人のための社会づくり。日本と世界の都市のソーシャルデザイン事例

みんなが住みやすい社会を作っていくためのソーシャルデザイン。
近年国内外で、人にフォーカスした社会づくりや街づくりが活発になっています。今回は、国内・海外から注目のソーシャルデザイン事例をピックアップ。もともとあった場所をどんな世代の人でも使えるようにバリアフリーにすることでみんなが集まれる場所へとリニューアルしたり、人と自然が共存できる場所を作ったりと、アイデアに溢れた場所がどんどん増えてきています。
各地でどんな取り組みが進んでいるのか見ていきましょう。

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日本のソーシャルデザイン事例3選

アーティストが提案する憩いの場「HIROPPA」(長崎県波佐見町)

「HIROPPA(ヒロッパ)」は、磁器づくりの歴史がある波佐見町に拠点を構え、波佐見焼の食器や雑貨を販売する企業、マルヒロが2021年10月にオープンした複合施設です。敷地内には国内外のアーティストが手がける作品が点在しているのが特徴です。
芝生をメインとした公園を中心とした施設には、コーヒーショップやマルヒロの直営店、キオスクを併設。
ベビーカーや車椅子でも回れるよう、バリアフリーの通路を完備するなど、老若男女どんな人でも楽しめるコミュニティースペースとなっています。
また、子どもたちに自由に遊びを楽しんで欲しいとい願いから、公園には一般的な遊具はあえて設置していません。
廃棄予定の波佐見焼を利用した白い「砂浜」など、気軽に地域の伝統に触れられる工夫が随所に施されています。

マルヒロ公式サイト https://www.hasamiyaki.jp/

HIROPPA公式サイト https://hiroppa.hasamiyaki.jp/

子どもも大歓迎のくつろげる空間にリニューアル(滋賀県立美術館)

1984年に開館した滋賀県立近代美術館。時代の変化に合わせて、敷居の高いイメージだった美術館から、どんな人も広く受け入れる「くつろげる美術館」を目指し、大幅な改修を経て、2021年6月に滋賀県立美術館としてリニューアルオープンしました。
ガラス張りの大きな窓から光が降り注ぐ、明るいキッズスペースには様々な空間設計がされています。琵琶湖をイメージしたという柔らかなフォルムのプレイマットの傍に本棚を設置し、遊びながら自然にアートと触れ合うことのできる仕掛けを施したり、椅子と机は低めにすることで乳児~小学生までの使用を可能にしています。また、授乳室のあるファミリールームやファミリートイレも完備。
大人の楽しむ場所のイメージが強い美術館が、幅広い年代の集う空間へと生まれ変わりました。

公式サイト https://www.shigamuseum.jp/

企業と警察が一緒に課題を解決(広島県尾道市)

広島県尾道市は、しまなみ海道のサイクリングの拠点となっており、レンタサイクルやサイクリストのための施設などが充実する「サイクリストの聖地」。
コロナ以前は年間30万超のサイクリストが訪れていましたが、来訪者の一部にはマナーやモラルに欠ける行為もあり、地元住民を悩ませていました。
尾道サイクリング協会は、2017年10月、事故防止とマナー啓発に役立てて欲しいとの願いを込めて、尾道署へポリス特別仕様の自転車5台を寄贈。
フラットバーを採用したハンドルや、誘導灯、サイドミラーを装備するなど警察官が使いやすいデザインとなっていて、坂道の多い尾道でも乗りやすいよう設計されています。
高い機能性を備えた自転車でパトロールする「サイクルポリス隊」は、尾道のまちづくりを支えるシンボル的存在です。

海外のソーシャルデザイン事例3選

使われなくなった街の電話ボックスを現代風にアップグレード(中国・上海)

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