでは?洗練されたパッケージの商品も多いので、他の人と被らないプレゼントにもおすすめです!おしゃれに、そしておいしくアップサイクルフードを取り入れてみてくださいね。
本格的な夏が到来! 夏休みのイベントやお出かけ先を探している方も多いのではないでしょうか。関東近郊では、8月も見逃せないエシカルなイベントが目白押し! 「次の週末はどこへ行こうかな?」そんなときに、ぜひ参考にしてみてくださいね。 ※お出かけ前には、各イベントのWEBサイトにて最新の情報を確認してください。 SmileFemFes@二子玉川ライズ ガレリア カラダとココロをヘルシー&ビューティーにする2日間! 二子玉川ライズにて、健康と美をテーマにした”Smile Fem Fes”が開催予定。イベントでは、カラダ、食、癒しに関連するブースが設けられ、フェムケアアイテムや、エシカルコスメ、無添加スイーツなど、こだわりを持つブランドが集結します。 お笑いコンビ・フォーリンラブのバービーさんによる「なりたい自分になるためのヒント!」をテーマにしたトークショーや、SHELLYさんと産婦人科医・高橋幸子先生と一緒に、親子でカラダケアについて学べるトークショーも必見です。他にも、ママ向けのヨガ講座や、家族で楽しめるシールラリーなどの体験イベントが盛りだくさん。イベントに参加し、自分のカラダや心に目を向けてみませんか。 SmileFemFes@二子玉川ライズ ガレリア開催日時:2023年8月5日(土)、 6日(日)11:00~17:00場所:二子玉川ライズ ガレリア ※雨天決行参加費:無料 URL: https://lyset.jp/smile-fem-fes 【祝GSFF10周年】第162回 銀座ソーシャル映画祭 x cinemo by ユナイテッドピープル 考えるきっかけをつくる市民上映会「銀座ソーシャル映画祭」が10周年イベント 2013年にスタートした社会派ドキュメンタリー映画の市民上映会「銀座ソーシャル映画祭」。 記念すべき10周年を迎える8月は、軍隊を廃止し、軍事予算を社会福祉に充てることで、国民の幸福度を最大化する道を選んだコスタリカに迫った「コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~」を上映します。上映後は、ドキュメンタリー映画の配給会社、cinemoを運営するユナイテッドピープルの関根健次さんによるトークや、交流会を予定。 世界の今を覗きに、会場に足を運んでみては? 【祝GSFF10周年】第162回 銀座ソーシャル映画祭 x cinemo by ユナイテッドピープル開催日時:2023年8月26日(土)11:00~ 場所:中越パルプ工業株式会社 東京都千代田区内幸町1-3-2 内幸町東急ビル8階 参加費:2,000円(ユナイテッドピープルワインまたはso good coffee付き) URL:https://www.gsff.jp お申込み:https://gsff162.peatix.com/ ●actcoinから参加申込みをすると、コインが獲得できます。 https://actcoin.jp/event/detail.php?id=3979 ※actcoinはソーシャルアクションによってコインが貯まるweb・アプリサービスです( 登録・利用無料) 上大岡フェスティバル2023『夏休みSDGsフェア』 デパートの裏側を見れるチャンス!子どもが楽しいワークショップも充実 7月20日から京急百貨店全館にて開催中の、上大岡フェスティバル2023。そのイベントの一環として、8月4日(金)~6日(日)の3日間は、子どもが参加できるSDGsフェアが行われます。 普段は見ることのできないデパートのゴミ処理や防災の裏側を見るツアーや、三浦の間伐材を使用したコースター作り、縁日のように楽しみながら行える分別ゲーム、竹を使ったランタン作り、みつろうのエコラップ作りなど魅力的な体験ラインナップが予定されています。 この夏休みは、親子でSDGsについて楽しみながら学んでみませんか。 上大岡フェスティバル2023『夏休みSDGsフェア』開催日時:2023年8月4日(金)~6日(日)場所:京急百貨店 7階催事場 参加費:プログラムにより有料。詳しくは下記リンク先をご確認ください。 URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000257.000016556.html 水素エネルギー体験型イベント 未来のSDGsエンジニア‐水素社会たいけんプログラム 実験やゲームなどの体験プログラムで水素社会を体験しよう! 水素博物館「東京スイソミル」では、脱炭素社会実現のために普及が期待される水素のことをイチから学ぶことができます。 夏休みにはイベントタイトルの通り「未来のSDGsエンジニア」である子どもたちに向けて特別実験教室、VRゲーム、燃料電池バスやEV車の乗車体験など盛りだくさんのプログラムが予定されています。 親子で実際に水素社会を体験し、エネルギーへの理解を深めるきっかけにしてみませんか。 水素エネルギー体験型イベント 未来のSDGsエンジニア‐水素社会たいけんプログラム開催日時:2023年8月5日(土)、6日(日) 10:00~17:00 ※最終入場16:30 場所:水素情報館東京スイソミル 参加費:無料 URL: https://www.tokyo-suisomiru.jp/news/page184/ Ethical &SEA Presents 【ウミイロ日和】かわさきSDGsワークショップ この投稿をInstagramで見る upcycle project つなぐ【ウミイロ日和】(@umiirobiyori.tsunagu)がシェアした投稿 「大人の自由時間」と「子どもの自由研究」になるワークショップイベント エシカルなセレクトショップ「エシカルシー」と、廃材を利用したワークショップなどを行う「Upcycle Project つなぐ」がタッグを組み、アトレ川崎でイベントを開催。 開催期間中は、日替わりで出店者が変わります。流木とシーグラスのタペストリーづくりなどのワークショップは、お子さんの夏休みの工作にもうってつけ! もちろん子どもだけでなく、大人の参加も可能です。発想豊かに、SDGsなワークショップを楽しんでみては? Ethical &SEA Presents 【ウミイロ日和】かわさきSDGsワークショップ開催日時:2023年8月19日(土)、20日(日)10:00~17:00場所:アトレ川崎 ツバキひろば参加費:入場無料 ※ワークショップは要確認URL:https://www.instagram.com/p/CvG0V0nPyrc/ サマービーガンスパイス料理教室@アリサンパーク オーガニック・ベジタリアンブランドのアリサンが、代々木公園近くのアリサンパークにて、五感で楽しむオールビーガンのお料理教室を開催します。 春に続いて3回目の開催となるイベント。“Spice up your life!!人生にもっと味わいを。”というテーマのもと、当日はプロのレクチャーを受けながらビーガングルメを作ります。 気になるメニューは、「ジャックフルーツとカシューナッツのカレー」や「きゅうりとパイナップルのココナッツサラダ」など、夏にぴったりのラインナップ。みんなでランチタイムを過ごした後はカフェでも人気のオリジナルチャイの美味しい淹れ方を伝授してもらえます! ビーガングルメが気になっているけど自分で手作りすることはハードルが高く感じる人や、お料理初心者も、楽しく手ほどきを受けながらビーガンの世界に参加してみませんか。 サマービーガンスパイス料理教室開催日時:2023年8月6日(土)、7日(月)11:00~14:00場所:アリサンパーク 東京都渋谷区代々木5-63-12参加費:6,600円URL: https://alishan-organics.com/blog/alishan-park/2023/04/27/6908/
蚤の市(のみのいち)とは、古着やアンティークの雑貨などが集まる、いわばフリーマーケットのこと。ヨーロッパの都市では、週末に開かれることが多く、特に19世紀からフランス・パリで続く蚤の市は世界的に有名です。 また、持続可能な社会が求められ、物を大切にしていこうという風潮の中、再注目されている催しでもあります。 今回は、2023年6月に国営昭和記念公園で開かれた第19回東京蚤の市に潜入。広大な土地で開かれる国内でも有数の蚤の市は、実際にどんな雰囲気なのか、どんなものが売られているのかレポートします。 定期的に開催しているので、行こうか迷っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。 まるでテーマパークのような会場 午前11時半前、入口のゲートをくぐり抜けて右奥のテントにてチケット交換を行い、散策をスタート。チケットは前売りと当日販売があります。前売りチケットを入手していたことで、人手が多い中でもスムーズに入場することができました。 訪問した日は天気にも恵まれ、蚤の市にぴったりの日曜日。エリアによっては人が多く、移動するだけでやっとといった所もありました。 会場は大きく8つのエリアに分類されており、音楽ライブを行うステージなどイベントスペースも点在。ヨーロッパの蚤の市よりもイベント要素が強く、まるでテーマパークのようです。 出典: 会場マップ | 第19回東京蚤の市 (tokyonominoichi.com) お昼ご飯を食べようと待っている間、同じ売店の行列に並んでいた女性は、前日も来たのだけれどすべての出店をじっくりと見ることができなかったので、今日は二日目の参加とのこと。広大で出店数もかなり多いため、確かに、一日ですべてを見るのは難しいかも知れません。 食器から、アクセサリーまでアンティークアイテムが充実 古道具を扱う複数エリアでよく目に入ったのが、アンティークのグラスやヨーロッパ製のティーセットをはじめとする食器類です。食器としてはもちろん、花瓶や小物入れとしても使えそうなものもありました。 価格帯は1,000円以下のものから中には1万円以上するものまで様々。一点モノの器やコップは、食器好きにはたまらないですね。 工夫次第で何にでも使えそうなガラス類 日本ではあまり見かけないようなデザインも たくさんの食器の中から運命の出会いがあるかも…? 個性豊かなアクセサリーや雑貨も豊富 乙女心をくすぐるようなアンティークのアクセサリーにも出会いました。