リサイクル

  • ファッションに改革を。SETCHUが実現するサステナブルな未来【現地取材】

    今世界が注目するミラノ発のファッションブランド、SETCHU。最近日本での販売も開始され、その勢いは加速する一方です。生地やデザインへのこだわりだけでなく、ファッションが環境に与える多大な負荷を解決するため、サステナビリティを実現するSETCHUの魅力をイタリアからレポートします。 日本人デザイナーが手掛ける和洋折衷ブランド 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ。桑田悟史さんは、世界各地のモード発信地で経験を積んだファッションデザイナーだ。ロンドンの歴史ある高級テーラー街サヴィル・ロウで働き、ジバンシィのシニアデザイナーとしてオートクチュールを手がけるなど、ファッションの真髄に携わってきた。 上質と洗練、ファッションを知り尽くした桑田さんが、ミラノで自らのブランド「SETCHU」を立ち上げた。日本文化の面白さを世界に発信したいという思いから、ブランド名は「和洋折衷」に由来する。 ブランドのテーマは「アーティザン(クラフトマンシップ)」「タイムレス」そして「旅行」。洋と和、性別、時代、伝統と斬新など、全てのボーダーを取り払ったデザインは、服だけでなく靴、鞄、傘、器などライフスタイル全般に及ぶ。 近年、ファッション業界が環境に与える負荷の大きさが取り沙汰されている。中でも服や生地の廃棄量は凄まじく、増加の一途を辿る。その現実を目の当たりにしてきた桑田さんが、SETCHUで実現しているサステナビリティとは。 ①ブランドから出る上質な余剰在庫生地の利用 まず桑田さんが着目したのは、余剰在庫生地。ブランドに購入されなかった、または返品された大量の生地が、生地工場の倉庫に廃棄待ち状態で眠っている。 一流ブランドの生地を手がける、北イタリアにあるコモのシルク工場。そこで廃棄の運命にあった、希少で美しい織りの生地を見つけた。それに最終加工を施し、ハンカチーフとクッションを作って製品にした。 最終加工前の生地を見定めて、工場と密にやりとりしながら理想の生地に仕上げて、製品にしていく。大手メゾンに比べ格段に小規模なオーダーを依頼しても、相手にされないことが多い世界。しかし、多くの一流の工場や職人がSETCHU のブランドコンセプトに共感し、桑田さんの熱意に応える形で協力してくれる結果となった。 ②長く着られるディテールとデザイン 年齢と時代を問わずずっと着られる、上質な服。英国王室ご用達でもあるサヴィル・ロウで、100年以上前のスーツのお直しなどにも携わりながら、桑田さんが行き着いたコンセプトだ。 シーズン毎に発表するコレクションは、流行によって「流す」のではなく「重ねて」いくことで、ブランドという木を育てていくビジョンを持つ。エルメスやクリスチャン・ディオールなど、一握りの高級ブランドに見られる価値観だ。 例えば、ファッション関係者たちが一目惚れし、自身用に購入する人が続出したジャケット「ENRICO」。旅と釣りを愛する桑田さんにとって、折り紙のようにスーツケースに折り畳める軽量のジャケット作りは必然だった。 服は縫い目が少ないほど長持ちするため、ノーダーツなどの工夫を細部にこらしながら、縫い目を最小限に抑えている。ウールヴィスコースの生地に刻まれた、ユニークな折り目とゆったりしたダブルボタンの美しいデザインは、私たち日本人には羽織を連想させる。帯のようなベルトを縛ると、女性らしいシルエットが生まれるなど、様々な表情が楽しめる。性別や年齢を選ばないENRICOジャケットは、シーズンごとに異なる生地で展開されていく。 ③環境への負荷を抑えた配送方法 SETCHUの配送におけるサステナビリティのポイントは、2点ある。 一つ目は、コンパクトなパッキング。薄く軽量な生地で作られ、折りたためるデザインの服が多いため、一箱に何着も入れて輸送できる。 もう一つは、商品の梱包袋が「リサイクル素材を使ったリサイクル可能なもの」であること。「RECYCLED & RECYCABLE」であることが、サステナビリティのあるべき姿の一つだと桑田さんは考える。 その他、100%リサイクルペットボトル製の生地を採用したり、長持ちしにくいニット素材には強度の高いウールを混ぜるなど、一つ一つの素材にこだわり抜く。 持続可能なファッションを、実現可能へ 将来は、SETCHUの自社牧場を持ち、コットンから栽培したいと語る。目から鱗の発想だが、気がつけばウール用の羊に囲まれた桑田さんの姿まで想像できてしまうほど、有言実行の人だ。その世界では、更なるサステナビリティが実現しているに違いない。 SETCHUhttps://www.laesetchu.com

