東京都も検討を開始。全国で進む家庭ごみ有料化のメリットは?

今、家庭ごみ有料化が全国の自治体で進んでいます。23区を含む東京都の多くの地域では、これまで家庭ごみは、袋に入れて回収日に出せば無料で廃棄してもらえるのが一般的でした。しかし現在東京都は、都全域を対象に家庭ごみ有料化の実施を検討しています。

なぜ今、全国で家庭ごみ有料化が推進されているのでしょうか。それは、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか。有料化に伴うメリットとデメリット、そして私たちができることなどを考えていきます。

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なぜ検討が進む?東京の家庭ごみ有料化の背景とは

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現在、全国の多くの自治体ですでに導入されている家庭ごみ有料化。東京都の場合、自治体によって取り組みが異なっており、多摩地域などではすでに家庭ごみの処理は有料です。

東京都が家庭ごみ有料化を検討する背景には、廃棄物処理コストの増大や、埋め立て処分地がひっ迫している状況があります。

東京23区で発生する一般廃棄物は、最終的に東京都が設置・管理する中央防波堤外側埋立処分場と新海面処分場で埋立処分されます。新海面処分場に関しては、Aブロックの埋立は終了しており、Bブロックが使用されています。
しかし、このままのペースで埋め立てが進むと、それらの処分場は約50年後には満杯となり、限界に達するとみられています。

このような背景から、ごみの削減やリサイクルの促進を目的に、東京都でも家庭ごみ有料化が進められているのです。

 ゴミ袋有料化のメリット・デメリット

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次に、家庭ごみ袋有料化のメリットとデメリットを事例を交えて解説します。

メリット

家庭ごみ有料化のメリットは、ごみ排出量を削減できることです。すでに家庭ごみ有料化を行っている自治体のなかには、ごみの排出量が減り、リサイクル率が向上している事例もあります。栃木県日光市では、家庭ごみ有料化を実施したことで、家庭系燃えるごみの量が約20%減少し、焼却する施設運営費のコスト削減にもつながったそうです。

その後リバウンドは起こっているものの、一定の効果が見られる結果となりました。

一人ひとりが、ごみの処理にコストがかかるということを意識して生活することで、生活の中でごみを極力出さない工夫をするようになるのです。

デメリット

デメリットとして、市民の経済的な負担が増えることが挙げられます。様々な物価の値上げが続く今、ごみ袋が有料化になることで困る家庭は少なくありません。また、不法投棄がおこなわれたり、駅、コンビニ、公園等のごみ箱に家庭ごみが捨てられたりするなど、ごみを不適切に処分するケースが増えることが予想されます。それに対して、何らかの対策を考えなければなりません。

未来のためにも私たちにできること

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家庭ごみが有料化になる前に、私たちができることは、まずごみの排出量を減らし、しっかりと分別を行うこと。特に、使い捨てのプラスチック製品などの使用を避け、リサイクルや再利用可能な製品を積極的に選ぶことが重要です。

商品を購入する際に、手放す際の「捨てる」以外の選択肢を考えておくのも一つの方法でしょう。

日々の小さな習慣の積み重ねが、ごみの減量や環境負荷の軽減に大きく貢献します。家庭ごみ有料化を待たずとも、そのような意識改革は一人ひとりができるアクションなのではないでしょうか。

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この記事を書いた人

元専業主婦の編集ライター兼校正者。子育てや教育、美容、ライフスタイルを中心とした複数のジャンルで記事企画や執筆、インタビューに携わり、キャリアを重ねる。近年は、持続可能な社会環境づくりに関心を抱く。成人した娘と息子を持つ母。

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