個性があって、ファッションのポイントになってくれそうなアイテムが並びます。 子どもだけでなく、つい大人も欲しくなるようなぬいぐるみも発見。状態が良いので、プレゼントにも良いかも。 こちらのお店は、レースや、布類が売られていました。ハンドメイド好きな筆者は、何に使おうかな?」と想像するだけでワクワクします! 廃材を一輪挿しにリメイクした商品も人気を集めていました。1点ものの一輪挿しはそれぞれ個性があり、みなさんひとつひとつ吟味しています。 蚤の市定番の紙モノや絵本、家具類も 多くのエリアで紙を取り扱うお店を多く見かけました。 この植物の絵は、百年前ほど前の物もあるそう 本を取り扱うお店では、絵本が圧倒的に多く、ノスタルジックな海外の絵本に大人も子どもも見入っていました。インテリアとしても良さそうです。 もちろん家具もあります。大きなものであっても配送受付ブースが設置されているため、持ち帰りの心配をする必要もありません。 家の中に一つあるだけで部屋の雰囲気をおしゃれにしてくれそうなコート掛けや、アンティークの椅子に目がないという方も多いのではないでしょうか。 壁に取り付けるタイプのコート掛けと子物置き 大型家具も配送できて安心 インテリアの中でも、特に注目を集めていたものは…? 一度進路を進むと、後ろには戻ることが難しいほどの場所もありました。その中でも、人だかりができる場所を発見し、近づいてみると…… 正体は、シート一面に並べられた木彫りの熊でした。木彫りの熊は、店主自ら国内各地から収集したものだそうです。「一律2,500円」という価格がお値打ちなのかどうかについては馴染みのない品のため判断が難しい! おそらく見る方が見れば正しい価値が分かるのでしょう。直観でお気に入りを見つけるのも楽しそうです。ちなみに隣のシートにはお面タイプの熊もありました。 同じお店には、ひとつひとつ手に取って見たくなるような魅惑的な古道具の世界が広がります。 昭和レトロなおもちゃも充実しており、子どもたちの興味をひいていました。 中身がわからないからワクワク!「物々交換の本棚」 今回初めて蚤の市に参加するにあたり、事前に公式HPをチェックしていると、「物々交換の本棚」のページを発見。参加者は、表紙が見えないようにラッピングし、本を受け取る人へのメッセージ添えた本を1冊持ち寄り、会場に置かれた本1冊を持ち帰ることができる企画です。 ぜひ参加してみよう!ということで、筆者も読み終えたおすすめの本を用意しました。 持ち帰ったのは、「青春、なのだろうか、たぶん、そうだろう。」と添えられた一冊。中から出てきた本は高野悦子さん著、「二十歳の原点」で、学生運動に傾倒した二十歳の女子大生のエピソードが綴られている内容でした。 自分ではセレクトしない本と出会うことができて、資源も無駄にしない「物々交換の本棚」。東京蚤の市に参加する際は、本を持参して循環の輪に加わってみるのをおすすめします! 【番外編】筆者のお買い物記録 今回の蚤の市で、筆者が我が家にお迎えすることした、リアルな購入品を紹介します。 まずは紫色のガラス小皿。それからレトロなひまわりが描かれたグラスです。お店の方いわく、60年代頃の品だそう。確かに祖父母の自宅にあった食器をどことなく思わせます。新しい出会いであるはずなのに、なつかしく温かい気持ちにさせてくれるのも、蚤の市の特徴かもしれません。 蚤の市は、ときめきと出会える場所だった! ありとあらゆる雑貨が一つの会場に集結した、東京蚤の市。普段の生活にはない出会いに、常にワクワクが止まりませんでした。 量産される既製品を何も考えることなく使い捨ててしまうことも多い現代。そんな中、ここでしか出会うことのできない一期一会の出会いに期待しながら、古いモノを大切にする気持ちが湧いてくるのが、蚤の市の最大の魅力ではないでしょうか。 大きなシャボン玉を作って遊ぶことができるコーナーなど、子ども向けのアクティビティが用意されており、お買い物だけでなく、家族みんなで楽しむアクティビティも満載の東京蚤の市。定期的に開催しているので、ぜひ訪れてみては?
本物の動物を想起させるANIMA FORMA(アニマフォルマ)の作品。ANIMA FORMAは、作品の材料にウール生地の生産過程で廃棄される端材を使ったアップサイクルアートプロジェクトです。作品を通して動物たちが私たちに語り掛けてくることとは? ANIMA FORMAのデザイナー村松恵さんに作品の背景にある想いを伺いました。 不要になったウール生地の端材に新たに命を吹き込んだアート“ANIMA FORMA” ANIMA FORMAの展示会に訪れるなり、目に飛び込んでくるのは壁に掛けられた様々な動物たち。牛のような大きなものから、ムササビのような小さなものまで、本物にはない配色でありながら、どこかリアルで、まるで生きているかのような躍動感を感じます。それもそのはず、作品はウールなどの生地の端材を使用し、形はカット前の剥いだ状態の動物の毛皮からインスピレーションを得たもの。ANIMA FORMAは、コートやジャケットなどの衣服やブランケットなどに使われるウール生地の生産段階で出てしまう端材に命を吹き込み、壁に飾るアート、ウォールハンギングとして生まれ変わらせるアップサイクルのアートプロジェクトです。 きっかけは大量に生産される中で不要になる「端材」 プロジェクトを始動させたデザイナーの村松恵さんは、美術大学を卒業し、生活雑貨のデザイナーとして働くなど、長年テキスタイルデザインに関わってきました。そこでいつも目にしてきたのが、織物工場の端っこに積み上げられていたウール生地などの端材です。衣服や雑貨の生産過程でどうしても発生してしまう端材の山を見て、いつも違和感があったと村松さんは言います。「織物工場で不要になった端材を見るたびに、何かに使えないだろうかと考えていました。それと同時に、大量生産され使い捨てが当たり前になってしまった現代のモノの在り方にも疑問を持っていたんです。その思いが形となったのが、端材となった獣毛を使った作品です。獣毛を再び動物の形に“戻す”ことで、獣毛の端材にまだ残存している生命の痕跡が見える化され、この世で唯一無二の価値を持つ毛物(獣)が生まれると感じました。」 量産されたものを唯一無二のアートに作り替えていく 本物の動物のようでありながら、インテリアにも溶け込むデザインのANIMA FORMAの作品は、製作段階からひとつひとつこだわりを持ってデザインされています。「リアルすぎないようにしつつも、どんな動物かを想像できるようなフォルムにしています。革をとるために開いた状態にされた動物の毛皮を参考にはしていますが、全くその通りではなく、そこにデザインを加えて架空の動物を作り上げています。」動物の色や柄を決めていく工程では、村松さんがひとつひとつをデザインし、二つとして同じ作品ができることはありません。「工場から送られてくる端材は素材もカラーも様々です。季節やトレンドによって出回るカラーや柄が変わってくるので、その時々で違った表情に仕上がります。偶然的に集まった生地の端材を組み合わせて、思いもよらない配色の毛物(獣)が生まれる瞬間が、制作する中で一番面白いところだと思っています。」レイアウトされた端材は、素材の繊維同士を絡ませフェルト化する“ニードルパンチ”という工程を経て、一枚の作品になります。 二つとして同じものがない作品からは、コピーされ大量に生産されたモノにはない、私たち人間や動物たちが持つ個性や多様性のようなものを感じます。その時にしかない出会いを楽しめるのも、ANIMA FORMAの大きな魅力のひとつです。 モノとの出会いから“本当のサステナブル”を考える 私生活では、アンティークの雑貨に出会える蚤の市によく足を運ぶという村松さん。ひとつひとつのモノとの出会いを大切にし、その時に“ビビッ!”とくる感覚も大切にしていると言います。「私が着ている洋服はほとんどが古着なんです。アンティークの雑貨にも目がありません。洋服や雑貨が、どのように作られてどのように使われてきたのか、教えてもらったり、想像したりするのが好きなんです。そんな風にANIMA FORMAの作品も見てもらえたらという思いで制作しています。」 ここ数年で一気に持続可能な社会の在り方が考えられるようになってきましたが、“エコ”などのワードが書かれた商品を購入することだけではなく、もとからあるものを長く使うことや、モノとの出会いを大切にすることこそ、本当のサステナブルなのではないかと改めて気付かされます。 最後に、今後のアート活動について、村松さんにお聞きしました。「ANIMA FORMAは私の活動の中のひとつのプロジェクトです。今後も新しいプロジェクトを立ち上げていきたいと思っていますが、どんなプロジェクトをするにしても、すでにあるものや不要なものを作り替えて価値を付けていくということは一貫してテーマにしていきたいです。」 今年、初の海外での展示会を控えているANIMA FORMA。強くもしなやかなメッセージを発信するアートプロジェクトはどのような広がりを見せるのか。これからも目が離せません。 プロフィール 村松恵さん 1983年東京生まれ。多摩美術大学生産デザイン学科テキスタイルデザイン専攻卒。株式会社良品計画の生活雑貨部企画デザイン室を経て独立。2021年、布地の生産過程において廃棄される端材を一点モノの毛物(獣)として蘇らせるアートプロジェクト「ANIMA FORMA」を始動。これまでの展示に「Life in Art Exhibition」MUJI GINZA(2021)「MEGUMI MURAMATSU EXHIBITION」世界遺産富岡製糸場(2022)「ANIMA FORMA×FEEL SEEN」FEEL SEEN GINZA (2023)などがある。 【ANIMA FORMA最新展示情報】ANIMA FORMAがフィンランド フォルッサ市で行われるテキスタイルの展示会「Forssa textile week 2023」に出展予定。デザイン大国であり、サステナビリティへの意識・関心が高いフィンランドで、日本発・端材から作られる一点モノのANIMA FORMAの作品が披露されます。https://www.forssatextileweek.fi/ ANIMA FORMA公式HP https://animaforma.com/公式インスタグラム @animaforma