  • サステナブルにファッションを楽しめるアップサイクルブランド5選

    この数年でファッション業界でもSDGsやリサイクルにフォーカスした取り組みが進んでおり、SNSを中心にさまざまな情報が発信されています。その取り組みのなかでも捨てられるはずだったものや材料を価値のあるものに作り直し、新しいプロダクトとして蘇らせる「アップサイクル」が注目されています。 本記事は、アップサイクルの概要と、日本各地で展開するアップサイクルのブランドについて紹介していきましょう。 アップサイクルとは? 出典:pexels.com アップサイクルとは、商品の製造行程によって出された廃棄物や副産物、素材の損傷・劣化などで使えなくなったものを、デザインし直し、全く別の新しいプロダクトとして創り出すことを指します。 廃棄物を活用することでゴミの削減になるため、CO2の削減など環境問題解決のためのアクションとして、今、注目されているリサイクル手法の一つです。 例えば耐用年数を越えたソーラーパネルをテーブルとして利用したり、擦り切れたタイヤをカバンに作り変えたりと、アップサイクルは家具業界からファッション業界まで、さまざまな業界で注目されています。 アップサイクルの例 出典:pexels.com 実は私たちの身の回りにもアップサイクルの例があります。一例を紹介していきましょう。 ・規格外野菜:スイーツやお菓子の素材として活用 ・海洋プラスチックごみ:プレートやランプシェードのかさとして活用 ・不要なパウダー系コスメアイテム:特殊処理してアート(絵)の素材として活用 ・オフィスや学校の廃棄物:キャビネットや跳び箱を家具としてリメイク ・自転車チューブ:ベルトの素材としてリメイク ・破棄される生花:ドライフラワーとして活用 このように実にさまざまなアップサイクルのプロダクトがあります。視点を変えるだけで、新たな付加価値が生まれるということがわかりますね。 おすすめアップサイクルのファッションブランド ユニクロやH&Mでは、不要になった衣料を回収し、それらを加工し、新しい衣服として生み出す取り組みが進んでいます。こちらの2つ以外にも、独自のアイデアで、アップサイクルに取り組んでいるファッションブランドがありますので、おすすめを紹介していきましょう。 Öffen(オッフェン) この投稿をInstagramで見る Öffen / オッフェン(@offen_gallery)がシェアした投稿 Öffen(オッフェン)は、今、深刻な社会問題になっているプラスチックゴミに着目。シューズの素材にペットボトルをリサイクルした糸を活用しています。製造工程を極力少なくすることで、工場のCO2削減にも尽力。シンプル、かつ上品な雰囲気が漂うデザインは、ファンやフォロワーの心を惹きつけています。 Öffen(オッフェン)公式ホームページ LOVST TOKYO この投稿をInstagramで見る LOVST TOKYO(@lovst_tokyo)がシェアした投稿 LOVST TOKYOは、廃棄リンゴから生まれた「アップルレザー」を中心に野菜やフルーツなどをアップサイクルしたリュックやハンドバッグなどを販売。リンゴを加工する際に出る大量のリンゴの絞りかす(皮や芯)をどうにかしたいと開発されたアップルレザー。レザーの風合いを維持できるよう、適切な分量で樹脂と配合し、撥水性にも優れています。 LoVst-Tokyo 公式ホームページ nest Robe この投稿をInstagramで見る nest Robe(@nest_robe)がシェアした投稿 nest RobeのUpcycleLino(アップサイクルリノ)シリーズは、深刻な問題の一つである衣料ロスに着目。裁断くずができるだけでないように自社工場で工夫を重ねたうえで、製作のプロセスでどうしても発生する裁断くずを再び糸にする方法を考案。裁断くずは細かく粉砕、原綿の状態にし、オーガニックのバージン綿と一緒に紡いで糸を作り上げています。自社の商品の裁断くずを原料とし、商品を作り、自社で売るという完全循環型の仕組みとなっています。もともと糸からこだわって選定しているので、上質な生地の衣服が出来上がります。 nest Robe 公式ホームページ SPINGLE MOVE(スピングルムーヴ) この投稿をInstagramで見る スピングルムーヴ公式アカウント(@spingle_move)がシェアした投稿 シューズブランド「SPINGLE MOVE」は、広島県府中市に本社を構える株式会社スピングルカンパニーによる日本製ハンドメイドスニーカーブランド。こちらのブランドでは、「ONGAESHIプロジェクト」として、国内外から広島や長崎に送られる千羽鶴を、再生糸として加工し、シューズの生地としてアップサイクルをしています。このプロジェクトには、千羽鶴が新しい製品に生まれ変わり、平和を願う人々の元に届いてほしいという願いが込められています。 スピングルムーブ 公式ホームページ 千羽鶴をアップサイクルした「ONGAESHIプロジェクト」コラボモデル 季縁 この投稿をInstagramで見る 季縁-KIEN- kimono dress(着物ドレス)(@kien_kimonodress)がシェアした投稿 季縁は、京都を拠点にした着物リメイクのショップです。選りすぐりのヴィンテージ着物をメンテナンスし、新たな反物の状態にして、それを現代の生活に合うよう、ドレスなどへと再生。衣類の過剰生産に疑問を投げかけ、日本の美しい伝統文化を守っていく取り組みを行っています。「祖母が使っていた着物のサイズが自分の体形とマッチしない」「箪笥に眠っている着物をどうにかしたい」という方のために、持ち込んだ着物のアップサイクルも行っています。 季縁-KIEN 公式ホームページ アップサイクルアイテムで、エコとおしゃれを両立しよう 今回は、廃棄されるはずだったものを有効活用し、アップサイクルしたプロダクトを扱うファッションブランドをピックアップしました。洋服や靴、バッグを買おうとするとき、アップサイクルのブランドを選ぶことは、ファッションアイテムの大量生産にストップをかけ、ゴミを減らすというアクションに繋がります。 デザイン性と機能性が高いものが多く、エコであるのはもちろん、ファッションアイテムとして秀逸なものが揃うアップサイクルブランド。ぜひお気に入りのアイテムを見つけてみてはいかがでしょうか。

