10月は食品ロス削減月間。2024年最新の廃棄量と注目の取り組みは?

毎年10月は「食品ロス削減月間」です。資源の無駄に繋がるだけでなく、環境にも負荷をかけている食品ロスの削減は、持続可能な社会の実現に向けて、今すぐに取り組まなければならない課題の一つです。本記事では、食品ロスはどのくらい出ているのか、現在どのような取り組みが展開されているのかを見ていきましょう。

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毎年10月の食品ロス削減月間とは

出典:unsplash.com

「食品ロス削減月間」とは、政府が定めた食品ロス削減の意識を高めるための期間です。毎年10月16日は国連が定める「世界食料デー」となっており、日本でも2019年に施行された「食品ロス削減推進法」に基づき、この月間が設定されました。

農産物の収穫段階、加工過程、流通の中で発生する「フードロス」とスーパーやコンビニなどの小売店や、レストランなどの飲食店、各家庭で廃棄される「フードウェイスト」を合わせたものが「食品ロス」と呼ばれます。

食品ロスは、家庭で廃棄される食品も含まれるため、消費者の行動が反映されます。食品ロス削減月間は、事業者や企業だけでなく、私たち一人ひとりが食品のロスについて考える機会なのです。

食品ロス削減月間中は、全国の自治体や企業が啓発キャンペーンやイベントを通じて、食品ロスの削減に向けた具体的な行動を呼びかけています。 

食品ロスは何が問題?

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日本は食糧の多くを輸入に頼っているにも関わらず、その多くが食品ロスとして廃棄されているという現実があります。規格外、使いきれない、期限が迫ってきているなどの理由から発生する食品ロスは、持続可能な社会を目指すうえで、以下のような問題が指摘されています。

・生産時に使用する水や肥料、農地などの資源を無駄になる
・輸送時に発生する環境負荷が無駄になる
・廃棄物を処理する際に温室効果ガスであるCO2が発生する
・廃棄物の処理に費用が掛かる

現在、国内の食品ロスはどのくらい?

2024年6月に環境省が発表した「我が国の食品ロスの発生量の推移」によると、2022(令和4)年の国内の食品ロスは、約472万トンでした。この数値は、2021(令和3)年の約523万トンと比較すると、約1割の減少となっています。

出典:環境省|我が国の食品ロスの発生量の推移

国連の持続可能な開発目標(SDGs)では、2030年までに世界全体の1人当たりの食料廃棄の半減を目指しており、日本では、2030年度に489万トン(2000年度比の半減)とすることを目標としています。上記のグラフを見てもわかる通り、毎年減少傾向で、2022年度はこの目標を達成していますが、この先も減少させ続けていけるかが重要です。

企業や自治体が行う取り組みは?

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 2024年の食品ロス削減月間では、新しい取り組みが展開されています。

例えば、環境省や自治体は「3010運動」を呼びかけています。これは、飲食店での宴会などの際の食べ残しを減らすためのキャンペーンで、乾杯後30分間は席を離れずに食事を楽しみ、宴会が終わる10分前には自分の席に戻って再度料理を楽しもうというものです。食品ロスが出がちな宴会シーズンを中心に、呼びかけが行われています。

また、スーパーやコンビニでは、食品ロス削減に向けた具体的な対策として、お弁当などの値引き実施から一歩踏み込んで、販売期限が近い商品を購入した際にポイントが還元される制度を導入している事例があります。これにより、期限が迫った食品を購入する消費者が増え、廃棄される食品の量が減少しています。

企業や自治体は、余剰食品をフードバンクに寄付する取り組みを強化しています。企業は、大量の余剰食品を社会貢献の一環として食品を寄付する動きを加速。自治体やスーパー、コンビニなどでもフードバンクを実施している場所が多く見受けられます。これにより、食品ロス削減と同時に、食糧支援が必要な人々への貢献も進むのです。
また、規格外野菜などを使用した製品などの増加も顕著。捨てられるはずだった食品にアイデアを加えてアップサイクルすることにより、食品の新たな価値を生み出しています。

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私たちが食品ロス削減月間から始めたいこと

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家庭での食品ロス削減のためには、日常生活の大きなストレスとならないよう、小さな工夫を積み重ねていくことが大切です。
まずは、買い物の際には必要な分だけを購入し、家庭では食材を使い切る工夫を心がけましょう。そのためには、冷蔵庫やストックに何があるのかを把握しておくことが大切です。スーパーコンビニでは手前から並んでいるものから取る、いわゆる「てまえどり」を意識することもアクションの一つです。

また、直接的な行動ではないものの、食品ロス削減に繋がる製品を購入することで、食品ロス削減に積極的な企業を応援することも社会全体の食品ロスを減らしていくことに繋がっていくでしょう。

私たちにできる食品ロス削減のための取り組みは、一つではありません。10月は、自身の食との付き合いかたを見直し、持続可能な食の在り方を考えてみては。

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