思わず「かわいい!」と声をあげてしまうほど美しくキラキラとしたアクセサリー。でも実はこれ、かわいいだけじゃないんです! sobolon は、海岸から拾ってきた海洋プラスチックを使いネックレスやピアス、イヤリングなどを制作・販売するアクセサリーブランド。今回は、その魅力に迫るべく、sobolon代表の山崎姫菜子さんにお話を伺いました。 厄介者ではなく、大切な地球の一部として扱いたい 「海洋プラスチック」とは、海を漂うプラスチックごみのこと。便利な生活になった一方で、私たち人間は大量のプラスチックを海に放出してきました。自然に還るまで何百年、何千年もかかると言われるプラスチックは、一度海に流れ出てしまうと漂い続け、劣化して小さな破片になったものは魚や鳥が間違えて食べてしまうことも珍しくありません。 そんな「厄介者」とされる海洋プラスチックですが、その海洋プラスチックを材料としてオリジナルアクセサリーを制作しているジュエリーブランドがあります。それがsobolonです。 心ときめく世界にひとつしかないジュエリー 指輪、ネックレス、ピアス、イヤリングなど、sobolonのアクセサリーはすべてクリエイターによる手作り作品です。海洋プラスチックの特徴を知り尽くしたクリエイターが、異なるカラーや形を組み合わせながら世界に一つしかないアクセサリーを作り上げています。カラフルで個性的なもの、シンプルで普段使いしやすいものなど、デザインが豊富なのも特徴。オンラインショップではセミオーダーも受け付けています。 sobolonの原点は“我慢”と“制約” ブランドの原点は、代表の山崎さんが子どもの時に学校で環境問題のことを学び、大きなショックを受けたことにあります。 「私たちの住む地球で大変なことが起きていると知り、アクションを起こしたいと思いました。でも“我慢”“制約”と言ったネガティブな方法しか思いつかず結局挫折。その後は学業の忙しさなどもあって、具体的な活動を起こすことができないまま、モヤモヤを抱えて大人になりました。」 そんな山崎さんが行動を起こしたのは、社会人になってからのことです。「やはり、環境問題の解決のために何か活動がしたいと、諦められない気持ちがありました。そんなとき大きなきっかけになったのが、仲間の存在です。進学や就職で一度はバラバラになった同級生3人が、再び地元の岐阜に戻ってくることになったのです。みんなに想いを打ち明けると、“やってみよう!”という話になり、4人で創業しました。 今は結婚や出産などライフスタイルが大きく変化してメンバーは変わっていますが、彼女たちの存在が大きな支えとなりました。」母親が手芸好きで、自身も元々モノづくりが好きだったという山崎さん。手先を動かすことに加えてファッションやデザインにも興味があったことから、海洋プラスチックをアクセサリーにするというアイデアが生まれたそうです。 海洋プラスチックがジュエリーにアップサイクルされるまで ひとつひとつニュアンスの異なるジュエリーができるまでには、海洋プラスチックを使ったアクセサリーならではの工程があります。まずは砂浜に打ち上げられた海洋プラスチックの回収から始まります。主な回収場所は、活動の拠点となっている岐阜県から近い愛知県常滑市の海岸です。 次に選別を行います。手で簡単に砕くことができるか、もしくはハサミを使って細かくできるかどうかを基準に、厚さ約1~2mm程度のものを選んでいきます。 選別され洗浄されたプラスチックは、全国にいるsobolonのクリエイターへと送られます。クリエイターの元に届いたら、そこからデザインと製作作業がスタート。海洋プラスチックはひとつひとつサイズや色が異なるので、先にデザインを決めるわけではなく、パーツを組み合わせながらプラスチックの色や形を生かしたデザインに仕上げていきます。 山崎さんは、海洋プラスチックの素材の特徴が生かされていることに加え、クリエイターによる多彩なデザインもsobolonのアクセサリーの面白さだと言います。 「クリエイターさん同士でコミュニケーションを取り、アイデアをシェアし合うので、デザインがどんどんブラッシュアップされていくんです。クリエイターさんの個性が光るのもハンドメイドならではの味わいです。そこも楽しみながらご自身のお気に入りの一点を見つけて欲しいです。」 アクセサリーに使えなかったプラスチックも価値あるものに 大量に漂着する海洋プラスチックのなかには、アクセサリーには適さない大きさや硬さのものもあります。sobolonではそのような海洋プラスチックを、アクセサリー以外の方法で活用しています。各地で行っているのは、子どもたちと一緒に海洋プラスチックのモザイクアートを作る活動。分割された用紙に指定の色のプラスチックを貼り、それを組み合わせることで、全員で大きな一枚の絵を作り上げます。他にも万華鏡作りのワークショップを開催するなど、ものづくりやアートを純粋に楽しみながら、材料の海洋プラスチックを通して環境問題を身近に感じてもらうことができればと考えています。 環境問題に興味を持つ入り口に「かわいい!」を まじめに取り組もうと思えば思うほど“我慢しなければならない”という思考に陥りがちな環境問題。しかし、本当の意味で持続可能なものにしていくには、前向きな姿勢が必要だと、山崎さんは考えます。 「環境問題の解決に向けて様々なアプローチがある中で、かわいい!というところから海洋プラスチックや環境問題に興味を持ってもらうことが私たちの目的です。私たちが回収・アップサイクルする海洋プラスチックは全体から見れば微々たる量で、直接問題の解決に繋がるものではありません。しかし、一見遠回りに思えても、ポジティブに楽しむことが、環境問題を考える“入口”になるのではないかと考えています。」 最後に山崎さんは豊かさについてこう話してくれました。「大量生産・大量消費の現代、環境問題をはじめとした社会問題がたくさんありますが、それは私たちの心の豊かさが失われていることからきているように感じます。“自然の恵みにより私たち人間は生かされている”という感謝の気持ちや、物を長く大切にする気持ちを持つことこそが、心が豊かであることだと思うんです。“自分自身の心がハッピーになることが環境や社会の豊かさにも繋がっていく”そんな想いをsobolonのアクセサリーにのせて広げていきたいです。」 一見不格好で必要とされていない「そぼろ」なものでも、見方を変えればかわいいものになるという意味が込められているsobolon。かわいいアクセサリーとして私たちの元に帰ってきた海洋プラスチックは、私たちに物を大切に使い続けることの大切さを教えてくれます。 sobolonオンラインショップ https://sobolon3695.thebase.in/公式インスタグラム(取扱店やポップアップストア情報はこちらから) https://www.instagram.com/sobolon3695/
行政や企業、市民が主体となり、世界の中でも持続可能な社会づくりが進むヨーロッパ。近年は特に環境問題への関心が高く、環境に負荷をかけない選択肢が増えてきています。rootusでは、現地に長年住むレポーターが、住んでいるからこそ見えてくるリアルな情報を発信。サステナブルな社会はどのように実現可能なのか、最前線から学べることを考えます。 フリーマーケットがエコに進化中 昔からヨーロッパ各地で開催されているフリーマーケットや青空市場。ヨーロッパにはもともと古いものを大切に使い続ける文化があり、最近はそこにアップサイクルアイテムなどのエコな要素も入ってきています。今回は、そんなヨーロッパ市民の生活になくてはならないマーケットに潜入。実際にどのようなものが売られているのか、どこまでエコ意識は浸透しているのか、見てきました。 訪れたのは、イタリアの首都ミラノで有名な蚤の市「EAST MARKET」。近年オシャレに敏感なミラネーゼたちの間で話題のフリーマーケットです。単なるヴィンテージの売買が目的ではなく、リユース、リサイクル、アップサイクルをもっと根付かせよう、という目的のもとに2014年にスタートしました。 イベントは不定期に開催され、SNSやホームページで開催日が告知されます。 ミラノのEAST MARKETは、19世紀から続くロンドンのリベラルな蚤の市「EAST STREET MARKET」の影響を受けており、21世紀仕様にアップデートされています。会場は広大な飛行機工場の跡地です。 出展者同士の物々交換もOK 約300店が出店する屋内スペースでは、「EVERYTHING OLD IS NEW AGAIN(=すべての古いものに価値を)」をコンセプトに、ヴィンテージ、リサイクル、アップサイクル、アート作品などが展示されています。 得意分野を活かしたアマチュアやプロが、来場客との売り買いを行っているだけでなく、出展者同士の物々交換が自由に繰り広げられています。 センスあふれるヴィンテージ雑貨がずらり 出店していたお店の一部を覗いてみましょう。 リキュールの空き瓶をアップサイクルしたソープボトル。空き缶を容器として再利用したキャンドルもありました。確かに捨てるのにはもったいないデザインの瓶や缶。一工夫でおしゃれなインテリアに変身です。 ヴィンテージのカラフルなスウォッチ。今はもう販売されていないレトロなデザインは、眺めているだけで楽しい! こちらは、ハイブランドのヴィンテージボタンをペンダントや指輪にアップサイクルしています。 他にも、古いおもちゃやポスターにライトニングを施して新たなアート作品を生み出したり、古着に新たなデザインやロゴを加えたり、様々なアイデアとクリエティビティを駆使したショップが軒を連ねます。もちろんどれもハイセンス。さすがイタリアです。 プラスチックフリーを徹底したフードコート 屋外のフードコートでは、多種多様なファストフードを楽しめます。 気心の知れた友達やカップルで来ていて、みんなアルコールを片手にお喋りしたり音楽に身を任せたり。思い思いに週末の夕べを過ごしています。ケバブやブリトー、フリットなど、お酒に合うインターナショナルなジャンクフードのお店が多いですが、プラスチックフリーというルールは徹底されていて、紙や植物性の透明容器を使っています。 スタートから9年目を迎えた現在の賑わいを見ると、EAST MARKETがエコロジカルなライフスタイルを若者に浸透させることに成功したことがわかります。ピースフルでクリエイティブな空間に、また足を運びたくなる、そんな素敵な場所でした。 EAST MARKETVia Mecenate, 88/A, Milan, Italyhttps://www.eastmarketmilano.com