  • 大切なものだから人や環境を傷つけない選択を。国内のおすすめエシカルジュエリーブランド

    金や宝石などを使ったジュエリーは古くから人々を魅了し続けています。でもその美しいジュエリーの裏側で、人が傷つけられ自然が犠牲になっているとしたら…? ジュエリーは、生産する際の労働の搾取や環境破壊が大きな問題になっています。ずっと身に着けたいものだからこそ、生産過程が分かり、安心してつけられるものを選びたいですよね。 この記事では、エシカルジュエリーの魅力とおすすめのブランドをご紹介します! エシカルジュエリーとは? 出典:pexels.com エシカルとは直訳すると「倫理的な」という意味。つまり、エシカルジュエリーは、生産に携わる人や自然環境に十分に配慮されて作られているアクセサリーのことです。例えば生産する人の労働環境が守られていたり、生産過程における環境負荷が少ないなど、人や自然、動物を傷つけずに作られています。最近ではゴミになるはずだったものをアップサイクルして作られたアクセサリーも多く登場しています。 エシカルジュエリーのブランドでは、その生産の背景を明示して透明性を保っており、私たち消費者も安心して手に取ることができます。この記事では、国内でも増えてきているエシカルジュエリーブランドをご紹介します。 ジュエリーが抱えるたくさんの問題 出典:pexels.com 私たちの手に届くまで、ジュエリーはどのような過程をたどってきているのでしょうか。実は美しいジュエリーの裏側には、深刻な人権侵害や環境汚染などの問題がかくれているケースが珍しくありません。 例えば、金は採掘される際に、毒性の高い水銀が使われ、人々の健康や環境の大きな脅威になっています。鉱山の開発もたくさんの資源を必要とし、多くの二酸化炭素を排出するため、環境にとって優しいものとは言えません。また、ダイヤモンドはコンフリクトダイヤモンド(紛争ダイヤモンド)と呼ばれるものがあります。アフリカで内紛が起こっている地域では、ダイヤモンドが武器の調達資源になっていることがあるのです。劣悪な環境での低賃金労働や、児童労働も行われています。 これまでのジュエリーは、作る人の人権が守られていなかったり、環境汚染につながっているなど、多くの問題を抱えてきました。 エシカルジュエリーの特徴 出典:photo-ac.com そんなジュエリーの問題を解決すべく生まれたのが、人権や環境に配慮して作られているエシカルジュエリーです。エシカルジュエリーの特徴には以下のようなものがあります。 児童労働や強制労働などの労働搾取が行われていない採掘する人の労働環境が危険なものではないフェアトレード(生産者と公正な取引がなされている)生産者の自立支援が行われているリサイクルやアップサイクルされた素材を使用している自然環境に配慮している この中のひとつではなく、ブランドによってはいくつか、もしくはすべてに配慮して作られています。 毎日身に着けるもの、また、婚約指輪や結婚指輪など一生大切にしたいものは、誰も傷つけないエシカルジュエリーを選ぶのがおすすめです。 おすすめエシカルジュエリーブランド 国内で購入できるおすすめのエシカルジュエリーブランドを集めました。ぜひジュエリーを買う際の参考にしてみてください。 HASUNA 日本のエシカルジュエリーの中でもトップの人気を誇るHASUNA。創業者がインドで劣悪な環境の鉱山とそこで働く人に衝撃を受け、立ち上がったブランドです。自らの足で環境などを確かめ、素材は産地と採掘工程がわかるものを使っています。金は働く人や環境に配慮されたエシカルゴールドを使用。また、各国で生産者の自立支援も行っています。オンラインショップの他、表参道には路面店があり、他の都市でも取り扱い店舗があるので、手に取って見ることができるのも嬉しいポイントです。https://hasuna.com/ この投稿をInstagramで見る HASUNA | Perpetual Jewelry(@hasuna_official)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る HASUNA | Perpetual Jewelry(@hasuna_official)がシェアした投稿 ERATHRISE エシカルジュエリーの人気ブランド。ジュエリーの多くの素材は発展途上国で産出されます。そこで働く人々とフェアに、伝統を受け継ぎながら、プロダクトを作り出しているEARTHRISE。ジュエリーに使われているのは、紛争の資金源とならないダイヤモンドや、フェアトレードのゴールド・シルバーなど。人や環境に配慮された素材と、それを加工する職人の高い技術が、高品質のジュエリーを生み出しています。表参道に路面店があり、各地でポップアップも開催しています。https://earthrise-j.com/ この投稿をInstagramで見る エシカルジュエリーEARTHRISE Official(@earthrise_j)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る エシカルジュエリーEARTHRISE Official(@earthrise_j)がシェアした投稿 MOTHERHOUSE 「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもとバングラディッシュからスタートしたMOTHERHOUSE。今では関東に20店舗以上、近畿に8店舗、その他の地域や海外にも店舗が増え続けている人気バッグブランドです。もともとバングラディッシュで作られるバッグの販売から始まりましたが、現在はスリランカやミャンマー、ネパールのジュエリーも販売しています。石の個性を大切に、現地の職人の技術を生かして作られるネックレスやピアスは、ネーミングから強いメッセージ性を感じるものばかり。給与水準の高さや昇給制度など、現地ではトップクラスで働く環境が整備されています。https://www.mother-house.jp/ この投稿をInstagramで見る マザーハウス(@motherhouse_official)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る マザーハウス(@motherhouse_official)がシェアした投稿 GYPPHY どんなファッションやシーンにも合う、ファッショナブルなジュエリーが楽しめるエシカルジュエリーブランド。GYPPHYでダイヤモンドの代わりに使われるのは、人の手によって合成された宝石であるモアサナイト。モアサナイトは、ダイヤモンドにまさると言われる輝きと耐久性が大きな特徴です。鉱山開発もせず紛争の資金源にもならないモアサナイトは、まさにエシカル。最近は世界でファッション感度の高い人たちからの支持を集めている、新しい時代のジュエリーです。また、ゴールドやシルバーは、採掘の際に環境負荷を低減し、働く人の環境など、厳しく基準を設け、それをクリアしたものを使用。手に入れやすい価格も人気の理由の一つです。https://gypphy-shop.com/ この投稿をInstagramで見る GYPPHY/ジプフィー モアサナイト(@gypphy)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る GYPPHY/ジプフィー モアサナイト(@gypphy)がシェアした投稿 sabolon 環境に配慮した素材を使ったりアップサイクルされた素材を使うのも、エシカルジュエリーの特徴のひとつ。Sabolonでは、海岸に漂着したプラスチックを使用してアクセサリーを作っています。クリエイターが海に出向き、海洋プラスチックを回収。その海洋プラスチックは、ひとつひとつデザインされ、思いのこもった加工を経て、かわいいアートのようなアクセサリーへと変身します。ひとつとして同じものがないアクセサリーは、身に着けるたびに海の大切さを思い出させてくれます。https://sobolon3695.thebase.in/ この投稿をInstagramで見る 海洋プラスチックジュエリーsobolon(そぼろん)(@sobolon3695)がシェアした投稿 大切なジュエリーだから他の人や環境を傷つけないエシカルなものを 出典:pexels.com 今回は、おすすめのエシカルジュエリーブランドをご紹介しました。毎日身に着けるもの、特別な日にプレゼントしたいもの、一生大切にしたいものだから、背景を知り、きちんと選びたいもの。美しいと思って購入しても、その裏で環境や人を傷つけていたら悲しいですよね。 私たち一人ひとりが、ジュエリーの素材がどこからきてどのように作られているかを知り、人にとっても自然にとっても優しいエシカルジュエリーを選ぶこと。そのことが、ジュエリーの裏にひそむ問題の解決への一歩となっていくのではないでしょうか。

