着物は究極のサステナブルファッション。その理由とは?

着物は日本の日常的な衣服として着られていましたが、生活スタイルの西洋化に伴い、自分で着付けできる人が少なくなっています。
着物を着る機会が減っている今日ですが、裁ち方や構造の観点などから洋服よりもリメイクがしやすく、サステナブルな衣服ともいわれています。本記事では着物がサステナブルである理由と概要を中心に、着物に関するお役立ちの情報を紹介します。

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日本の伝統衣装、着物をおさらい

出典:unsplash.com

着物の原型が誕生したのは奈良時代といわれています。平安時代の上流階級にあたる貴族文化において、十二単など多様な装飾とスタイルがつくり出され、武家社会の鎌倉時代以降には、実用性を兼ねた簡略化されたスタイルが誕生、着物が日常的な衣服として定着していきます。江戸時代には、江戸や上方(今の大阪)を中心とした商人文化の発展によって、着物を作る技術がさら発展し、多様な柄や色も生み出されました。

明治維新後の文明開化によって、着物を着る機会自体は減っていますが、着物が日本の文化的および芸術的なシンボルであることは今も昔も変わりありません。特に海外では、「kimono」という名称で日本文化の代表として扱われることが多く、来日した外国人が浅草や京都などで着物を親しむシーンも見られます。

参考:https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/cmsfiles/contents/0000194/194781/kimonosenntei2.pdf

着物がサステナブルな理由

近年、着物の良さが見直されている理由の一つとして「サステナブル」であることが挙げられます。その主な理由を解説していきましょう。

作る工程で処分するゴミの量が少ない

着物は、一枚の布(反物)を直線裁ちすることによって、前身ごろや袖など8枚のパーツに切り分けられます。洋服のように型紙も使わないため、布の端部分が中途半端に余るということはほとんどなく、処分するゴミの量が少なく済むのです。

リメイクしやすい

1着の着物は縫製した部分をほどいて、8枚の布をつなぎ合わせることで反物の状態に戻すことができます。再度、体型に合った採寸を行えば、着物を仕立て直すことも可能です。もし、生地に取れないシミや汚れがあったとしてもその部分を避けた形で衣服やバッグなどにリメイクできます。

長い間、着られる構造になっている

女性の着物は身丈よりも、少し長めなっているものを選ぶのが基本です。腰の部分にベルトを入れるイメージで腰ひもを通し、裾が足首くらいの長さになるようたくし上げ、「おはしょり」というものを作ります。このおはしょりがあると、妊娠時などに体型が変化したり、身長が伸びたりしても調整をするだけなので、長い間、同じ着物を着られるのです。

お手入れ次第で子や孫に受け継がれる

着物は丁寧に保管を行っていれば、着物を所持している年数に関係なく、子や孫へ受け継ぐことが可能です。その一例が、母親の振袖を娘が成人式に着るといった、いわゆる「ママ振(ママ振袖)」であり、小物やヘアスタイルをアレンジしながら、今の時代に合わせたコーディネイトをします。

サステナブル×着物を知れる、おすすめのスポット

今日、サステナブルな観点から衣服のリサイクル活動が盛んです。ここでは、着物にまつわるおすすめのスポットを紹介します。

dual-mode

dual-modeは愛媛県松山市に拠点を置く、着物アップサイクルを軸としたショップです。着物ドレスや、着物サルエルパンツ、リバーシブル仕様の帯バッグなど、職人が手作りしています。オンラインだけでなく、時期によって全国各地でPOPUPストアも展開しています。

Kimono そのまんまセンター

Kimono そのまんまセンターは、日本リサイクルセンター株式会社が運営しており、家庭で使わなくなった着物や帯を再び活かす専門店。千葉県木更津市に拠点を構えています。
着物や帯の回収は、廃棄物や処分する際の温室効果ガスを減らすだけでなく、障がいがある方や貧困層の方の仕事を生み出すことにも一役買っています。

サステナブルな着物を見直そう

出典:unsplash.com

本記事では裁断やサイズの調整のしやすさなど、着物がサステナブルであるという理由に触れました。着物は帯や帯揚げ、下駄、小物などのカラーや素材を活かした多様なアレンジができる衣服です。着物の知識を深め、着付けやリサイクル活用を知ってみたいみたい方、これから着物を着てみたいという方は、こちらの記事を参考にサステナブルの要素を盛り込んだ着物ライフを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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