「気になるエシカルなイベントをシェアしたい!」ということでrootusでは今月から、イベント情報をまとめてお届けします。今回は、2023年3月に関東で開催予定のイベントを集めました。「次の週末はどこへ行こうかな?」と考えている方はぜひ参考にしてみてくださいね。 ※事前に必ず各イベントのWEBサイトにて最新の情報をご確認ください。 Lifestance EXPO 品川・THE CAMPUSで出会う、「つくる。買う。選ぶ。の未来」 老舗からスタートアップまで、ものづくりにこだわる15ブランドが東京都港区にあるコクヨ「THE CAMPUS」に集結。「つくる。買う。選ぶ。の未来」をテーマにマーケットやトークセッション、ワークショップが開催されます。店頭に並ぶアイテムをただ買うのではなく、開発背景や想いが語られる座談会などを通して、ゆるやかに学び楽しみながら買い物ができる本イベント。実際にものづくりを体験できるワークショップなども充実しています。ここでしかできない買い物体験をぜひ! Lifestance EXPO開催日時:2023年3月24日(金) 13:00~19:00 / 25日(土) 10:00~18:00 / 26日(日) 10:00~16:30 ※雨天決行場所:コクヨ東京品川オフィス「THE CAMPUS」〒108-0075 東京都港区港南1丁目8番35号入場料:500円 ※イベントで利用可能な「お買い物チケット500円」と交換URL:https://theparade.jp/expo2023/ WEHealth 2023 sponsored by エレビット 「ご自愛」をテーマにしたフェムテックイベントが原宿会場&オンライン配信にて開催決定! 毎年3月8日の「国際女性デー」に合わせて、女性のエンパワーメントを目的として女性のヘルスケア支援を行う株式会社ステルラが2023年3月11日・12日の2日間、LIFORK原宿&オンライン配信にて開催するフェムテック・ヘルスケアイベント。前回の7倍の会場規模となる本イベントは、最新のフェムテックアイテムやご自愛に関連するアイテムが出展の他、豪華ゲストも登壇するトークイベントや各種ワークショップも実施予定。多くの女性に支持されるイベントとなる予感です! WEHealth 2023 sponsored by エレビット開催日:2023年3月11日(土)・12日(日) 11:00〜19:00場所:LIFORK原宿 (WITH HARAJUKU3階)&オンライン配信〒150-0001 東京都渋谷区神宮前 1-14−32入場料:無料(事前のチケット登録必須)URL:https://wehealth.co.jp/ FLOWER GARDEN 2023 横浜赤レンガ倉庫に、春の気分を彩るフラワーガーデンが登場。週末限定マルシェも。 開催17回目となる横浜の春の風物詩「FLOWER GARDEN」。今年のテーマは心身の健康を意味する“WELL-BEING”(ウェルビーイング)です。フラワーセラピーに基づいた柔らかく優しいパステルカラーの約20種類・2万株の花々と樹木や芝生のアースカラーが会場を彩ります。週末には、地産地消をテーマにしたマルシェやヨガなどのアクティビティも登場。他にも健康に配慮し地場野菜を使用したメニューのフードトラックや、音楽の生演奏などでリラックスした空間を楽しめます。最終日にはガーデンの花を来場者に配る予定で、ウェルビーイングとサステナブルを感じられるイベントです! FLOWER GARDEN 2023開催日時:2023年3月31日(金)〜4月23日(日) ※ライトアップ 17:30〜20:00(予定) ※雨天決行。荒天時は一部エリアを休業することがあります。場所:横浜赤レンガ倉庫イベント広場〒231-0001 神奈川県横浜市中区新港 1-1入場料:無料URL:https://www.yokohama-akarenga.jp/brickjournal/detail/77/ 3月5日はサンゴの日!サンゴフェスタ~サンゴ礁の恵みを知ろう~ サンシャイン水族館×沖縄県恩納村 サンゴの生態や環境問題について学べるフェスタ サンシャイン水族館ではサンゴについて知ってもらうことやサンゴの保全を目的に、恩納村漁業協同組合の協力のもと、2006年よりサンゴプロジェクトを実施。サンゴフェスタでは、サンゴの生態や、サンゴに迫る環境問題について学べる展示の他、サンシャイン水族館オリジナルすごろく「サンゴ礁の恵みゲーム」がもらえるサンゴクイズラリー、サンゴの特別ガイドツアーなど、子どもから大人まで楽しめるプログラム満載!ぜひ家族や友人を誘って参加してみては? 3月5日はサンゴの日!サンゴフェスタ~サンゴ礁の恵みを知ろう~開催日:2023年3月3日(金)〜4月2日(日)開催時間:(~3/17まで)10:00~18:00(3/18~)9:30~21:00 ※最終入場は終了1時間前 ※変更の場合あり場所:サンシャイン水族館〒170-8630 東京都豊島区東池袋 3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル屋上入場料:(~3/17まで)大人(高校生以上)2,400円、こども(小・中学生)1,200円、幼児(4才以上)700円 (3/18~改定)大人(高校生以上)2,600~2,800円、こども(小・中学生)1,300~1,400円、幼児(4才以上)800~900円 ※時期によってチケット料金が変動 ※サンゴガイドツアー・サンゴ教室は有料URL:https://sunshinecity.jp/file/aquarium/coral_project/
エシカル・サステナブルな界隈で様々な活動をしている筆者が、「エシカルな買い物」というテーマで2022年のBest Buyをご紹介。1年を通してたくさんの商品に触れた中で、購入して本当に良かったものをセレクトしました。ファッション編とプロダクト編に分け2回にわたりお送りします。今回はプロダクト編です! ファッション編はこちら HIKERの蚊取り線香ホルダー(Mosquito Coil Holder)とお香立て(Incense Holder) 友人の結婚祝の品として送ったアイテム。埼玉県草加市で誕生したLEATHER TOWN SOKA PROJECTという皮革職人集団とクリエイティブチームによるプロジェクトから生まれたブランドがHIKERです。草加の一般的なイメージといえば草加せんべいでしょう。正直、埼玉県民の筆者でも少し前までそれくらいしか知りませんでした。 実は草加市はレザータウンと自称できるほど、皮革製品を生産する環境が揃っています。牛もいれば、皮(革)屋も、タンナーも、メーカーもいて、違う土地に移動せずともものづくりができるのです。目も手も届く範囲で生産しているので、物流による環境負荷が低く、地域で受け継がれてきたクラフツマンシップ、ローカルの魅力を感じる要素がつまっています。長く使えば使うほどに、味が出て使用する人の手に馴染んでいくのも革製品ならではです。 HIKER公式HP https://hiker.jp/ kiji aritaの皿と湯飲み 佐賀県の磁器、有田焼の食器です。あまり見かけない色合いをしていますよね。kiji aritaは、デッドストックとして倉庫に保管されていた色や絵を施す前の素焼きの状態の“生地”に、新たに釉薬で色をつけることで再解釈し、世に出すプロジェクトです。 雑貨と同じく、お店に卸す際にはロット生産される焼き物。機械での生産であれば、決まった納品数を作れば良いかもしれませんが、焼き物はそうはいきません。生地に絵や色をつけ、いざ焼いてみたら失敗してしまうということが起こります。 そのため予備として生地が用意されますが、ミスなく完成したらそれらは余剰となってしまうのです。通常そのような余剰在庫は、溜まりすぎたら産業廃棄物として処分されてしまいます。洋服と同じく時代によってデザインが異なっていることも、それが活用されてこなかった要因のひとつです。 kiji aritaではその時代ごとのデザインも感じやすいようにあえて一色で統一。青のような緑のような色は、佐賀県にある湖畔の色からインスピレーションを受けたと言います。さらに食器の底や個装箱に生地が作られた年が記してあるのもロマンある素敵な演出です。自分の生まれ年や思い入れのある年で選ぶも良し、デザインで選ぶも良し、人それぞれ選び方に個性が出そうです。 kiji arita公式インスタグラム https://www.instagram.com/kijiarita/ FERMENSTATIONの洗顔用固形石鹼「奥州サボンNatural」 昨年初めに「B Corp認証」を取得し、年末には「Japan Beauty and Fashion Tech Awards 2022」で、Beauty Tech 大賞を受賞したファーメンステーション。 ファーメンステーションは、オリジナル酵母や麹で発酵・蒸留させて作る「オーガニックライス・エタノール」や、その後に残る蒸留粕の「米もろみ粕」を使用した化粧品を販売する岩手発のブランドです。 最近筆者は洗顔に固形石鹼を使用しており、ファーメンステーションの洗顔用石鹸を買いたいとずっと思っていて、昨年ついに購入しました。泡立ちや洗い上がりも申し分なく、お米の成分だからなのか肌への刺激も少なかった印象です。昨年は全体的に皮膚が不調だったので、このナチュラルで優しい洗い上がりの固形石鹸に助けられました。洗顔用ですが、身体にも使っています。 このブランドは「循環」というワードがしっくりきます。未利用資源や、規格外食品、残渣なども積極的に有効活用しており、廃棄物が極力出ないような商品開発をしています。また、他企業とコラボして、企業で出る廃棄物や未利用資源を活用。JRとはリンゴの搾りかすをアップサイクルしたウェットテッシュを、ニチレイとはごはんの残渣をアップサイクルしたウェットテッシュを開発しています。 Fermenstation公式HP https://www.fermenstation.jp/ Any O'clock の米糠×おからクッキー 「米ぬか」と「おから」という、「メイン」ではなく捨てられることも多い副産物の2つの食材を活用したクッキー。野菜や果物でもよく言いますが、捨てる部分にはたくさんの栄養素があります。