  • 環境にも人にも優しいサステナブルファッション。今日から私たちにできることとは

    私たちの生活を彩ってくれるファッション。しかし今アパレル産業は、持続可能ではない仕組みが大きな問題になっています。ファストファッションなどの広まりで、私たちがより自由に楽しく洋服を選べるようになった一方で、大量生産・大量消費が行われています。それは、生産の段階で作る人の低賃金労働に繋がることもあり、環境への負荷も大きくなります。また、すぐに買い替えることで大量の廃棄が生まれてしまうのです。 自然環境や生産に携わる人、動物を傷つけないファッションとは。この記事では、今日から始められるサステナブルなアクションをご紹介します。 サステナブルファッションとは? サステナブルファッションとは、「衣服の生産の段階から、着用、廃棄に至るまで持続可能である取り組み」のことです。 具体的には、以下のようなことが挙げられます。 生産から廃棄に至るまで、環境への負担が最小限に抑えられていること 素材は環境に優しいオーガニック素材や、リサイクル・アップサイクルされた素材を使用していること 作り手の健全な労働環境が守られていること 動物を殺傷せずに作られていること 生産する側は環境や人に配慮した商品開発を行い、消費者は商品ができる背景を知った上で商品を選んでいくことが、サステナブルファッションに繋がると言えます。 1枚の洋服の生産が環境にかける負荷 原材料の調達から始まり、生産、輸送、販売を経て私たちのもとに届く洋服。その過程だけでも、環境に対して実に多くの影響を与えています。 原材料を見ると、コットンなどの天然繊維は栽培において多量の水を必要とし土壌汚染にも繋がる一方で、合成繊維も石油資源などを使用しています。生産する段階でも工場などで水を多量に使用し、CO2も多く排出しています。 日本で小売りされている洋服は約98%が海外製。日本へ商品を輸送する際にもCO2が多く排出されることになるのです。原材料調達から輸送までの生産過程において、服一枚あたりに換算すると、CO2の排出が約25.5kg、約2,300ℓもの水が使われているとされています。私たちが何気なく購入、着用、廃棄する洋服が作られるのに、想像を超える大きな環境負荷がかけられているのです。 手放された半数以上の洋服がごみとして廃棄に 洋服を購入したあと、着用から手放すまでの洋服の扱いもまた大きな課題になっています。一人当たりの衣服の利用状況を見ると、手放す洋服よりも、購入する洋服の方が多くなっており、一年間一度も来ていない洋服は一人当たりに換算すると25枚もあるとされています。 また洋服を手放す際には、ごみとして廃棄される処分方法がリサイクルやリユースを大きく上回り、日本国内だけでも一日平均で、大型トラック約130台分もの洋服が焼却・埋立処分されているのです。 大量生産と低価格がもたらす労働問題 大量生産と低価格の洋服がもたらすのは、環境への負荷だけではありません。2013年にバングラディッシュで起こった、「ラナ・プラザの悲劇」と呼ばれるビル崩落事故。死者1100名以上、負傷者2500名以上というこの悲惨な事故は、今のアパレルの生産構造がもたらすひずみが世に知れ渡る大きなきっかけとなりました。縫製工場、商店、銀行などがひしめき合っていたラナ・プラザ。ビルは違法に増築されており、亀裂が見つかっていたのにも関わらず放置された末に、大型発電機と数千台のミシンの振動がきっかけとなって崩壊したとされています。 バングラディッシュには、安価な労働力を求めて欧米や日本からたくさんのファッションブランドが進出していましたが、生産現場は劣悪な労働環境だったのです。この事故をきっかけに、ファッション業界において健全な労働環境や作り手との公正な取引(フェアトレード)が叫ばれるようになりました。 ファーやウールなど動物を殺傷し作られている素材も 環境の負荷が最小限に抑えられていること、立場の弱い生産者が搾取されていないことと同じく、生産する際に動物を傷つけていないこともサステナブルファッションの大きな要の一つです。生産のときに動物が傷つけられるファッションは、リアルファーやウールなどが例として挙げられます。 リアルファーは、キツネやウサギ、ミンクなどの動物の毛を利用しますが、それは殺された動物から刈り取られています。ファーをとるために飼われている動物は狭い金網などの劣悪な環境で育てられ、乱暴に扱われ、残虐な方法で殺傷されるのです。 プラダやグッチなど世界的なハイブランドをはじめ、今では多くのファッションブランドがファーフリー(毛皮の不使用)を宣言しています。日本における毛皮の輸入量も減少傾向にありますが、依然としてリアルファーを使用したファッションアイテムは流通しています。 また、広くは知られていませんが、ウールの生産現場において「ミュールジング」が採用されている場合もあります。ミュールジングとは子羊のときに汚れの溜まりやすいお尻の部分を切り取ってしまうことです。効率的に毛を刈り取ることができ生産性が上がるミュールジングですが、無麻酔で行われるため羊に大きな苦痛をもたらします。イギリスやニュージーランドなどではすでに廃止されている一方で、オーストラリアなどのウールの生産現場では規制などは特にありません。 サステナブルファッションのために私たちができること 想像よりはるかに大きな負担を環境にかけ、商品によっては生産者や動物を傷つけた先にあるかもしれない私たちの衣服。 ここからは、ファッションが持続可能なものであるために、私たち一人ひとりができることをご紹介します。 ①本当に必要なのか、衝動買いではないかを考える 私たちは、どのくらいクローゼットの中を把握しているでしょうか。必要であるか考える前に衝動的に購入した洋服はどのくらいあるでしょうか。実は、私たちの64%は自分の持っている服を把握しないまま、新しい服を購入しているという環境省のデータがあります。また、今ある服をあと1年長く着れば、日本全体で年間約4万トンの廃棄物の削減になるとされています。 本当に必要な時に、必要な分だけ購入すること。衝動買いをする前にもう一度必要かどうかを考えること。簡単なことですが、それがサステナブルファッションの大前提です。 ②フリマアプリやリサイクルショップを活用する 近年利用者が増えてきているフリマアプリやリサイクルショップでは、まだまだ着用できる洋服が売られています。新品同様の物が売られていたり、お店にはもう並んでいない限定品などを購入できる場合も。欲しいものがあったときはまず、そのようなショップを確認してみましょう。 洋服を手放すときにも、はじめからごみとして処分することを選ぶのではなく、フリマアプリに出品したり、他の人に譲るという方法を検討してみることが大切です。 まだ着られる洋服を廃棄してごみを増やすのではなく、なるべく再利用できるかたちをとることは、CO2の削減にもつながります。 ③クルエルティフリー・アニマルフレンドリーであるか確認する クルエルティフリーとは、残虐性(=cruelty)がない(=free)ということ。つまり商品を作るうえで動物を傷付けたり殺したりしていないことを指します。近年は技術の進歩とともに、エコファーなどが出回るようになっています。またレザーも本革やフェイクレザーの端切れを使用し、生産過程において環境に配慮されたつくりのエコレザーも充実してきています。 おしゃれのために動物を殺したり傷つけたりすることがないよう、リアルファーなどは買わないという選択を。 ④受注生産など在庫を持たない仕組みを持っているブランドを選ぶ シーズンや流行によって売れ行きが変わる洋服。その在庫を大量にかかえるということは、廃棄になる洋服が増える可能性があるということ。受注生産であれば顧客の注文を受けてから生産をはじめるため、在庫を最小限に抑えることができます。販売前に予約を受けてから必要分を発注するお店もあります。オーダーが入った時に作る、売れる予定のものを必要分だけ発注する、といった仕組みであれば無駄な在庫を作りません。 ⑤リサイクル、またはアップサイクル素材を使用しているものを選ぶ リサイクルは、ごみを一度資源に戻してそこから再び製品を作ること。最近注目されているアップサイクルとは、廃棄される予定だったもの(本来は廃棄されるもの)にデザインなどを加えることにより、そのモノの価値を高めることです。例えば捨てられるはずだった生地で新たに洋服を作る、流行りが終わってしまったファッショングッズをリメイクするなどがアップサイクルといえます。 リサイクルやアップサイクルされた素材を使用した洋服を取り入れることは、資源の有効活用に繋がります。 ⑥フェアトレードの商品を選ぶ フェアトレードとは生産者との公正な取引のことを指します。大量生産で極端にコストの安い商品の裏側には、低賃金なうえに過酷な環境下で労働させられる作り手がいる可能性があります。グローバル化が進んだことにより、そのような労働を強いられているのは主に発展途上国の人たちです。 衣服を購入することによって、生産者を搾取するようなことがないよう、フェアトレードのマークや記載があるかどうかをチェックしてみましょう。 環境や作り手のことを配慮しながらファッションを楽しむ 私たちにできることは、今ある洋服を大切にし、手放すときの方法を考えること。購入するときは本当に必要かどうかを考えた上で、どのような素材を使って、どのように作られているかという商品の背景を知ることが大切です。 環境負荷の高いものや生産者を搾取するもの、動物を傷つけるものは購入しないという私たち一人ひとりの選択が、ファッションを持続可能なものへとしていく大事なアクションになります。 【参考】環境省ホームページ https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/