それは米ぬかもおからも同じです。Any O'clock の米糠×おからクッキーは、小麦粉を使用していないのでグルテンアレルギーの人にも安心。クッキーは、基本的に素材の味がそのまま感じられます。一番初めに購入したローズマリー×チーズも風味豊かで、洋酒や紅茶といったドリンクとペアリングしたらより美味しく食べられそうです。 このクッキー、中身もエシカルですが、外身もとてもエシカル。パッケージは、食べ終わった後に再利用できるリサイクルPETを使ったプラコンテナと、おからをアップサイクルした「おからペーパー」。紙パッケージには障がい者アートを使用しています。さらに、売上の一部はNPO団体などに寄付されるようになっています。1つの商品にいくつものエシカル要素が上手にミックスされている本商品。手土産に使うのもおすすめです。 Any O'clock公式HP https://any-oclock.com/ 『NAKED FASHION:サフィア・ミニー』『YUIMA NAKAZATO Behind the Design:中里唯馬』 少しテイストを変えて、書籍をご紹介します。別の出版社/著者ですが、敢えて一緒に紹介させていただきます。 個人的にこの2冊のセットがエシカルファッションの導入として良いのではないかと考えています。『NAKED FASHION』はフェアトレードショップとして有名なピープルツリーの創始者サフィア・ミニーさんが2012年に出版した書籍です。一方、『YUIMA NAKAZATO Behind the Design』はオートクチュールファッションデザイナーとしてパリのオートクチュールファッションウィークでコレクション発表をしている中里唯馬さんが2022年に出版しました。 前者は、有名なドキュメンタリー映画「The True Cost」に比べると精神的なショックは少なく、希望も感じられる内容でありながら、エシカルファッションについて深く考えさせられます。 一方、後者はデザイナーがコレクションを製作する際に考えていることや、インスピレーション源など、美しい衣服が生まれる過程を記しています。面白いのが企画監修に日本教育財団という学校法人が入っているということです。サステナビリティや次世代教育に積極的な取り組みをしている彼らしさを感じます。この二冊は、学生や若い世代にとって、これからどうファッションを楽しんでいくかという道しるべになるのではないでしょうか。 『NAKED FASHION』は、筆者も大学生の時に何度も図書館で読み、エシカルファッションに関わる活動をスタートするきっかけになった本ですが、自宅に持っていなかったので『YUIMA NAKAZATO Behind the Design』と一緒に昨年購入しました。 「衣食住」の「衣」であり、興味のあるなしにかかわらず、誰でも必ず接点がある服。衣服のサステナビリティへの意識が高まることで、未来のファッションを取り巻く社会が健やかに、本当の意味で“楽しい”ものになると信じています。 Amazon商品ページ NAKED FASHION ―ファッションで世界を変える― おしゃれなエコのハローワーク YUIMA NAKAZATO: Behind the Design 木村石鹸のSOMALIバスクリーナー 毎日使用しているSOMALIのお風呂洗い用洗剤。 ここ2~3年ほど愛用しており、昨年も数回詰め替えを取寄せました。これに定着するまでは、一般的なお風呂用洗剤ずっと使用していましたが、ある日お風呂洗いをしていると、突然身体が受け付けなくなってしまいました。なにかとって替わるものはないかと、様々なナチュラル系のお風呂洗剤を試し、最終的に落ち着いたのがこれです。ほんのり香るオレンジに癒されます。 石鹸洗剤ということもあり、本体の使用量や水の使用量は合成洗剤に比べると多くなります。また、すぐに泡立ち擦る必要のない合成洗剤とは異なり、きちんと擦って泡立ててあげる必要はありますが、天然由来の成分なので自然に還りやすいのです。 洗剤としてとても良いのですが、本体ボトルが少々使い勝手が不便という面はあるので、機能性重視の方には向かないかもしれません。しかし、中身の品質はそれを上回る素晴らしさがあり、何度もリピートしています。 SOMALIを手掛ける木村石鹸工業株式会社はもうすぐ創業100年を迎える大阪の会社。商品の良さはもちろん、時代にあった社風とそれを発信するSNSなども魅力的で、お客さんと丁寧に向き合う姿勢が垣間見え、ファンがたくさんいらっしゃいます。 SOMALI公式HP https://www.kimurasoap.co.jp/somali/ Peppersmith のナチュラルミントタブレット ミンティアやフリスクなど、コンビニ等で購入できるミントタブレットをよく買うという方は多いと思います。そんなミントタブレットにもエシカルなものがあります。 プラスチックフリーの紙パッケージで、砂糖不使用で甘味料は100%植物由来のキシリトールのみ。そして動物性の材料を使わない、ヴィーガンフレンドリーなミントタブレットです。しっかりミントの味がしながらも、刺激は少なく優しく爽やかな味がします。 これに出会って以来気に入って、都度なくなったら購入し、昨年は何回も購入しました。 Peppersmith公式HP https://shop.peppersmith.jp/ WWD JAPAN10月発売号(衣料品回収について取り上げた号) 少し前から、様々なお店や商業施設に衣料品回収のBOXが設置され、その数も段々と増えてきたように思います。そんな回収に改めて焦点を当てて「その先(回収された後)」のことについて特集したファッション業界紙WWD JAPANのこの号。 洋服の大量生産や大量廃棄が大きな問題になっていますが、私たち消費者の手に渡ったあとは、服の処分方法を見直すことが一人ひとりにできる問題解決へのアクションです。“捨てる”以外の選択肢もたくさんあります。自分の手元から離れたあとの洋服はどうなっているのだろう?そこにも目を向けるきっかけになるこの特集。オンライン上ではウェブ記事が購入できるので、バックナンバーが手に入らなくても読むことができます。 WWD vol.2256 https://www.wwdjapan.com/articles/1438692 2022年のエシカル雑貨を振り返って 様々なアイテムの新発売や、企業・ブランドの新たな取り組みのローンチで、エシカルなプロダクトに出会う機会が増えた2022年。あくまで筆者の肌感覚ですが、アップサイクル品や未利用資源の活用、ローカルの魅力の再発見のようなものに多く出会った気がします。 2023年に注目したいのは、昨年も多く見受けられた学生の取り組みです。ファッション編でも取り上げたKEEPWEARINGをはじめ、中川政七商店が大学生と運営するアナザー・ジャパンなど、Z世代と企業との協業なども盛り上がりを見せています。 小売業界で目立ったのは、ショールーミング型と呼ばれるお店が増えたこと。オンライン販売をメインにしたブランドの商品を店舗で展示し、購入はオンラインで行ってもらうという新業態です。実物を確認できるので「思っていたのと違った」ということもなくなり、オンライン中心のブランドでも認知度を上げることが出来ます。サステナブル・エシカルブランドもこの販売方法を活用し始めており、これからの動きに期待したいところです。 たくさんのエシカルアイテムに触れる中で本当にいいと思ったものだけをご紹介した今回のBEST BUY。ぜひ2023年のエシカルな買い物の参考にしてみてください。
みなさんは、不要になったコスメはどうしていますか。まだ使うことができるコスメはなかなか捨てることができずに、ずっと取っておいてしまっている方も多いのではないでしょうか。 PLUS COSME PROJECT(プラスコスメプロジェクト)では不要となったコスメを回収し、画材やクレヨンへアップサイクルする活動を行っています。個人からも不要になったコスメを受け付け中で、不要コスメが実際にどのように生まれ変わるのかご自身で見てもらいたいとの思いから、回収対象のコスメを5点以上送るとお礼にミニクレヨンをもらうことができます。 関連記事:行き場のないコスメの救世主。プラスコスメプロジェクトが描く「クリエイティブな循環」 今回は、実際に不要となったコスメをプラスコスメプロジェクトに送ってみました。気を付けることや実際に送られてきたクレヨンについて詳しくレポートします。 今回送るコスメはアイシャドウなど計8点 今回筆者が送付した不要コスメは、パレットアイシャドウ2点、単色アイシャドウ1点、カラーリップ5点の計8点です。プレゼントで頂いてあまり使う機会がなかったり、使いきれずに使用期限が過ぎてしまったりして、コスメポーチの奥に長い間眠っていました。どれももう使うつもりがないのに、捨ててしまうには何だか罪悪感があり行き場を失ってしまったコスメばかりです。 回収の対象商品は? プラスコスメプロジェクトのコスメ回収に協力したい場合、「どんなコスメを受け付けてくれるの?」「気をつけた方が良いことは?」などの疑問をお持ちの方もいらっしゃると思います。ここでは、回収の対象になるコスメや、注意点など詳しく見ていきます。 回収の対象となるコスメ パウダーファンデーション、粉おしろい、パウダータイプアイシャドウ、パウダータイプチーク、パウダータイプフェイスカラー、ノーズシャドウ、アイライナー、リップライナー、アイブロウ、口紅 ※スキンケア商品、リクィッドやクッションファンデ、クリームタイプのファンデーション、リップグロス、ティント系リップ、透明リップ、透明口紅、マスカラは対象外 注意事項など ・不要コスメはそのままの状態または取り出して中身のみを送付してもOK ・配送費用は自己負担 ちなみに現在は回収対象外ですがリクエストの多いリキッドファンデーションについては、アップサイクル開発中とのことでした。どんな商品ができるのか楽しみですね! コスメを梱包して配送 回収に送りたいコスメを選定したら、送付へと進んでいきましょう。 主な流れは、以下になります。 1.公式サイトの申込フォームより必要事項を記入し、送付案内のメールを受け取る 2.コスメは容器に入ったままか中身を出して小分けにするか、いずれかの方法で梱包する 3. 送付方法に指定はないため送るコスメの量などに合わせて発送方法を決定する 筆者はジッパー付きの袋にコスメを入れ、A4サイズの封筒で、郵便局から発送しました。 約1か月後、ミニクレヨンが送られてきました! 不要コスメを送付してから約1か月後、自宅にピンク色のミニクレヨンが送られてきました。一見すると普通のクレヨンのようですが、ほんのり化粧品の香りが漂ってきました。 クレヨンを手に取ってみると、行き場を失っていたコスメがアップサイクルされたんだという実感がわいていきます。また、同時にこのようなプロジェクトに参加でき嬉しくなりました。 試し描きをしてみると、柔らかく、普通のクレヨンと遜色ないような書き心地。 そして写真では中々伝わりづらいのですが、太めの線や塗りつぶした部分にはコスメならではのラメが控えめにきらっと光ります。「本当にコスメメイドなんだ…!」と実際に使ってみたからこそそれを実感できる瞬間でした。 不要コスメのアップサイクルでワクワクする未来へ コスメの廃棄は、メイクをする人であれば誰しもが関係のある問題です。古くなってしまった、使い切ることができなかったという経験がある方がほとんどだと思います。今までは、「廃棄されるのは仕方ない」という風潮だった不要コスメですが、そんなコスメに新しい命を吹き込むプラスコスメプロジェクトは、まだ使えるものを循環させる新しい選択肢です。使わないコスメを見つけたら、ぜひプロジェクトに参加してみてはいかがでしょうか。 PLUS COSME PROJECT(プラスコスメプロジェクト)https://www.pluscosmeproject.com/