  • ファッションに改革を。SETCHUが実現するサステナブルな未来【現地取材】

    今世界が注目するミラノ発のファッションブランド、SETCHU。最近日本での販売も開始され、その勢いは加速する一方です。生地やデザインへのこだわりだけでなく、ファッションが環境に与える多大な負荷を解決するため、サステナビリティを実現するSETCHUの魅力をイタリアからレポートします。 日本人デザイナーが手掛ける和洋折衷ブランド 東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ミラノ。桑田悟史さんは、世界各地のモード発信地で経験を積んだファッションデザイナーだ。ロンドンの歴史ある高級テーラー街サヴィル・ロウで働き、ジバンシィのシニアデザイナーとしてオートクチュールを手がけるなど、ファッションの真髄に携わってきた。 上質と洗練、ファッションを知り尽くした桑田さんが、ミラノで自らのブランド「SETCHU」を立ち上げた。日本文化の面白さを世界に発信したいという思いから、ブランド名は「和洋折衷」に由来する。 ブランドのテーマは「アーティザン(クラフトマンシップ)」「タイムレス」そして「旅行」。洋と和、性別、時代、伝統と斬新など、全てのボーダーを取り払ったデザインは、服だけでなく靴、鞄、傘、器などライフスタイル全般に及ぶ。 近年、ファッション業界が環境に与える負荷の大きさが取り沙汰されている。中でも服や生地の廃棄量は凄まじく、増加の一途を辿る。その現実を目の当たりにしてきた桑田さんが、SETCHUで実現しているサステナビリティとは。 ①ブランドから出る上質な余剰在庫生地の利用 まず桑田さんが着目したのは、余剰在庫生地。ブランドに購入されなかった、または返品された大量の生地が、生地工場の倉庫に廃棄待ち状態で眠っている。 一流ブランドの生地を手がける、北イタリアにあるコモのシルク工場。そこで廃棄の運命にあった、希少で美しい織りの生地を見つけた。それに最終加工を施し、ハンカチーフとクッションを作って製品にした。 最終加工前の生地を見定めて、工場と密にやりとりしながら理想の生地に仕上げて、製品にしていく。大手メゾンに比べ格段に小規模なオーダーを依頼しても、相手にされないことが多い世界。しかし、多くの一流の工場や職人がSETCHU のブランドコンセプトに共感し、桑田さんの熱意に応える形で協力してくれる結果となった。 ②長く着られるディテールとデザイン 年齢と時代を問わずずっと着られる、上質な服。英国王室ご用達でもあるサヴィル・ロウで、100年以上前のスーツのお直しなどにも携わりながら、桑田さんが行き着いたコンセプトだ。 シーズン毎に発表するコレクションは、流行によって「流す」のではなく「重ねて」いくことで、ブランドという木を育てていくビジョンを持つ。エルメスやクリスチャン・ディオールなど、一握りの高級ブランドに見られる価値観だ。 例えば、ファッション関係者たちが一目惚れし、自身用に購入する人が続出したジャケット「ENRICO」。旅と釣りを愛する桑田さんにとって、折り紙のようにスーツケースに折り畳める軽量のジャケット作りは必然だった。 服は縫い目が少ないほど長持ちするため、ノーダーツなどの工夫を細部にこらしながら、縫い目を最小限に抑えている。ウールヴィスコースの生地に刻まれた、ユニークな折り目とゆったりしたダブルボタンの美しいデザインは、私たち日本人には羽織を連想させる。帯のようなベルトを縛ると、女性らしいシルエットが生まれるなど、様々な表情が楽しめる。性別や年齢を選ばないENRICOジャケットは、シーズンごとに異なる生地で展開されていく。 ③環境への負荷を抑えた配送方法 SETCHUの配送におけるサステナビリティのポイントは、2点ある。 一つ目は、コンパクトなパッキング。薄く軽量な生地で作られ、折りたためるデザインの服が多いため、一箱に何着も入れて輸送できる。 もう一つは、商品の梱包袋が「リサイクル素材を使ったリサイクル可能なもの」であること。「RECYCLED & RECYCABLE」であることが、サステナビリティのあるべき姿の一つだと桑田さんは考える。 その他、100%リサイクルペットボトル製の生地を採用したり、長持ちしにくいニット素材には強度の高いウールを混ぜるなど、一つ一つの素材にこだわり抜く。 持続可能なファッションを、実現可能へ 将来は、SETCHUの自社牧場を持ち、コットンから栽培したいと語る。目から鱗の発想だが、気がつけばウール用の羊に囲まれた桑田さんの姿まで想像できてしまうほど、有言実行の人だ。その世界では、更なるサステナビリティが実現しているに違いない。 SETCHUhttps://www.laesetchu.com

  • サステナブルにファッションを楽しめるアップサイクルブランド5選

    この数年でファッション業界でもSDGsやリサイクルにフォーカスした取り組みが進んでおり、SNSを中心にさまざまな情報が発信されています。その取り組みのなかでも捨てられるはずだったものや材料を価値のあるものに作り直し、新しいプロダクトとして蘇らせる「アップサイクル」が注目されています。 本記事は、アップサイクルの概要と、日本各地で展開するアップサイクルのブランドについて紹介していきましょう。 アップサイクルとは? 出典:pexels.com アップサイクルとは、商品の製造行程によって出された廃棄物や副産物、素材の損傷・劣化などで使えなくなったものを、デザインし直し、全く別の新しいプロダクトとして創り出すことを指します。 廃棄物を活用することでゴミの削減になるため、CO2の削減など環境問題解決のためのアクションとして、今、注目されているリサイクル手法の一つです。 例えば耐用年数を越えたソーラーパネルをテーブルとして利用したり、擦り切れたタイヤをカバンに作り変えたりと、アップサイクルは家具業界からファッション業界まで、さまざまな業界で注目されています。 アップサイクルの例 出典:pexels.com 実は私たちの身の回りにもアップサイクルの例があります。一例を紹介していきましょう。 ・規格外野菜:スイーツやお菓子の素材として活用 ・海洋プラスチックごみ:プレートやランプシェードのかさとして活用 ・不要なパウダー系コスメアイテム:特殊処理してアート(絵)の素材として活用 ・オフィスや学校の廃棄物:キャビネットや跳び箱を家具としてリメイク ・自転車チューブ:ベルトの素材としてリメイク ・破棄される生花:ドライフラワーとして活用 このように実にさまざまなアップサイクルのプロダクトがあります。視点を変えるだけで、新たな付加価値が生まれるということがわかりますね。 おすすめアップサイクルのファッションブランド ユニクロやH&Mでは、不要になった衣料を回収し、それらを加工し、新しい衣服として生み出す取り組みが進んでいます。こちらの2つ以外にも、独自のアイデアで、アップサイクルに取り組んでいるファッションブランドがありますので、おすすめを紹介していきましょう。 Öffen(オッフェン) この投稿をInstagramで見る Öffen / オッフェン(@offen_gallery)がシェアした投稿 Öffen(オッフェン)は、今、深刻な社会問題になっているプラスチックゴミに着目。シューズの素材にペットボトルをリサイクルした糸を活用しています。製造工程を極力少なくすることで、工場のCO2削減にも尽力。シンプル、かつ上品な雰囲気が漂うデザインは、ファンやフォロワーの心を惹きつけています。 Öffen(オッフェン)公式ホームページ LOVST TOKYO この投稿をInstagramで見る LOVST TOKYO(@lovst_tokyo)がシェアした投稿 LOVST TOKYOは、廃棄リンゴから生まれた「アップルレザー」を中心に野菜やフルーツなどをアップサイクルしたリュックやハンドバッグなどを販売。リンゴを加工する際に出る大量のリンゴの絞りかす(皮や芯)をどうにかしたいと開発されたアップルレザー。レザーの風合いを維持できるよう、適切な分量で樹脂と配合し、撥水性にも優れています。 LoVst-Tokyo 公式ホームページ nest Robe この投稿をInstagramで見る nest Robe(@nest_robe)がシェアした投稿 nest RobeのUpcycleLino(アップサイクルリノ)シリーズは、深刻な問題の一つである衣料ロスに着目。裁断くずができるだけでないように自社工場で工夫を重ねたうえで、製作のプロセスでどうしても発生する裁断くずを再び糸にする方法を考案。裁断くずは細かく粉砕、原綿の状態にし、オーガニックのバージン綿と一緒に紡いで糸を作り上げています。自社の商品の裁断くずを原料とし、商品を作り、自社で売るという完全循環型の仕組みとなっています。もともと糸からこだわって選定しているので、上質な生地の衣服が出来上がります。 nest Robe 公式ホームページ SPINGLE MOVE(スピングルムーヴ) この投稿をInstagramで見る スピングルムーヴ公式アカウント(@spingle_move)がシェアした投稿 シューズブランド「SPINGLE MOVE」は、広島県府中市に本社を構える株式会社スピングルカンパニーによる日本製ハンドメイドスニーカーブランド。こちらのブランドでは、「ONGAESHIプロジェクト」として、国内外から広島や長崎に送られる千羽鶴を、再生糸として加工し、シューズの生地としてアップサイクルをしています。このプロジェクトには、千羽鶴が新しい製品に生まれ変わり、平和を願う人々の元に届いてほしいという願いが込められています。 スピングルムーブ 公式ホームページ 千羽鶴をアップサイクルした「ONGAESHIプロジェクト」コラボモデル 季縁 この投稿をInstagramで見る 季縁-KIEN- kimono dress(着物ドレス)(@kien_kimonodress)がシェアした投稿 季縁は、京都を拠点にした着物リメイクのショップです。選りすぐりのヴィンテージ着物をメンテナンスし、新たな反物の状態にして、それを現代の生活に合うよう、ドレスなどへと再生。衣類の過剰生産に疑問を投げかけ、日本の美しい伝統文化を守っていく取り組みを行っています。「祖母が使っていた着物のサイズが自分の体形とマッチしない」「箪笥に眠っている着物をどうにかしたい」という方のために、持ち込んだ着物のアップサイクルも行っています。 季縁-KIEN 公式ホームページ アップサイクルアイテムで、エコとおしゃれを両立しよう 今回は、廃棄されるはずだったものを有効活用し、アップサイクルしたプロダクトを扱うファッションブランドをピックアップしました。洋服や靴、バッグを買おうとするとき、アップサイクルのブランドを選ぶことは、ファッションアイテムの大量生産にストップをかけ、ゴミを減らすというアクションに繋がります。 デザイン性と機能性が高いものが多く、エコであるのはもちろん、ファッションアイテムとして秀逸なものが揃うアップサイクルブランド。ぜひお気に入りのアイテムを見つけてみてはいかがでしょうか。