私たちの人生の節目や日常を豊かに彩ってくれる花。しかし、花が私たちの手元に届くまでに、実はたくさんの花の廃棄「フラワーロス」が存在しているのをご存じでしょうか。今回は、“Leave no flower behind=一輪の花も取り残さない”というモットーで活動を行うスマイルフラワープロジェクトを取材。フラワーロスの問題や、プロジェクトが目指す花のある豊かな社会について話を伺いました。 コロナで明るみに。花の廃棄「フラワーロス」問題 2020年4月、コロナの急速な感染拡大により、緊急事態宣言が発令された。休業要請や行動制限の他、予定されていたイベントがすべて中止になり、社会では多くの「ロス(廃棄)」が発生。その中で大量の生花も行き場を失い、「フラワーロス」という言葉が世の中に広く知れ渡るようになった。 コロナは大きなきっかけだったが、実はそれ以前から農家や花屋の店頭では、たくさんの花が日の目を見ないまま廃棄される現状があった。野菜と同じで花には規格があり、茎の長さが足りない、傷がある、茎が曲がっている、葉っぱが足りないなど、規格に満たないと市場では買い取ってもらえない。さらに、店頭では品揃えを豊富にするため花を多めに仕入れる傾向にあり、すべて売り切れずに鮮度が落ち、廃棄になるものが多くある。 毎年どのくらいの花が廃棄されているかを示すはっきりとしたデータはないものの、規格外により農家で廃棄されてしまう花が6億本以上と総生産数の2~3割、店頭での廃棄は仕入れの3割にのぼり、少なく見積もっても一年に10億本ものフラワーロスがあるとされている。 長年花に携わってきた企業として花のある文化を未来に残したい スマイルフラワープロジェクトは、コロナをきっかけにフラワーロスを救済する活動を本格化。今まで900万本を超える花を救ってきただけでなく、フラワーロスについて知ってもらう活動を精力的に行っている。 このプロジェクトを先導しているのは、東京や富山、大阪を拠点に花屋を展開する業界有数のグループ会社だ。 「花の命を一本も無駄にしないために、農家とお客さんを繋ぐ花屋としてできることをしていきたいと思っています。」プロジェクトを立ち上げた株式会社ジャパン・フラワー・コーポレーションの大槻さんは言う。「弊社では創業以来、一輪の花も無駄にしないよう、割引などをして売り切り、それでも残ってしまった場合は茎や葉を堆肥にするなどの工夫をしてきましたが、スマイルフラワープロジェクトではさらに踏み込んでフラワーロスの問題にアプローチしています。コロナで行き場を失ってしまった花を救うことを目標にスタートしたプロジェクトですが、今では農家さんの協力をいただきながら、これまで廃棄が当然とされてきた『規格外』の花も価値あるものとして世に送り出しています。」 花農家と一緒にフラワーロスゼロを目指す プロジェクトではロスのない生産流通を確立するために生産者とコミュニケーションを重ね、これまで廃棄されることが業界の通例であった「規格外」の花を買い取ってECサイトで販売をしている。これは業界初の試みだ。 また、花は適正価格で購入することで、農家をサポートできる仕組みになっている。スタート当初、農家では産地のブランドイメージを守るためにロスを公にしたがらないところも多かったが、今は賛同してくれる農家が増えてきているという。 品質、生産量ともに日本一の浜松PCガーベラ。スタート当初からプロジェクトに賛同している 実際にスマイルフラワープロジェクトで販売されている花は、小さな傷がある、少し曲がっている程度で、規格外と言っても自宅で楽しむ分には何の問題もない。購入者からも産地から届く新鮮な花は好評を得ている。 さらに、大槻さんはフラワーロスのアップサイクルを推進するため、花染花馥研究所(はなそめはなふくけんきゅうじょ)を設立。花を使った染色やインクの製造をはじめ、同グループのバラ専門店ROSE GALLERYの香り高いバラからはローズウォーターを抽出。それを配合したルームフレグランス「re:ROSE」を販売するなど、まさに、花一輪、一滴も無駄にしないためにできることを日々研究している。 フラワーロスを知らなかった人に花を届ける スマイルフラワープロジェクトでは、フラワーロスを知ってもらうイベントも積極的に実施している。 上智大学のキャンパスでは、フラワーロスの存在を若い世代に知ってもらいたいと、学生と一緒に規格外の花を配るイベントを開催。当日は用意していた500本の花をあっという間に配り終え、急遽フラワーカーの装飾として使用した500本もブーケとして配り大盛況に終わった。 また、航空会社JALとタッグを組んで、朝採れの「規格外」の花を羽田空港へ空輸し、空港利用者に配布。フラワーロスを知ってもらうのと同時に、日本各地の産地と都会を結び、地方創生につなげたい思いがあった。花を受け取った人からは、「フラワーロスのことを初めて知ったが、とても綺麗で嬉しい」と、多くの喜びの声が聞かれた。 上智大学でのイベントには長蛇の列ができた さらには「フラワーライフ振興協議会」を設立し、世界遺産や国宝を会場にフラワーイベントを実施したり、富山で球根を育てるために切り落とされてしまうチューリップ30万輪を使ってフラワーカーペットを作るなど、全国でフラワーロスや花の魅力を知ってもらう活動を行っている。 “花も人と同じ、一輪も取り残したくない” 「活動を通して、ひとの心に寄り添い笑顔にしてくれるお花の力は思う以上のものがあると何度も勇気づけられてきました。私たちが一人ひとり個性を持っているのと同じように、姿かたちの個性も含めて一輪の花も無駄にすることなく活かしてゆきたいと思っています。」と大槻さんは話す。 花農家は、後継者不足で存続が厳しいところが多く、コロナをはじめ社会の情勢によって花の価格が急落してしまうリスクを常に抱え、課題はフラワーロスの削減だけではない。 もし、世の中から花がなくなってしまったら、私たちの生活から彩りが失われてしまうのではないだろうか。 フラワースマイルプロジェクトはこれからも農家と一緒になって、花のある豊かな文化を未来に残していきたいと考えている。 取材を通して~花の命を無駄にしないために私たちにできること フラワーロスの話を聞いてまず驚いたのが1年に10億本と言われる廃棄される花の数だ。その数から、私たちの手元に届く花は厳しい基準をクリアした完璧な花であることに改めて気が付かされる。私たちにできることはまずフラワーロスという問題を知ること。それだけでも規格外の花をインターネットで探してみたり、数日前に作られ店頭で安くなっているブーケを購入したりするきっかけになるのではないかと思う。 スマイルフラワープロジェクトhttps://jfc.thebase.in/フラワーロスのサブスクリプションhttps://flover-s.jp/
洋服の大量廃棄問題は耳にすることも多くなりましたが、実は同じく深刻なのがコスメの廃棄です。洋服と同じく、流行などに左右されやすいコスメは、使いきれずに捨てられてしまうケースも珍しくありません。 今回は、“コスメを通じてクリエイティブな循環を実現させたい”そんな想いのもと、不要になった化粧品を回収し画材として新たに生まれ変わらせる取り組みを行う、PLUS COSME PROJECT(プラスコスメプロジェクト)を取材しました。 コスメのアップサイクルとは? 子どもたちによる自由で想像力豊かなアート。これは、コスメから作られた画材を使って描かれた作品です。コスメが元から持っている色味や質感を生かすことで、画材として魅力あるものに生まれ変わります。捨てられるはずだったものが新たな価値を持ち、生まれ変わるというコスメのアップサイクルは、まだ使えるものを再利用することで廃棄を減らすことはもちろん、コスメの廃棄問題を広く知ってもらうという大きな役割を担っています。 プラスコスメプロジェクトのアンケート調査によると、女性80名のうち6割が化粧品を使いきれずに捨てた経験があると回答。コスメの廃棄問題は、私たちにとって身近な問題なのです。 始まりは化粧品の大量廃棄に疑問を持ったこと 「化粧品の廃棄問題を知ったのは、以前化粧品会社に勤務していた時でした。中身が残ったままの化粧品が大量に廃棄されていくのを見て、化粧品業界のサステナビリティを考えるようになりました。自分自身もコスメのテスターやサンプルをどのように処分したらよいか困っていたんです。」そう話すのは、プラスコスメプロジェクト代表の坂口翠さん。当時、スキンケア化粧品のボトルをリサイクルする動きはあったものの、コスメそのものをリサイクルするという選択肢はなく、不要になったたくさんのコスメが行き場を失い、廃棄になっていたのです。 坂口さんは、化粧品業界の環境問題やサステナビリティを学ぶために、大学院へ入学。化粧品リサイクルなどの研究をスタート。2012年には、メイクアップコスメを画材へアップサイクルするプラスコスメプロジェクトの活動を開始しました。 プラスコスメプロジェクト代表の坂口翠さん 活動を行っていてよく聞くようになったのが「余ったコスメを廃棄することができず、とても困っていた。このように再活用してもらえると嬉しい」という人々の声です。協力企業からも「廃棄するものなので是非とも活用してもらいたい」と賛同の声が上がっています。 コスメならではのカラー。アップサイクルクレヨンができるまで プラスコスメプロジェクトのアップサイクルはメイクアップコスメを集めることから始まります。個人で不要になったコスメの他に、化粧品メーカーや商業施設、団体からも不要コスメを回収。回収したコスメはまず、容器から残っている化粧品を取り出します。それを色ごとに分別し、蜜蝋などの材料と混ぜ合わせ、クレヨンが出来上がります。メイクアップコスメが持っているラメなどの質感もそのままクレヨンに引き継がれるので、これまでのクレヨンとは違った色味を楽しむことができるのが特徴です。また、アップサイクルクレヨンは安全認証機関でも安全テストを受けているので、安心して使用することができます。 アートを楽しむことがコスメの廃棄問題を知ることに繋がる プロジェクトでは、アートイベントやアーティストへの画材提供を行い、アート活動をサポートする取り組みも行っています。他にも地域密着型の化粧品店で、不要コスメから絵具を作るワークショップなども開催。クリエイティブな時間を楽しんでもらいながら、コスメの廃棄問題についても知ってもらいたいという思いがあります。プラスコスメプロジェクトは、不要になってしまったコスメとアートを楽しむ人々をつなぎ、コスメのサステナビリティ意識を広める役割も果たしているのです。 プラスコスメプロジェクトの見つめる未来 これまで受注制作がメインでしたが、今プラスコスメプロジェクトでは、クレヨンを販売する計画が進んでいます。坂口さんが2012年にプロジェクトを開始したときに思い描いていたものが現実のものになっているそうです。コスメを回収してからクレヨンが完成するまで全てを手作業で行っているため、回収量が多いときは製作が追い付かないという苦労もありながら、坂口さんは活動に確かな手ごたえを感じています。「コスメを廃棄することに悩んだり、罪悪感を抱く人も少なくありません。そんな中でプロジェクトに取り組んでいると、行き場のないコスメを再活用してもらえることに感謝され、想いに賛同してくれる方も多くいらっしゃいます。国内外のアートイベントで活用されている報告や、応援の声が大きな原動力となっています。」また、コスメを捨てるのに罪悪感を持っている人のためにもなりたいと話します。 「ご縁があって手元にはやってきたものの、どうしても使うことができず、不要になってしまった残ったままの化粧品。その化粧品が新たな形で再利用されれば、手放す際の“小さなわだかまり(ストレス)”も少し軽くなるのではないでしょうか。それは心の中の健やかさや美しさにもつながっていくのではないかと思っています。」 プラスコスメプロジェクトは、誰でも簡単に参加することができます。「現在は郵送でも不要コスメ回収を受け付けておりますので、是非ともご一報ください! 皆様の代わりにアップサイクルさせて頂きます。また画材提供先として不要コスメで作品を描いてくださるアーティストさんも随時募集しております。今後この活動が必要なくなった時は、本当の意味で化粧品のサステナブルな仕組みが実現したときだと思っております。」 ポップアートアーティストへ画材を提供した際、廃棄されるはずだったコスメが画材として絵画に変化していく様子を見て、感動を覚えたという坂口さん。アーティストへの提供を通じて日本のサスティナブルアート文化を盛り上げていきたいこと、絵本作家と協力し子どもたちと一緒に地球環境を考える絵本を製作したいことなど、坂口さんは色彩豊かな未来を描いています。 <編集後記> コスメを使いきることができず廃棄した経験や、ポーチで眠ったままにしている方は多いのではないでしょうか。筆者にもそんな経験があり、不要になったコスメの活用方法があることを多くの方に知ってもらいたいという思いから今回プラスコスメプロジェクトさんを取材させて頂きました。コスメを使う人々や企業、アーティスト、子どもたちを巻き込みながら、不要コスメから始まる循環の輪はますます広がりを見せてゆくでしょう。10年目を迎えたプラスコスメプロジェクト。今後の活動にも期待したいと思います! PLUS COSME PROJECT公式サイト https://www.pluscosmeproject.com/Instagram公式アカウント https://www.instagram.com/pluscosmeproject/
限りある資源を無駄なく使用するにはどうしたらよいでしょうか。リサイクルやリユースなどこれまでも資源を再利用する動きはありましたが、近年、廃棄されるはずだったものにデザインを加え、新たに生まれ変わらせるアップサイクルが進歩しています。この記事ではアップサイクルとは何かご説明します。 アップサイクルとは アップサイクルとは、廃棄されるはずだったものや生産段階で出た副産物に、アイデアをプラスして価値をつけ、新たな製品として生まれ変わらせることを言います。 一般的にアップサイクルはリサイクルより使用するエネルギーが少なくて済み、コスト削減に繋がることもあります。また、資源を最大限に有効利用できることから、取り組む企業が増えてきています。 関連記事:サステナブルにファッションを楽しめるアップサイクルブランド5選 リサイクルとの違い 出典:unsplash.com リサイクルとアップサイクルは、廃棄物を再生させるという点で共通していますが、廃棄物を原料の状態に戻すかどうかという点が大きく異なります。 リサイクルは、役目を終えた物を原料に戻して、再度資源として利用するのに対し、アップサイクルは基本的に原料に戻すことをせず、元の製品の素材をそのまま使用します。 リサイクルは、原料に戻す際のコストや環境負荷がかかることも多いため、その負担が少ないアップサイクルの方がよりサステナブルな資源活用法として脚光を浴びています。 アップサイクルされている素材の例 出典:pixabay.com 今様々な業界で、廃棄物や生産によって生まれた余剰な物をアップサイクルする取り組みが始まっています。 ここからは、どのような素材がアップサイクルされるのか事例を紹介していきます。 生地・糸 アパレルの生産現場では、生地を裁断する時に出る切れ端「裁断くず」が生まれ、他にも余剰な糸が捨てられています。廃棄される裁断くずを使用し、再び糸として使えるようにしたものや、洋服、ハンガーにアップサイクルした製品が登場しています。 家具 買い替えサイクルは10年と言われる家具。不要になり回収をされた家具はまだ使えるのにも関わらず、そのまま廃棄処分ということも少なくありません。家具のアップサイクルでは、ペイントで色を塗り替える、木枠を付け足すなど、デザインを一新して、再び家具として生まれ変わらせる取り組みが行われています。 海洋プラスチック 分解されるまで数百年から数千年かかると言われている、海洋プラスチック。一見使い道のないように思われる海洋プラスチックも、きらきら輝くアクセサリーや、アパレル製品としてアップサイクルする活動が広がりを見せています。 漁網 不要になった漁網は、廃棄コストが高いなどの原因で海に不法投棄されていることが社会問題となっています。漁網の多くはプラスチックやナイロンからできており、放置すると海の生態系に悪影響を与えかねません。漁網のアップサイクルでは、その素材の強さを生かし、レインジャケットなどのアパレル製品や鞄、エコたわしとしてアップサイクルされ販売されています。 コーヒーかす コーヒーを抽出したあとに当たり前にように廃棄されていたコーヒーかす。特にカフェなどの店舗では毎日大量に廃棄されていたコーヒーかすですが、ボディスクラブやスイーツの原料などへアップサイクルするアイデアが生まれています。 タイヤ 自動車や自転車の廃タイヤは、土に還るのに膨大な時間がかかってしまう点や焼却時に有害物質が出ることなどが問題とされています。廃タイヤは耐久性や撥水性といった特徴を生かし、フットウェアのソールや、鞄、キャンプ用の小物などとしてアップサイクルされています。 ビニール傘 リサイクルをすることが難しいため、壊れてしまったら廃棄するしかなかったビニール傘。アップサイクルでは、ビニール部分を生地として利用したバックや小物があります。元々ビニール傘なので、撥水機能もしっかりしています。 野菜・果物 規格外などで捨てられていた野菜や果物を皮や茎をスナックとして加工したものが登場しています。また、アパレル製品の染色原料として活用する取り組みもあります。 アップサイクルによって生まれた製品 次にアップサイクルによって生まれた実際の商品をご紹介しましょう。 iTTo この投稿をInstagramで見る アップサイクルヤーンiTTo®︎ 世界で唯一のリアルTシャツヤーン(@itto0113)がシェアした投稿 iTToは、廃棄予定だった国内の新中古Tシャツから生まれた糸の「Tシャツヤーン」です。Tシャツヤーンの販売だけではなく、「作る体験を楽しんで、アップサイクルに興味を持って欲しい」という想いからワークショップも開催しています。カラフルな商品のラインナップを見ているだけで、ハンドメイド欲が高まってくるかも⁉ 公式サイト:iTTo ethical market HUG BROWNE(ハグ・ブラウン) この投稿をInstagramで見る HUG BROWNE®︎(ハグ・ブラウン)(@hug_browne)がシェアした投稿 HUG BROWNEでは、コーヒーが抽出された後に出るかすをその日のうちにカフェから回収し、新鮮な状態で原料化。それをボディスクラブの原料として使用しています。単なるアップサイクルアイテムでなく、動物性原料を使用していないヴィーガン処方。プラスチックスクラブ、シリコン、パラベン、動物性原料、合成着色料、合成香料なども使用していません。 公式サイト:HUG BROWNE Coffee Sugar Scrub どんどん身近になるアップサイクル! 2030年までに目標達成を目指すSDGsや、世界的な循環型社会への移行により、アップサイクルは今後より多くの企業が参入してくることが予想されます。 近年どんどん身近になってきているアップサイクル。みなさんの周りでもぜひ探してみてくださいね。