  • 大切なものだから人や環境を傷つけない選択を。国内のおすすめエシカルジュエリーブランド

    金や宝石などを使ったジュエリーは古くから人々を魅了し続けています。でもその美しいジュエリーの裏側で、人が傷つけられ自然が犠牲になっているとしたら…? ジュエリーは、生産する際の労働の搾取や環境破壊が大きな問題になっています。ずっと身に着けたいものだからこそ、生産過程が分かり、安心してつけられるものを選びたいですよね。 この記事では、エシカルジュエリーの魅力とおすすめのブランドをご紹介します! エシカルジュエリーとは? 出典:pexels.com エシカルとは直訳すると「倫理的な」という意味。つまり、エシカルジュエリーは、生産に携わる人や自然環境に十分に配慮されて作られているアクセサリーのことです。例えば生産する人の労働環境が守られていたり、生産過程における環境負荷が少ないなど、人や自然、動物を傷つけずに作られています。最近ではゴミになるはずだったものをアップサイクルして作られたアクセサリーも多く登場しています。 エシカルジュエリーのブランドでは、その生産の背景を明示して透明性を保っており、私たち消費者も安心して手に取ることができます。この記事では、国内でも増えてきているエシカルジュエリーブランドをご紹介します。 ジュエリーが抱えるたくさんの問題 出典:pexels.com 私たちの手に届くまで、ジュエリーはどのような過程をたどってきているのでしょうか。実は美しいジュエリーの裏側には、深刻な人権侵害や環境汚染などの問題がかくれているケースが珍しくありません。 例えば、金は採掘される際に、毒性の高い水銀が使われ、人々の健康や環境の大きな脅威になっています。鉱山の開発もたくさんの資源を必要とし、多くの二酸化炭素を排出するため、環境にとって優しいものとは言えません。また、ダイヤモンドはコンフリクトダイヤモンド(紛争ダイヤモンド)と呼ばれるものがあります。アフリカで内紛が起こっている地域では、ダイヤモンドが武器の調達資源になっていることがあるのです。劣悪な環境での低賃金労働や、児童労働も行われています。 これまでのジュエリーは、作る人の人権が守られていなかったり、環境汚染につながっているなど、多くの問題を抱えてきました。 エシカルジュエリーの特徴 出典:photo-ac.com そんなジュエリーの問題を解決すべく生まれたのが、人権や環境に配慮して作られているエシカルジュエリーです。エシカルジュエリーの特徴には以下のようなものがあります。 児童労働や強制労働などの労働搾取が行われていない採掘する人の労働環境が危険なものではないフェアトレード(生産者と公正な取引がなされている)生産者の自立支援が行われているリサイクルやアップサイクルされた素材を使用している自然環境に配慮している この中のひとつではなく、ブランドによってはいくつか、もしくはすべてに配慮して作られています。 毎日身に着けるもの、また、婚約指輪や結婚指輪など一生大切にしたいものは、誰も傷つけないエシカルジュエリーを選ぶのがおすすめです。 おすすめエシカルジュエリーブランド 国内で購入できるおすすめのエシカルジュエリーブランドを集めました。ぜひジュエリーを買う際の参考にしてみてください。 HASUNA 日本のエシカルジュエリーの中でもトップの人気を誇るHASUNA。創業者がインドで劣悪な環境の鉱山とそこで働く人に衝撃を受け、立ち上がったブランドです。自らの足で環境などを確かめ、素材は産地と採掘工程がわかるものを使っています。金は働く人や環境に配慮されたエシカルゴールドを使用。また、各国で生産者の自立支援も行っています。オンラインショップの他、表参道には路面店があり、他の都市でも取り扱い店舗があるので、手に取って見ることができるのも嬉しいポイントです。https://hasuna.com/ この投稿をInstagramで見る HASUNA | Perpetual Jewelry(@hasuna_official)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る HASUNA | Perpetual Jewelry(@hasuna_official)がシェアした投稿 ERATHRISE エシカルジュエリーの人気ブランド。ジュエリーの多くの素材は発展途上国で産出されます。そこで働く人々とフェアに、伝統を受け継ぎながら、プロダクトを作り出しているEARTHRISE。ジュエリーに使われているのは、紛争の資金源とならないダイヤモンドや、フェアトレードのゴールド・シルバーなど。人や環境に配慮された素材と、それを加工する職人の高い技術が、高品質のジュエリーを生み出しています。表参道に路面店があり、各地でポップアップも開催しています。https://earthrise-j.com/ この投稿をInstagramで見る エシカルジュエリーEARTHRISE Official(@earthrise_j)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る エシカルジュエリーEARTHRISE Official(@earthrise_j)がシェアした投稿 MOTHERHOUSE 「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもとバングラディッシュからスタートしたMOTHERHOUSE。今では関東に20店舗以上、近畿に8店舗、その他の地域や海外にも店舗が増え続けている人気バッグブランドです。もともとバングラディッシュで作られるバッグの販売から始まりましたが、現在はスリランカやミャンマー、ネパールのジュエリーも販売しています。石の個性を大切に、現地の職人の技術を生かして作られるネックレスやピアスは、ネーミングから強いメッセージ性を感じるものばかり。給与水準の高さや昇給制度など、現地ではトップクラスで働く環境が整備されています。https://www.mother-house.jp/ この投稿をInstagramで見る マザーハウス(@motherhouse_official)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る マザーハウス(@motherhouse_official)がシェアした投稿 GYPPHY どんなファッションやシーンにも合う、ファッショナブルなジュエリーが楽しめるエシカルジュエリーブランド。GYPPHYでダイヤモンドの代わりに使われるのは、人の手によって合成された宝石であるモアサナイト。モアサナイトは、ダイヤモンドにまさると言われる輝きと耐久性が大きな特徴です。鉱山開発もせず紛争の資金源にもならないモアサナイトは、まさにエシカル。最近は世界でファッション感度の高い人たちからの支持を集めている、新しい時代のジュエリーです。また、ゴールドやシルバーは、採掘の際に環境負荷を低減し、働く人の環境など、厳しく基準を設け、それをクリアしたものを使用。手に入れやすい価格も人気の理由の一つです。https://gypphy-shop.com/ この投稿をInstagramで見る GYPPHY/ジプフィー モアサナイト(@gypphy)がシェアした投稿 この投稿をInstagramで見る GYPPHY/ジプフィー モアサナイト(@gypphy)がシェアした投稿 sabolon 環境に配慮した素材を使ったりアップサイクルされた素材を使うのも、エシカルジュエリーの特徴のひとつ。Sabolonでは、海岸に漂着したプラスチックを使用してアクセサリーを作っています。クリエイターが海に出向き、海洋プラスチックを回収。その海洋プラスチックは、ひとつひとつデザインされ、思いのこもった加工を経て、かわいいアートのようなアクセサリーへと変身します。ひとつとして同じものがないアクセサリーは、身に着けるたびに海の大切さを思い出させてくれます。https://sobolon3695.thebase.in/ この投稿をInstagramで見る 海洋プラスチックジュエリーsobolon(そぼろん)(@sobolon3695)がシェアした投稿 大切なジュエリーだから他の人や環境を傷つけないエシカルなものを 出典:pexels.com 今回は、おすすめのエシカルジュエリーブランドをご紹介しました。毎日身に着けるもの、特別な日にプレゼントしたいもの、一生大切にしたいものだから、背景を知り、きちんと選びたいもの。美しいと思って購入しても、その裏で環境や人を傷つけていたら悲しいですよね。 私たち一人ひとりが、ジュエリーの素材がどこからきてどのように作られているかを知り、人にとっても自然にとっても優しいエシカルジュエリーを選ぶこと。そのことが、ジュエリーの裏にひそむ問題の解決への一歩となっていくのではないでしょうか。

  • 環境にも人にも優しいサステナブルファッション。今日から私たちにできることとは

    私たちの生活を彩ってくれるファッション。しかし今アパレル産業は、持続可能ではない仕組みが大きな問題になっています。ファストファッションなどの広まりで、私たちがより自由に楽しく洋服を選べるようになった一方で、大量生産・大量消費が行われています。それは、生産の段階で作る人の低賃金労働に繋がることもあり、環境への負荷も大きくなります。また、すぐに買い替えることで大量の廃棄が生まれてしまうのです。 自然環境や生産に携わる人、動物を傷つけないファッションとは。この記事では、今日から始められるサステナブルなアクションをご紹介します。 サステナブルファッションとは? サステナブルファッションとは、「衣服の生産の段階から、着用、廃棄に至るまで持続可能である取り組み」のことです。 具体的には、以下のようなことが挙げられます。 生産から廃棄に至るまで、環境への負担が最小限に抑えられていること 素材は環境に優しいオーガニック素材や、リサイクル・アップサイクルされた素材を使用していること 作り手の健全な労働環境が守られていること 動物を殺傷せずに作られていること 生産する側は環境や人に配慮した商品開発を行い、消費者は商品ができる背景を知った上で商品を選んでいくことが、サステナブルファッションに繋がると言えます。 1枚の洋服の生産が環境にかける負荷 原材料の調達から始まり、生産、輸送、販売を経て私たちのもとに届く洋服。その過程だけでも、環境に対して実に多くの影響を与えています。 原材料を見ると、コットンなどの天然繊維は栽培において多量の水を必要とし土壌汚染にも繋がる一方で、合成繊維も石油資源などを使用しています。生産する段階でも工場などで水を多量に使用し、CO2も多く排出しています。 日本で小売りされている洋服は約98%が海外製。日本へ商品を輸送する際にもCO2が多く排出されることになるのです。原材料調達から輸送までの生産過程において、服一枚あたりに換算すると、CO2の排出が約25.5kg、約2,300ℓもの水が使われているとされています。私たちが何気なく購入、着用、廃棄する洋服が作られるのに、想像を超える大きな環境負荷がかけられているのです。 手放された半数以上の洋服がごみとして廃棄に 洋服を購入したあと、着用から手放すまでの洋服の扱いもまた大きな課題になっています。一人当たりの衣服の利用状況を見ると、手放す洋服よりも、購入する洋服の方が多くなっており、一年間一度も来ていない洋服は一人当たりに換算すると25枚もあるとされています。 また洋服を手放す際には、ごみとして廃棄される処分方法がリサイクルやリユースを大きく上回り、日本国内だけでも一日平均で、大型トラック約130台分もの洋服が焼却・埋立処分されているのです。 大量生産と低価格がもたらす労働問題 大量生産と低価格の洋服がもたらすのは、環境への負荷だけではありません。2013年にバングラディッシュで起こった、「ラナ・プラザの悲劇」と呼ばれるビル崩落事故。死者1100名以上、負傷者2500名以上というこの悲惨な事故は、今のアパレルの生産構造がもたらすひずみが世に知れ渡る大きなきっかけとなりました。縫製工場、商店、銀行などがひしめき合っていたラナ・プラザ。ビルは違法に増築されており、亀裂が見つかっていたのにも関わらず放置された末に、大型発電機と数千台のミシンの振動がきっかけとなって崩壊したとされています。 バングラディッシュには、安価な労働力を求めて欧米や日本からたくさんのファッションブランドが進出していましたが、生産現場は劣悪な労働環境だったのです。この事故をきっかけに、ファッション業界において健全な労働環境や作り手との公正な取引(フェアトレード)が叫ばれるようになりました。 ファーやウールなど動物を殺傷し作られている素材も 環境の負荷が最小限に抑えられていること、立場の弱い生産者が搾取されていないことと同じく、生産する際に動物を傷つけていないこともサステナブルファッションの大きな要の一つです。生産のときに動物が傷つけられるファッションは、リアルファーやウールなどが例として挙げられます。 リアルファーは、キツネやウサギ、ミンクなどの動物の毛を利用しますが、それは殺された動物から刈り取られています。ファーをとるために飼われている動物は狭い金網などの劣悪な環境で育てられ、乱暴に扱われ、残虐な方法で殺傷されるのです。 プラダやグッチなど世界的なハイブランドをはじめ、今では多くのファッションブランドがファーフリー(毛皮の不使用)を宣言しています。日本における毛皮の輸入量も減少傾向にありますが、依然としてリアルファーを使用したファッションアイテムは流通しています。 また、広くは知られていませんが、ウールの生産現場において「ミュールジング」が採用されている場合もあります。ミュールジングとは子羊のときに汚れの溜まりやすいお尻の部分を切り取ってしまうことです。効率的に毛を刈り取ることができ生産性が上がるミュールジングですが、無麻酔で行われるため羊に大きな苦痛をもたらします。イギリスやニュージーランドなどではすでに廃止されている一方で、オーストラリアなどのウールの生産現場では規制などは特にありません。 サステナブルファッションのために私たちができること 想像よりはるかに大きな負担を環境にかけ、商品によっては生産者や動物を傷つけた先にあるかもしれない私たちの衣服。 ここからは、ファッションが持続可能なものであるために、私たち一人ひとりができることをご紹介します。 ①本当に必要なのか、衝動買いではないかを考える 私たちは、どのくらいクローゼットの中を把握しているでしょうか。必要であるか考える前に衝動的に購入した洋服はどのくらいあるでしょうか。実は、私たちの64%は自分の持っている服を把握しないまま、新しい服を購入しているという環境省のデータがあります。また、今ある服をあと1年長く着れば、日本全体で年間約4万トンの廃棄物の削減になるとされています。 本当に必要な時に、必要な分だけ購入すること。衝動買いをする前にもう一度必要かどうかを考えること。簡単なことですが、それがサステナブルファッションの大前提です。 ②フリマアプリやリサイクルショップを活用する 近年利用者が増えてきているフリマアプリやリサイクルショップでは、まだまだ着用できる洋服が売られています。新品同様の物が売られていたり、お店にはもう並んでいない限定品などを購入できる場合も。欲しいものがあったときはまず、そのようなショップを確認してみましょう。 洋服を手放すときにも、はじめからごみとして処分することを選ぶのではなく、フリマアプリに出品したり、他の人に譲るという方法を検討してみることが大切です。 まだ着られる洋服を廃棄してごみを増やすのではなく、なるべく再利用できるかたちをとることは、CO2の削減にもつながります。 ③クルエルティフリー・アニマルフレンドリーであるか確認する クルエルティフリーとは、残虐性(=cruelty)がない(=free)ということ。つまり商品を作るうえで動物を傷付けたり殺したりしていないことを指します。近年は技術の進歩とともに、エコファーなどが出回るようになっています。またレザーも本革やフェイクレザーの端切れを使用し、生産過程において環境に配慮されたつくりのエコレザーも充実してきています。 おしゃれのために動物を殺したり傷つけたりすることがないよう、リアルファーなどは買わないという選択を。 ④受注生産など在庫を持たない仕組みを持っているブランドを選ぶ シーズンや流行によって売れ行きが変わる洋服。その在庫を大量にかかえるということは、廃棄になる洋服が増える可能性があるということ。受注生産であれば顧客の注文を受けてから生産をはじめるため、在庫を最小限に抑えることができます。販売前に予約を受けてから必要分を発注するお店もあります。オーダーが入った時に作る、売れる予定のものを必要分だけ発注する、といった仕組みであれば無駄な在庫を作りません。 ⑤リサイクル、またはアップサイクル素材を使用しているものを選ぶ リサイクルは、ごみを一度資源に戻してそこから再び製品を作ること。最近注目されているアップサイクルとは、廃棄される予定だったもの(本来は廃棄されるもの)にデザインなどを加えることにより、そのモノの価値を高めることです。例えば捨てられるはずだった生地で新たに洋服を作る、流行りが終わってしまったファッショングッズをリメイクするなどがアップサイクルといえます。 リサイクルやアップサイクルされた素材を使用した洋服を取り入れることは、資源の有効活用に繋がります。 ⑥フェアトレードの商品を選ぶ フェアトレードとは生産者との公正な取引のことを指します。大量生産で極端にコストの安い商品の裏側には、低賃金なうえに過酷な環境下で労働させられる作り手がいる可能性があります。グローバル化が進んだことにより、そのような労働を強いられているのは主に発展途上国の人たちです。 衣服を購入することによって、生産者を搾取するようなことがないよう、フェアトレードのマークや記載があるかどうかをチェックしてみましょう。 環境や作り手のことを配慮しながらファッションを楽しむ 私たちにできることは、今ある洋服を大切にし、手放すときの方法を考えること。購入するときは本当に必要かどうかを考えた上で、どのような素材を使って、どのように作られているかという商品の背景を知ることが大切です。 環境負荷の高いものや生産者を搾取するもの、動物を傷つけるものは購入しないという私たち一人ひとりの選択が、ファッションを持続可能なものへとしていく大事なアクションになります。 【参考】環境省ホームページ https://www.env.go.jp/policy/sustainable_fashion/