今世界が注目するミラノ発のファッションブランド、SETCHU。最近日本での販売も開始され、その勢いは加速する一方です。生地やデザインへのこだわりだけでなく、ファッションが環境に与える多大な負荷を解決するため、サステナビリティを実現するSETCHUの魅力をイタリアからレポートします。 日本人デザイナーが手掛ける和洋折衷ブランド 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ。桑田悟史さんは、世界各地のモード発信地で経験を積んだファッションデザイナーだ。ロンドンの歴史ある高級テーラー街サヴィル・ロウで働き、ジバンシィのシニアデザイナーとしてオートクチュールを手がけるなど、ファッションの真髄に携わってきた。 上質と洗練、ファッションを知り尽くした桑田さんが、ミラノで自らのブランド「SETCHU」を立ち上げた。日本文化の面白さを世界に発信したいという思いから、ブランド名は「和洋折衷」に由来する。 ブランドのテーマは「アーティザン(クラフトマンシップ)」「タイムレス」そして「旅行」。洋と和、性別、時代、伝統と斬新など、全てのボーダーを取り払ったデザインは、服だけでなく靴、鞄、傘、器などライフスタイル全般に及ぶ。 近年、ファッション業界が環境に与える負荷の大きさが取り沙汰されている。中でも服や生地の廃棄量は凄まじく、増加の一途を辿る。その現実を目の当たりにしてきた桑田さんが、SETCHUで実現しているサステナビリティとは。 ①ブランドから出る上質な余剰在庫生地の利用 まず桑田さんが着目したのは、余剰在庫生地。ブランドに購入されなかった、または返品された大量の生地が、生地工場の倉庫に廃棄待ち状態で眠っている。 一流ブランドの生地を手がける、北イタリアにあるコモのシルク工場。そこで廃棄の運命にあった、希少で美しい織りの生地を見つけた。それに最終加工を施し、ハンカチーフとクッションを作って製品にした。 最終加工前の生地を見定めて、工場と密にやりとりしながら理想の生地に仕上げて、製品にしていく。大手メゾンに比べ格段に小規模なオーダーを依頼しても、相手にされないことが多い世界。しかし、多くの一流の工場や職人がSETCHU のブランドコンセプトに共感し、桑田さんの熱意に応える形で協力してくれる結果となった。 ②長く着られるディテールとデザイン 年齢と時代を問わずずっと着られる、上質な服。英国王室ご用達でもあるサヴィル・ロウで、100年以上前のスーツのお直しなどにも携わりながら、桑田さんが行き着いたコンセプトだ。 シーズン毎に発表するコレクションは、流行によって「流す」のではなく「重ねて」いくことで、ブランドという木を育てていくビジョンを持つ。エルメスやクリスチャン・ディオールなど、一握りの高級ブランドに見られる価値観だ。 例えば、ファッション関係者たちが一目惚れし、自身用に購入する人が続出したジャケット「ENRICO」。旅と釣りを愛する桑田さんにとって、折り紙のようにスーツケースに折り畳める軽量のジャケット作りは必然だった。 服は縫い目が少ないほど長持ちするため、ノーダーツなどの工夫を細部にこらしながら、縫い目を最小限に抑えている。ウールヴィスコースの生地に刻まれた、ユニークな折り目とゆったりしたダブルボタンの美しいデザインは、私たち日本人には羽織を連想させる。帯のようなベルトを縛ると、女性らしいシルエットが生まれるなど、様々な表情が楽しめる。性別や年齢を選ばないENRICOジャケットは、シーズンごとに異なる生地で展開されていく。 ③環境への負荷を抑えた配送方法 SETCHUの配送におけるサステナビリティのポイントは、2点ある。 一つ目は、コンパクトなパッキング。薄く軽量な生地で作られ、折りたためるデザインの服が多いため、一箱に何着も入れて輸送できる。 もう一つは、商品の梱包袋が「リサイクル素材を使ったリサイクル可能なもの」であること。「RECYCLED & RECYCABLE」であることが、サステナビリティのあるべき姿の一つだと桑田さんは考える。 その他、100%リサイクルペットボトル製の生地を採用したり、長持ちしにくいニット素材には強度の高いウールを混ぜるなど、一つ一つの素材にこだわり抜く。 持続可能なファッションを、実現可能へ 将来は、SETCHUの自社牧場を持ち、コットンから栽培したいと語る。目から鱗の発想だが、気がつけばウール用の羊に囲まれた桑田さんの姿まで想像できてしまうほど、有言実行の人だ。その世界では、更なるサステナビリティが実現しているに違いない。 SETCHUhttps://www.laesetchu.com
持続可能な社会の実現が世界各国において求められています。誰も取り残すことなく、人々が幸せに、生きやすい社会にしていくために、サステナビリティを重要視した街づくり、社会づくりが注目されるようになってきています。そこで近年増えるソーシャルデザインとはなにか、事例を交えてご紹介します。 ソーシャルデザインとは 出典:unsplash.com ソーシャルデザインとは、社会の課題をアイデアによって解決し、人々が住みやすい社会を作っていくための構想です。ソーシャルデザインとひとことに言っても、定義が明確に定められているわけではなく、種類も広範囲に及びます。 ソーシャルデザインは、社会で暮らす一人ひとりの人に焦点がおかれているため、モノの見かけをデザインするという意味合いだけではなく、育児、教育、福祉、災害、産業における社会的な課題を解決するための行動やシステム、取り組み、製品やサービスなども含まれます。 最近ではSDGsが広く知れ渡るようになり、社会的意義を持ったソーシャルデザインの裾野が広がりを見せています。 ソーシャルデザインが取り入れられている場所 出典:unsplash.com 私たちの身近な日常生活の中にもたくさん取り入れられているソーシャルデザインは具体的にどのようなものか見ていきましょう。 例えば、美術館や劇場などの施設や、廃校になった校舎などをリノベーションして地域の交流拠点とすることなどが挙げられます。このような取り組みは、使われない場所や資源の再利用が進み、地域の活性化にも繋がります。また、人々が関わり合い、助け合う社会のための一翼を担います。 他にも、育児や家庭の悩みを聞くサービス、障がい者やハンディキャップを持つ人の就労支援などもソーシャルデザインと言えます。また本来は捨てられるはずのものや、海洋ゴミなどをアップサイクルする取り組みなども挙げられます。 身の回りでは、思っているよりもたくさんのソーシャルデザインが取り入れられているのです。 ソーシャルデザインの事例 社会の課題を解決するデザインであればソーシャルデザインと言えるため、対象の範囲かなり広いことは先に述べた通りですが、ここでは、地域社会にインパクトを残し、人と人との繋がりを実現したソーシャルデザインの事例をご紹介します。 関連記事:人のための社会づくり。日本と世界の都市のソーシャルデザイン事例 ソーシャルデザインの事例① 祈りのツリー Project 日本ユニセフ協会が2011年から2015年まで毎年行った「祈りのツリーProject」。 東日本大震災に見舞われた子どもたちの幸せを願い、飾るオーナメントを届けるプロジェクトです。 28人のクリエーターから始まったこのプロジェクト。2014年までにオーナメント制作に携わったデザイナーは3300人を超え、東北で行われた子どもたちによるオーナメント作りにはのべ200人以上のデザイナーや美大生がボランティアとして参加する大きな取り組みとなりました。 作られたオーナメントは、東京や東北の各所に置かれた「祈りのビッグツリー」に飾られ、被災地の幼稚園や保育園にもおくられました。 中でも、震災により被害を受けた飲食店が集まる気仙沼横丁(2017年閉鎖)に作られた津波の高さと同じ8mの"きずなの塔"は「祈りのビッグツリー」として装飾が施され、プロジェクトを象徴するものとなりました。 全ての人々の復興への想いがツリーという形になってあらわれ、希望の光として人々の心を照らす存在となったのです。一方的な被災地支援ではなく、気仙沼の子どもや住民が携わったことも、このプロジェクトの大きなポイントだったと言えるでしょう。 参考:https://www.unicef.or.jp/kinkyu/japan/2011_1219.htm ソーシャルデザインの事例② HAGISO この投稿をInstagramで見る HAGISO(@hagiso_yanaka)がシェアした投稿 HAGISOは東京都台東区にある「最小文化複合施設」です。 1955年に木造アパートとして建てられ、2004年から東京藝術大学の学生たちのアトリエ兼シェアハウスとして使用されていた萩荘。 解体の話が出ている中、入居者より大家さんへの最後のお願いとして、萩荘に集っていた学生やアーティストたち約20名によるグループ展「ハギエンナーレ2012」を開催。建物を人々の記憶に残すことが目的でしたが、予想外の盛況を受け、計画は一転、改修され2013年3月「最小文化複合施設」としてオープンしました。 1階がカフェになっており、アートギャラリーやホテルのレセプションなどが建物の中に入っています。 カフェではハンドドリップコーヒーや、日本各地の食材を取り入れた「旅する朝食」を味わうことができ、ギャラリーやレンタルスペースではアーティストの展示やワークショップなどを開催。 2階のホテルのレセプションから案内される宿泊棟hanareは、まち全体をひとつのホテルと見立てることをコンセプトに、周辺の銭湯から好きなところ選べるチケットが宿泊料に含まれ、おすすめのレストランや個性的なバーを紹介してくれるなど、単なる宿泊体験ではなく、町をまるごと楽しめるアイデアが満載です。 昭和の良き風景を残しながら、現代的なカフェや宿泊施設として新たな人々の集いの場を提供しているこちらの施設。歴史を受け継ぎながら、都会で失われつつある人と人とのつながりを生み出す拠点となっているのです。 参考:https://hagiso.jp/ デザインの力が、社会と人々を豊かにする 出典:unsplash.com 今回は、私たちの社会の課題を解決に導くソーシャルデザインについてご紹介してきました。アイデアひとつと社会にいる私たちの行動で、社会はより良いものへと変えていくことができます。これからますます増えていくことが予想されるソーシャルデザインにこれからも注目です!ぜひみなさんの身近なソーシャルデザインを探してみてくださいね。